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靴の選び方

 このページではパンプスなどの普段の靴の選び方を探っていきます。必ず「靴選びの部屋」日本人の足は本当に幅広? サイズ・ワイズ・足のタイプを知ろう をお読みになってからこのページをお読み下さい。


靴アイコン靴選びの6つのポイント

靴を合わせるとき下記の6つの部分をチェックしていきます。

6つのポイント


靴アイコン言葉の定義

 このサイトで使う特殊な言葉について定義しておきます。

こんにゃく足・・・足の中央部分を握ると縮んで幅が狭くなったり、土踏まずが落ちたり上がったり柔らかい足のことを俗にこんにゃく足と言うそうです。現代人にとても多いそうです。幼児期の運動不足+合わない靴を履き続けることによってこのような足になるようです。


靴アイコン実際に履いてみよう

ポイント

  1. まず、サイズと足囲を測りだいたい合いそうなものを履いてみます。
  2. 土踏まずとかかとのフィット感(トップライン)を見ます。
  3. つま先のフィット感を見ます。
  4. 捨て寸があるかチェックします。
  5. くるぶしが当たらないかチェックします。

サイズとワイズを測る
 ます、足のサイズとワイズを測ります。測ったサイズとワイズから大体合いそうなものを選びます。あくまでも測った数値は目安にしかなりません。特にワイズは最近多いこんにゃく足の人は測ったワイズよりもかなり細いものが履ける場合が多いようです。しかし、タテのサイズは大幅に違うことは無いのでゆるいからといってむやみに小さいものを選ばないようにしましょう。

→サイズ・ワイズ・足のタイプを知ろうへ

土踏まずとかかとのフィット感
 靴を選ぶ上で一番重要なのが土踏まずがしっかりと支えられているかどうかです。体重は土踏まずにかかっているのでしっかりと支えなければなりません。土踏まずが靴底の方や、側面からしっかりと支えられていると感じるものを選びましょう。土踏まずの下に隙間がある、スカスカしている感じがするようなものは体重を支えてくれませんので選ばないようにしましょう。

 土踏まずの支えと同時にかかとも見なければなりません。かかとはピッタリと合っていますか?靴を選ぶときはまずかかとの方に足を合わせます。かかとも土踏まず同様側面などに隙間が出来ずしっかりと支えられていると感じるものを選びます。後ろに隙間があったり、幅が広く横ぶれするようなものは選んではいけません。

 この段階で土踏まずが気持ちいいと感じるかどうかが重要です。土踏まずとかかとがしっかりとサポートされるものを選べば足が前滑りすることはありません。気持ちいいと感じる限りは出来るだけ細い幅を履きましょう。気持ちいいと感じる限りですよ!きつくて痛いのはもちろんダメです。

トップライン
土踏まずが支えられているということはトップラインに隙間がないということを意味します。土踏まずを支えるということは、足の中央部全体を周り中から支えるということです。アーチクッションで土踏まずを埋めても土踏まずを支えるということにはなりません。

トップラインのフィット感【写真解説】
 写真の靴は同じメーカー(フェラガモ)の同じサイズの幅違いです。ベージュの靴はAA幅、黒の靴はC幅で、どちらもサイズは7です。ベージュの方はフチが足にピッタリとしているのが分かるでしょうか?黒の方は、写真では分かりにくいのですが、かかとが空いているだけでなく、両サイド、履き口にもすき間がありピッタリはとしていません。この状態は足の周り中に隙間が空いているので足は支えられません。あまり食い込んできついのは良くありませんが、ベージュの靴の写真のようにわずかに肉がはみ出ているくらいがいいようです。(ベージュの方はフチに影が出来ていることでピッタリとしていることがわかります。黒の方は隙間が空いているので影ができていません。)
 日本人には周り中すき間が空いている人がとても多く見受けられます。でもそれがあまりにも見慣れすぎていて気付きにくいと思います。かかとのすき間は誰でも分かりますが、トップラインのすき間はあまりにも見慣れすぎているのです。
 私はヨシノヤでピッタリとしたパンプスを試着してみて、初めてすき間が空いていない状態というのを体験しました。そしてそれから初めてすき間が空いているのと、いないのと区別がつくようになりました。そのくらいすき間が空いている状態に見慣れてしまっていると思います。

※フェラガモの靴は細い方からAAAA,AAA,AA,A,B,C,Dの7種類の幅があります。日本のJISの幅とは違います。

土踏まずとかかとがフィットして気持ちいいですか?気持ちよかったら次に進みましょう。

つま先のフィット感
 つま先指に痛いところが無いかチェックします。土踏まずとかかとがピッタリとして、なおかつ指が当たったりしないものを選びます。自分の足の形によっても選ぶものが変わってくると思います。

