編集長の狛犬日記 2010

編集長へのメール
2010.1024〜箱根神社
昨日、箱根へ行って来ました。
狛犬が目的ではありませんでしたが、コースに無理矢理「箱根神社」だけは組込んで。
この籠神社タイプの狛犬、写真では見ていましたが、実際に見るとなかなかイイですね。
苔の付き方も独特で、箱根の雰囲気にピタッと収まった感じです。
建立年代が不明なのが残念です。
2010.10.17〜横浜の狛犬も飛んでいた?!
横浜市金沢区野島の染王寺。
ここに飛び狛犬(逆立ち狛犬)がいるらしいとの情報を聞き、早速行ってみました。
寺の本堂前…おお、飛んでいるではないか!
しかし、近づいて良く見ると、瓦製だった。
そう、よくある屋根の上の鬼瓦(以前にもここで書きました)、どうやらそれを本堂前に台座を新調して据えたもののように見受けられます。
台座の銘は、平成13年10月吉日 施主黒川菊蔵とあり、台座とは別に立て札に「狛犬台座一対 黒川菊蔵」と記してありました。
まぁ、ちょっとガッカリだったことも事実ですが、それはそれとして、こうしてしっかり置かれているとなかなか面白くて、良い感じです。
ここのところ、この日記、間が空いてしまったので、少し前の話になりますが…
長い間探し続けていた本を入手することが出来ました。
橋本萬平著「狛犬をさがして」(昭和60年8月・精興社)。
橋本萬平氏は2006年に亡くなっていますが、円丈師匠が「私の参道狛犬の先生」と呼んでいる方。
この本は、参道狛犬中心に論じた本としては古典的名著と言われていますが、自費出版なので、入手ははなはだ困難とされているものです。
ネットオークションで見つけた時には思わず興奮してしまいました。
「もう、いくらまで値が上がろうと、絶対に手に入れる!」と固い決意で臨みました。
が、結果はほとんど競り合う相手がおらず、予想を遙かに下回る金額で入手することが出来ました。
今年最大の収穫!。
うれしくて、もったいなくて、なかなか読み始められませんでした、だいぶ時間が経って、最近やっと少しづつ読み始めています。
2010.8.29〜碓氷峠の狛犬
昨日、久々に事務局主催の「狛犬と寺社めぐり」に参加してきました。

お目当ては、長野県と群馬県の県境が神社の真ん中を通っているという熊野神社。
正確には、長野県側(狛犬は阿像)が熊野皇太神社、群馬県側(狛犬は吽像)が熊野神社。
一人ではとても行く気になれそうもない中山道の山の上、碓氷峠の神社です。

ここに東日本最古の狛犬がいる…と言うことはもちろん以前から情報としては知っていました。また、その真偽のほどについても色々言われていると言うことも。

そこで、その古さが本物なのか?を実感したくて、会いに行って来ました。
これが、その狛犬です。

立て札には、以前は「明徳年間(1390〜1394)の作」、現在は「室町時代中期(1450年頃?)の作」と伝えられる…と記されています。

いずれにしても、普段見ている狛犬たちに比べるとメチャクチャ古い訳です。
ただ、その年代が、体にも台座にも刻まれている訳ではなく、根拠が示されないまま、軽井沢町の教育委員会・文化財審議委員会がそう言っているという…

阿吽とも両足が補修してあります。
全体に風化・摩耗が激しく、特に阿像の顔は目も鼻もほとんど分かりません。(写真右)
吽像の顔はご覧のように、かろうじて顔と分かります。この顔、優しげな表情で、見る角度によってかなり違って見えます。
胴長のフォルム、特に阿像は印象的で、三宅さんが「狛犬の杜-4号」の狛犬紀行-1でオオサンショウウオ狛犬と呼びましたが、その愛称に肯けます。
左右〜阿吽像の表現の違いが顕著ですが、全体のフォルムと共に、尾が注目されます。下の写真をご覧下さい。
右側阿像は背中にちょこんと張り付いて普通のはじめ狛犬的ですが、吽像の尾(写真左)はこのように、虎の尾かと思うような表現になっています。
全体の印象としては、この狛犬は決して「古いと言われ」「古く見える」だけの狛犬ではないと感じました。
風化の具合、全体のありようは確かにかなり「古いもの」だと思います。

