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トウシューズの選び方2

トウシューズの選び方[1]から順番にお読み下さい。

ポアントアイコン実際に履いて選んでみよう

トウシューズを選ぶとき、私は次のポイント(順番)で選ぶと効率的に選べると思っています。

必須ポイント(順番)

  1. 上から見た形のチェック
  2. クラウンの高さのチェック(自分の甲の高さや厚みとトウシューズの厚みが合っているかの見極め)
  3. 長さ(サイズ)の決定
  4. 幅(ワイズ)の決定
  5. フィット感(外見上のチェックと履き心地の善し悪し)

その他のポイント

1.上から見た形のチェック
 ボックスの形などが自分の足の形に合いそうなトウシューズを見つけだす作業です。まず、自分の足をよく観察してみましょう。足にはいろいろな形があります。まず自分の足になるべく近い形のものを選ぶ事が重要です。(足の形はサイズ・ワイズ・足のタイプを知ろうを参考にして下さい。)
 基本的には人差し指が一番長いギリシャ型の人は先細、親指が一番長いエジプト型や、親指から第三趾まで同じ長さの人は四角いトウシューズがいいとされています。しかし、ギリシャ型でも指の長さの差が少ない人は四角いタイプの方がいい場合もありますし、エジプト型でも指の長さの差が非常に激しい人はあまり四角すぎるものは向きません。指の付け根の上から見た幅と、足先の幅の差が激しいか激しくないかで見る方がいいかもしれません。自分の足になるべく近い形が無理の少ない形といえます。この段階で、合わない形を選んでしまうとサイズやワイズまで選び間違う原因になるので、慎重に観察して選びましょう。よく観察してみると、明らかに合わないものは最初から避けることが出来ます。

2.クラウンの高さのチェック
 自分の甲の高さや足の厚みと、トウシューズの厚みが合っているかどうかを見極める作業です。クラウンの正確な意味はよく知らないのですが、私は横から見たときの履き口の高さや、プラットフォームから履き口までの角度のことを表すときにこの言葉を使っています。
 甲高の人はクラウンの高いもの、低い人はクラウンの低いものを選びましょう。日本人は甲が高めの人でも欧米人と比べると低いので、たいてい低めのものの方が合うと思います。甲が低いのに傾斜のきついものを選ぶと履き口が余ってすき間が出来てしまいます。このすき間を解消しようとボックスを潰すと今度は指の付け根のあたりの横幅が広がり、台形のボックスに変形してしまい、余ってしまいます。それから、土踏まずのサイドも広がりパカパカしてしまいます。
 しかし、クラウンの低いトウシューズが少ないのが現状です。だから潰して履かなければならないことが多いと思います。潰したあとのボックスがどのように変化するかを計算に入れた上で選ばなくてはなりません。当然なるべく潰したりせず履けるものの方がいいということになります。

形がいまひとつイメージできないという方はこちらのページへ→『ボックスの形徹底図解』


3.長さ(サイズ)の決定
 一番重要なサイズの決定です。基本的に長さを決めてから幅を決めます。幅から決めることは絶対にやめて下さい。まずは、足のサイズ・ワイズを実際に測ってみましょう。測って得られた数字は目安にしかなりません。また、メーカーによって同じセンチ表示でも大きさが違います。しかし、大幅にサイズを間違えている方もいらっしゃいますので、自分のサイズがどの位なのか、また、足囲が普通なのか、広めなのか、細めなのかを大体把握しておくことは、シューズ選びの上でかなり役に立つはずです。

 一般の靴と違いトウシューズには捨て寸が無いので、かかとから爪先までの長さが自分の足に最も近いものを選びます。

まずは、パッド無しで
 いつもパッドをたくさん入れすぎていて、どれが合うのか判断できない方もいると思いますので、ここでは原点に帰ってまず最初は、パッド無しの状態で足を入れて指を伸ばしてアテールで立ちます。トウシューズの踵に足の踵を合わせます。この時一番長い指の先がトウシューズの先端に当たるか当たらないかくらい、トウパッドの分を考えて、わずかに空いているくらいがいいでしょう。指先が強く当たるもの、当たって指が曲がってしまうものは小さすぎです。自分の指が靴の中でどうなっているか慎重に感じてみてください。

次にパッドを入れて
 大体合いそうなものが分かったら、パッドを入れて選びます。今までパッドをいくつも入れていた人は、一枚にしてみましょう。また、指の間に挟む物やいろいろな道具を使っていた人も、思い切って一切装着せずに、一枚のパッドだけで履いてみましょう。足に合っていればパッド一枚で、いろいろな道具を使わなくても痛くないのかもしれないのですから!足に合っていれば、いろいろ道具を使うよりもずっと楽に履けます。

