編集長の狛犬日記 2016

編集長へのメール
2016.12.11〜都内狛犬散歩

一昨日の午後、都内の狛犬散歩を楽しんで来ました。
文京区の未チェック狛犬を中心に5社ばかり。
駒込から湯島へはバスを使ったので、街路のイチョウの黄色い並木ががキレイで楽しめました。

白山神社(文京区白山)
都内なのに静かで感じの良い神社。
弘化2年の江戸尾立、角と宝珠が金色の目玉に似合っていました。
安永9年の石屋五郎兵衛の狛犬を弘化2年に同名の六代目が再興したもののようです。
で、「再興」〜この狛犬そのものはどちらの作か?
恐らく弘化2年の六代目の作なのかな?



見よ、この誇らしげな刻みを!

目赤不動尊(文京区駒込)
大正6年の狛犬、石匠 酒井龍泉 刻。
奉納は知る人ぞ知る「神刀流開祖」の日比野雷風と、この後二代目を継いだ日比野正明。
(「狛犬の杜」レイアウト担当の山崎氏が古武術が好きなので、誘われて見に行ったりすることがあります)
「天下無敵」と刻まれている!
狛犬はタテガミも尾も長く流れていて、体は粗いビシャン仕上げ。これが天下無敵を表現している!?

吉祥寺(文京区駒込)
ココには少し有名なトラ(弘化4年)がいます。
が、同じ都内の天現寺や善国寺に比べるとかなり見劣りがしてしまいます。
また、ココには本堂前に渡来系・南獅タイプの狛犬もいます。

天祖神社(文京区駒込)
最初、江戸期の作かと思ったが、明治44年と刻まれている。
似たタイプをどこかで見たことあるなぁ…石工銘はない。

横参道側にもう1対の狛犬。小さいが溶岩の台座に乗っていて、角と宝珠を載せたなかなかの江戸尾立タイプ。
昭和44年の作としてはイイですねぇ!


そして、裏へ回ると本殿前にも狛犬がいた!
柵があって入れないが…

円丈データには2対しか記されていないので、これは師匠見ていなかったか?
当然反対側にもいるのだろうが、さすがにそちらへは行けず…

この後、久し振りに湯島天神へ。
何と20年振り…あの足上げ狛犬が正面へ移ったのをやっと見ることが出来た。

2016.7.3〜くも狛犬の山開き
今年も品川神社、品川富士の山開きへ行って来ました。
風が強くて蒸し暑い中、いつものように神事が執り行われました。
くも狛犬の見守る中、無事富士登山も終了。
くも狛犬は12月で12歳になります。
2016.5.22〜横須賀の未確認狛犬
横須賀へ行って来ました。
以前から気になっていた、未確認の狛犬情報2件があったので。
一つはお寺です。
横須賀市三春町の泉福寺、境内の毘沙門堂前にいます。

建立年、奉納者、石工銘…何もありません。
でも、なかなか良いです。
左右異なった顔立ちですが、阿像の方が良い感じ
左右とも太い右足を少し前に出して、顔を正面へ向けた姿。
尾が一部欠損しているのが残念ですが、阿像の尾は悪くない。

顔や体が少し黒いのは、火災にあったためか?(火災にあって、他所からここへ持ち込まれた可能性あり)
吽像の頭には取って付けたような宝珠。
恐らく良くある穴があいていたのでしょう、そこを阿像を真似てセメント(モルタルの小石まぶし)で宝珠を付けたと思われます。
どうせなら、角にすれば良いものを…
吽像がこの地の石工、新吉の作に似ている…とのことでしたが、何とも言えません。
でも、別石工かもしれませんが、良い1対でした。


もう一つは、地図に載っていなくて、住所が定かではなく、今は神社として保たれていない…でも、地域史の本に「2対の狛犬がいて、奥のものは古い…」との情報があると…

こうゆう場合、たいてい見つからないのですが…

鳥居も灯籠も拝殿も無く(少し大きめの洞のみ)、神社としては忘れ去られて久しいようですが…
今回は苦労して、何とか見つけ出しました!
でも、結果はガッカリの期待外れ。
古い狛犬というのは、尾が背中に張りついた尾付タイプではありますが、石ではなくセメントのようでした。
昭和のものだと思います。