ただ、それが室町かと言われると、他に比較もなく、何とも言い難い気がします。
しかし、写真で見るのと、本物に会うのはやはりかなり違います。
実物を見て、触って、感じるものは大きい!
わざわざ行って良かった。見る価値のある狛犬でした。
2010.7.11〜くも狛犬とサッカー神社
先週の日曜日は、品川神社・浅間神社富士塚の富士山山開き。
私にとっては4回目で、すっかり年中行事(?)のような感じになりました。
年に1度はくも狛犬に会いに行ってあげたい…と言う思いから行くようになりました。
くも狛犬が一番輝く舞台だからです。
奉納から6年、すっかり周囲に馴染んでいます。
今年も無事会えたことに感謝しつつ、山開き行事を写真に収めて来ました。
前回の日記にサッカーのことを書きましたが、例会の時に「サッカーで話題の神社」の新聞記事コピーを頂きました。
八咫烏を神紋としていることで、サッカー日本代表との縁から、境内にワールドカップ必勝祈願の大絵馬が掲げられ、ファンで賑わっていると。
ところがその神社は、何と私の地元近く、横浜市港北区の神社だった!
あそこがそんな話題になっていたなんて知らなかったなぁ…
と言う訳で、昨日ちょっと行って来ました。
師岡熊野神社(横浜市港北区師岡町1137)〜下はここで見つけた八咫烏たち!
拝殿前の提灯に八咫烏!
手水鉢の正面に八咫烏のレリーフ!
屋根の上にも八咫烏の紋!
こんな絵馬が山のように掛けられていました。
何はともあれ、予選リーグ突破は素晴らしかった!
この神社には、かつてこんな狛犬がいました。
ところが今回、何処を見てもいない…
その代わり、昭和(岡崎)タイプのものに置き換わってしまっていました。
昭和33年のミカゲ製、そんなに破損があったとも思えないし、まだまだ現役を務められるはずだったのに…
新しい狛犬には平成18年大修造記念と記されていて、その時に廃棄されてしまったのか…残念です。
この15年前の写真は貴重なものとなってしまいました。
本殿の裏へ回ってみると、こんな光景が。一見キツネの様に見えますが……
後ろへ回るとこの尾!
キツネなら立っているはずの尾が、こんな風に下がって横へ長く延びています。
これは正しくオオカミではないか!
しかも。ここは御嶽社とある。
アバラも牙もハッキリせず、姿も表情もやさしいキツネ的ではあるのだが…
この写真では分かり難いが、両方とも子供がいて、特に左側は授乳している。
もしオオカミとすると、非常に珍しい存在と言うことになるかもしれない。
2010.6.25〜勝利八幡神社で必勝祈願!
先週の土曜日、「狛犬の杜」の印刷で浦和へ行った帰り、桜上水へ寄って来ました。
その名は勝利八幡神社。(世田谷区桜上水3-21-6)
サッカーワールドカップでの日本代表の必勝祈願にと。

享和2年の狛犬に会いたかったのですが、その狛犬に勝利祈願を。
1年中神社へ行っている訳ですが、個人的な祈願はほとんどしたことがありません。
が、今回だけはその神社の名に大いなる期待を込めて、いつもより賽銭を奮発(?)しての必勝祈願。

その甲斐あって、今日未明のデンマーク戦に快勝し、予選リーグ突破を果たした!
素晴らしい狛犬と、素晴らしい試合に拍手!

