目黒不動尊の狛犬
 驚きと発見の狛犬廻り 〜 都内最古の狛犬は双子だった!
                                 大野久美子


大晦日から元旦にかけて目黒不動尊へ初詣。
参道の長い列に並んでようやく仁王門前にたどりつくと「いない!」。
ここにいるはずの和犬狛犬がいないのだ。
後日、編集長と訪れてみると、それは驚きと発見の一日となった。

◆狛犬の大移動

境内に工事が入ると必ず狛犬は動く。
では工事が狛犬にとって吉なのか凶なのか。

1)最近のビックリは、仁王門前の可愛い「和犬狛犬」がいなくなっていたこと。


以前は仁王門の前にいたが…

現在の仁王門前〜あの和犬がいない!
また、この仁王門の裏側にはこんな狛犬がいる

すっかり目立たなくなってしまった…

幸い捨てられたのではなく、仁王門を過ぎた参道脇に移設されていた。

しかし新ポジションは、やや凶。
石灯篭の陰になってしまい、狛犬がひと回りも小さく貧弱に見えるのだ。

赤い仁王門をバック(写真上)にした前の住処の方が格段に映える。



この和犬については、
神使の館「神使になった動物たち〜犬−3」の項参照
2)数年前整備された石段横の滝上部斜面の狛犬たちは、互いに対の相手と 共にしてもらい幸せそうで吉。


整備された 独古の滝〜水掛不動 後ろの斜面には4対がいる
前面左右の和犬
前面中央の和犬
この2対の和犬については、こちらをご覧下さい。
3)下の阿弥陀堂前でホロをかぶって行方を心配された片割れだけの天保のボタン彫狛犬。
石段上小屋裏への移設が確認されていたが、最近2度目の引越しにより、本堂横の微笑観音脇で安住の地を得ていてこれも吉。

天保11年 先代江戸ボタン
この尾はユニーク!
4)これは目黒不動尊ではなく、近隣の大円寺(東京都目黒区下目黒1-8)のもの。
滝上部の「胴体狛犬」の顔部分と推測されている「顔だけ狛犬」。
この行方が心配されていたが、本堂右脇奥に姿を確認。でも台座のハスの花が取り去られ、将来不安で凶。

以前は境内で蓮の台座に乗っていた
現在は立入禁止のエリアへ…しかも台座がない