2016.3.20〜稲城へ

前号の「狛犬の杜」で山田さんが小ネタとして紹介してくれた狛犬を見てきました。
「破損した先代に代わって新造の狛犬が奉納されるが、ほとんどは岡崎狛犬。だが、なんと千住のスサノオ神社の獅子山をコピーしたような狛犬に出会った。……設計施工は立川の浜中石材店とあるが顔が日本的じゃないような気がする。ちょっと嬉くちょっと残念なリメークだ。」
と言うのが紹介文。


山門前の狛犬

妙見宮への入口…神仏混淆…

稲城市百村の妙見寺。
稲城市はほとんど廻ったつもりだったが、ここは知らなかった!
しかも、この狛犬を含めて3対もいるなんて!

天台宗の寺〜神王山北辰妙見寺。
寺の本尊は阿弥陀如来だが、山上の奥の院は妙見宮〜本尊は北辰妙見尊…ここへの入口には鳥居があり、石段も境内も神社の雰囲気ではあるが…お寺の中に神社があることは珍しくはないが、たいていはそれなりに独立した神社的有り様…でも、ここはその雰囲気がちょっと違っている。神仏混淆の度合いがとても強い。(写真右上)

で、狛犬は…山門前に1対。江戸片子獅子タイプ。(写真上)
顔つきがいかにも寺狛犬って感じで少し変わっている。

2対目は奥の院への長い石段の入口に。
これが山田さん紹介のもの。
素盞雄神社に比べるとはるかに出来が劣るとは言え、ホント、岡崎タイプではなくこんなのが新しく奉納されるのはウレシイ!
そして注目の顔は?!
如何でしょうか?
確かに違和感のある顔…全体の形を中国にオーダーしたけど、顔つきまでは…と言った所でしょうか。
(平成16年5月吉日奉納)

そして3対目はその長めの石段の途中にいました。

明治39年、石垣風台座の上にちょこんと座っている感じ。

尾が少し変わっています。
後ろから見るとこんな感じです。
左右に分かれていると言うより、1本のものを貼り付けて左右に分けたような…
あまり見たことがありません。

せっかく稲城まで来たので、大好きな狛犬いる穴澤天神社へも寄ってきました。
4〜5回目の再訪です。

天保14年、石工は古市場村・已之吉。

どっしりとして、でも繊細でもある…こんな感じの狛犬が私は好きです。



このあたりは桜もチラホラ咲き始めていました。
暖かくなって、狛犬巡りの季節到来!ですね。
2016.1.1〜謹賀新年

明けましておめでとうございます。
昨年は「狛犬百景」を無事刊行できたことが全てでした。
皆様のご協力とご支援にただひたすら感謝しております。
ありがとうございました。

そんなエポックメイキングな年ではありましたが、個人的には過去最低数の「狛犬めぐり」でした。
もっと沢山の狛犬に会いたかった…
そんな中で、恒例の昨年のベスト狛犬はというと、9月の「今月の狛犬」で紹介した芸大狛犬です。
写真はこちらでご覧下さい。



それと、個人的想い出としては初孫のお宮参りに行った代々木八幡宮。
孫を抱きながら天明9年の江戸尾立に挨拶し、拝殿前の石勝狛犬の前で記念撮影。
その時に、以前からあったのかどうか、私のデータには入っていなかったこの狛犬を見つけました。

社務所(結婚式場?)横の植え込みの中にこの1体。
紐をくわえ、胸に飾りを付けたブロンズ渡来系風だが、頭にツノとも宝珠とも言いがたい膨らみがある。

お宮参りの途中だって言うのに、関係のない方向へ飛んで行ってしまい…でも、家族の目は決して冷たくはなかったのに一安心。


何はともあれ、今年もよろしくお願いいたします。
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