次からの決勝トーナメントにもまだ効き目が残っていますよう!
困ったのは、次のパラグアイ戦が例会の日に重なること…
今回だけは二次会パスだなぁ…

2010.6.13〜小石川後楽園と代々木八幡
先週の日曜日、取材で市谷亀岡八幡宮へ行って来ました。
もったいをつける訳ではありませんが、その話は次号「狛犬の杜」のトップ記事ですので、もう少しお待ち下さい。
で、その後、小石川後楽園と代々木八幡へ寄って来ました。
小石川後楽園の入口前には日中会館があり、別館の前に大きな狛犬がいるので、それもチェック。
その狛犬の台座背面の銘を調べていたら、「あやしいヤツめ、一体何をしているのだ!」という感じで館の警備員が飛んできた!
これが小石川後楽園、西行堂跡にいる狛犬です。
西行堂は戦災で焼失したとのことで、今は少し寂しくこの狛犬だけがいます。
吽の前脚や両方の尾など、破損が残念ですがなかなかの狛犬です。
大きくはありませんが、ボリューム感が豊かです。
後ろから見ると良くわかりますが、体の曲げ具合、ひねり具合がオモシロイ狛犬です。
銘が無いのが残念。
右の写真はオマケ。
園内にあったもの。何だか分かりますか?
「陰石」とあります…
次に、代々木八幡宮へ行きました。
6年ほど前に行ったのですが、その時は夕方で、薄暗い参道の低い位置にあるこの狛犬の写真が上手く撮れずブレブレ写真、ずっと気になっていたので…
以前と少し設置場所が変わってるようです。
この吽像はより撮影しやすい位置になっていました。
銘もしっかり再確認できました。

天明9月吉日5乙巳年
石工 杉浦清兵衛 蓮見七之助

代々木八幡宮と言えば、拝殿前に青山勝五郎・鈴木悦蔵銘の素晴らしい江戸狛犬が有名ですが、その拝殿の右奥に出世稲荷社があります。
何気なく行ってみると、稲荷特有の赤い幟旗が沢山並び、キツネも沢山いました。
まぁ、よく見る風景なのですが…


左下の写真がキツネ達です。
皆そろって赤い涎掛けをしています。


普段ならそのまま廻れ右してしまうのですが、何となく一番上まで行ってみると…
何とそこにいたのは、オオカミでした!
他のキツネと同じように赤い涎掛けをしていて一見わかりにくいのですが、この写真をご覧下さい。
アバラ、尾、牙、顔…これは間違いなくオオカミです。
残念ながら1体だけですが、かなり出来の良い彫りです。
このオオカミ、好きだなぁ!

直ぐ後ろに「登山四七度」という石碑があるので、富士講等山岳信仰関係の奉納なのでしょう。

それにしても、沢山並んだキツネの中にオオカミがいることは、ほとんどの人が知らないんだろうなぁ…
涎掛けを付けた人もキツネだと思ってたんだろうなぁ…
2010.5.5〜埼玉県南東部の江戸期狛犬
連休の前半、埼玉県南東部(東武伊勢崎線を中心に)の江戸期狛犬を中心に少し歩いてきました。
左はご存知、近津神社(杉戸町杉戸)の見返り狛犬です。
このサイトでも登場し、写真では何回も見ていましたが、実際に見て、やはり驚かざるを得ませんでした。
この真後ろからのアングルで、こんな顔の見える狛犬は!
この独特の姿ばかりではなく、全体の彫り自体もなかなか素晴らし狛犬です。
建立は元治元年(1864)
右は越谷香取神社(越谷市大沢)。
拝殿前の天保6年建立のものです。
ここには、参道入口に宝暦10年と安永9年の狛犬が並んで迎えてくれ、ワクワクします。
また、その参道の奥には灯籠を背に乗せた狛犬もいて、楽しくなります。
また、中には入れませんが、本殿横には文化8年の角と宝珠の付いた江戸尾立もいます。
北越谷駅から近いこともあり、狛犬ファンにはうれしい神社です。
上は岩槻区鈎上の神明宮。
拝殿前に屋根付きの小屋の中にいました。
残念ながら建立年等は不明ですが、江戸中期の作と思われます。
この神社には、他に天保9年の江戸タイプなど、3対の狛犬がいて楽しめます。
この左右の写真は越谷市越ケ谷の久伊豆神社。
訪れた日は縁日だったのか、屋台が沢山出て参詣の人も行列状態で大変な人波でした。
左の狛犬は拝殿前の文政10年の江戸玉獅子タイプ。
なかなかの出来です。
写真右は拝殿回廊にいる「はじめ狛犬」。
享保7年(1722)の奉納。
吽像にはご覧のように角が付いていますし、足止め狛犬としても有名です。
ここは草加市青柳の久伊豆神社。
新田の駅からはかなり離れていますが、タイミング良くバスに乗れたのでそれほど苦労なく行けました。
無人の小さな神社ですが、拝殿前にこの「はじめ狛犬」がいます。
何と、胸の刻みには宝永2年(1705)とあります。
こんなスゴイ狛犬が、こんな風に置かれているのは、ビックリでもあり、嬉しくもあり、心配でもあります。

