旧東海道考察

宇津ノ谷の集落

とにもかくにも江戸時代の超主要幹線道路。今で言ったら新幹線みたいなもんだからヒト、モノ、情報がひっきりなしに行きかっていたと思われる。 …とまあ難しいことはエライ人たちにまかせて、実際に歩いた感想はというと、

<周辺にあるもの>
まず寺院が多い、それも結構立派なお寺。これはどのエリアでも同じ現象だが、よほどの峠道にならない限り視界からお寺が消えることがないくらい。やはり人の往来が多い場所に構えれば参拝する人もそれだけ多くなるということか。
それと同じ理由だと思うが団子屋さんが多い。街道を通して言えるが団子屋さんの比率が高いのだ。和菓子屋さんもかなり目に留まる。

<道幅について>
現代の主要道路に拡幅された場所を除くと平地ではほぼ5間くらいではないか。山間部では2間か3間、ただ手つかずの場所では道だか何だかわからないところもあった。

<ルート>
全体的に周囲より比較的高い場所、つまり尾根地帯を街道が通っているのに気づく。おそらく道路の排水や海からの高潮対策だったのではないか。ただし箱根東坂は例外、谷間ばかりを行く。また特定の城下町以外を除くと曲がり角が少なく最短ルートを行っている。
ただし津波で被害に遭った吉原はかなり内陸に迂回するルートに変更となっているし、地域によっては後世に街道にかまわず開発を進めたため、現在複雑に進行しなくてはならなくなっている場合もある。

<街道の雰囲気>
歴史的役割を終えてから150年ほど経っているため保存活動がさかんではないところはどうしても歩きづらかったり名残りが残っていなかったりである。
当時人家があまりなく平坦な場所は国道1号にとって代わり、市街地や山間部では新たなルートで国道1号を作ったため旧街道としての体裁を保ったのではないか。

今回の旅を通して出会った人たちや街道にある息づかいのようなものに、あらためて元気、活気、人気をもらったような気がした。

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行程表

行程キロ数は実際に歩いた距離
(宿泊施設までの歩行距離も含む)
第一日目
6:50 → 21:15
日本橋〜藤沢
スタート初日、張り切り過ぎて少々ペースオーバー。
53.7キロ
第二日目
9:53 → 19:01
藤沢〜国府津
前日の疲れがたたって小田原に着けず。前日、ビール工場で遊んだツケが回ってきた。
29.3キロ
第三日目
6:51 → 11:05
国府津〜湯本茶屋
体力は回復したものの三島まで一気に行く自信はなかったので、次回再スタートしやすい湯本で終了。
13.9キロ
第四日目
7:40 → 16:15
湯本茶屋〜三島
前回の反省を踏まえ無理のないスケジュールで「箱根越え」に挑む。
25.4キロ
第五日目
6:25 → 19:20
三島〜江尻
沼津、吉原でのんびりし過ぎたため薩た峠では真っ暗となってしまった。
54.5キロ
第六日目
6:40 → 15:05
江尻〜岡部
静岡市を歩き切るつもりだったので宇津ノ谷は越したかった。
25.4キロ
第七日目
16:47 → 10:05
岡部〜金谷
夕方スタートの変則パターン、翌日もスケジュールの関係で早朝終了のため1日扱い。
24.5キロ
第八日目
6:45 → 17:46
金谷〜浜松
前日のうちに島田に入り翌朝ホテルを七つ立ちして金谷に移動、早朝に金谷を出発できた。石畳にかかるころ日の出を迎える。
47.0キロ
第九日目
6:42 → 16:10
浜松〜吉田
大して距離がないと思いなめてかかったら潮見坂でヘトヘトになってしまった。国道沿いに歩く無人地帯でさらに疲れる。
38.4キロ
第十日目
6:34 → 17:28
吉田〜安祥
愛知県内は通過中あまり面白いものがなく退屈だが、御油の松並木は楽しめるスポット。
42.7キロ
第十一日目
6:10 → 18:34
安祥〜津島
宮からの航路がないため佐屋路を選択、東海道に準じる立派な道だった。
53.1キロ
第十二日目
8:04 → 18:07
津島〜追分
佐屋からは巡見街道を経由し桑名に至る。伊勢街道との分岐で思案に暮れる。
36.3キロ
第十三日目
10:20 → 17:35
追分〜関
当日移動のためスタートが遅くなったが行けるところまで行く。関宿に着いた頃には夕闇に包まれていた。
26.5キロ
第十四日目
5:15 → 16:22
関〜夏見
せっかくの関宿は七つ立ちのため闇の中の通過となり、三大難所の「鈴鹿越え」では雨中の強行突破を試みる。
42.4キロ
第十五日目
5:11 → 16:33
夏見〜京
琵琶湖の広大さに感動。山科を過ぎたあたりからは喜びが抑えきれなくなった。
42.2キロ
江戸時代の旅人は1日平均十里を歩いたという、京まで12〜3日で行くペースである。
自分も丈夫なほうだとは思うがとてもかなわない。ちなみに箱根の山越えではさすがに1日八里だったそうな。

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