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バレエとケガ

 バレエは踊りですが、体にとってみるとスポーツでもあります。スポーツにケガはつきものなように、バレエにもケガはつきものです。でもそのわりにはケガについての情報が少ないように思います。このページでは、体験談を中心にケガについての情報を提供していきます。

このページは次の要素で構成していきます。

【注意】
 このページは極めて体験的な内容となっております。ですから、私に良くても他の人には全然良くないという可能性もあります。私は医者でもスポーツトレーナーでもないので、ここに書いてあることは、医学的に正しいとは限りません。ですから、参考程度にして下さい。気が進まない場合、納得できない場合、やってみて良くなかったり悪化した場合、直ちにやめて専門家に相談して下さい。

靴が原因のトラブル(爪のトラブルや外反母趾など)は、最大の予防法は足に合ったものを履くことです。トラブルの対処法を考えると同時に、靴自体も見直すことをおすすめします。


C O N T E N T S

捻挫
巻き爪(対処法)
爪の色が変わる・爪に血が溜まる(予防)
爪がはがれてしまったとき
マメ(水ぶくれ)
外反母趾予防・軽い外反母趾対処法
ケガについての情報(サイト、本、ビデオ等の紹介)


ケガの種類と体験談

捻挫

 捻挫というと「痛い」「腫れる」というイメージを持っている方が多いと思いますが必ずしも痛みや腫れが生じるわけではありません。靱帯が伸びてゆるんでしまったり、切れたりするのが捻挫です。捻挫の中で足首の捻挫が一番多いと思いますが、バレエをやる人の場合、トウシューズを履くために足首をストレッチするので普通の人よりも足首が柔らかい人が多いです。そのせいなのかわかりませんが、捻挫をしていても気付かないケースが結構あるようです。バレエをやっていない人でももともと足首の柔らかい人、弱い人、ブカブカの靴を履きしょっちゅう足を挫いている人は靱帯がゆるみ、慢性捻挫状態になっている可能性があります。

〈私の体験談〉(こんな捻挫もある)

 私も知らないうちに捻挫していた一人です。症状はこんな感じでした。

で、膝の不調で整体に行ったときに「足首が捻挫しています」と言われものすごくビックリしました。その時は早く膝を治したかったので足首は特に何もしませんでしたが、なんと膝が治ったら足首まで治ってしまいました。上記の症状は捻挫のせいだったのです。でも腫れも痛みも全くなかったのでまさか捻挫だとは夢にも思っていませんでした。ひとつのズレは他の場所にも影響するというので関連していたのだと思います。

治し方(例)

まず医者へ行く

 早く治すには、まずこれが一番大事です。素人判断は危険なので、異変を感じたらとにかく医者に行って指示に従ってください。私の場合はスポーツ整体に行きました。

テーピング(軽い捻挫・慢性的捻挫の場合)

 私の場合は「バレエの時はテーピングをしなさい」と言われたので、治るまではテーピングをしてレッスンをしていました。整体で教えてもらったテーピングはスポーツ用だったので足首が不自由でバレエ向きではなかったので、友達に教えてもらったテーピングをしていました。それが良かったので紹介します。

  1. 伸縮性のないテープを使います。幅は3〜4センチの太めのもの。親指の付け根よりうしろから、小指の付け根のうしろまで平らに貼る。
  2. 次にかかとから足の裏を斜めに通って土踏まず〜甲へ貼る。
  3. くるぶしの上5cmくらいのところ(適当な位置)に横にグルッと巻く。(血が止まらないようにうしろ側はすき間を開けておく)横に貼ったところからスタートしかかとを通って反対側までタテに3本くらい貼る。この時足首が真っ直ぐになるように気を付けて下さい(土踏まずが落ちたりしないように)。
    最後に剥がれないようにするために、上からもう一回横に巻きます。(くるぶしの上5cmくらいのところにもう一度)

 その他、『NG集』の《ストレッチの時つま先が床につく》には慢性捻挫に関連することが少し書いてありますのでそちらもあわせてお読み下さい。

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巻き爪(対処法)

 合わないトウシューズを履いていると巻爪になってしまうことがあります。こうなってしまうととても痛いですね。私も以前合わないトウシューズによって巻爪になってしまいました。でも、トウシューズを足の形に合ったものに替えたら1年かかりましたが治りました。トウシューズを履き始めてから巻爪になってしまった人は、トウシューズが合っていないのかもしれませんので、見直してみるといいと思います。

とはいえ、治るのに1年もかかるのではその治るまでの間、痛いですよね。Akkoさんがお医者さんに教わった治療法を教えて下さいましたので、紹介します。今、巻爪が痛い方は是非やってみて下さい。私もこの方法を知っていれば1年もかからなかったかもしれません。

治し方(情報提供者Akkoさん)

