江ノ島ツアー 〜 江ノ島狛犬完全ガイド
江ノ島ツアーは、この竜宮城風な駅舎の小田急線「片瀬江ノ島」駅からスタートしよう!
駅を出るとすぐ右手に江ノ島が見える。
真っ直ぐ延びる弁天橋が入口だ。
弁天橋の入口で1対の龍燈が迎えてくれる。
平成13辛巳歳7月、江島神社御鎮座1450年記念に建立されたもの。新しいとは言え、素晴らしい龍の彫り物だ。
さぁ、一気に弁天橋を渡りきろう!

島の中心にある辺津宮、中津宮、奥津宮の3つの神社を総称して江島神社という。
江戸の昔から弁財天信仰の地として訪れる人が絶えなかったというが、今も観光地として名高い。
江ノ島古来の
龍神信仰が弁財天信仰と習合したのであるが、その話は上記江島神社サイト内江ノ島縁起〜「五頭龍と天女様(弁天様)」のイラスト物語が楽しい。

江島神社を中心にして、この小さな島に8対の狛犬がいる
また、龍神・弁財天の関係から龍や亀にも興味深いものがある。
それらを、じっくりお楽しみ下さい。
江ノ島はネコだらけ〜ネコの島でもありますが、今回はパス。
8対の狛犬を完全ガイドします!

弁天橋を渡りきると、参道入口に青銅の一の鳥居がある。
延享4年(1747)建立、文政4辛巳歳3月(1821)再建。
奉納は願主・松葉屋半蔵、大黒屋勘四郎、扇屋宇右衛門で、新吉原関係の名が沢山刻まれている。
懸額には江ノ島大明神とある。
江ノ島と吉原の関係…
それを教えてくれたのは狛研事務局長の三宅さんだった。
「狛犬の杜」から引用してみよう。
松葉屋といえば江戸吉原の大店…白髭神社(向島)の狛犬も松葉屋寄進であるが、何故江の島にと疑問を持った。
落語の「大山詣り」を調べていたらこの謎がなんとなく解けた。
大山(丹沢)を詣り、そのあと江の島に足をのばし
生きた弁天様で精進おとしをしたようだ。
江戸の人は……。
今は土産物屋が軒を競っているが、かつては白粉をつけた弁天様たちが嬌声をあげたらしい。
聖性セットの旅を「二所詣で」と称した。
狛犬と仲よくすると正史にない歴史がみえてくる。

三宅 稜威夫
1998.6.22 「狛犬の杜8号」狛犬紀行5より

青銅の鳥居をくぐり、みやげもの店・食堂・旅館などがぎっしり並んだ表参道を歩く。
参道入口からほど近い所に「恵比寿屋」の看板が見えてくる。
偶然見つけた参道脇、「御料理・旅館」看板の店の庭に弁財天。
そこにいた。平成10年10月のよみうり文化センター主催の「三遊亭円丈の歩いてわくわく狛犬講座・江ノ島フィールドワーク」のための下見の時に…
この時は、見つけたというより呼ばれたと言う感じだった。
吽像には立派なツノがあり、阿像の頭には穴がある。
また、体には唐草模様もある。
江戸尾立てでもかなり装飾的要素が強いので、1700年代後半か1800年代前半と思われる。
創業350年の旅館で、「宝暦あるいは明和頃のもの」との話もあるが、詳細は不明だ。
参道を更に進むと、大鳥居が見えてくる。
そして、その鳥居の横に、大きな江戸狛犬がいる。
大鳥居の前、1mを超える堂々たる大型の江戸狛犬が目に入る。
阿吽でかなり出来が違う。吽像の方が素晴らしい。
吽像の鬣をくわえた姿が何とも言えない。
鬣、尾の流れも美しい。
左右とも台座の周囲には、このような紋様が刻まれている。
龍神信仰と弁財天信仰が習合したことに因んだ、龍であろうと思われるが、なんとなく愛嬌のある顔をしていてオモシロイ。

石工の甚内・平次郎が台座担当、彫工の久吉・辰五郎が狛犬担当
甚内は藤沢の石工で、あの飯島吉六・冨塚八幡宮の狛犬でも石仕事を担当している。
地元の有力な石屋だったのであろう。

神 社 名
江島神社・辺津宮(藤沢市江の島)
建  立
慶應元乙丑歳7月(1865)
石  工
石工棟梁 甚内、平次郎
彫工 材木町 久吉、伊皿子 辰五郎
鳶  庄蔵
奉  納
越後國蒲原郡新発田産 江戸住 長堀検校
下之坊寛光 大八木喜右エ門
椙山流学頭 長沢