●2010年12月8日 第121回
テーマ:パソコンの画面を拡大表示するソフトZoomTextのご紹介
話題提供:NEC パーソナルソリューション企画本部 アクセシビリティ担当 中野 裕実さん
12月の勉強会では、Windowsを搭載するパソコンの画面表示をより見やすい状態に設定するためのさまざまな機能を提供するソフトウェア「ZoomText
9.1 Magnifier」について、ソフトをインストールしたパソコンや2画面表示を体験するためのモニターなどを持ち込んで説明していただきました。
●ZoomTextで何ができるの? ―主な機能の紹介―
1)拡大表示:全画面拡大や画面分割表示など、作業する内容に応じて「元画面」と「拡大表示窓」の配置や大きさを選ぶことができる。拡大率は1.25倍から36倍まで。「拡大表示窓」に表示する文字の輪郭を
補正して読みやすくするxFont機能もあり。
2)文字色・背景色の組み合わせ変更:白黒反転、黒地に黄色の文字での表示など、白色が占める割合が多い通常画面ではまぶしいと感じる人にとって、少ない操作でお好みの設定に変更することができる。
3)カーソルの強調表示設定:文字の入力位置を示すカーソルの周囲に楕円形や四角形の枠をつけたりすることによって、見つけにくいカーソルの場所を比較的楽に見つけ出せるようにすることができる。枠の形や色などを使う人のニーズに応じて選ぶことができる。
4)ポインタの強調表示設定:マウスポインタのみを目立つ色で大きく表示させたり、ポインタの中心を交点とする縦・横の線を表示させたりすることによって、見つけにくいポインタをより見やすくすることができる。
5)キーボードによる操作:ZoomTextの起動や一時停止・再開、細かい設定に関する操作のすべてをキーボードからおこなうことができる。
6)設定事項の保存:設定した状態に名前をつけて保存することができる。そのため、例えば「ワープロソフトの時は組み合わせA、表計算ソフトの時は組み合わせB」というように、使用するアプリケーションソフトに応じてお好みの設定を呼び出して使うことが可能。
●入手するには? ―体験版の入手や日常生活用具の給付制度について―
初めての購入の場合、商品の価格は62,790円(税込み)。日常生活用具の給付制度を利用して入手できる場合がある(視覚障害での身障手帳の等級により給付に制限を設けている自治体が多いのが課題)。
すべての機能を60日間試すことができる体験版をCD-ROM等で配布している。
※ZoomTextのホームページは次の通りです
http://121ware.com/software/zoomtext/
●2011年1月12日 第122回
テーマ:触って楽しむ天文学-宇宙とわたしたち
話題提供:京都大学大学院理学研究科 宇宙物理学教室 嶺重 慎さん
1.マルチモーダル版『天文学入門』作成の背景
宇宙は大きくて広くて遠い。そのため宇宙にある星に手を伸ばして触ろうとしても到底届かない。だから盲学校の理科教育ではこれまで、どちらかという宇宙や天文学についてあまり触れずにきたのが現実。
天文教育普及研究会のユニバーサルデザインワーキンググループ(WG)では、情報収集、教材開発と製作、実践を通して、「星のことを知りたい」「宇宙について学びたい」というあらゆる人のニーズにこたえる試みをおこなってきた。例えば、小児科病棟に入院中のこどもを対象に、窓越し観望会を開いたり、事例を集めた研究会を主催したりしてきた。
このWGの活動の一つが視覚障害学生を想定したマルチモーダル図書『天文学入門』であった。
2.マルチモーダル図書を作る過程
通常の図書はまず紙に印刷された書物を作り、その後に点訳本や朗読図書が作られる。それに対してマルチモーダル図書は、活字(墨字)版、点字・触図版、音声版、電子ブック版を同時並行して作成していく。そのため、点図に触ることを想定して、図をどのように見て欲しいかといった説明を活字版にも入れた。また天文学の専門家が書いた原稿を音声版担当者がチェックし、同音異義語で聞き手が意味を取りにくい表現があれば、再び原稿に立ち返って使用する言葉を考え直すというような作業を積み重ねた。
触図については、エーデル(点図作成ソフト)を用いて図を試作しては複数の視覚障害者に意見を求めた。複数の視覚障害者からそれぞれ異なるコメントが返ってくることがしばしばあった。視覚障害者のモニターとして1人だけに意見を求めると偏ったコメントしか得られないという危険性があると感じた。
触図は、視覚と触覚での分解能の違いを踏まえて、「この図では何を伝えるか」を吟味して点の配置などを工夫することに苦労した。
3.今後の展望
視覚障害を持つ中学生や高校生向けの天文学の本を、マルチモーダル図書で作りたい。
市販して、広く活用してもらえるよう、供給の仕方における課題を解決していきたい。
