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このページではトウシューズをよりフィットさせるための方法を紹介します。でも、まずは自分の足にフィットするものを見つけることが大切です。とんでもなく合わないものは何をしてもフィットしません。より完璧なフィット感を得るため、あるいはどうしてもフィットしないときの「微調整」と考えてください。
情報をお寄せ下さった方、ありがとうございます。
■ もくじ ■
履き口をかがる
履き口を切る
ニスを垂らす
水やり法
シャンクの後ろを切る
ゴムを付ける
リボンの付け方
リボンを下の方から付ける
リボンのほつれ止め
リボンの途中にゴムを付ける
トウシューズをゴムだけで履く
プロなどでやっている人も多いと思います。一般的にはゆるかったときや、甲の出過ぎを防ぐためにやる方法ですが、一体感が増すのでそれ以外の人にもかなりお薦めです。
こんな人(時)にオススメ
- 幅が少しゆるい(ゆるすぎる場合はダメです。限界があります)
- ゆるくはないが、もうちょっと一体感が欲しいとき
- 甲の出過ぎを防ぎたいとき
- 外反母趾を防ぎたいとき
- 1本の指が飛び出して長くて負担が大きい人
※しっかりとサポートされ足が楽になります。参考までに『コラム』〜トウシューズはサポーター〜 『バレエとケガ』〜外反母趾〜をお読み下さい。やり方
刺繍糸などで履き口のところをかがります。私の場合は常に上から針を刺し8の字にかがっていきます。こうすると輪っこにならずに済むからです。でも特にかがり方に決まりはありません。チャコット新宿店に森下洋子さんのかがったトウシューズが展示してあるので、参考にしてみるといいかもしれません。これよりかなり大胆なかがり方をしてあります。(写真は履き口をアップで撮ったもの)
ヴァンプが深すぎて困っている人にオススメの方法です。ただしかなり大変だと思います。(引き紐は使えなくなります)
やり方
- まず、フチを通っているヒモを引き抜きます。
- 履き口のあたりのバイアス(フチのテープ)をほどきます。
- 履き口の中心を5ミリくらい切り込みを入れます(切りすぎるとバイアスが足りなくなります)
- ほどいたあたりから切り込みまで上手くラインがつながるように切ります。(赤の点線部分)
- バイアスでくるみ直し、きれいにかがって出来上がりです。Vカットのように仕上がります。
★かがりとの併用もオススメです。水やりしてもまだゆるいとき、深すぎてかがりの効果が出にくい時、切り込みを入れた分、下の方からかがれるので、ボックスの下の方(つま先側)から幅調整できるので、よりフィットさせやすくなります。
フリードを履いている人はこれをやっている人が多いと思います。ボックスがすぐ潰れて困る方はこれをやると汗がしみ込まなくなり多少長持ちさせることができます。
やり方
ボックスにビンから直接ニスを垂らします。トウシューズを傾けたりして、固くしたい部分にしみこむようにし、自然乾燥させます。入れすぎると固くなり過ぎるので注意しましょう。また表にしみ出てくることもあります。
垂らす方法は先輩から聞いたものですが、入れすぎが不安な人は筆で塗ってもいいでしょう。トウシューズ専用のニスも売られているようですが、私はホームセンターで売っている木工用のものを使っています。木工用を使う場合、「水性用」と「油性用」とありますが、必ず「油性用」の方を選んで下さい。
ゆるいトウシューズのボックスを水で濡らして縮ませて自分の足にフィットさせてしまおう!という方法です。映画「センターステージ」でも似たようなことをやっていましたね!ボックスを濡らすことによって布が縮み、細くなります。1ワイズ下くらいにはなります。
やり方
- クラウンを低くする必要のある場合はあらかじめ踏むなどして低くしておく。
- プラットフォームは濡れないように新聞紙などを詰めておく。(プラットフォームが狭くなったり長さが短くなってしまうことがあるので)
- アイロンがけに使う霧吹きなどで、トウシューズのボックス部分を内側からも外側からも水を吹き付けて濡らす。
- 自分の足に合わせるため足を入れてしばらくドライヤーで乾かす。
- 生乾きになったら足を抜いて自然乾燥させます。
※これをやるとメーカーによって多少シミができます。またサテンの光り方が少し鈍くなる場合もあります。あまりジャバジャバと濡らしすぎると縮みすぎて長さも短くなってしまう場合がありますので、注意してください。メーカーによって縮み方が違うようです。最初は控えめに、縮み方が足りなかったらもう一度という風にしましょう。肌触りは少し固くなるので、乾いたあと少し揉んだ方がいいかもしれません。新品のシューズでなくても出来ますがニスを垂らしたあとのシューズはあまり縮みません。
こんな人にオススメ
- 足囲が細すぎて自分にピッタリするものが見つからない人
