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月の撮影方法    How to take picturesof the Moon


月に限らず、夜景など暗いところで撮影するときに大事なことは、カメラをしっかり固定することです。
暗いものを撮影するときは、シャッターが開いている時間が長くなり、手持ちでカメラを構えていると、その間に手ブレが生じてしまいます。
カメラを固定するためには、三脚を使うことをお勧めします。
最近の手ブレ補正機能があるカメラであれば、多少の手ブレは防いでくれるかとは思いますが、期待はできません。


三脚などにカメラを固定しても、シャッターを押すときにはどうしてもカメラがブレてしまいます。
一眼レフカメラであれば、レリーズシャッターというワイヤー型の延長シャッターを使うと便利です。しかし、レリーズシャッターが付けられない一眼レフカメラもありますのでカタログ等で一度確認しましょう。リモコンが使用できるものもあります。
もう一つの方法は、セルフタイマーを使用する方法があります。シャッターを押した際のカメラへの力がかからない最も良い方法です。
セルフタイマーも「10秒」など時間を選んで設定できるカメラが多くあります。カメラを離してから振動が落ち着いた頃に丁度シャッターが切れると思います。


さらに、良い方法があります。それは、「テレコンの限界」で記載してありますが団扇シャッターです。
超望遠撮影になる月面撮影ではミラーショックやシャッターショックによるブレは致命的ですので、暗い場所で行う撮影の場合、黒く塗った団扇や黒の下敷きを2枚用意して、レンズの前で手動でシャッターを切る方法です。・・・・・・とは言え、当方もネットで教わったのですが。。。。。。

@ 月面のにフォーカスをキチンと合わせます。
A ケーブルレリーズまたはセルフタイマーでシャッタースピードを5秒以上ににセットし、露出モード5〜6秒に設定します。
B シャッターが駆動し、振動が収まるのを待ちます。
C (被写体が画面におさまるタイミングで)黒の下敷きを上下に動かし、あたかもシャッターが切れる状態を再現します。
D シャッターが閉じたのを確認し、黒の下敷きを取り除きます。
E 撮影完了です。これで月面の移動のみ考慮すれば良いことになります。


動画で撮る方法もあります。最近のカメラは動画撮影機能があります(AVI,MOV等)ので三脚に固定して動画撮影を行います。撮影後にアプリケーションを活用して動画からJPEGファイルへの切りだしを行う方法もあります。この方法は、望遠鏡にカメラ、CCD等を接続しAVIファイルから画像をたくさん切りだし、あとあとコンポジットする事で、良く利用されている方法です。


満月のときカメラを向けて、オート露出で撮影すると、大抵の場合は露出オーバーとなり白く写ってしまいます。
オート露出の場合、背景の暗い部分が多いと、自動的に明るく写そう写そうとカメラ側で調整してしまうので、画面の中に小さくある月が見た以上に白く輝いた電球のように写りこんでしまいます。
この場合にはカメラの便利な機能として露出補正が付いています。プラスにするとより明るく、マイナスにすると暗く写してくれますので丁度良い加減に調整する事が大切です。デジカメの場合は直に現像されますので都度確認しながら撮影できます。


普通に撮ると、三日月型の細長い月が写りますが、すこし長めにシャッターを開いて撮影すると、影なっていた黒の部分の輪郭までも写ります。
一度、試して見てください。幻想的な月が写しこめます。
天体望遠鏡で月を撮影   Shooting the moon using a telescope


望遠鏡で月を写す場合には、望遠鏡の拡大率が高いため被写体の月が大部分を占めるので、カメラ設定をAUTOでも十分撮影でき露出も正確に設定される場合が多いようです。デジカメで撮影した結果は直ちに液晶モニターで確認することが出来るのでマニュアルの場合は、露出補正などで微調整しながら撮影できます。

月を撮影する時には、撮影に最適な露出時間を決めるのが結構大変です。そもそも月面は太陽の光が反射していますので、満月の時には月面の影がほとんど無くなり、上弦、下弦、三日月の場合には場所によって明るさが異なります。月の明と暗の境目ではクレータの影が出来立体感が感じられますがし、欠け際から遠く離れたクレーターなどは眩しく感じられるものもあり、部分部分で露出設定が変わると考えて良いでしょう。

従って、月面のすべての場所に対応する適正な露出時間は無いと考えるべきで、暗い部分と明るい部分の状況を加味して中間あたりの露出が無難です。また、望遠鏡で月の一部分のみの撮影の場合には逆に露出調整は楽になりますが、月が刻々と移動しますので固定撮影の場合にはシャッター速度を考慮する必要があります。

デジタルカメラを使って撮影する場合には、とにかく色々な条件を設定して出来るだけ多くの撮影を行い、後からデジタル処理をすることを考えるべきです。被写体ごとの露出時間とカメラのF値については以下が参考になります。


望遠鏡を使って撮影する場合、直接接眼レンズの代わりに一眼レフカメラを取り付けて超望遠撮影をする防法と接眼レンズとの光軸を一直線にしてデジタルカメラで拡大して写す方法があります。後者の場合には、望遠鏡メーカから出ているカメラアダプタがが必要です。接眼レンズにカメラを手で持って写せないこともありませんが難しいです。カメラアダプタには多くの種類があります。デジタルカメラや接眼レンズの種類によりそれぞれ適合するサイズが異なります。


