天空のロエラ

第3章 滅びの草原


 声がほしかった。
 貴方の問いに答えるための声。
 貴方に、わたしの気持ちを伝えるための声。
 貴方に愛を囁くための声。
 ずっとずっと、声がほしかった。
 貴方に、わたしのピアノではなく、わたしを愛してもらうための声が。





 長い長い眠りはいまだ続いているかのようだった。目を開けていても移ろいゆく景色は同じに見える。
 エアが裏切っていたとキスミェルから聞かされ、アルデレイドもまた、うすうす気がついていたのだと聞かされてからというもの、一人で馬を駆っていてもマリィの意識はともすれば白濁した世界へと引き込まれていた。
 信じていたわけではない。心惹かれていたわけでもない。それなのに、どうしてエアが追ってこないというだけでこんなにもショックを受けているのだろう。
 まだ、今にも目の前にエアがひょっこりと顔を出して「マリィさん」と呼びかけてくることを期待している自分が不甲斐なかった。
 あいつは狂戦士なのに。オルガ兄上の敵なのに。
 覚えている。七年前、銀髪に青い瞳の少年が、話し合おうと呼びかけたオルガ兄上を無残にも一刀のうちに斬り倒した瞬間を。はっきりとこの目に焼きついている。エアはあの狂戦士なのだ。そして、おそらくはアルターシュの森で虎に襲われているふりをして自分に近づいてきたときから、全ては計画のうちだったのだ。
 誰の?
 グスタフの? それとも、エア自身の?
 アストラーダ王グスタフがエアを使って自分の気持ちを解かせたのか、リドルト王家最後の生き残りであるエアが何らかの目的を持って、同じくリドルト王家の血を引く自分に近づいたのか、マリィには判断がつかなかった。少なくとも、グスタフがエアを使っていたというのなら、たとえ事前にグスタフ自身歌を聞いていたとしても、マリィの前でまでロエラの歌を歌うことは許さない気がしたが、それ以上マリィの思考は進まなかった。
 ともすれば、なぜ自分がリドルト平原に向かっているのかすら分からなくなりそうだった。アストラーダから逃げ出したまではよくとも、白紙の密書を持たせた姉が治めるデルフォーニュに帰る場所はないような気がした。
 そう。マリィにとって何よりのショックは、信仰に近い思いで崇めていたブランシュがマリィを切り捨てたことだった。いや、まだ切り捨てたとは決まっていない。もしかしたら、エアからマリィが密書を携えてくることを事前に聞いていたグスタフが白紙の密書を用意しておき、自分が衛兵に渡した瞬間に衛兵に摩り替えさせたのかもしれない。マリィたちがアストラーダに着く前に、ブランシュが軍隊をアストラーダに向けて出発させていたというのも、グスタフの嘘かもしれない。
 全ては、グスタフの仕組んだ罠なんだ。
「……姉、上……」
 そう思い込もうとしても、すでにマリィはブランシュを信じるよすがを失ってしまっているようだった。何が本当なのか、直接ブランシュに問いただすまでは、姉を疑ってはいけないと何度も何度も言い聞かせていた。
 一日の大半を馬を駆りながら、ほぼ無言で西へと駆け抜けてきたマリィの目の前にリドルト平原が見えてきたのは、アストラーダを脱出して一週間後のことだった。
 砂漠一歩手前の荒野には、かつて大陸一の王都と呼ばれた面影はどこにもない。それは何度通っても同じだったが、その日は若干様相が異なっていた。
「お待ちください、マリィ様」
 様子がおかしいことに気づきつつも、惰性で馬を進めようとしたマリィの馬の手綱を、横からアルデレイドが引き掴んだ。
「……あの黒いのは……デルフォーニュ軍か?」
 全身から一気に血の気が引き、蒼白になったマリィは掠れた声を押し出した。