(D幅をC幅位に、C幅をB幅位に等は出来ますが、D幅をB幅位に等、2段階細くすることは出来ません。ゆるすぎる場合は何をしてもフィットしません。限界があります。)- 間違って幅がゆるいものを買ってしまったとき
- 微妙に足の形に合わないとき
今は4分の3シャンクのトウシューズがけっこう多いと思いますが、自分で4分の3シャンクを作ってしまう方法です。かかと部分のシャンクが不要だと感じる人に有効です。
シャンクがどこで曲がれば具合がいいかは人によって違います。人によっては「4分の3」よりも「5分の3」や「2分の1」がいいという人もいると思いますので、4分の3に限らず任意の位置で切ります。(コラム『4分の3シャンク』を参考にお読み下さい。)やり方
プロの方などはどのような方法で切っているのか分からないので、ここでは私自己流の方法を紹介します。中敷きを剥がし、シャンク(赤い厚紙)をカッターなどで少しずつ切り込みを入れ剥がしていきます。かなり固いシャンクの場合は、ある程度切り込みを入れた時点で前後に繰り返し折り曲げると突然パキンと折れたりするので、その方が楽な場合もあります。こんなときにオススメ
曲がって欲しい位置をコントロールしたいとき
かかとのシャンクは不要だと感じる人に
トウシューズが脱げないようにたいていの人がやっていると思います。踵のところに付けるのが一般的だと思いますが(図A)シャンクがいまいち足についてこない場合はクロス型に付けるという方法もあります。(図B)リボンの前後にゴムを付けるような感じです。
どうしてもかかとが脱げやすい場合は・・・
例1
図Aのような付け方で、ゴムの両端は、かかとの真後ろからスタートさせる。(踵が痛いかもしれないので、外側から付けても良い)例2
それでもダメなら、図Aのように付けたゴムを1回ひねってから足首にかける例3
図Cのように、リボンより後ろにクロス型に付ける。
ゴムがすぐにビロビロに伸びてしまう方は・・・
平ゴムは細いゴムを縦糸にして糸で織ったような構造になっています。その中のゴムが切れるとビロビロに伸びてしまいます。縫いつけるときに中の細いゴムを直撃しないように、ゴムとゴムの間に針を刺すように気を付けてみて下さい。
加工法というより外国製を買った場合必ずやらなければならないことですが、リボンを付ける位置が人によって多少違うようです。トウシューズの踵を折って、その折り目になったところに付けるというのが一般的ですが、かかとの深いものと浅いものでは折り目の位置が違うでしょうし、いろいろ試して自分のベストな位置を探しましょう。プロの方を見ても人によって付けている位置が違いますね。人によって多少違いますが、折り目のところより後ろに付けるのは足首が支えられず良くないようです。
リボンを付ける角度ですが、「斜めに付ける」とよく言われていますが、付ける位置や、甲の高さによっては、斜めに付けるとリボンの片側がたるんでしまうことがあります。ちなみに甲の低い私は斜めに付けるとたるんでしまうので、垂直に付けています。自分の足の形によって違うので縫いつける前に、たるまないか確認しましょう。
リボンをソールの付近から付ける方法です。このように付けるとシャンクが付いて来やすくなり、フィット感が増します。フィット感が今ひとつな人は、お試し下さい。
トウシューズやバレエシューズのリボンの切り口がほつれないようにする方法です。
やり方
- ライターであぶる
- マニキュアをつける
- さらにボンドをうすくつける
アキレス腱の負担を軽減する工夫です。
やり方
- ゴムは1.5cmか2cm幅のものを、長さ3〜4cmに切る。
- リボンの、アキレス腱に当たる部分を切り、そのゴムをミシンで、幅いっぱいにボタンホールを作る縫い方で縫い付ける。
※親指側から見た図です。 これをすると、きつく結びすぎてアキレス腱にこすれることが無く、アテールにしたときのリボンのたるみも減って、フィット感がアップします。ゴムはバレエシューズ用のゴムが無ければ、白い平ゴムを紅茶で染める方法もあります。
自分で縫いつけるのは面倒という方には、値段は高めですが、初めからゴムが縫いつけてある状態の「Gリボン」というものが売っていますので、それを利用しても良いでしょう。TOMONにあると思います。
これもアキレス腱に負担のかからない履き方です。外国のダンサーなどにチラホラ見かけるようになりましたね。着脱が簡単で、アキレス腱は開放されているのでとても楽です。
やり方
バレエショップで売っている、かかとに縫いつけるためのゴムには、強いものと弱いものがあるのですが、強いものを選びます。それをクロス型に、または2本平行に、少しきつめに縫いつけます。
チャコットなどで売っているレースのような幅広ゴムを、クロスしたゴムのもう少し前に縫いつけると、もっとフィットします。
※ボルドー注
この方法は足首が柔らかすぎて弱い人、甲が出るというより足首が出るタイプの人、足首の靱帯を伸ばしてしまった人には向かないかと思われます。