まず、爪は切りたくなりますが、絶対切ってはいけません。伸ばします。
で、少し伸びてくると爪と肉の間に隙間ができてきますよね。その隙間にティッシュをこよりのように細く巻いたものをギュッと詰めるように挟みます。それをずれないようにテーピングでとめておきます。すると、ティッシュのおかげで爪が肉に当たらなくなるので痛みがかなり減ります。そして、伸びてくる爪も巻き込む事なく真っ直ぐに矯正されて伸びてきます。

レッスンの時だけでなく普段からやっておく事をオススメします。ティッシュを挟めるようになるまでは少し辛いかもしれませんが、巻爪に悩んでいる方には騙されたと思って試して頂きたい方法です♪

巻き爪でお悩みの方にオススメサイト→〜エレスティ〜KIEのネイルセラピーというサイトに是非行ってみて下さい。爪のトラブルの解決法が載っています。サロンでのケアもできます。バレエと関係のないサイトですが爪のトラブルで悩む方にオススメです。


爪の色が変わる・爪に血が溜まる(予防)

 これは1本の指が長い人が、緩いトウシューズを履いたときに起こりやすいと思います。ゆるいトウシューズは横からの支えが充分得られませんし、ソールと足の裏の間もスカスカになって足の裏の支えも不十分になります。体重がソールと側面にかからない分、負担が指先に集中してしまうというわけです。トウシューズの先に触れる指が1本だけの場合、1本の指に全体重がかかったら……耐えられるわけがありませんね。

予防法については下で紹介している外反母趾のところをお読み下さい。


爪がはがれてしまったとき(情報提供者イシスさん)

爪の一部が根元にくっついていて、グラグラパカパカしているという状況のとき

絆創膏やテーピングなどで固定してポアントを履いてもいいかもしれません。そして、ぐらぐらして邪魔になってきた爪を、深爪にならない程度に切ってしまうと結構楽です。とれるまで放置すると引っ掛けてかえって痛めてしまったりします。

爪と指の間に膿がたまって爪が浮き上がっているような場合(かなり痛い!)

さらに本番が近く立たなくては、という時は・・・。針を消毒して(火であぶるとか消毒薬で拭くとか)爪と指の間に刺し、爪の根元から膿を押し出します。かなり楽になり、治りも早かったです。すぐ普通の爪がはえてきましたよ。

しかし!これはあくまでも私が大丈夫だった荒療治なので、あくまでもご参考程度にして下さい。

爪が半分の状態でポアントを履いていると痛くはないが、何か熱っぽいとき

冷却タイプの湿布を巻き付けてポアント履いてました。感触はアウチポーチのようでさらにヒンヤリしていて、結構気持ち良かったです。

いずれにしても上記について過去形なのは、ぴったりのポアントを選んだら、爪、皮むけのトラブルは全く起きなくなったということ。それにつきますね!!!

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マメ(水ぶくれ)

水が溜まっているとき

針をライターの火で消毒し、冷めたらマメをつついて水を抜きます。そのあと絆創膏などで保護します。(マメの部分にガーゼが当たるように。ノリの部分があたると剥ぐときに皮も取れてしまって痛いです。)

マメがむけてしまったとき

まず消毒し、むけた皮が残っていたら、取ってしまわずに元あった場所に戻してから絆創膏などで保護します。(むけた皮が縮んでいたり、乾いてしまったときは、水で湿らせ元の形に戻して貼り付ける)下に新しい皮が出来ないうちに皮を取ってしまうととても痛いです。皮を貼り付けてやると痛みが和らぎます。


外反母趾予防・軽い外反母趾対処法

 トウシューズを履き始めてから外反母趾になられる方は結構いらっしゃると思います。でも医者などに相談しても「トウシューズだけが原因ではない」と言われてしまったり明快な答えが得られずに悩んでいらっしゃる方も多いと思われます。トウシューズが100%の原因ではないことは確かですが、みなさんが知りたいことは「今どうしたらいいか」「これ以上進行させないためにはどうしたらいいか」ということだと思います。ここでは私が実際にやってみて効果があったものを紹介します。(全ての方に効果があるとは限りませんので参考程度にして下さい。また、ここで紹介している方法は、予防、又は軽い方用です。かなり進んでいる人は医者に治療してもらって下さい。)

予防法

テーピング
親指と小指の付け根と土踏まずの頂点の間あたりに、グルッと一周テープを巻きます。伸縮性の無いもので太さは3〜4cm位のものがいいと思います。力を加えず巻いてください。(締め付けないように)

 外反母趾の人は足の裏の靱帯が伸び、この辺りの骨の間隔が広くなっています。これは更に広がるのを防いでくれるようです。レッスン時にやるといいです。

外反母趾予防のトウシューズの選び方

 トウシューズはとにかく指の付け根部分に余裕を与えないことです。指の付け根が少しきつめなくらいの方が骨が広がる余地が無くなり、外反母趾が進みにくくなります。ゆるみがあると骨の間隔が更に広がる余裕があるということです。よくありがちなのが、幅広で先細の形のトウシューズを履いて、指が寄せられて窮屈なのに、付け根がゆるいこと。これが一番最悪です。先細の靴で指が寄せられているのに付け根はブカブカで骨が広がる余裕がある状態=外反母趾になる材料が全て揃っている状態といえます。