捨て寸
捨て寸比較 つま先に捨て寸があるかどうかチェックします。指の先には1〜3cm位の空間が必要です。捨て寸の長さは靴のデザインによって変わります。先のとがったものほど捨て寸も長く必要になります。
 足囲の細い人は捨て寸があるかどうか特によくチェックしましょう。ゆるいからといってどんどん小さいサイズを履いて捨て寸が全くないということにならないように充分気を付けて下さい。

【写真解説】
 写真の靴はどちらも同じサイズですが、とがったデザインと丸いデザインでは全体の長さがこんなに違います。先のとがったもの程捨て寸は長くなります。捨て寸が長い分、全体の長さが長くなっています。


くるぶし
 くるぶしが当たって痛いことはありませんか?人によってくるぶしの高さが違います。この部分が当たると痛いので、買う前に必ずチェックしましょう。


靴アイコンひも靴を選ぶ場合のポイント

調節の利くひも靴なら何でもOK?
 パンプスは本来歩くための靴ではありません。足に負担が少ないものと考えると、やはりひも靴が一番いいようです。仕事上どうしてもパンプスを履かなければならない人などやむを得ない場合以外は、なるべくひも靴を履くようにしたいものです。ひも靴の良いところは、甲をすっぽりと覆ってくれるので支えが大きく安定が良いこと、それとなんと言っても幅の調節が利くことでしょう。日によって微妙に違う足の太さに対応することが出来ます。

調節能力の限界
 しかし、ひもでの調節にも限界がありますので、何でも良いわけではありません。やはり足囲の細い人は細い幅のものを選ぶ必要があります。

 ひも靴のひもを通す穴の開いている部分を「外羽(そとばね)」と言います。左右の外羽の間は、足に合わせてひもを締めた状態で隙間が開いていなければなりません。この隙間がピッタリとくっついてしまう、あるいはほとんど隙間があかないものでは(靴のデザインによっても多少違う)もうそれ以上締めることが出来ないので、調節が出来ないということになります。外羽が適度に開く幅のものを選びましょう。

 左の写真は隙間があいています。これなら多少足が細くなってもぴったりに調節することが出来ます。右の写真はぴったりとくっついてしまいます。むくんだりして広くしたいときはいいですが、痩せたりむくみが取れたりして足が細くなってしまった時は、これ以上細くすることが出来ないのでぴったりとさせることができません。

調節出来るのは数ミリ程度
 右の靴の外羽は根元がくっついていますが、左の靴は根元がくっついておらず1cm以上あいています。この隙間の違いは、デザインの違いによるものもあります。ひもで調節できる幅の範囲はおそらく数ミリ程度だと思いますので、上記写真の左のような靴でも、1cm以上の調節が利くというわけではありませんので、ご注意下さい。しかし、多少ゆるくなってもパンプスなどと比べて脱げにくいので、パンプスほどぴったりしていなくても、足へのダメージは少なくて済みます。

ひもをどんどん締めていくと・・・
 この靴は私の足に合わせて作ってもらったオーダー靴です。先の写真でも分かるように、外羽が1cm少しあいた状態でちょうどいいように作られています。もし私の足が締まったり、痩せたりして緩くなってしまったとして、このひもをどんどん締めていったとしたらどうなるか考えてみましょう。

 これは、外羽が閉じるまでひもを締めた状態です。青いラインは、ちょうどいいきつさに締めたときの靴のシルエットです。ひもを締めて外羽がどんどん閉じていくと・・・そうです、甲の部分の高さが大幅に違ってしまうんです。

 こうなってしまうと、上からばかり圧迫されて甲が痛くなるばかりで、サイドの緩さは解消されません。ひも靴は、パンプスやローファーなど調節が利かない靴と比べれば融通が利きますが、D幅の人でもEEEが快適に履けるということはありません。できるだけ外羽が適正な開き方でフィットするものを選びましょう。


靴アイコンスニーカー等を選ぶ時のポイント

 スニーカーやウォーキングシューズ等を選ぶ際も、注意する点はひも靴と同じです。サイズやワイズが合わなくてもパンプスより楽なのは確かですが、やはりスニーカーなら何でも良いわけではありません。サイズやワイズが合っていることが大事です。特にスポーツをする時や、たくさん歩く時はゆるみで足が泳ぐとマメや外反母趾等の原因になりますので、できるだけフィットするものを選びたいものです。


