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このサイトのコンセプト

 このサイトでは「トウシューズ選び」と「普段の靴選び」をテーマにしていますが、「トウシューズ選び」に関する部分の“コンセプト”や“役割”を確認しておきたいと思います。『トウシューズの選び方1・2・3・4』をひととおり読まれたあとに読んでいただければと思います。


「痛み」の定義

 まず痛みの定義ですが、このサイトで言っている“痛み”とは、皮がむけたり爪がはげたりウオノメなどの“外傷的”な痛みと、外反母趾などの“骨格的”な痛みです。外傷的なの痛みのほとんどは、フィットしないトウシューズによって起こると思います。また外反母趾はトウシューズだけが原因ではありませんが、事実トウシューズもかなりの大きな原因になっていますし、トウシューズの選び方を気を付けることによってかなり防ぐことが出来ます。

 他にもトウシューズを履く上での痛みはいろいろあります。初心者の場合は、筋肉が弱くすぐ疲れるので筋肉痛などがあります。これは運動をする上で当たり前の痛みで筋肉が強くなればなるほど痛みは無くなります。また、初心者の人や久々に履く人などは皮膚が柔らかく弱くなっているので皮膚の表面がジンジンとするような痛みがあると思います。これは頻繁に履くようになれば皮膚が厚くなり無くなる痛みです。でもある特定の部分が強くあたってできる“マメ”や“タコ”と違います。

 筋肉の痛みは運動をする上で当たり前で、誰でも通らなければならない痛みですが、皮むけや外反母趾などは出来れば無い方が良い痛みです。無いなら無いに越したことはありません。


痛みと引き上げの関係

 痛いと訴えても「引き上げていないからよ!」と一喝されてしまったり「爪がはげた」と訴えても「当たり前のこと」として取り合ってもらえなかったという話を聞いたことがあります。「トウシューズは痛いのが当たり前」「痛いのは引き上げが足りないせい」という考えを持っている人が結構多いようです。

 でも、私は痛いのは当たり前だとは思っていません。実際に私が履いていたいくつかのトウシューズは全く痛くなかったからです。それらに変えたら絆創膏が全く必要なくなりました。全く自慢になりませんが、私は筋力が弱く引き上げがまだまだ足りないと自分で思っていますが、皮がむけたりはほとんどしません。爪がはげたことは一度もありません。引き上げなくて良いと言っているわけではありませんが、引き上げと皮むけはほとんど無関係だと思います。引き上げは引き上げ、フィット感はフィット感で別に考える問題だと思います。


このサイトのコンセプト

 確かに完全にフィットして痛くなくてなおかつ、バランスも全てOKというトウシューズを見つけるのは難しいと思いますし、人によっては存在しないかもしれません。でも、なるべく外傷が少なくて済むものを見つけようというのが、このサイトのコンセプトです。もちろん、なかなか完璧なものはありませんから、どこで見切りを付けるかの問題でもあります。

 別に、痛くても構わない、皮がむけても構わない、爪がはげてもし構わないと思っている人はそれは個人の自由だからそれでいいと思いますが、皮がむけるのは嫌だ、爪がはげるのも嫌だと悩んでなんとか痛くないトウシューズは無いものかと悩んでいる人に対して「痛いのは当たり前」で片づけてしまうのはいかがなものかと思います。痛みも程度によっては破傷風、外反母趾もひどい場合脱臼などにもつながりかねません。


履く時間の長さと外傷との関係

 かなりフィットしているものでも長時間踊っていたり、激しい踊りだったりするとむけることもあるとは思いますが、フィットしている方がかなり外傷は減らせると思います。でも私の場合“趣味”でバレエをやっているだけで、レベルが高いわけではありません。主役を踊ったことがあるわけでもなく、グランフェッテをやったことがあるわけでもないので、上級者レベルになるとどうかということは正直言ってわかりません。ただ言えることは“趣味”レベルの人でも皮がむけたり、爪がはげたり、爪に血が溜まったりする人がいるということです。それらはトウシューズを替えることによってたいてい解決するのです。

 でもトウシューズ選びの上手さと、踊りの上手さはほとんど比例しないようです。もし比例するとしたら上手い人ほど足に合ったものを履いているはずです。上手い人や先生に相談すれば、すぐに解決するはずです。でも現実はどうでしょうか。レベルの高い人がみんな足に合ったものを履いているかといったら、周りの上級者や先生などを見ると決してそうではありません。上級者や先生でも全然合っていないものを履いている人もけっこう多いのです。足に合っていれば、どんなに激しい踊りでもどんなに長時間踊っていても爪がはげたり血が溜まったりすることが全くないと言いきることはできませんが、もし上級者が短時間でも痛くなるようなトウシューズを履いていたら……長時間履けばとんでもないことになるのは想像に難くありません。