 信じたくはなかった。デルフォーニュからここ、リドルト平原までは徒歩で半月。アストラーダと戦えるほどの戦力を率いて来るとなればそれ以上の時間が必要となる。すでにデルフォーニュ軍がリドルト平原に布陣しているということはすなわち、マリィたちがアストラーダを発つ前にデルフォーニュを出ていたということだ。それこそ、マリィとアルデレイドがエアを追ってデルフォーニュを出た直後から準備を始めなければ、いや、その前、マリィがデルフォーニュに帰ってくる前から進軍準備をしていなければ、今ここに堂々と布陣できるわけがない。
「グスタフの言ったことは、本当だったのか」
 唇を噛み締めたマリィは、自嘲の笑みを浮かべてアルデレイドを見上げた。
「アルデレイド、お前、どこまで知っていた?」
「どこまで、とは」
 身長にたずね返すアルデレイドに、マリィは手綱を握る拳にさらに力をこめた。
「姉上が進軍準備をしていることくらい、気づいていただろう? なぜ言わなかった!?」
 拳だけでは抜ききれなかったものが怒声となってアルデレイドにぶつけられた。それでもまだ、マリィの身体はうちからこみ上げるものに震えている。
「なぜ、教えてくれなかった。なぜ一緒にアストラーダまでのほほんと旅を続けた。なぜ、アストラーダまでのこのこと……アルデレイド、わたしが姉上に切られていたこと、わかっていたんだろう?! なのに、なぜ……なぜ、わたしと一緒に来た?!」
 マリィの目から、幼い子のように涙が溢れ出していた。
 アルデレイドは、ふと肩から力を抜いて微笑んだ。
「不忠を承知で申し上げます。私がお仕えしておりますのはデルフォーニュ女王ではございません。アン=ゾフィー様でございます。三年前、アン=ゾフィー様に見出されてからというもの、女王の近衛隊長となったのも、アン=ゾフィー様の御下命があったからでございます。主をお守りするのが私の務めでございますから、今回の女王の命令は私の本懐にかなうものでございました」
「アルデレイド、わたしの本懐を知っていただろう? わたしは、姉上の剣だ。女王の妹じゃない。デルフォーニュ軍の元帥だ。総指揮官だ。なぜ、なぜ総指揮官抜きで軍がこんなところまで進められている? なぜ、なぜ……」
 威厳を正そうと言葉を紡いでも、しゃくりに襲われて言葉は途切れ途切れになる。アルデレイドはそれを根気よく聞きつづけた。
「姉上はわたしを王の妹として……切り、捨てたんだ……?」
 再び溢れ出した涙に俯いたマリィに、アルデレイドは静かに息を吸い込んで言った。
「失礼ながら、申し上げます。アン=ゾフィー様こそ、姉である女王に甘えておいでだったのではないですか? 今も、貴女はデルフォーニュ軍の元帥だ、総指揮官だとおっしゃいましたが、女王の剣だとはおっしゃいませんでした。なんと言ったか覚えていらっしゃいますか?」
 マリィは茫然としてアルデレイドを見上げる。
「わたしは……姉上の、剣だ、と……」
 はっとマリィの瞳が見開かれる。
「貴女は女王に対しては無条件に盲目になられていた。女王はそのことに気づいていましたよ。だからこそ、戦争のない平和な世界を作るためにロエラを探すという大儀の裏に潜む野望をあなたに知られるのが恐ろしかったのでしょう」
「え……?」
 マリィの問いに言いよどんだアルデレイドのかわりに、黙って話を聞いていたキスミェルが口を挟んだ。
「盲目の愛であるほど、目が覚めた時の反発が大きい。アストラーダを侵略してこのオリア大陸をデルフォーニュ一国にしてしまいたいという野望をお持ちのブランシュにとっては、正義感の強いマリィ殿は心強さ半分、恐ろしさ半分だったんだろうね。貴女は侵略よりも共存を望むタイプだろう?」
「そんな、姉上だって戦争は嫌いだと……」
