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トウシューズの選び方1

 必ず日本人の足は本当に幅広? サイズ・ワイズ・足のタイプを知ろう をお読みになってからこのページをお読み下さい。

 トウシューズの選び方のページです。シャンクなどについて語られているサイトはたくさんあると思いますし、感じ方にかなり個人差があるものなので、ここでは敢えてあまり触れずに、足の形とトウシューズの形の関係性、フィット感にこだわった選び方を提案します。


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トウシューズの各部の呼び方

トウシューズの呼び方横・前トウシューズの呼び方横

青字は一般的な言葉ではありませんが、私がこの部分のことを言うときに時々使う言葉です。


ポアントアイコンこのサイトで使う言葉

混乱を避けるため、このサイトで使う足の部分の呼び方や、このサイトで使う特殊な言葉の定義をしておきます。

足の呼び方の定義足のこと

足先・・指の付け根から先のこと。

・・指の付け根から足首までの部分。

ワイズ・足囲及び足幅・・・親指と小指の付け根を通った足の周り寸法。靴のワイズの普通幅とか幅広とかはこの部分の周囲の寸法の太さで判断します。

足先の幅・・・指の付け根より前の部分の横幅で、足囲(ワイズ・足幅)とは違います。しばしば足囲と混同されますが、同じ足囲でも足の形によって足先が広い人と狭い人といます。
同じ足囲でも、指先が不揃いな人は足先が狭いタイプで、指先が揃っている人は足先が広いタイプです。揃っている指の本数が多いほど足囲に対して足先が広いということになります。同じ足囲でも、足先が広いタイプの人の方が目の錯覚で足囲が広く見えやすいようです。足先が広いタイプの人は、自分の足を実際より幅広タイプに勘違いしやすいようです。サイズ・サイズ・足のタイプを知ろうを参照

こんにゃく足・・・足の中央部分を握ると縮んで幅が狭くなったり、土踏まずが落ちたり上がったりする柔らかい足のことを俗にこんにゃく足と言うそうです。現代人にとても多いそうです。幼児期の運動不足+合わない靴を履き続けることによって、また、生まれつき筋肉の柔らかいタイプの人が、このような足になりやすいようです。

しゃもじ足・・・かかとが細く、つま先の方が広がった足のこと。「うちわ足」とも言われているようですが、私は「うちわ」より「しゃもじ」の方がこういう足を表すのに合っていると思うのでこの言葉を使っています。

ウサギ足・・・ウサギのうしろ足のようにかかとからつま先まで広がることなく全体的に細い、見るからに細〜い足の事。甲が低くて実際にも細〜い人と、甲高で見かけ上細いけど測ってみるとそれほど細くない人といます(西洋人タイプ)。

トウシューズのこと

しゃもじ型・・・ボックス部分に対して土踏まずやかかとがかなり細〜くなっているトウシューズのことを私はしばしばこう呼びます。ロシア製のトウシューズに多い。

中央シェイプ型・・・しゃもじ型というほどかかとは細くないが、土踏まずのあたりがへこんで立体的な形をしたトウシューズをこう呼んでいます。イギリス製のトウシューズに多い。

小判型・・・トウシューズを上から見て、ボックスの幅と土踏まず部分の幅があまり変わらないタイプのものをこう呼んでいます。



ポアントアイコン履いてみる前に

トウシューズは“拷問靴”ではない
 トウシューズは“拷問靴”という言葉は、世界共通の言葉のようです。でもそう感じるのは、トウシューズがあなたの足に合っていないだけです。足にぴったりと合うトウシューズは、痛くないばかりでなく、履いていてとても気持ちがいいものです。では、“拷問靴”ではない“快適なトウシューズ”の“選び方”を探っていきましょう。

トウシューズ選びの2つのステップ
 トウシューズ選びには大きく分けて2つのステップがあると思います。

ステップ1 「足の形・サイズ・ワイズがピッタリと合い、履き心地がいいものをいくつか見つける」
ステップ2 「ステップ1で見つけたものの中から、バランスが取りやすい、立ちやすい、正しい立ち方が出来る、安心して踊れるものを選ぶ」

だと思います。トウシューズというのは「トウで立つ」という特別な機能に気を取られて忘れられがちですが、「靴」であることに変わりはありません。足の健康を損なわず、かつ快適に踊るためには、靴はまず足にフィットしていなければなりません。このサイトではステップ1の部分に焦点を絞っています。バランス、立ち方などに関する疑問は先生や上手な人に相談されることをお薦めします。

いいトウシューズとは?
 いいトウシューズというものは、当然の事ながら人によって違います。基本的には、きつすぎることもゆるすぎることもなく、ピッタリとすき間なくフィットし、痛くないものが一番であると私は思っています。では、「足にピッタリとフィットすれば何でも履きやすいのか」というと必ずしもそうではありません。実際には「きれいにフィットしていてどこも痛くないけど、バランスの位置が自分の足と合わない」とか「爪が痛くなるけど、この痛みを犠牲にしてもバランスは絶対これが一番いい」とか「ちょっと緩めだけどバランスの位置、安定感で総合評価すると、これが断然いい」とかいうこともなきにしもあらずです。

 このように足にピッタリとしたトウシューズと、踊りやすいトウシューズは必ずしも一致しません。もちろん両方一致するのが理想的なのですが、仮にステップ1で選んだものがステップ2でバランスが悪く恐怖を感じるとしたら、少しフィット感は妥協して選び直すことになります。それでも、きちんとポイントを押さえて選んでいけば、それほどとんでもないものを選ばなくても済むと思います。
 完璧にフィットするものが見つからなかったときのために加工法もいくつか紹介しておりますので、そちらもご覧いただければと思います。