靴アイコンその他のポイント

かえりの良いソールかえりが良いこと
 「かえりが良い」という言葉は最近は結構耳にすると思います。指の付け根部分でよく曲がるものは歩きやすく疲れにくいとされています。しかし、この部分でまったく二つ折りなってしまうほど柔らかいものはちょっと考え物です。あまりにも柔らかいものは足を支えてくれずかえって疲れると思います。

 それから、かえりがいいものがいいと聞くと靴底全ての部分が柔らかいものがいいと思いがちだと思いますが、アーチラインの部分はしっかりと固くできているものがいいです。脱ぎ履きするときにこの部分がたわむようなものは土踏まずを支えてくれませんので絶対に選ばないようにしましょう。また、たとえスニーカーなどでも靴底全部が柔らかいものはダメです。曲がるのは指の付け根だけでなければなりません。足で上に曲がるのはどこでしょうか?指の付け根だけです。甲が上に反り返る人はいませんね。だから靴底の曲がる部分は指の付け根部分だけであるべきなのです。

靴底や革の柔らかさ
 足に合わない靴で苦労している人が多いせいか、底や革が柔らかい靴を好む人が多いようです。確かに柔らかければ足当たりがソフトで痛みが軽減するので、そういう靴を求めるのも無理の無いことだと思います。
 しかし私の経験から言うと、足にぴったりと合っていれば、底が固めでしっかりとしている方が支えられている感じがしますし、固さそのものが気になりません。
 革も、柔らかい方が足当たりがソフトで良いような気がしますが、柔らかい革は型くずれも速いので、すぐにゆるくなり足が泳ぐようになってしまい、履きやすいのは最初だけなんてこともあります。長く快適に履くことを考えると、多少固めの方が良いような気がします。足に合っている靴というのは、どこかが強く当たったり不自然な部分が無いということなので、固くても気にならないようです。


パンプスを履いていい人、いけない人
 今はとてもかわいいパンプスがたくさん出回っていますが、やはり紐でしっかりと甲を固定するものが足の健康にはいいようです。(上の写真の茶色の紐靴のような靴)

 フィッティングの方法をパンプスのイラストと写真で説明をしてきましたが、パンプスは履いていい人と、履いてはいけない人といるようです。足が強くヒールの高いパンプスで歩き回っても全然平気な人も中にはいるようですが、変形をしている人、足が弱い人はやはりパンプスは履かない方がいいようです。でも人間には自然治癒力というものがあるので、足の変形が激しくない場合、紐靴で足に合ったものを履き続けていればだんだんとゆるんだ足が締まってきて足の状態が良くなってくるそうです。変形しているからといって特別な不細工な治療靴を履く必要はない場合が多いと思いますが、パンプスを履くのは足の状態が良くなってからにした方が良いでしょう。

 それでもパンプスは本来歩くための靴ではないのであまり長時間歩き回ることは避けた方がいいようです。特に生まれつき、あるいは幼児期の運動量などによって強い足、弱い足があるので、健康を取り戻した後も弱いタイプの足の人はあまり長時間は履かない方がいいようです。お呼ばれやパーティー等の間だけにしておいた方が無難でしょう。

 靴選び、特にパンプスはトウシューズ選び以上に難しいかもしれません。トウシューズはかがったり濡らしたりといろいろ調整できますがパンプスはそういうわけにいきません。
 パンプスは甲を覆ってくれる部分が無いので靴底が足について来づらいです。それからヒールが高い分足が疲れやすくなります。だから紐靴以上に完璧なフィット感のあるものを選ぶ必要があります。特に合っていないパンプスを履いて長時間歩くのは最悪です(上の黒のパンプスのような)。常に力を入れていないと歩くたびにかかとがスポスポと抜けてしまうようなものを絶対に選んではいけません。変形の原因になりかねないので絶対にやめましょう。

店員の言うことを気にしない
 靴を選ぶときは自分の感覚を大切にしましょう。靴選びのポイントは上で説明したとおりですが、一番大切なことは土踏まずのフィット感と履き心地の良さ(気持ち良さ)です。かかとやフチがピッタリとしているか、捨て寸があるかどうか、などは店員やシューフィッターでも判断できますが、土踏まずの支えが感じるか、履いていて気持ちがいいかどうかは本人にしか分かりません。店員がどんなに合っていると言ってもあなたが履き心地が悪いと感じるならそれは合っていないのです。かかと、フチがピッタリして捨て寸があっても、土踏まずの支えが感じられず履き心地が良くないものは選ばないようにしましょう。
 靴屋に行ったとき店員が履いている靴をチェックするのも一つの手です。店員が足に合っていないものを履いていたらその店員の言うことはあまり信用しない方がいいかもしれません。また、シューフィッターの資格を持っていてもその能力はピンキリだと思います。店員やシューフィッターの言うことに耳を傾けるのも大切ですが、惑わされることなく自分の感覚を大切にして選びましょう。