●2011年2月9日 第123回
テーマ:仙台でのガイドヘルパー養成研修 約8年の取り組みを振り返って
話題提供:NPO法人しろがめ 仙台事務局 千葉 康彦さん
1.しろがめの研修を仙台で開催しようとした背景 ―問題意識―
「ガイドヘルパーと歩いていたのに怪我をした」と話す視覚障害者がけっこういた。そこで「ガイドヘルパーがいれば安全に移動できるはずなのに、どうして危険な目に遭っているんだろう?」と考えた。その結果、以下の2つが原因になっているように思われた。
①視覚障害当事者を講師にしたガイドヘルパー研修を受講した人が多く、「ガイドヘルパーとしてどのような観点で視覚障害者の動きや周辺の環境に留意し、どのように誘導するのか」について十分な指導を受けていないようす。
②ガイドヘルパー研修の講師を担うことが多い歩行訓練士は日頃、視覚障害者に単独歩行技術を指導することを主たる業務としているため、一定の訓練を受けた視覚障害者のみを想定した研修になりがち。
2.仙台での研修を振り返って ―実施状況、気づいたことなど―
「歩行訓練を受けていない(受けることが難しい状況にある)視覚障害者、視覚障害になってから日が浅く誘導されることに慣れていない視覚障害者、白杖を持っていない(様々な理由で持つことができない)視覚障害者でも誘導できる技術の習得」を目指して、2003年より毎年秋に3日間の研修を実施している(2004年からは仙台市や宮城県の居宅介護従業者養成研修事業の指定を受けて実施)。1回の研修は定員12名に対して講師3名体制。福祉分野の職に従事している人のほか、教育(視覚障害児教育の教員)や医療(看護師、視能訓練士など)に関係する職種の人も多く受講した(合計54名が受講)。助けたいという思いだけでは適切な誘導はできない。確固とした技術を身につけていてこそ当事者主体の安全な誘導が提供できる。
※今回の勉強会の後半では、誘導を受ける視覚障害者に無理や怖い思いをさせない誘導の技術を実技で 紹介していただきました。
※NPO法人しろがめでは今年も秋に宮城県での視覚障害者移動支援従業者(ガイドヘルパー)養成研修講座の開催を予定しているとのことです。
●2011年3月9日 第124回
テーマ:疾患別ロービジョンケアシリーズ1 加齢黄斑変性
話題提供:佐藤 肇さん(東北労災病院眼科部長)
陳 進志さん(あさひがおか眼科)
高津 育美さん(東北大学病院)
※東日本大震災のため、2011年4月に予定していた仙台ロービジョン勉強会は中止となりました。また、以後の回については諸事情によりテーマと話題提供者のみの簡略表示となっております。ご了承ください。
●2011年5月11日 第125回
テーマ:大震災と視覚障害者 ~約2ヶ月を振り返って~
内容:今回の大震災がもたらしたロービジョン者や視覚障害者への影響、支援の経過などから気づいたことを参加者どうしで情報交換しました。
●2011年6月8日 第126回
テーマ:さわってみよう 身近な便利グッズ
話題提供:日本盲導犬協会仙台訓練センターリハビリテーション事業部 笹山 夕美絵さん、菅原 美保さん
●2011年7月13日 第127回
テーマ:見えない人にパソコンを教えるポイント ~なぜ教えてもわかってもらえないのか?~
話題提供:荒川 明宏さん(株式会社ラビット 代表取締役)
●2011年8月10日 第128回
テーマ:学習障害者と弱視者に対応した音声付日本語提示方式の紹介
話題提供:村山 慎二郎さん(宇都宮大学工学研究科博士課程後期、NPO SPAN(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)副理事長)
●2011年9月14日 第129回
テーマ:大震災と視覚障害者 ~約半年を振り返って~
内容:東日本大震災視覚障害者支援対策本部の宮城県コーディネーターを務めている原田敦史さん(日本盲導犬協会仙台訓練センター)からの報告など、みなさんの職場での、あるいは生活での経験やそこで得た大規模災害と視覚障害者に関する課題について話題提供しあいました。
●2011年10月12日 第130回
テーマ:触れて体験「しゃべるテレビ番組表」 音声読み上げ機能つきテレビの紹介
話題提供:パナソニック株式会社デジタルAV-UD推進担当 大内 孝夫さん、藤井 慎一さん、青木 佳寿子さん、齋藤 英一さん
●2011年11月9日 第131回
テーマ:みんなに使いやすいICレコーダーを目指して ~見えない人・見えにくい人のニーズにこたえるオリンパスのICレコーダーの紹介~
話題提供:木村 圭之介さん(オリンパスイメージング株式会社オーディオ事業推進部営業グループ)
●2011年12月14日 第132回
テーマ:お久しぶりです。視覚代行システム「オーデコ」販売前後にはこんなことが!