「戦争は目的ではなく欲しいものを手に入れるための手段だ。ブランシュ殿は目的を重視する。たとえそこに至るまでの手段が意に染まぬものだったとしても、最も効率がよければそれを選ぶ人だ。最も、三年前のことといい、私にはブランシュ殿が戦争がお嫌いだとは思えないけれどね」
 唖然とするマリィにかまわず、キスミェルは続けた。
「ある意味、ブランシュ殿は臆病なのだよ。うちの兄もそうだし、おそらく王と呼ばれる者たちは皆そうなのかもしれないが、相手を信じられないがために、共存ではなく侵略することを選択してしまうんだ」
 確かに、今は友好関係を結べてはいても、いつ裏切るか知れたことではない。しかし、戦争にはたくさんの人と物資が必要になる。負ければ投資したもの全てが無駄になる。堅実を重んじるブランシュがそんな賭けを好むとは、マリィにはとても思えなかったが、堅実だからこそ、国の脅威となるものを排除してしまいたいという気持ちは分からなくもなかった。
「しかし、だからといって姉上がわたしのことを人質になると分かっていてアストラーダに遣わせるとは……」
「ロエラの秘密、何か掴んだんだろう? リドルト王家口伝の歌でも聞かされたとか」
 にやりと笑ったキスミェルに見透かされているようで、マリィは視線をそらした。
「ロエラは代々リドルト王家に伝えられてきた伝説だ。元を辿れば、我がアストラーダもデルフォーニュもリドルト王家の分家。その分家にロエラの歌がそれぞれ一部ずつ伝えられていたわけだが、リドルト王家だけは全て伝えられているはずだ。奴が、それをマリィ殿の前で歌ってみせた」
 渋い顔で口元を引き結んだマリィに、キスミェルは苦笑した。
「ああ、無理に肯定も否定もしなくてもいい。これはただの私の仮説だ。君は女王にその歌を献上しようとしたが、奴に逃げられた。いや、もしかしたらブランシュが逃がしたのかもしれないが。ブランシュは、はじめは奴を追えと命じたのではないかい? ついでに、アストラーダに密書を届けてほしいと。さしづめ、リドルト王家復興の話でも書いているといって」
「お、前、どうして……アストラーダの斥候がそんなところにも入り込んでいたのか?」
「私自身が放ったつもりはないが、兄にぺらぺらと喋ってる奴がいてね。断片的に聞こえたものを繋ぎ合わせて大体の見当をつけたのだよ。まあ、ブランシュにとっては、願ってもない好機だったんだろう。白紙の密書を持たせてアストラーダに遣れば、アストラーダは侮辱されたと怒り、密使はその場で処刑。運がよくても牢屋行き。デルフォーニュはいずれにせよアストラーダに攻め入る口実を手に入れることができる。マリィ殿の女王への忠誠心からして、何があろうと生きたマリィ殿の口からロエラの秘密が漏れる心配もない。マリィ殿の口封じもできて、さらにアストラーダに攻め込む口実も得られるんだ。まさに一石二鳥」
 飄々と元婚約者の狡猾さを語ってのけたキスミェルに悪びれるそぶりはない。むしろ、ブランシュの思考を嬉々としてなぞっているようにさえ見える。
 ぐらりと襲っためまいに、マリィはきつく唇を噛み締め、地を踏む足に力を入れた。
 キスミェルはアストラーダの王弟だ。その言葉に偽りがないという保証はない。しかし、姉ブランシュを盲目的に信じていたはずの心はいまや拠り所を失って身体同様にぐらぐらと揺れていた。キスミェルの言葉を否定してほしい。すがる思いで見上げたアルデレイドも、憐憫のこもった目でマリィを見つめ返すだけだった。
(知らないのはわたしだけだったというわけ、か)
 長く、長く、腹の底から息を吐き出す。
 心中で呟いた言葉一つで心の整理がつけられるほど、姉ブランシュに対する思いは浅くはない。しかし、吐き出しただけの息を吸い込むと、マリィはマゼンダ色の瞳に力をこめてアルデレイドとキスミェルを見渡した。
