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ニュース & 雑記帳

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天気マークの区切り線


2月22日
●なかなか雪が融けません
1月末の雪がやっと融けたとおもったら、また次のが降って、融けそうになったらまた降ってと、最近地面が見えません。
この後降らなければ、今の根雪が融けて春ですね。もうすぐ3月なのですから。

●大工修行?
雪が融けないので(屋根創りや階段製作の作業ができないので)知り合いのところに遊びに行ったら、自宅増築の内装の助っ人を頼まれてしまいました。
知り合いはログビルダーでもあるのですが、最近はほとんどP&Bばかり、それも仕上げまでやっているのでほとんど大工さんです。P&Bは在来の軸組み工法ですからね。

まあ、根雪の融けるころまでということで、約2週間ほど手伝ってました。
根太を高さを合わせるために丸鋸で縦引き、1尺間隔の根太張り、断熱材の受け板張り、スタイロフォームという断熱材入れ、下地(捨て板)張り、仕上げの無垢板の乱尺張りとやってきました。
すべて釘の手打ちだったので、50ミリ釘などは4キロ入りを2箱も使いました。いやはや何本打ったことやら。1グラムとしたら8千本ですかねえ。ここまで約1週間でした。

仕上げの乱尺張りはもっと大変です。厚さ18ミリ、幅80ミリ、長さは40〜120センチくらいです。
しばらく在庫していたものの払い下げ材ということで、それぞれ誤差があるし、反り、曲がりもあるしで、これらを一分の隙間もなく張るのは至難の業です。

0.5ミリまでの隙間は許容ということでしたが、とは言ってもぴったり合うところは合うわけで、気になってしまうのです。誤差もプラスプラス、またはマイナスマイナスになると1ミリも空いちゃうわけですから、これは修正しなければなりません。カンナ掛けなぞしたことがないので、サンダーで削っていました。
最初は1日で1間幅7列(約60センチ)くらいしか張れませんでした。まあ、だんだん調子は上がってきますが、1坪張るのに、4日間くらいはかかりますね。
ここの増築は10坪なので一人でやると1か月以上はかかる計算になります。こういう作業はボクにはとても無理ですね。やっぱり大工さんはエライのですよ。
2月12日
●寒さもあと3週間くらいかな
あいかわらず寒い日が続いています。先日降った雪は通路以外は根雪になってしまいました。
今冬はやっぱり暖かいようです。平年より1〜2度高いと放送していました。
立春を過ぎたら、あと一か月で春ですね。天気予報ではよく「3月中旬ころの陽気になるでしょう」なんて言ってますね。このあいだまでは「12月初旬ころの陽気です」なんて言っていたのにね。

●丸太の収縮は?
前回紹介した唐宇了のブログで見たセトリングの記事が気になっています。セトリング、つまり丸太を横積みした壁が下がる現象のことですね。
一般のハンドカットログハウスはセトリングが大きすぎるというんです。15〜20センチ沈むのは当たり前という人もいるとか・・・。それはおかしいと言って、丸太の収縮を実験している写真を掲載していました。条件は不明ですが、数ヶ月経っても直径は1〜2ミリくらいしか細くなっていませんでしたね。
ということで、セトリングは重さの影響のほうが大きいと言うのです。というよりも、刻み方が問題だということです。

・自由水
それで、丸太の性質についてちょっと調べてみました。
収縮は丸太の乾燥によって発生するのですね。つまり含まれている水分の量(含水率)によるわけです。丸太を伐り倒した時点から水分は抜けていきます。
放置しておくとまず自由水というのが減少していきます。葉枯らしといって、葉を付けたまま放置すると早く抜けるのですね。また、横にするより縦にしたほうが抜けやすいといいます。この自由水が抜け切ると含水率は30パーセント(繊維飽和点)くらいになるのだそうです。
時期によって違いますが、ここまでで3か月くらい、半分以下の重さになりますね。この時点までは収縮はおこらないということです。

・結合水
この先は細胞内の水分(結合水)が抜けることによって含水率が低下していきます。とはいっても0パーセントにはならず、15パーセント前後で落ち着くようです。この状態とき周囲の湿気の状態によって吸収放出するので「木は生きている」などと言われるんですね。
丸太は収縮はこの結合水が減ったときに発生するのだそうです。つまり30パーセントから15パーセントになる分だけ細くなるわけですね。含水率1パーセントあたり平均値で0.15パーセント縮むようです。
ということは15パーセント減ると2.25パーセント縮むということです。25センチ径なら5.63ミリ細くなりますね。10段だと56.3ミリです。セトリングに占める割合はわりと少ないです。やっぱり丸太の重さが影響しているようですね。

・下がる訳
一般的にセトリング率は6パーセントくらいで設計します。5センチ径の丸太では150ミリです。これを超えると窓やドアが開かないとか、丸太の隙間が空いてくるなどのトラブルが出てきます。
重さによる沈み込みは、丸太がつぶれることで発生します。ある程度はしかたないのですが、刻み方は重要ですね。オーバースクライブといってノッチ、グルーブで差をつけたりしますが、これの大きすぎ。ノッチやグルーブカット時のエッジの立て過ぎ(鋭くし過ぎる)などです。つぶれたり落ちたりする余裕があればその分だけ落ちてしまうということになるのでしょうかね。

・樹種の違い
ところで、樹種による収縮率ですが、ある文献によると次のようでした。
   スギ     : 0.10%
   ヒノキ    : 0.12%
   ベイマツ  : 0.14%
   カラマツ  : 0.18%
なんと、スギは一番小さいのです。これはオドロキでした。ということはスギは沈まない?というわけではないんですね。やわらかいからつぶれやすい、のでやっぱり大きく沈むでしょう。

・検証?
まあ、その人その人の考え方で、考えていないのかもしれませんが、それなりの方法をとっているわけですね。このあたりは個人ではなかなか実証が難しいようですねえ。建築基準法にも明確には書いてないですからね。いずれにしても、無駄には下がらないほうがいいですよね。
それでひとつの検証として丸太の乾燥と収縮を実験してみることにしました。伐りたてのスギ丸太があったので、時間の経過にあわせて直径と重さを測ってみようと思っています。
ときどき報告しますので、こうご期待です。(うーむ、今回もマジメだった!)

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