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迷信の部屋 このページでは、一般に広く信じられていること、又は一部で言われていることで、真実ではないこと、つまり“迷信”を箇条書きにまとめてみたいと思います。サイトのいたるところに書いてあることでもあるのですが、ここでもう一度おさらいしてみましょう。
2大迷信その1ー日本人の足はたいてい幅広である。
現代の日本人は足囲の細い方が増えています。このサイトのテーマともいえますので、至る所に書いてあります。詳しくは『日本人の足は本当に幅広?』をお読み下さい。
2大迷信その2ートウシューズ(靴)はゆったりの方が楽だ。
これは、上に書いた「日本人の足はたいてい幅広である」とセットで言われていることです。きつい靴も足に良くありませんが、ゆったりの靴、ブカブカの靴も決して楽でも、良くもありません。日本人はこの2大迷信に洗脳されていると言っても過言ではないと思います。
詳しくは『日本人の足は本当に幅広?』、『トウパッドを選ぼう!』の〈トウパッドについて〉、『トウシューズの選び方3』の〈根強いゆったり靴信仰〉、『コラム』の〈トウシューズはサポーター〉 〈外反母趾対応靴〉をお読み下さい。
迷信3−トウシューズ(靴)は、履き慣れて柔らかくなってから履きやすくなるものだ。新品のうちはどこか当たって当然。痛いところがあって当然。
足に合っているトウシューズ(靴)というのは、新品の時からフィットして、どこも痛くなく、履き心地がいいものです。履き慣れてから、履きやすくなるものではありません。また、靴が慣れるのではなく、慣らされてしまうのは足の方です。詳しくは、『トウシューズの選び方2』の〈フィット感-履き心地がいいかどうか〉、『トウシューズの選び方3』の〈良いきつさ・悪いきつさ〉、『靴の選び方』の〈ちょっとコラム〉、『足の変形と靴』、『コラム』の〈合っているという“錯覚”〉をお読み下さい。
迷信4−幅狭のトウシューズ(靴)は、外反母趾の原因になる。
自分にとって幅が狭いトウシューズ(靴)は、そもそも足が入らず履くことが出来ません。無理矢理なんとか履けたとしても、きつすぎるものは普通選ばないので、間違って狭すぎるものを買うことはほとんど無いといえます。また、外反母趾はむしろゆるいトウシューズ(靴)を履いたときに起こりやすいと言えます。詳しくは『日本人の足は本当に幅広?』、『コラム』の〈トウシューズはサポーター〉、『バレエとケガ』の〈外反母趾〉をお読み下さい。
迷信5−トウシューズ選びは、先生に相談するのが一番だ。
残念ながら、正しく選べない先生の方が多いようです。先生はバレエを教えるプロですが、靴選びのプロではありません。先生に相談しても、解決しないことが多いと言わざるを得ないのが現状です。詳しくは『このサイトのコンセプト』の〈履く時間の長さと外傷との関係〉をお読み下さい。
迷信6−トウシューズ(靴)選びは、お店の人にフィッティングしてもらうのが一番だ。
トウシューズや靴を売っているお店の店員は、本来“靴選びのプロ”であるべきはずです。しかしながら、プロといえる店員はほとんどいないと言わざるを得ないのが現状です。一般の靴屋でも、シューフィッターの資格を持っていても、その能力が優れているとは限りません。また、シューフィッターがいても、幅展開の無いお店、幅広しか無いお店は要注意です。シューフィッターがいても幅が揃っていないのでは、お客に合う靴を提供できないので意味がありません。詳しくは『トウシューズの選び方4』の〈要注意なフィッティング〉、『ご用心の部屋』をお読み下さい。
迷信7−踊りの上手い人やプロダンサーはトウシューズ選びも上手い。上手い人やプロダンサーはみんな足に合ったトウシューズを履いている。
踊りの上手い下手と、正しいトウシューズが選べるかは別問題です。踊りのうまさと靴選びの技術は全く比例しないようです。人気ダンサーでも足に合っていないトウシューズを履いている方もいます。
迷信8−トウシューズを履いて、皮がむけたり、爪が痛くなったりしやすい人は、立ち方が悪い。