短い間に埼玉県の11社、19対の狛犬に会ってきました。
また、その帰りには中野で友人と会い、6社10対の狛犬と。

…とまぁ、そんな風に狛犬三昧(?)の連休前半でした。
2010.4.18〜文京区散歩
今日は「狛犬の杜-77」の印刷。
帰りに池袋から丸ノ内線で茗荷谷のほうへ。
簸川神社へ寄って来ました。
末社前に寛政11年の江戸尾立がいます。
なかなかイイ感じです。
阿像は宝珠、吽像はツノがあります。
そして、そのツノなんですが、ご覧のようにちょっと変わっています。
ツノの周りが彫り込んであるのです。
このようなのは初めて見ました。
よくある頭に開いた穴との関連は?
円丈師種のデータには「江戸尾立角ギボシ目玉金」とありました。
以前は目玉が金色に塗られていたようです。
ここにはもう一対、昭和6年・野村保泉と銘のある招魂社系狛犬がいますが、その横で見つけたのが左のサルです。
1体だけなのですが、10cmあるかないかの、とても小さなものです。
多分、元は隣にもう1体が対になっていたのではないかと感じさせる雰囲気があり、もしそうだったとしたら残念…
そして、その直ぐ後ろの末社で見つけたのがこのキツネ。
何と鉄で出来ているようです。
鉄のキツネとの出合いは初めてです。
これまた20cm位の小さなものなのですが、こちらはちゃんと対になっています。
簸川神社から江戸橋まで歩いて、今宮神社へ寄りました。
宝暦4年の江戸尾立です。
体のバランスが、普通よりかなり胴長に見えますが、なかなか存在感のあるどっしりとした狛犬です。
阿像の宝珠は分かりますが、この吽像にも取って付けたようなセメントで作った不自然な宝珠が付いています。
どう考えても不自然…元はツノがあったのでしょうが、補修(?)するに際して、阿と同じ宝珠を載せてしまったのではないかと想像されます。
これなら無い方が良いなぁ…
2010.3.22〜高尾山麓
一昨日の土曜日、少し強い風の中、八王子郊外を廻ってきました。
これは御霊神社(八王子市館町)。
拝殿前の獅子山です。
前から見ると普通なのですが、このように後ろから見ると、いかにもずり落ちそうなのを必死にこらえている感じに見えませんか?
大正10年、石藤刻とありました。
今は私の身長と同じくらいですが、境内整備工事の時に今の位置に置かれたようで、銘板の位置などから、元はもっと大きかった(高かった)と思われ、その高い位置でこんな風にしがみついていた様を想像すると…見て見たかった気がします。

