よく人から「豊かな暮らしだね」って言われる。「いつかはこういう暮らしがしたい」なんて事も。
すごーく誉めてくれているんだろうけど、ほんとにそう思っているなら、すぐにやってみたらいいと思う。じゃあ実際どんな暮らしかって言うと・・・。
春・・・貯蔵していた野菜はほぼ底をつき、パンとお米と雑草を食べる日々。畑に生えてきたヨモギが毎日食卓に並ぶ。ちょっとモサモサして、噛んでも噛んでも食いちぎるのが容易でない。おひたし・胡麻よごし・てんぷら・・・メニューを変えても、やっぱりヨモギはヨモギ。さすがに飽きる。フキノトウやしなびたジャガイモの天ぷらも、たまには出てくる。しなびたジャガイモ、これは意外に美味い。焼き芋にしたら皮がぽろっとむけて、ひと味違って乙なもんです。でも、毎日だと・・・飽きる。葉物野菜?が出ると「やっと乗り切ったー」って感じで嬉しくなる。はこべのみそ汁やイタドリのジャム、ツクシご飯、オオバコの天ぷら、・・・思い出してもきりがある。アスパラが出てくると、豊かな食卓に一変。毎日、自家製とご近所からの頂き物が、食卓を飾る。アスパラだけで、腹をふくらませる日もある。山には行者ニンニクが出てくる頃だ。
夏・・・大根やその他の野菜も出来始める。と言っても種類はそれほどでもない。いちごやキイチゴは一杯出来るけど、毎日だとこれも飽きる。草の中からいちごを探すのは、一苦労。草刈りを怠ると、いちごが腐ってしまうので、手入れが大変。この時期は、畑と写真と観光の仕事で手一杯になって、ちょっと油断すると、畑は草ぼーぼー。畑仕事は、ほとんど草刈りに追われる。秋野菜の播種を忘れてしまう事もあった。
秋・・・やっとカボチャやトウモロコシ・ジャガイモ・大豆・小豆・ゴボウ・が収穫に。ご近所からもカボチャやジャガイモがどっさり・・・!保存食づくりにてんてこ舞い。カボチャやトウモロコシは冷凍に。ジャガイモは土を落として出荷とむろで保存。来年の種用のトウモロコシやゴボウも収穫して・・・。そうこうしているうちに、霜が降り、雪が舞い、大根も小松菜もカブもキャベツも、穫り遅れたその他の野菜も収穫しなきゃって、あわてて収穫。入れる場所がないから、玄関も部屋も野菜と土ぼこりでもうごちゃごちゃ。食卓をにぎわせてくれるものの、日に日にしなびていく葉物野菜を見ていると、憂鬱になってくる。しなびて駄目になるくらいなら、植えなきゃよかった、無理して収穫しなきゃよかったって。こういう野菜が多いんです。でも無駄ではなく、ちゃんと肥料にはなるんだけど、食べられるものはきちんと食べてあげたい、食べてあげられないのに収穫して駄目にしてしまったらかわいそうで。今も大豆と小豆が部屋と玄関で、脱穀を待ってます。そうだ、忘れちゃいけないヤマブドウとこくわ、山に採りに行くのが最高の楽しみです。
冬・・・カボチャと大根とジャガイモが食卓の主役です。ことにカボチャは、どんどんカビて来るので、どんどん食べないともったいないのです。でもやっぱりカボチャばかりは飽きます。飽きても飽きてもカボチャはカビて来るので、やっぱりカボチャが食卓に上ります。カボチャだけで50キロ以上あるので、これが無くなるまで続きます。
主に食事について書いてきたけど、その季節にあるものを食べられる事が一番体にいい事はわかるけど、単一食材ばかりになるようじゃ、やっぱり良くない気がします。その季節ごとに、種類に富んだ食材を、ほどほどに、・・・こういう暮らしを早くしてみたいものです。
食事以外のことは、今は食って行くのが精一杯なので、ほとんど手が回りません。家の補修もやらなきゃならないけど、1年以上ほったらかしだ。でも食っていければ生きていられるから、それでいいべし。
さっき、庭の柳にアカゲラ(きつつき)が来てたよ。こんなのが見られるから、やっぱり「豊かな暮らし」なのかな。
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