痛いのは立ち方が悪いと思っている人が、結構多いようですが、そんなことはありません。引き上がっていなくても、踊りが下手でも痛くない人もいます。反対に、引き上がっていて踊りが非常に上手くても、トラブルを常に抱えている人もいます。引き上げているかどうかと、皮がむけたり爪が痛くなったりすることは、別の問題です。詳しくは『このサイトのコンセプト』、『トウシューズの選び方1』の〈痛いのは立ち方が悪いの?〉をお読み下さい。
迷信9−トウシューズを履いて爪が痛くなる人は、大きめのものに替えた方が良い。
爪が痛くなって、ゆるいものに替えると、横からのサポートが得られず、体重が全て指先にかかり悪化する場合がほとんどだと思います。参考に『バレエとケガ』の〈外反母趾〉、〈爪の色が変わる〉をお読み下さい。
迷信10−トウシューズを履いて外反母趾になってきた人は、幅広のものや大きめのものに替えた方が良い。
外反母趾が痛くなって幅広や大きめのものに替えると、悪化する場合が多いと思います。詳しくは『バレエとケガ』の〈外反母趾〉、『日本人の足は本当に幅広?』、『トウシューズの選び方[3]』の〈トウシューズと外反母趾〉、『コラム』の〈外反母趾対応靴〉 、〈トウシューズはサポーター〉を参考にお読みいただき対処法を考えてください。
迷信11−足の弱い人は、柔らかいトウシューズを履くべきだ。固いトウシューズを好む人は足が強い。
よくトウシューズの説明文などで、「甲が出て足の強い人向き」とか「甲が出ず足が弱い人向き」という言葉を目にしますが、甲が出ても足が弱い人もいますし、甲が出なくても足が強い人もいます。また、足が弱くても固いものを好む人もいますし、その逆もいるようです。足が弱いからと、固いものを試さない方もいると思いますが、もしかしたら足にピッタリと合えば、固いものの方が履きよかったなんてこともあり得ることです。
参考までに『メール紹介』の〈よしのさんと〉のやりとり、『このサイトのコンセプト』の〈シャンクの固さ、バランスに触れていない理由〉をお読み下さい。
迷信12−初心者は柔らかいトウシューズを履いた方が良い。初心者は初心者向けを履いた方がいい。
初心者はまだ足の筋肉が弱く、甲が出ない場合が多いので、柔らかい方が履きやすいと感じる人が多いと思いますが、そういう人が多いというだけで全ての人が当てはまるわけではありません。最初から固いものを履いた方がいい人もいます。生まれつき甲が出る人(高さに関係なく)や、足首が特に柔らかい人は、柔らかいシャンクでは危険という場合もあります。
また、“初心者向き”と書いてあるものは、たいてい甲が出やすいようにカーブをつけてあるか、シャンクが柔らかいものです。同じ理由で、初心者であってもそれがいいとは限りませんので、あまり“初心者向き”“上級者向き”にとらわれず、自分の足に合ったものを選んだほうがいいでしょう。
迷信13−初心者は幅広のトウシューズを履いた方が良い。大人の初心者は幅広のトウシューズを履いた方が良い。
初心者は幅広靴を履いた方が良いと信じている人は多いようですし、一部の本には、「大人は子供の頃から訓練している人とは違い、筋力が弱いので、安定の良い幅広のものを履いた方が良い」と書かれていますが、そんなことはありません。
これは「幅広靴信者」の多い日本特有の考え方かもしれません。やっかいなことに「幅広靴信者」は、医者や靴屋の中にも非常に多いようですので、注意しましょう。足囲に関係なく幅広のトウシューズが良いなどということは有り得ないことです。幅広靴はオールマイティな健康靴ではないのです。
いいトウシューズとは、あなたの足にピッタリとフィットし、足を支えてくれ履き心地がいいものです。つまり人によって違います。足囲が細い人が幅広のトウシューズを履くと、ブカブカして足が支えられず指先ばかりに大きな負担がかかります。また、幅のゆるいものは足が斜めに入りやすく、かま足(バナナ足)の原因になり危険な場合があります。足をしっかりと支え、守ってくれるのは、幅広のものではなくあなたの足にピッタリとフィットし、なおかつ「履き心地がよい」と感じられるものです。大人でも子供でも初心者でも、トウシューズは足に合ったものを履きましょう。