 ポアントした状態のかかとの余り具合でサイズ(長さ)をチェックしている場面が見受けられますが、サイズはアテールで決定してください。アテールの状態でピッタリなのにポアントした状態でつまめるほど余ってしまう場合があります。これはトウシューズの幅が広すぎるためです。この場合、見直さなければならないのはサイズ(長さ)ではなくワイズの方です。(詳しくは『フィット感徹底比較』をご覧下さい。)

*履いているタテのサイズが合っているのか、簡単にチェックする方法*
 片方の足にトウシューズを履き、片方は素足、またはバレエタイツで、踵をそろえて6番で立ちます。敷居や壁があればそこで踵をつけて揃えると、よりいいです。ただしこの時、壁にもたれないよう足にしっかりと体重をかけて立って下さい。この時に素足の足よりもトウシューズを履いた足の方が小さかったり、大きすぎたりすることはありませんか?素足よりトウシューズの方が小さければ当然小さすぎです。素足とトウシューズがちょうど同じくらいでも、小さいでしょう。また、トウシューズの方が1センチくらい大きかったりすると、パッドの分を考えても大きすぎです。
 ただし、左右の足の大きさが多少違う場合があるので、必ず履き替えて両方の足でチェックして大きい方の足に合わせて下さい。左右の大きさがあまりにも違う場合は、左右で違うサイズを履くと上手くいく場合もあるようです。(私はやったことがないので感覚はわかりませんが)
小さいお子さんの場合、履いた感覚を言葉で伝えるのが難しいと思いますので、この片方ずつ履いて比べる方法はタテのサイズを決めるときにいいと思います。親御さんがよく見てあげて下さい。

いつもいつも2つのサイズでどちらにするか悩むという方はいらっしゃいませんか?次のページで詳しく説明しています。

4.幅(ワイズ)の決定
 タテのサイズを決めたらワイズを選びます。ワイズを爪先の幅(プラットフォームの広さ)と混同する方がいますが、ワイズというのは指の付け根の入る部分の太さのことで、爪先の幅ではありません。爪先の幅の広いものを選ぶべきか、狭いものを選ぶべきかは足の形と関連するものです。プラットフォームの広い狭いと、ワイズの広い狭いは違うということをまずご理解下さい。

(詳しくは『ボックスの形徹底図解』をご覧下さい。)

 サイズ同様、ワイズもとても間違えやすいポイントです。ワイズは、指の付け根の部分の幅がピッタリと合うものを選びます。履き口にすき間が空いたりしていませんか?この部分の幅がゆるいと、横からのサポートを得ることが出来ず、指先だけに体重がかかることになってしまいます。幅が緩い時、たいていの場合厚みも余っています。厚みが余っていると指が曲がる原因になります。幅をピッタリと合わせることによって、横方向からもサポートを得られ、かかる力が分散するので指先ばかりに負担がかかることがなくなります。

5.フィット感
 次にどの位ピッタリしていればいいのかを実際に履いてチェックしてみましょう。これは私の場合ですので人によって多少違うのかもしれませんが、大体こんなものでいいのでは?と思っています。次のことをチェックしてみて下さい。
ただし、私の足は踊っているうちにどんどんむくみが取れるので、踊っているときが最も足が細くなるという特徴があります。ですからトウシューズを選ぶときはむくみが取れたことを想定して幅が少しきつめを選んでいます(長さがきつめのものは選びません)。自分の足がどういう特徴があるのかを考えた上で参考にしてください。

まずパッド無しで
指入れ比較 まずパッド無しで履き、ボックスに手の指を入れてみてください。指2本がスッポリと入ってしまうようではゆるすぎです。パッドの厚さの好みにもよりますが、手の指が半分〜1本が入るくらいがいいと思います。パッドを入れたとき、指が入るようではいけません。でも、指が入らないほどパッドを分厚く入れて空間を埋めさえすれば良いというものでもありません。

斜めから見た場合次にパッドを一枚入れて
 フチと足の間は、すき間なくピッタリしているでしょうか?これはどちらもパッドを入れた状態ですが、左側の写真のようにすき間が空いていたらゆるすぎです。サイズ・幅が合うと右の写真のようにとてもきれいにフィットします。この位ピッタリとしていると、履いていてとても気持ちが良く、見た目もきれいです。この「気持ちよさ」というのが結構決め手になります。足に合っているシューズは新品でもとても履き心地がいいのです!逆に見た目がピッタリきれいにフィットしていても、どこか痛いとか、窮屈だとか感じる場合は合っていませんので、絶対に選ばないで下さい!別のものを試してみましょう。繰り返しますが、足に合っているものは新品の時から履き心地がいいです。