話題提供:株式会社アイプラスプラス 代表取締役 菅野 米蔵 さん
●2012年1月11日 第133回
テーマ:疾患別ロービジョンケアシリーズ 2 糖尿病網膜症
話題提供:新田 文彦 さん(東北大学病院眼科 医師)、佐々木 奈奈 さん(東北大学病院眼科 視能訓練士)、陳 進志さん(あさひがおか眼科、東北大学病院眼科 医師)
●2012年2月8日 第134回
テーマ:◇テーマ 精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)の紹介
話題提供:仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台) 相談係係長 岡崎 茂 さん
●2012年3月14日 第135回
テーマ:宮城障害者職業能力開発校「パソコン基礎科」の紹介
話題提供:宮城障害者職業能力開発校 山田 滋木さん
●2012年4月11日 第136回
テーマ:視覚障害者用ポータブルレコーダー「プレクストーク」について ~支援者として知っておくと役立ちそうなことを紹介します~
話題提供:山岸 秀和さん(シナノケンシ株式会社 福祉・生活支援機器ビジネスユニット 営業課)
●2012年5月9日 第137回
テーマ:多様になってきた拡大読書器(その2) ―携帯型モデルの比較検討―
話題提供:トラストメディカル 小泉 大介 さん
●2012年6月13日 第138回
テーマ:知っておきたい福祉制度(4) 居宅介護(ホームヘルパーの派遣)
話題提供:障害者相談支援事業所ハンズ宮城野 主任相談員 齋藤 栄樹 さん
●2012年7月11日 第139回
テーマ:障害者地域活動推進センターきりんの紹介とその役割
話題提供:障害者地域活動推進センター きりん 支援員 大久保 陽介さん
●2012年8月8日 第140回
テーマ:スマートフォンをサポートする障害者用キーPAD 「RIVO」の紹介
話題提供:日本テレソフト 畑野 智博 さん
●2012年9月12日 第141回
テーマ:仙台市若林障害者福祉センター 機能訓練の紹介 ~視覚障害を持つ方の利用事例を中心に~
話題提供:仙台市若林障害者福祉センター 支援員 碓井 修二さん
●2012年10月10日 第142回
テーマ:見えない人・見えにくい人と楽しむ美術館ツアー ~「アート・ミーツ」1年間の取り組みを振り返って~
話題提供:NPO法人ビートスイッチ 泉田 文陽さん、千葉 康彦さん
●2012年11月14日 第143回
テーマ:障害のある方の職業能力開発について考える
話題提供:仙台市健康福祉局障害企画課社会参加推進係 障害者職業能力開発プロモーター 冨士原 美由紀さん
●2012年12月12日 第144回
テーマ:視覚障害者が安全に安心して移動できる誘導(ガイド)技術について
話題提供:NPO法人しろがめ仙台事務局 歩行訓練士 千葉 康彦さん
●2013年1月16日 第145回
テーマ:ロービジョンケアのエポックメーキング
話題提供:神戸視力障害センター 山田 信也さん
●2013年2月13日 第146回
テーマ:拡大読書器に関する地域間の差について考える ~ユーザーの好み、日常生活用具給付事情など~
話題提供:(株)インサイト 中山 雅人さん
●2013年3月13日 第147回
テーマ:リニューアルオープンした仙台市障害者総合支援センター(旧 仙台市障害者更生相談所)の紹介
話題提供:仙台市障害者総合支援センター 企画推進係 保健師 伊藤 恵子さん
●2013年4月11日 第148回
テーマ:視覚に障害がある方が安全に交差点を横断できるようになるために~LED付き音響装置つき信号の開発・設置に関する取り組みの紹介~
話題提供:篠原電機(株) 事業推進室 兼崎 暁美さん
●2013年5月8日 第149回
テーマ:視覚障害者と電子書籍へのアクセス~EPUB編集ソフト・EPUB閲覧ソフトのご紹介~
話題提供:筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 特任研究員 野澤 しげみさん、田中 直子さん
●2013年6月12日 第150回
テーマ:疾患別ロービジョンケアシリーズ3 緑内障
話題提供:東北大学医学部眼科 助教 渡辺 亮さん、東北大学病院眼科 視能訓練士 高津 育美さん、あさひがおか眼科医院長・東北大学病院眼科 ロービジョン外来担当 陳
進志さん
●2013年7月10日 第151回
テーマ:仕事を続けるために活用しているもの・工夫していること~視覚障害者と就労継続について~
話題提供:社会福祉士(仙台市職員) 小林 禎さん