午前中に20社廻って、狛犬がいたのはここを含めて2社のみ!
せっかくこんな遠くまで来たのに…と
で、ふと思い出したのが、以前鐸木さんが報告していた山の中のはじめ狛犬。
地図の準備もありませんでしたが、「陣馬高原バス停から少し歩いた山の中」という記憶だけを頼りに急遽行ってみることにしまた。
今から思うとかなり無謀だったかもしれません。
帰ってから鐸木さんのHP(八王子・高尾方面の注目狛犬の項参照)を見て見ると「とにかく入口が分かりにくい。まぁ、普通には絶対に分からない場所ということは言えます。」とある。
バス停から人家の途絶える辺りで、たまたま通りかかったおばあさんに聞いてみたところ、親切に教えてくれたのだ。
あのおばあさんがいなかったら何時間かかっても分からなかっただろうなぁ…
で、教えられた細い山道を登って行くと、ありました熊野神社。
そして、いました「はじめ狛犬」!
感激です。
ハッキリと明和8年(1771)と刻まれていました。
単に古いと言うだけではなく、なかなかに出来の良い狛犬で、いつまでも飽きることがありませんでした
誰もいない静かな山の中で、まさに至福の時を過ごした感がありました。
で、結局この日は28社廻りましたが、狛犬がいたのは5社のみという結果。
しかし、この明和のはじめ狛犬に会えて十分満足した一日でした。
2010.3.7〜目黒不動尊
Web版「狛犬の杜」最新号からに「目黒不動尊の狛犬」をアップしました。
その中で、都内最古の狛犬が実は双子だったのではないかということを書きました。
滝上の斜面にある「胴体だけ狛犬」と、近くの大円寺にある「顔だけ狛犬」が元は同じだったと。
で、その体と頭、更に石段上の阿像の前足を合成して、かつての姿を蘇らせた(?)のが左の写真です。
まぁ、冗談画像ではありますが、こんな感じに近いものだったのは間違いないと思っています。
前回の例会でこの画像を見せた所、円丈師匠に「その経緯をキチンと説明しないといけない」とお叱りを受けてしまいました。
と言う訳で、双子であることが判明したことに至る経緯を記しましたので、ご覧下さい。
2010.2.20〜目黒散歩
浦和での「狛犬の杜」印刷の帰りに、目黒区を少し廻って来ました。
ご紹介するのは目黒区大橋の氷川神社です。
上目黒氷川神社とか大橋氷川神社と呼ばれているようです。石段の上にいるのがこの狛犬。
狛研(円丈)データには
「墨田 三囲神社宝暦狛犬のコピー?明治以降?」とありますが、右の写真にこう刻まれていました。

此石獅子壱對 天明某歳吾祖父信邦所奉献 也爾来幾星霜 石躯毀缺故 明治十一年第十一月修理之 孫 加藤雰蛙
つまり、天明期に祖父が奉納した狛犬が傷んできたので、明治11年に孫が修理したと言うことのようです。

これは拝殿横の末社富士浅間神社です。
ちょっと面白いユニークな印象。
この胸の張りは招魂社系ということなのでしょうが、アバラがあり、牙もあるといえばあるようで…
浅間神社=山岳系神社というイメージからオオカミも連想してしまいました。
ただ、尾は狛犬。こんな狼の尾はありえない…
角張った口の感じは東大寺南大門の狛犬さえ連想させるものがあります。
元狛研の及川さんによると、「民家にあったものが持ち込まれた」ものとのこと。


この小さな末社にはもう1対の狛犬、拝殿前にも江戸玉獅子と、全部で4対の狛犬のいるこの神社はなかなか楽しめます。
2010.1.30〜都内散歩
都内、と言っても多摩川近くの大田区・目黒区・品川区辺りを少し廻ってきました。
これは碑文谷八幡神社(目黒区碑文谷)。
明治26年の中村勝五郎(後の青山石勝)の作。
さすが名ブランド…ナカナカの出来です。
たてがみと尾の表現が、そして阿吽とも子獅子がイイ!
この阿の子獅子は親の尾の先を咥えていますが、その部分は透かし彫りになっています。
次は浅間神社(大田区田園調布)。
この神社は展望スペースがあって、多摩川の景色を一望でします。
今日は天気が良かったこともあって、素晴らしい眺めでした。
ここには川向こう川崎の石工が彫った大正3年の狛犬がいます。
そして、末社には2対と1匹のオオカミがいます。
と言っても、ご覧下さい…これ、何に見えますか?
円丈師匠のデータには「オオカミ?キツネ?ブタ?」とあって…
この末社は三峰神社、小御嶽神社、阿附利神社と山岳系の神社ですから、多分オオカミで間違いないとは思いますが…
それにしてもヘンなやつだなぁ!
3枚目の写真は旗岡八幡神社(品川区旗の台)です。
ここは入口にある文化5年の石工和泉屋庄兵衛の狛犬が有名ですが、以前行った時は良い写真が撮れなかったので、再撮影のために再訪してみました。
ところが、拝殿の奥にこんな狛犬を見つけてビックリ!
撮影条件は良くなかったのですが、さすがこんな時は一眼レフカメラが助けてくれます。かなり良く撮れました。
木彫りかと思っていたのですが、こうして写真で見ると陶器製のような気がします。
これは右側のものですが、吽でツノがります。右側は阿。
従って、阿吽が逆置きになってしまっています。
彩色と模様が変わっています。阿の方もほとんど同じです。
そんなに古いものではないでしょうね。

