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2006.04.20                        →拡大して写真を見る

朝もやがゆっくりと消え去り、晴れ渡ったすがすがしい春の一日の始まりで、木々も芽吹き始めた。
ここでは、雪が消えた3月下旬から木々の芽吹きが終わってしまう4月下旬の、この春の1ケ月が、私は一年中で一番好きだ。日光は夏のように、折り重なった木の葉に遮られることがなく、木々の枝の間から地面に満遍なく降り注ぎ、林の中を歩くと乾いた落葉が足元でカサコソと音を立てる。同じ落葉の林でも、秋と違って春は生命が再び輝こうとしている気配を、体中で感じることができる。

毎年冬の大雪で、幾つかの木々が傷ついたり倒れたりする。この林には樹齢何百年もある大樹もあるけれど、多くの木々はそのような樹齢に達することなく、動物たちと同じように、木々たちも自分の命を幾つかの種子に託し、その生を終える。ケヤキ、モミジ、カエデ、ミズナラ、ホウ、ブナ、コシアブラ、アオハダ―落葉広葉樹が50数種類を数える半径100メートルにも満たないこの林で、私は無数の種子が親木の遺伝子を引き継ぎ土から新しい芽を出し、命が受け渡され循環していることに出会う。


2006.04.21                        →拡大して写真を見る

折り重なり、敷き詰めたような落葉の林(茶色に見える所は落葉が絨毯のようになっている)。フカフカしたこの落葉が多くの水を蓄え、木々の栄養分となる。上段説明文の「歩くとカサコソ音がする」とはこのような落葉の林だ。そしてこの林には一年を通して多くの鳥たちがやってくる。
この林にやってくる鳥たちの種類については、鳥に詳しくないので種数の観察もしていないためその数は解らない。ここは見晴らしの良い明るい里山なので、彼らは天敵に対して防御し易い安心感と、木々の若芽、花、木の実、昆虫などの餌が豊富なので多くやってくるのだと思う。



2006.05

野鳥の図鑑の説明によると「一日中歌いくらす森一番の歌い手」とある通り、喉から胸にかけて赤オレンジのキビタキは、ここの林でも一番の歌い手でウグイスでさえとてもこの小鳥にはかなわない。

渡り鳥であるキビタキの一つがいが4月始めここの林に毎年のように必ずやってきて、ヒナを育てて梅雨あけ頃までさえずっている。早朝、空が白みかけるころから鳴き出し、時々休んだりするけれど、自分の縄張りを巡ってさえずり通しだ。

スズメほどのこの小鳥の体のどこにあれ程のエネルギーが潜んでいるのか不思議でならない。数年前のキビタキなど、単調なさえずりに始まって、調子にのってくると次々と持ち歌のレパートリーの変奏をやってのけた。それはまるで、話し言葉で歌っていたオペラのプリマドンナが突然アリアを歌い始めた如くであった。

歌い手 "キビタキ" にも才能の差が歴然としてあり、最近このような芸術家の才能を持ったキビタキの後継者が続かなくなってしまった。それでも、平凡な才能のキビタキでさえ、この林にやってくる鳥たちの中ではこの小鳥が一番好きで、雪解けが始まるとこの小鳥がやってくるのがとても楽しみになる。



1998.04.07
周囲は自生している山桜が多くデッキ脇の桜が特にきれいに咲く。


2000.04.09
デッキ脇の山桜に毎年メジロが仲間たちと密を吸いにくる。


2000.04.10
隣の おばあちゃん お孫さんたちと春のお茶会。
この春 小学2年生になった女の子の手つきが微笑ましい。


2004.04.04

山荘前のカタクリの群落。
カタクリは、雪解けの終わりに頭上の広葉樹が葉を茂らせ影を落とす前に一斉に花を咲かせ、養分を根に蓄え早枯れする。



2003.03.15

集落の人たちと春のパーティー。
左のエプロンをした女の子と右の姉の2人が手伝ってくれた。



2003.04.10 黄昏時

春の訪れ!さすがの雪も消え去り、水仙が咲き出し、うきうきするような一日だった春の黄昏時。夕闇が迫る頃には"トトロの親子"がどこからともなく現れそうな気配だ。

トトロの子供「お父さん、あそこに変な新しいものができて、この森に人間どもが住んでいるようだよ!面白そうだから、ぼく、今晩フクロウに変身して遊びにこようかな。お父さんは?」。
「そうだな、お父さんはムササビにでもなるか」。お父さんは気が向かないようでしたが、はたしてその夜になってみると、フクロウがホーホー、ムササビがギャーギャーと、雌を求めて(今夜のトトロは男だ!)思いっ切り鳴いたり叫んだり生命を謳歌してにぎやかになり、ここに住んでいる人間どもはうるさいと思ったけれど、野生のような自然の只中に生きている喜びに満たされてゾクゾクしたのだそうです。 (フクロウのヒナが別の日の夜に写真のアトリエの窓辺に爪を掛け部屋を覗きこんでいたけど、トトロの子供だったのだろうか?)

ある夜中、好奇心の強い間抜けな(失礼)リスとムササビが、それぞれ別な日にだけれども、暖炉の煙突を覗き込んでいるうちに落ちこんでしまい、夜中のサンタさんのようにリビングに現れて部屋中ススを撒き散らしてしまったのだそうです。今までに3回も。その後知恵がついたのか落ちてこなくなりましたとのこと。



2004.04.18

芽吹き始めた林。
この時期、周囲の自然が一日一日と変化し花が次々と咲き出し一年で一番美しい季節。
そうした環境で精神も自然のリズムに同調しいきづく。



2003.04.18

山荘の南斜面を下りきったところで、芽吹き真っ盛りのブナの林。
氷河時代の生き残りの樹だと教えてくれた人がいて、この地での群生は珍しいとのこと。
他の樹々に先がけて芽吹く。特にミズナラや朴の木などはずっと後になる。



2006.05


2006.05

新緑の頃に咲きほこるタニウツギの花。

ワラビ・ゼンマイ・ウドなどの山菜が盛んな頃、ピンクのきれいな花を咲かせる。写真のような5分咲きくらいが一番きれいである。
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