上から見た場合 上から見るとこんな感じです。縦のサイズが合っていても幅が合っていないと、左側の写真のようになります。サイドもゆるくパカパカとしています。ピッタリさせようと紐をぎゅうぎゅう引っ張って締めるのでフチがシワシワになっています。右の写真は、サイズも幅もピッタリとしている例です。紐は初めから入っていませんがフチは足に吸い付くようにピッタリとしています。きつそうに見えるかもしれませんが、全く窮屈には感じません。

幅を下げていくと最初に選んだサイズが短いことに気付くことがあります。足幅が狭い人は短いサイズを選びやすいので特に気を付けて下さい。短いサイズを履いて、外見上このようにぴったりと見える場合もあるので、指が曲がっていないかどうか充分気を付けて下さい。外見上フィットしていても、指が曲がってしまう場合は、サイズが短すぎます。その場合は、サイズを長いものに選び直し、そこから再度幅を選んでいきましょう。短くて、指が伸ばせないようなものは絶対に選んではいけません。足囲の狭い人の場合、小さいサイズを履いて、外見上このようにピッタリと見える場合もあるので、指が曲がっていないかどうか充分に注意が必要です。

シワシワ*フチがシワシワになっていませんか?*
幅がゆるいのを何とか解消しようと、引き紐を目一杯引っ張って右の写真のようにフチがシワシワになっている人をよく見かけます。しかし、残念ながら引き紐に幅を狭める力はありません。踵が圧迫され、長さが短くなるだけです。引き紐は微調整用と考えてください。足に合うサイズのものは引き紐は必要ないくらいピッタリとします。

*ブカブカにも2種類ある*

一口にブカブカといっても2種類あります。
1. ただ単にサイズが大きい場合
2. 縦のサイズは合っているが、幅がゆるい場合

2の場合でも、サイズが大きいように見えてしまう
ので特に注意が必要です。人から見ても大きく見えますし、自分でも大きく感じます。また、きつさにもいろいろあります。次のページに詳しく書きましたのでお読み下さい。

【自分のレベルに合っているかどうか】
 よく、「上級者向け」とか「初心者向け」などと銘打ってあるものがありますが、大抵シャンクの固さの違いや、靴底にカーブがつけてあるかないかの違いだったりします。初心者向けは甲が出しやすいようにシャンクが柔らかく靴底にカーブをつけてあるものが多いようです。しかし、初心者は初心者向きが履きやすいかといえば必ずしもそうではありません。シャンクが柔らかく初心者向きと謳ってあっても、シューズ自体の形が自分の足と全く合っていないものなら履きやすいわけがありませんし、足の健康にも良くありません。また、生まれつき甲が出る骨格の人や、足首が柔らかすぎる人は、たとえ初心者でも柔らかいシャンクは危険という場合もあります。ですから初心者向け、上級者向けにとらわれず、自分の足にピッタリと合ったものを選んだ方がいいと思います。

【Vカット・Uカット】
 トウシューズの履き口の形には、VカットとUカットがあります。また、VカットとUカットの中間のようなものもあります。ロシア製のトウシューズはVカットのものが多いですが最近はUカットも増えてきました。形の非常に似ているシューズでもVカットとUカットで履き心地がかなり変わることもあります。ヴァンプの長さが同じでもVカットの方が足を覆う部分が多くなるので、ホールド力があるようです。指が長い人や甲が出すぎる人、また足首が柔らかすぎて悩んでいる人は、一度Vカットを試してみることをお薦めします。また、Vカットはかがりの加工がしやすく、その効果も出やすいです。Uカットはドゥミがしやすいようです。

【ヴァンプの長さ】
 
トウシューズにはヴァンプが長いものと短いものがあります。指が長い人、甲が出すぎる人、足首が柔らかすぎる人は長めのヴァンプ、指が短い人、甲が出にくい人、足首の固い人は短めのヴァンプが向いていると思いますが、個人差もかなりあると思いますので、いろいろ試してみると自分に向いているものが分かってくると思います。同じ型でもヴァンプの長さが3種類用意されているメーカーもありますし、大抵のメーカーは長くしたり短くしたりなどのオーダーに応じてくれます。


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