靴アイコンちょっとコラム

靴は履き馴らすもの?
 靴を試着していてどこかきつかったりして買おうかどうか決めかねていると、店員はたいてい「履いているうちに伸びますよ」と言います。「靴は履きならして初めて履きやすくなるものだ」と思っている方が非常に多いと思います。確かに履いているうちに多少伸びるのも事実ですし、多少履きやすく感じることもありますが、買おうか決めかねるほど履き心地が悪い靴は、選ばない方が良いでしょう。伸びた頃には靴はカッコ悪く変形し、足の方もタコができているでしょう。そのまま履き続けていると、いつの間にか足が靴の形になってしまったりします。靴が足の形になるのではなく、足が靴の形になってしまうのです。履いているうちに履きやすくなるものではなく、足に合う靴は新品の時から履きやすいものです。上の6つのポイントを満たしても、どこかが当たって痛いとか、履き心地が悪いものは選ばないようにしましょう。

値段よりも土踏まず?
 自分にとっていい靴とはフィットする靴です。どんなに高級な靴でも足に合わなければトラブルの元になります。逆に安物でも土踏まずをしっかりと支えてくれ履き心地が良ければ、自分にとっていい靴ということになります。私もまだパンプスに関しては究極のフィット感を体験したことが無く、日本では細い幅がどこでも簡単に手に入るというわけではないので、自信を持って断言は出来ませんが、サイズや木型が自分に合っていれば安物でもかなり履き心地がいいのではないかと思います。通販で安くてかわいい靴を見つけ、「何とか履けるか?」と思い買ったことがありますが、足に合わずとんでもなく痛くなった経験があるので以来諦めています。通販でももっと細いものも揃えて欲しいものです。

足入れの良い靴は「良い」靴?
 靴の広告やカタログなどで最近よく目にする言葉です。そもそも「足入れが良い」とはどういう意味なのでしょうか?おそらく、スポッと簡単に脱ぎ履き出来る靴のことを言っているのでしょう。
 では簡単に脱ぎ履き出来る靴は「良い靴」なのでしょうか?
 日本の生活様式ではしょっちゅう靴を脱いだり履いたりしなければなりません。そういう煩わしさを考えると「良い靴」ということになるでしょう。しかし、視点を足の健康をいうところにおくと「悪い靴」ということになります。スポッと簡単に履ける靴はゆるいので足が靴の中で泳ぎます。足が安定しない靴は足の健康にとって良くありません。足が前後に動く靴は外反母趾になり、左右に動く靴は土踏まずが崩れるそうです(扁平足・こんにゃく足になる)。
 
足の健康という視点で見ると「履きにくい靴」が良い靴ということになります。この場合の履きにくい靴とは「靴べらを使わないと履きにくいくらいピッタリとした靴」という意味です。当然履き心地が良くなければならないということを付け加えておきます。
 靴の紐をほどかなくても脱ぎ履き出来るほどゆるゆるに結ぶ人が多いですが、これは日本人特有のようです。日本人の生活様式から考えると仕方がないことでしょう。でも足の健康を考えるなら靴の紐は座ってしっかりと結ぶようにしましょう。

ピッタリの靴は足が速くなる?
 ピッタリの靴を履いたときと、幅やサイズが大きすぎる靴を履いたときでは、100M走などのタイムにも差が出るそうです。あるテレビ番組で実験をしているのを見たのですが、子供に最初ブカブカの靴を履かせて走らせて、次にピッタリとした靴を履かせて走らせたところ、ほとんどの子がピッタリとした靴を履いたときの方がタイムが上がりました。
 でも考えてみれば当然といえば当然ですね。ブカブカということは足と一体化していないということです。一体化していないということは脱げないようにと無意識に余計な力が入ってしまいます。余計なエネルギーを使わなければならない分遅くなっても無理は無いでしょう。

 私は足囲が細いので子供の頃いつもスニーカーがブカブカでした。もし、ピッタリのものを履いていればリレーの選手にだってなれただろうに(ウソ)


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