2010.1.11〜杉山神社
データベースの再構築作業中に、大きな見落としを発見!
もう10年以上前になりますが、本家のサイトに「杉山神社の狛犬」と題して、私の地元である鶴見川沿いを中心に点在する杉山神社を全てチェックし、そのベスト狛犬を選ぶということをしました。
その時の見落としが1社あることが分かったのです。
で、さっそく訪ねてみました。
横浜市保土ヶ谷区仏向町の杉山社(神社ではなく、こう表示してあった)、何とここにはなかなか出来の良い狛犬がいたではありませんか!
銘はかなり読みにくかったのですが、天保6年・石工八五郎の作。
小さめの引き締まった顔と、均整のとれた体のバランス。背骨のゴツゴツ感も良く、全体に丁寧な仕上げ。
これは間違いなく杉山神社狛犬のベスト3に入ります。
見落としがあったことは問題とは言うものの、年の初めに地元で感じの良い狛犬に出会えて、今年は狛犬当たり年(?)になる予感が…だと良いのだけれど…
2010.1.4〜伝説の巨大獅子修復
日記のリンクが2009年のままで、2010年が切れていました。今頃気が付いて、申し訳ありません。
さて、今年は短い正月休みで今日から仕事始め。
ここ数年の恒例、仕事始めの帰りに東神奈川で途中下車〜初詣に熊野神社へ寄ってきました。
ちょっとビックリ!でした。
この写真をご覧下さい。
あの伝説の「吉六の巨大獅子」が白くなっていました!
昨年の正月の日記にも書きましたが、ここ数年痛みがひどくなって、その先行きを心配していたのですが…
右の看板にあるように昨年七月に修復したようです。
ちなみに、この「飯田町」という町名は現在はありません。昭和50年に
神奈川2丁目と神奈川本町へと名を変えています。
その旧町名をわざわざ使っていることに、氏子の皆さんのこの狛犬への思いが伝わってきます。
で、問題はこの修復方法です。
近い内に取材したいとは思っていますが、どのような手法によるものなのでしょうか?
一見、ていねいにモルタルを塗っただけのようにも見えますが、そんなことはないと…
時が経てば馴染んでくるのか…?
少なくとも今はある種の違和感があることは否めませんが…
2010.1.1〜謹賀新年
今年もよろしくお願いします。

昨年は117社を廻り98対の新たな狛犬に出合いました。
それに再訪狛犬が結構沢山。
ここ数年はこんなペースだなぁ…もう少し廻りたいのだけど…
そんな中、私にとっての2009年ベスト狛犬はこの写真、近戸神社(小田原市前川)でした。
昨年6月の日記に記した、小田原・国府津で出会った目一杯胸を張った狛犬。

「狛犬の杜」的には、やっと印刷状況が安定して、ほぼ満足の出来るカラー印刷が出来るようになったこと。それが最大の収穫でした。
内容的には、相変わらず毎回ネタに苦労していますが…
皆様の投稿を、心からお待ちしております!と声を大にして叫んでおきます。
ヨロシク!

個人的なことでは、狛犬データベースを新たに再構築したこと。(まだ作業途中ですが)
これは私にとってはかなりの大事件・大ニュースです。
そもそも私がパソコンを始めたのは、16年前、狛犬のデータベースを作りたいがためでした。
編集の相棒・山崎氏から譲り受けたMac(Power Macintosh 6100/OSは漢字トーク7.5.2)で。今もMacですが、4代目になります。
その時から一貫して使ってきたデータベースアプリケーションが、使えない状況になってしまったため、昨年末から FileMaker Pro に乗り替えました。
この写真じゃ良く分からないかもしれませんが、各狛犬についてこんな感じで写真付きデータを作っています。「神社のデータ」と「神使・その他石造物のデータ」の3つのデータを関連づけたデータベースとなっています。
今回の再構築で、入力のし易さと検索のし易さをかなり改善しました。
今年はこのデータベースにどんどん入力すべく、沢山廻らなくては!
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