履きやすさの基準
 最終的な評価は「フィット感」「踊りやすさ」「バランス」「痛くないもの」など、どこを重視するかで変わってきます。しかし、明らかにとんでもなく合っていないシューズで踊りやすいということはないと思うのですが、実際とんでもなく合わないものを履いている人も多く見かけます。形はともかく、まず最低限、サイズやワイズが合っていることが必要だと思いますが、それさえも合ってない人が実際にはかなりいるようです。私は、サイズやワイズが合ったものに変えるだけでもかなりのトラブルが解決できるのではないかと思っています。サイズが合っていなくても本人が踊りやすくて、どこか痛いなどのトラブルが無ければ、それはその人の自由だからそれでもいいのですが、全然合わないトウシューズでマメをいっぱい作ったり、外反母趾が痛い等といっているのを見ると、「しなくても済む苦労かもしれないのに・・・。しなくても済むのならしない方がいいのではないか?」と我慢弱い私は思ってしまいます(^^; そのような状態でも本人は「履きやすい」と言ったりしますが、それはただ単に「今まで履いたものが全て足に合っていなくて、それより履きやすいものを履いたことがないだけ」ということも多いと思います。私もそうでしたが足にピッタリと合うものを見つけて初めて今までのものは合っていなかったのだという事に気がつきました。

痛いのは立ち方が悪いの?
 トウシューズを履いて爪が痛いとか、皮がむけて痛いなどと訴えると、「立ち方が悪い」とか「引き上げていないからだ」などと言われてしまうことも多いようです。しかし、すごく上手いのにいつも足が痛いと言っている人、引き上がってもいないし上手くもないのに全く痛くない人がいるのはなぜでしょう?
 トウシューズで足が痛くなることと、技術は無関係なのです。技術があっても合わないトウシューズは痛いのです。技術の高い人はどんなシューズでもそれなりに履きこなせてしまうのも事実です。もしトウシューズがこの世に一種類しか無い場合、痛ければ立ち方やパッドで解決するしかないのでそういう意見も生きてきます。痛みを犠牲にして我慢強くなるしかないでしょう。しかし、いろいろなシューズが選べる状況にあるのなら、犠牲は最小限にしたいものです。足にフィットしないシューズで上手く踊れる技術を仮に持っていたとしても、フィットするシューズがあればそれに越したことはありません。
 ただしシューズが合っていれば技術がなくても大丈夫といっているわけではありませんので誤解しないようお願いします。シューズが合っていても引き上げが出来ていないと、足首に負担がかかりすぎるので、関節痛、捻挫などの別の問題が発生します。
 自分の足に合ったトウシューズでも、激しい踊りだったり長時間踊っていればマメが出来たり痛くなることもあると思いますが、足に合ったものなら負担は最小限で済みます。ただ立っているだけとか、ほんの数十分履いただけでも爪や皮がむけたり、外反母趾が痛いというのは、合っていないと考えた方がいいと思います。

これについてもっと詳しく→このサイトのコンセプト

立体に例えて考えてみる
高いヴァンプ・スクエア足
 トウシューズと足を立体に例えて考えると、合わない原因や痛みの原因がわかりやすいと思います。
 例えば、カペジオのニコリーニやグリシコのワガノワのように、先細でクラウンが高いタイプのトウシューズを、指の長さがほとんど揃っているスクエア型で、しかも甲がものすごく低い人が履くとします。このタイプのトウシューズを円すいの先をちょんぎったもの、足は、四角くて平たい板に例えます。
 円すいに四角くて平たい板を入れることを想像してみて下さい。どこが当たってどこが余るかおのずと分かると思います。親指と小指は居場所がなく当たって痛くてたまりません。指を重ねなくては履くことはできません。それなのに履き口の厚みは余って大きなすき間があいてしまいます。厚いパッドを入れると、元々きつい指先はますますきつくなり、履き口はパッドで埋めきれず、すき間があいたままです。爪先がきついのでワイズの広いものを選ぶと、元々すき間のあいている履き口はますますブカブカになってしまいます。履き口を、低い甲に合わせて潰すと、今度は横幅が広がり、指の付け根やサイドがパカパカにあいてしまいます。そのパカパカをなくそうと引き紐を締めます。そうすると、フチがシワシワになってしまいます。引き紐をいくら引っ張っても、シューズの長さが短くなる(かかとが圧迫される)だけで幅をフィットさせるのには役に立ってくれません。一見すき間が無くなったかに見えるかもしれませんが、それはフチだけで、シューズの中のすき間は解消されません。

 実際このような状態で履いている人をよく見かけます。このような状態では、ただ立っているだけでもどこかが痛くなって当然です。技術が上がれば痛くなくなるというものではありません。タコが出来て皮が厚くなればいずれは痛くなくなるのかもしれませんが、そうなるまでに払う犠牲は大きすぎます。
 はじめて履いたトウシューズが、この例のようなパターンで、痛いのは自分の足囲が広いせいだと勘違いして、以後幅広専門ユーザーになってしまう人もいるのではないでしょうか?でも、ブカブカのものは動くたびにどこか当たって痛いのでパッドが厚くなっていって、いつのまにか足よりとても幅広なトウシューズを履いていたという風になってしまう人もいると思います。


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