「姉上のところへ行く」
 きっぱりとそう言いきったマリィに、アルデレイドは驚きに目を瞠り、キスミェルは興味深そうな視線で探るようにマリィを見つめた。
「よほど君はあの腹黒女が好きと見えるな」
「姉上のことをこれ以上悪く言うな。いくら姉上の元婚約者でも許さないぞ」
「私は本当のことを言ったまでさ」
 慌てもしなければ悪びれもせずに言ってのけたキスミェルに対して、アルデレイドはおろおろとマリィに呼びかけた。
「アン=ゾフィー様。それだけはどうか考え直してください。デルフォーニュから抜け出し、ようやくアストラーダからも逃げおおせることができたのです。何も自分から死にに行かずとも……」
「ではどういうつもりでお前はここまでわたしを連れてきたのだ? 何か考えがあったから、キスミェルの好きなようにわたしをリドルト平原まで連れてきたのだろう?」
「デルフォーニュ軍に戻っていただくためではございません」
「姉上の不義理をこの目に見せつけるためか?」
 目に剣呑な光を宿らせて微笑んだマリィに、アルデレイドはそっと目を伏せた。
「確かにあの軍勢の姿を見なければ、何を言われたってわたしは姉上を疑うことはなかっただろう。だが、わたしは腐ってもデルフォーニュ女王の妹だ。国軍を預かる者だ。もし、人質にされていたわたしが無事だということが分かれば、デルフォーニュも表面上戦いやすくなるだろう。自らが蒔いた種とはいえ、アストラーダ軍ももうすぐそこまで来ているのだから」
「アン=ゾフィー様。お分かりですか。女王の元に帰るということは、すなわち……」
「女王の剣に戻りに行くということだ」
 明確なマリィの回答に、アルデレイドは一度口を噤む。
「ああ、奥の高台に女王旗が見えるね。こんなとこまで出てきて人殺し見学とは、いよいよ女王も手どころか全身を血に染めるおつもりらしい」
「キスミェル!」
 厳しく咎めたマリィに、キスミェルはリドルト平原の中央、デルフォーニュ軍とこれからアストラーダ軍とが布陣するであろう場所の中間よりやや奥に位置するリドルト遺跡を眺めやって言った。
「マリエトレッジ・アン=ゾフィー殿。勘違いしない方がいい。ここでこれから起こる戦争を見る分には手を汚す程度だ。だが、ロエラを手に入れれば、全身を血に染めることになるだろうという意味だ。君にブランシュ殿を止められるかい?」
 マリィは挑むようにキスミェルを睨みつけた。
「ロエラの謎はまだ解けていない」
「そう思っているのは君と狂戦士くらいのものだろう。三年前、ここで君たちの戦いを見ていた者なら誰もがこの目に焼きつけている。竜神の姿をした女性の幻影が稲妻と化して勝負を決した君たち二人の元に降りてきたのを」
「それがなんだって……もしかして、それがロエラなのか?」
 狂戦士を討った直後のマリィの耳に残っているのは頭上を駆け回る雷鳴の轟きだけだった。その後、すぐに気を失ってしまったから、幻影などは見ていない。しかし、ブランシュがロエラを探そうと言い出したのは、確かその三年前の大戦が終結した直後だった。
「ロエラは実在する。実在するのなら、出現させられれば謎は解ける。気づかないかい? ブランシュは、いや、兄上もか。両国は三年前の再現をしようとしているんだよ。ただ残念なことに、ブランシュ殿は君と狂戦士が鍵になっているとは思っていなかったんだろう。デルフォーニュとアストラーダが死闘を繰り広げればロエラが現れると思っている。だからやすやすとアストラーダに君をくれてよこした。その点、兄は気づいていたんだろう。アストラーダに狂戦士を取り込み、逃げるマリィ殿は追わずに帰した。君ならきっとデルフォーニュ軍に戻ると言い出すと思ってね。さあ、それでも君は女王の元に戻ると言うの?」