●2013年8月7日 第152回
テーマ:これからの視覚障害者の就労支援について考える~特例子会社で働く社会福祉士の立場から~
話題提供:㈱アイエスエフネットハーモニー仙台営業所 直井 智子さん
●2013年9月12日 第153回
テーマ:視覚障害リハビリテーションについて ~就職や勤務継続を志望する視覚障害者への支援を中心に~
話題提供:仙台市中途視覚障害者支援センター 相談員 善積 有子さん
●2013年10月2日 第154回
テーマ:〈最新の臨床医療〉iPS細胞を用いた細胞移植を中心に
話題提供:さど眼科 佐渡 一成さん
●2013年11月13日 第155回
テーマ:拡大写本の会・宮城野の活動紹介
話題提供:拡大写本の会・宮城野 永澤 裕子さん
●2013年12月11日 第156回
テーマ:ロービジョンとなる、ロービジョンとつきあう
話題提供:仙台市太白区 藤田 幸江さん
●2014年1月8日 第157回
テーマ:点字ユーザー向け携帯型情報通信端末のご紹介
話題提供:ケージーエス(株)営業部新規開拓グループ 籠宮 純さん
●2014年2月12日 第158回
テーマ:疾患別ロービジョンケアシリーズ4 小児のロービジョンケア
話題提供:国立仙台医療センター眼科 野呂 充さん、宮城県立こども病院視能訓練士 太田 五月さん、宮城県立視覚支援学校 千田 裕子さん、あさひがおか眼科 陳
進志さん
●2014年3月12日 第159回
テーマ:よみあげ・拡大読書器「よみあげ名人」の紹介
話題提供:アイネット(株)代表取締役 吉本 道弘さん
テーマ:視覚障害者とフリークライミング
話題提供:NPO法人モンキーマジック代表 小林 幸一郎さん
●2014年4月16日 第160回
テーマ:障害者地域活動推進センターきりんで実践している運動プログラム ―プログラムが果している役割の検討を中心に―
話題提供:障害者地域活動推進センターきりん 支援員 大久保 陽介さん
テーマ:ロービジョン学習支援アプリのご紹介
話題提供:株式会社ティー・エス・シー 営業グループ マネージャー 三ヶ森 和浩さん ほか
●2014年5月14日 第161回
テーマ:いわゆる盲学校はどんな子どもを育て、どんな人材を世に出そうとしているのか
話題提供:宮城教育大学 特別支援教育講座 教授 長尾 博さん
●2014年6月4日 第162回
テーマ:若い視覚障害者とその支援者に伝えたいこと
話題提供:宮城県視覚障害者情報センター 中村 哲さん
●2014年7月日 第163回
テーマ:ロービジョンフットサル」の普及と発展を目指して
話題提供:日本ブラインドサッカー協会 ロービジョンフットサル日本代表チーム部 監督 齋藤 友規さん
●2014年8月20日 第164回
テーマ:私の就職活動体験記 ~就労までの道のり~
話題提供:介護士 大場 翼さん
●2014年9月10日 第165回
テーマ:総合病院における医療ソーシャルワーカーの役割
話題提供:仙台市立病院医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカー 澤井 彰さん
●2014年10月8日 第166回
テーマ:宮城県内各市町村における視覚障害者を対象とした日常生活用具の給付種目の実態について
話題提供:宮城県視覚障害者情報センター 地域連携推進員兼事務員 中野渡 陽子さん
●2014年11月12日 第167回
テーマ:宮城障害者職業能力開発校の紹介
話題提供:宮城障害者職業能力開発校 訓練第二班 班長 砂沢 恵子さん、訓練第二班(パソコン基礎科担当) 小松原 秀樹さん
テーマ:「障害者雇用ワークショップ2014~職業能力開発施設を活用した障害者の雇用拡大~」に参加して
話題提供:NPO法人アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者支援センター 主任就労相談員 善積 有子さん
●2014年12月10日 第168回
テーマ:文字読み上げカメラの開発経緯と試作状況、今後の展開について
話題提供:東北大学サイバーサイエンスセンター 准教授 後藤 英昭さん
●2015年1月14日 第169回
テーマ:視覚障害者と楽しい外出
話題提供:中澤 由美子さん(宮城県立視覚支援学校)
●2015年2月4日 第170回
テーマ:専門的な知識や技術を活用して個別のニーズにこたえるために重要なことは何か? ~仙台市重度障害者コミュニケーション支援センターの活動を通して考える~
話題提供:木島 真央さん(NPO法人せんだいアビリティネットワーク 仙台市重度障害者コミュニケーション支援センター事業担当)