シャンクの固さ、バランスに触れていない理由

 このサイトで扱っていることは、踊る前の段階で足に合うか合わないかというところまでです。その先のバランスとか、立ち方とかには触れていません。シャンクの柔らかさにも触れていません。

「その先のバランスなどは、ご自分で研究してください。」

「立ち方については先生の指導を受けて下さい。」

「最悪、先生が指導してくれない場合はご自分で情報を集めて研究してください。」

というのが私の考えです。(もちろんフィット感もご自分の責任において決めていただくのですが)当然その段階で問題が起これば、また別のものを探すということになります。

 足の形にフィットするかどうか、一体化するかどうかはある程度、形で分類することができます。でも、こういうタイプの足の人はこの固さ、こういう人は前バランスのものを、後ろバランスのものをというのは、足の形や強さだけで単純に分類できるものではなく本当に千差万別です。一般的には甲が出て強い人は固いもの、甲が出なくて弱い人は柔らかいものと言われているようですが、実際はそんなに単純ではありません。甲が出ても弱い人もいますし、甲が出なくても強い人もいます。足の形だけでなく足首の可動範囲によってもかなり違います。だからとても複雑で例外が多いと思います。私の足にはいわゆるこの“一般論”が全く当てはまらなかったので疑問を感じ研究したというわけです。

 例えば、同じ指の長さ、同じサイズ、同じワイズ、同じ甲の高さ、同じ土踏まずの深さの2人の人がいるとします。ピッタリとフィットするトウシューズは似ているはずです。しかし踊るとなると、足首の柔軟性及び可動範囲、筋肉の強さ、脚(レッグ)の長さ、テクニックなどいろいろな要素で、形は似ていても2人は全く違うバランス、全く違う固さのシャンクのものを選ぶかもしれません。

 また反対に一人は甲高で強い足、もう一人は低い甲で弱い足という、全く違うタイプの足だとしても、トウシューズの形こそ違っても、バランスの位置やシャンクの固さにおいて非常に好みが似るということもあります。私とある友達がそうです。

 また、「初心者で足が弱く甲が出ない人向き」という売り文句のトウシューズを、ベテランでしかも上手な方が愛用していたりして本当に分かりません。

 だから敢えて触れていないのです。分類できませんし、自分が履いてどうだったということは、ほとんど人の参考にはならなかったり、逆に間違ったイメージを与えかねないからです。自分の試行錯誤・経験を積んで何が良いかを判断するしか無いと思います。


このサイトの役割

 「だったら、結局自分で見つけるしか無いんじゃん!」と言う人がいるかもしれません。でも、サイズやワイズの大幅な勘違いに自分も周りも気付かず、とんでもなく合わないものを長年履いて苦労した人がいったいどの位いるのでしょう。そういう悩みを先生に訴えて分かってもらえなかった人がどれだけいるのでしょうか。私などは自分に合う幅が国内に売っていないと気付くのに実に6〜7年かかっているわけです。幅に気付かない限り一生見つからない確率も高いです。でも実際に自分では気付かない人が多いのです。また、形に疎くて合わないものを選んでしまう人も本当に多いのです。そういう人に気付いて欲しくてこのサイトを立ち上げたというわけです。やっぱり足に合っている方が痛くないし、踊りやすいし、一体化して無駄な部分が無い分、見た目も美しいと思うのです。

 結局踊りやすさも含めたフィットするトウシューズを見つけるというのは時間のかかることで、すごく難しいことです。自分の経験を積んでいくしかありませんが、最初の段階で形やサイズ、ワイズで自分に合いそうなものを見つけやすくして、少しでも近道にしてもらえたらというのがこのサイトを立ち上げた理由です。バランスや自分に合うシャンクの固さ、立ち方などは先生の指導を受けながら時間をかけて自分でも研究していくしかありませんが、少なくともジャストサイズを見つけるまでの時間は少し短縮できるわけです。それがこのサイトの役割だと思っています。

 このフィッティング法が最良だとか、全ての人が実践すべきだというつもりはありません。このサイトの方法を納得していただけた方だけに実践していただければと思っています。


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