 マリィはキスミェルを睨みつけ、やがておもむろに口を開いた。
「わたしと狂戦士が鍵だというのは、リドルトの末裔だからか?」
「私にはそうとしか思えないんだけれどね。リドルト王家はロエラの末裔だったのだと私は推測している。地上にたった二人だけになってしまったリドルトの末裔が殺し合いをしはじめたら、御先祖様ならきっと黙って見てはいられまい」
 キスミェルはマリィの視線を逃れ、馬に荷を括り付けなおしはじめた。
「女王にロエラを献上したいなら、この森を抜けて真っ直ぐデルフォーニュ軍に向かうといい。帰ってきた途端に殺されるかもしれないが、もし危うそうであれば今の話をしてみるといい。ロエラを出現させずに謎だけを解きたいというのなら、私と一緒に遺跡に向かえばいい。もう関わりあいたくないというのなら、それこそアルターシュの森が隠れるには持って来いだろう。主を失った小屋もあるということだし、アルデレイド君がいれば生活に苦労もするまい。さあ、どうする?」
 キスミェルの問いに、マリィは自嘲めいた笑いを漏らした。
「アストラーダに狂戦士がついたというのなら、わたししかデルフォーニュを守るものはいない。そうだろう?」
 キスミェルは答えなかった。文人とは思えぬ素早さで馬にまたがると、一度だけマリィを振り返り、諦めたように笑った。
「御武運を」
 そう言い残すと、キスミェルは再び森の中へと消えていった。
「アルデレイド、お前もあいつと共に行け」
 森に残された蹄のあとが消えぬうちに、とマリィはアルデレイドに命じたが、アルデレイドは首を横に振った。
「私はアン=ゾフィー様とともに」
「……命令違反だぞ」
「ではここでいかようにも御処分を」
 神妙に頭を垂れたアルデレイドに対し、マリィは腰に重く垂れ下がった大剣の柄に手をかけた。が、抜きかけてしばらくの後、剣を鞘に戻した。
「来い」
 マリィはもう、振り返らなかった。
 アストラーダからデルフォーニュを守らなければならない。その大儀の裏に隠れているのは、姉王に事の真偽を確かめたいという幼い思いだけだった。ロエラのことも今はどうでもいい。ただ一言、姉ブランシュに自分は無事だと伝えに行ってやりたかった。そこで、姉の顔色が変わるのかどうかを自分の目で確認してやりたかったのだ。そうでもしなければ、さっきキスミェルがあげたどの選択肢を選んでも後悔しそうだった。
 その結果として、ブランシュに再び戦場に立つことを命じられたとしても、マリィに異存はなかった。
「アルデレイド、一つだけ言っておく。もう、わたしを守ろうとするな」
 ただ心残りだったのが、自分が引き立てたせいで女王の目に留まってしまったこの男のことだけだった。
「命令だ。だから、返事はいらない」
 後ろでアルデレイドも馬に乗り終えた気配を感じて、マリィは馬腹を蹴った。
 何を言ったとしても、アルデレイドはきっと身を挺して自分のことを守るのだろう。それが臣下たる者の勤めなのだと思っているのだろう。
 甘えだった。
 自分が姉王の元に戻ると選択すれば、尚のことアルデレイドもともに来るに決まっていたのだ。分かっていて、それでもマリィは自分の欲を抑えることができなかった。それどころか、自分を守るなと命じることでアルデレイドの命の重さを肩から下ろそうとさえしたのだ。
 なんて卑怯な女なのだろう。
 しかし、アルデレイドだけは何があっても無事でいてほしいと。無事でいることを最優先にしてほしいという願いだけは本物だった。











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