 指の付け根、指の側面にかかる圧力は同じであるのが理想的です。指の付け根はかなりピッタリとし、指は窮屈でないもの(=重なったり寄せられたりすることなく真っ直ぐに伸ばすことができるもの)を選びます。完璧なものが無ければ、履き口をかがるのも結構効果的です。『トウシューズ加工法』参照)

 親指や人差し指が長くシューズのつま先に触れる指が1本になってしまう人は、それだけ指や指の付け根への負担が大きいです。こういうタイプの人は特に指の付け根がゆるいものは履かないようにしましょう。また付け根をきつめにすると、立ったときの指先へかかる負担が減っていいと思います。これは外反母趾予防だけでなく、爪の色が変わる(血が溜まる)ことの防止にもなると思います。

外反母趾にきつめのものをというのはかなり逆説的だと思いますが、私の場合これが一番効果がありました。ただし不快に窮屈なものはダメです。履き心地の良さを重視して下さい。


矯正器具を使う

家にいるときに使える矯正器具もあります。毎日10分履くだけで外反母趾だけでなく内反小趾も矯正できるサンダルで「レクティ」というものがあります。お風呂上がりに使用してみるのも良いかもしれません。詳しくはこちらのホームページをご覧下さい。→外反母趾矯正サンダルと健康器具「レクティ」

 この他、外反母趾については、『日本人の足は本当に幅広?』『トウシューズの選び方[3]』の〈トウシューズと外反母趾〉『コラム』の〈外反母趾対応靴〉〈トウシューズはサポーター〉を参考にお読みいただき対処法を考えてください。

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ケガについての情報

ダンサーズ・セラピット(ダンサーのためのトレーニング&リハビリケアのサイト)

 Asari先生という方がやっていらっしゃるダンサーのためのマッサージ屋さん(?)のホームページです。ケアの予約は現在数ヶ月待ちになることもあるそうですが、ケガについてやダンサーの栄養についてのことなど、このホームページを読むだけでも考えさせられ勉強になることが多いです。どこか不調や不安を感じる方は一度読んでみると良いと思います。『Asari先生の独り言』もオススメです。

〜エレスティ〜KIEのネイルセラピー

 バレエのサイトではありませんが、爪のトラブルで悩んでいる方にオススメです。ネイルセラピストのKIEさんのネイルケアサロンのサイトです。トラブルネイルSOSというページがあり、いろいろな爪のトラブルの解決法が載っています。巻き爪などの悩みがある方は是非行ってみて下さい。また、サロンでのケアでは、腫れや膿みが無い人ならたった1回で痛みが無くなることが多いそうです。

ダンサーズ・フットブック (本)

Terry L. Spilken 著 小川正三 監訳 安井慎一 訳 大修館書店 刊

 ダンサー(バレエ、モダンダンス、ジャズダンス、タップダンス、エアロビックダンス)のためのフットケアの本です。ダンサーのための注意事項、おこりやすいケガ、ケガを防ぐ方法、治療法、テーピング法などダンサーのための総合フットケアの本です。テーピングは足首の動きの多いバレエの場合、他のスポーツと同じテーピングは出来なかったりするので、これは参考になると思います。また、実際にケガの克服をした人の体験談もあります。トウシューズの選び方もちょっと載っています。

ダンステクニックとケガ (本)

ジャスティン・ハウス、シャーリー・ハンコック 著 小川正三 監訳 白石佳子 訳 大修館書店 刊

 ケガをしないための正しいテクニック、ケガをしたあとのリハビリ方法、ケガをしないための筋力トレーニングの方法などがあり大変勉強になります。ただし、かなり解剖学的に専門的に書いてあるのでちょっと難しいです。でも、最初から最後まで読む必要はなく、必要なところだけ部分的に読んでも分かるように出来ているので活用できると思います。

やさしいダンスの解剖学 (本)

セリア・スパージャー 著 小川正三・蘆田ひろみ 訳 大修館書店 刊

 バレエの誤ったテクニックによる故障の例、トウシューズは何歳から履くべきかなど、解剖学的見地から書かれた本です。解剖学なので「やさしい」というタイトルにしては難しいかもしれません(^^; でもこの本によって私は自分の間違いにいくつか気付くことができたので参考になると思います。

ワガノワ・バレエ学校のすべて8「ワガノワ・クラスポアント編」(ビデオ)

制作・販売 新書館

 ポアントの練習方法の他に、ポアントテクニックによっておこる足のトラブルやそれを防ぐためのテーピングの方法なども紹介されています。

ワガノワ・バレエ学校のすべてPart2-8「ダンサーズ・ヘルスケア1・2」(ビデオ)

制作・販売 新書館

 ケガをしたときの応急処置、治療法、休養の取り方、リハビリのためのフロアトレーニング法(家でも出来ます)など、具体的に紹介されています。1巻と2巻に分かれています。

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