望遠鏡で月を見ると、全体がゆらゆら揺れていることがあります。この現象は上空の大気の流れが原因です。これを「シンチレーション」、または「シーイング」と呼びます。
反射式望遠鏡の場合は筒の中の大気の影響も受けます。
「シーイングが良い日」にはピントの合った綺麗な写真を写すことができますし、「シーイングが悪い日」には撮ってもとってもピンぼけのような写真しか写すことができません。
シーイングは、春から夏、特に夏の太平洋高気圧に広く日本列島が覆われるような時期が最も良くなり、特に宵の口よりも明け方のほうが良いようです。移動性高気圧に覆われる時もシーイングが良いことが多いようです。逆に冬の木枯らしが吹き荒れるような時期は最悪の状態になることが多いようです。
肉眼で星を見て、星ががキラキラ瞬くような日はシーイングが悪いと判断出来ます。風がなく曇天の日には良いことが多いようですが曇天では星を写すにもシャッターチャンスが中々得られません・・・・。実際に望遠鏡をのぞいて判断するのが一番確実だと思います。


コンパクトデジカメを使って惑星を手軽に撮影する方法は、意外と簡単に撮影出来ます。デジカメの良いところは「フィルム代がかからない」「撮った画像をその場ですぐ見れる」ということがあります。一番簡単な撮影の方法は、手持ちで撮影する方法です。撮影手順は次の通り。

1. 月や惑星を天体望遠鏡の視野に入れ、ピントを合わせる。
2. デジカメを望遠鏡の接眼部に近づけ、デジカメの液晶ファインダーの中に天体が入るようにする。
3. デジカメのレンズをぴったり接眼レンズにくっつけ、中心の軸を合わせるよう心がける。
4. ピントはデジカメのオートフォーカスで大丈夫と思われます。合わない時は 「画面中央で合わせる」などカメラを設定変更。
5. シャッターボタンを押してシャッターを切るか、セルフタイマーでシャッターを切る。




月や惑星の撮影は、デジカメや銀塩カメラでは、長時間露出のために、悪気流の影響を受やすくなりますのでビデオカメラ(デジタルビデオカメラ)を使った撮影方法があります。ビデオカメラを用いれば、揺れ動く惑星等の姿を数十分の1秒の高速シャッターで連続して捉えることができ、あとから、よい条件の画像だけを取り出すことが出来ます。天体望遠鏡とビデオカメラの接続は、デジカメのときと同様です。最近では、ハイビジョン撮影も可能となってきました。

画像編集パソコンにカメラを接続して、ハードディスクに読み込みます。ハードディスクに読み込んだムービーを、コマ送りで再生して良好なフレームを静止画として保存します。なるべく多くの静止画を得るようにし、100フレームくらいはほしいところです。画像処理ソフトを使ってレベル補正等を行います。




近年、パソコンの動画用の小型カメラで、惑星を撮影することが流行しています。Registaxという画像処理ソフトを使って高解像度写真が手軽に作れることで利用している人も多いと聞いています。パソコンからカメラの制御を行い、パソコンのハードディスク上にAVI形式の動画ファイルを記録します。

現在のところ低照度での感度や、画像の品質などの点でCCDチップを採用したものが良いでしょう。画素数は、30万画素程度からありますが、画素数よりも最低照度の低いものを選ばれた方が良いと思います。当方は、数10種類を購入し、分解、レンズ撤去し実際写して選択しています。
【カメラの参考F値】
対 象 レンズのF値
2.8 4.0 5.6 8 11 16 22
月の地球照 2秒 4秒 8秒 16秒 32秒 60秒
三日月 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2
五日月 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4
半月(上下弦) 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
月齢11形 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15
満 月 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30



月面を望遠鏡で覗いた場合、クレーターを見るとも大きく拡大してキッチリと撮りたくなります。望遠鏡の倍率をどんどん大きくしていくと拡大率が大きくなり像が暗くなります。結果的に露出時間を大きくすることとなります。この場合にはシャッターを開いている時間を大きくしますので月の移動する距離も大きくなり固定して撮るにはかなり厳しいものとなります。ブレた写真しか撮れなくなる。
また拡大率をどんどん上げていくと月の移動以外にも風の影響による望遠鏡のブレや上空の気流の変化など、被写体のブレの可能性が大きくなり無視出来なくなります。撮影は、可能な限り高速シャッターで撮影を行うべきです。赤道儀を利用する必要があります。
カメラのレンズは、中央付近が最も像が良く写ります。周辺にいくほど像が悪くなりますので被写体はなるべく望遠鏡の真ん中に置くようにします。




対 象 レンズのF値
2.8 4.0 5.6 8 11 16 22
月の地球照 2秒 4秒 8秒 16秒 32秒 60秒
水 星 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60
金 星 - - 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500
火 星 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30
木 星 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
土 星 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2
天王星 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1 2
木星4大衛星 1/2 1 2 4 8 15 30
星を見るための準備
星を見るためには心がけることがあります。

日ごろの行いが良いことも当然ですが、月が出ていない新月の日をターゲットにするのがベストです。星を見るのに結構邪魔になってしまうのが、月明かりです。街明かりと同じで、星の光をかき消してしまい、街明かりの全くない場所に出かけても効果がありません。

月明かりってこんなに明るいものかと気づきます。星を見るための条件は、天気が良いことの次に、その日の月の状態をまず確かめることが必要です。

月は、およそ29.5日を周期に満ち欠けを繰り返しています。

全く見えない状態が「新月」でそこから「三日月」、「上弦の月(東側が欠けた半月)」と形を変え、一番満ちた状態が「満月」になります。

満月を過ぎると、今度は徐々に欠けていき「下弦の月(西側が欠けた半月)」、「二十六夜月(三日月と反対の形)」、再び新月となり、この繰り返しとなります。

満月と細い三日月では当然明るさが違いますから、星の見え方も違ってきます。従って、星の撮影では満月よりも欠けた状態が良いこととなります。

また、月は、常時見えている訳ではありませんので、星の観測時間帯によっては好条件の場合もあります。
下の月の満ち欠けでは、右下から徐々に形が変わっていきます。
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