「秋風の　吹く暮れ方に　ちぎれ飛ぶ　雲とならまし　君をわすれて」　　　晶子

　　秋は旅の季節でもある。雲のように遠くに行って見たいものだ。

　　　「少年の　あけびの甘さ　今はなく」

子供の頃は甘いものなど手近になく、秋には山で　あけびを探して遊んだ。

　「手のひらに　団栗（どんぐり）遊ぶ　待ち合わせ」
　
山に行くとたいていそこいらに転がっている団栗。
茶色や未だ青いのも中にはある。大きいの小さいの丸いの長ひょろいの、
様々である。　もし団栗に何故と聞かれたら親の木に聞いてくれと。人も又同じ。

　　「秋の蚊の　人を尋ぬる　心かな」　　蕪村
夏にはあまり出てこなかったのに、暑さが緩んできたら飛びだした。
大きいのは　にぶいので捕りやすいが、それに引き換え小さいのは羽音もたてず
飛んできて知らぬ間にやられている。　秋の暴れ蚊。

　　
　　「萩吹くや　崩れ初（そ）めたる　雲の峰」　子規

萩の葉に吹く秋風が夏の雲の峰即ち入道雲も崩れ、何時しか秋の風景になった
と、云うのであろう。
萩はよくよく見るととても綺麗な花である。その昔に・・・・・、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「萩の道　登りて遥か　蘇えり」　
　　　

　さすがに「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人が言ってるがよくしたものだ。
吹く風が涼しくなった。
もう早稲の稲など刈り取られて、案山子が一人忘れられていた。

　このところ毎朝ゴーヤジュースを飲んでいる。
まがたまのように歪んだのや、うっかり気付かず黄色くなったのも、
人参、バナナ、蜂蜜、トマトやその辺りにあるもの何でも入れて、氷と一緒に
ミキサーにかける。その日によって毎日味が違う。とても苦いとき甘い時様々
である。これ一杯で結構お腹がはる。
もうゴ−ヤジュースに慣らされてきた。・・・・・・

　　　　　「褐色に　肌を焦がせる　こめつつじ」

　　「天狗塚の詩」を作成中である。一昨年の秋登ったが　こめつつじで
一面褐色に覆われていた。　
もう少し遅かったら赤く紅葉したであろうに。

二階の窓から静かに暮れて行く瀬戸内海をぼんやり眺めている。
何時の間にかすっかり暗くなり、漁をする舟の灯りがともった。
何が捕れるのだろうか？。
空は曇って星一つ見えない。地球は自転して明日へと向かう。
我明日何を為す。

　　「うらなりが　元なり本家　　味超えて」

　初めて南京を植えていたが、この干ばつで水もやれなかった。
　もう茎も枯れかけていたので、せめて元なりの何とか稔ってるのを取った。
　そしてあとは枯れるに任せて放っていた。
　もう秋、かたずけに行き伸びてる茎も抜いて、こしくれて歪んで転がっている。
　うらなりの可愛そうな南京。・・・・・・ところが炊いてみると元なりより美味しい。
　どうして・・・・・・捨てていた畑にひらいに行く。・・・・・とほほ。
　
　

昔読んだ本にこんな事が書いてあった。

　「朝起きの家は朝日が差しこんで　貧乏神のいりどころなし」

　「朝寝する家は朝日がとりまいて　貧乏神の出どころもなし」


今じゃ夜更かし爺さん朝寝坊である。

　「山の夜や　星にまじりて　あるごとく　高き方にて　鳴けるこほろぎ」　晶子

夜ともなれば虫の声が一段と高く聞こえるようになってきた。
色々な虫の音が忙しそうに聞こえてくるが、
ゆったりと時々休み乍、こおろぎの鳴く声が我は好きなり。

飯野山に登り月の出を待つ。
霞たなびく讃岐平野の山の端から、赤く染まった名月が昇ってきた。
町の夜景の中に土器川での月見の宴の灯りも見える。
なんとのどかで平和なことか。

スキャナーが言うこと聞いてくれない。
焼付けた写真や文は読み取るが、ポジフイルムの読み込みが上手く出来ない。
インストールやり直してもだめ。　　　スキャナーにへそを曲げられた。

　
　　　「ワレモコに　早く咲いてと　息をかけ」

先日、少し寒い日の朝飯野山を登っていたら、ワレモコが数本風に揺れていた。
ワレモコなんと可愛い名前ではないか。花は赤紫でよく見ないと咲いているのか
いなのか判らないような目立たない花である。
今日も草むらの中から精一杯背伸びして見送ってくれた。

　一昨日辺りから急に咲き出し、秋の到来を告げています。
今年の夏も暑かったが、雨も長らく降らなかったので、紅葉はどうなんだろうかと、
今から気をもんでいる。

長らくPC入院中でしたが本日やっと退院いたしました。
引きつづきよろしくお願いいたします。