NOVEL
くもりときどきあくま2 第16回〜第20回
「はあっ…はあっ………」
ぼうぜんとして立ちすくむ……
じゃなくて、浮かんでるぼくの耳に、
カッちゃんの荒い息づかいが
また、聞こえ始めた。
あのアクマ……。
カッちゃんにとりついて、
毎日まいにちヘンなことして、
カッちゃんの精液をしぼりとっていく……。
一週間くらい前から。
ずっとカッちゃんといっしょにいて、
いつもこんなことして………
なんでこんなことになった?
仮に、ミツルの言ったアクマってのが
ほんとにいたとして、
ぼくらみたいな子どもの精液を
しぼりとっていくってのもほんとだったとして、
空を飛べたり、とうめいになったり、
人の心ん中を読んだりできるってのも
全部ほんとうだったとしても。
なんでぼくとカッちゃんなんだろう?
なんで、ぼくとカッちゃんが
ミツルみたいなアクマにとりつかれなきゃなんない?
ぼくはただ、今までみたいに
カッちゃんと仲よくできてれば、
それでよかったのに………。
「本当に?」
突然、頭の中にミツルの声がひびきわたった。
ちっちゃい声だったのに、
その声は山びこみたいにぼくの頭の中で
何回もくりかえされてた。
「ワタルは、本当にあのままでよかったの?」
ミツルがうでを組みながら
ぼくを見下している。
「だったら何で、
カッちゃんと一緒にいる時や
カッちゃんがふざけてワタルに抱きついてきた時、
ワタルの心臓はあんなに激しくなったんだろうね」
それは、だから………
「ま、カッちゃんのことが好きだってのは
ワタルももう自分で認めてることだけどね」
ぼくが自分で思い出したのか、
ミツルがまたヘンな力で
むりやりぼくに思い出させたのか、
どっちかはわかんない。
でも、ぼくの頭ん中に
カッちゃんのたてぶえをなめてる
自分の姿が浮かんできた。
ものすごく、はっきりと。
ミツルになめろと言われたから………
言うこときかないと、
学校でカッちゃんが好きだってことを
バラされるから………
ちがう、それだけじゃない。
あの時ぼくは、確かに自分の意思で、
ちょっとはなれたとこにあった
たてぶえのとこまで首をのばして、
カッちゃんのふえに口をつけてた。
それは、
それは………、
「カッちゃんのことが好きだから」
ミツルが言った。
ミツルは、笑ってた。
「僕たち悪魔はね、」
ああ、コイツはほんとに人間じゃなくて、
アクマなんだろうな。
今、なんでかそう思った。
「ただランダムに憑りつく
人間を選んでるわけじゃない」
ふうん。
「誰か、好きな人がいる人間にだけ憑りつく」
へえ。
「でも、普通に女の子を好きになってる
人間を選ぶわけじゃない」
うん。それだったらたくさんいそうだしね。
「同性の、丁度同じくらいの
男の子を好きになってる人間を選ぶんだ」
…。
「それも、まだ好きだって感情に
気づくことができていない、
好きなんだけど同性だから
その気持ちを自分で認めることができていない、
そんなニンゲン」
それが……
「すなわち、ワタル」
右手のおかあさん指で、
ぼくのおでこをつつきながら言う。
「おまえだよ」
そのしゅんかん、
ミツルの目からすごい光が飛び出して
ぼくは思わず目をつぶった。
なんだか目を開いたら
目の前にすごくこわいものがあるような気がして、
しばらくはそのままだったけど、
またカッちゃんの息づかいが聞こえ出したから
ぼくはそおっと目をあけた。
でも、なにも変わってなかった。
ここはカッちゃんの部屋のなかで、
ぼくの身体はとうめいになって浮かんでる。
ミツルもすぐそこに浮かんでる。
トオルとかゆうアクマに
ちんちんをさわられてるカッちゃんも、
ぜんぶそのままだった。
ただ、ぼくの身体は動かなかった。
「ここはどうする?」
トオルが言った。
さっきまでカッちゃんのちくびをさわってた左手を、
おしりのとこまで移動させながら。
「え……」
とまどうカッちゃん。
もう…やめてよ。
ズボンもパンツもぬいで、
そんなに足ひろげて、
ちんちんもおしりのあなも
そんなやつに見せちゃって、
なんでそんなやつに………
なんで、ぼくじゃないの?
「やって………」
でも、カッちゃんは小さくそう言った。
トオルのさそいに乗った。
おしりのあなに指を入れてって
トオルにお願いした。
「やっぱり、ここもしないとものたりないんだよね」
そう言いながらトオルは、指を入れた。
ミツルがぼくにしたみたいに。
ミツル………
そうか、ぼくがミツルにされたこととおんなじことを
カッちゃんもされてるんだ。
そしてこれからもずっとされ続けてくんだ。
ぼくはミツルに、カッちゃんはトオルに。
ぼくがカッちゃんを好きだなんて思っちゃったから
ぼくらはアクマにとりつかれて、
これからずっとこんなことされるんだ。
カッちゃんは………
ぼくからはなれていくのかなあ。
ぼくが話しかけてもちゃんと返事もしなくて、
学校が終わったらすぐ帰っちゃう。
トオルにあうために。
なんで………
ぼくがカッちゃんを好きになるって、
そんなに悪いことだったんかな。
それが悪いことだったから、
ぼくらはとりつかれて
こんなことになっちゃったのかな。
ミツル………
なんでおまえなんかがいるんだよ!
「ふふっ」
ミツルは笑った。
そして、ぼくの方を見て、
「バーカ」
そう言った。
にらんでやりたかったけど、
ぼくの身体は顔さえ動かせない。
ただ、カッちゃんの方を向いたまま動かない。
「前に僕、ワタルに何って言った?」
なんのことを言ってるのか、わかんなかった。
「悪魔っていう呼び名だけで
人間を不幸にするもんだって思われちゃ困るな」
だって、
おまえはぼくにこんなひどいことしてるじゃないか。
心の中でそう思ったら、
それがそのままミツルに届いたらしい。
そう言えば、ここじゃ心ん中で思ったことが
そのまま聞かれてしまうんだった。
「ま、もちろんそれなりに
僕も楽しませてもらうつもりだけど」
はあ?
「覚えてない?
どうやってワタルを調教してくかが
僕の楽しみだって」
チョウキョウ……ってなんだっけ。
「ふふっ」
また笑って、ミツルの声はとぎれた。
そして、カッちゃんも
もうこらえきれなくなってるみたいだった。
「あ………で、でる………」
そう言った。
トオルにちんちんとおしりのあなをいじられながら。
「どうする? 出すときはやっぱり……?」
トオルがニヤッて笑いながらそう言った。
こいつ、年下のくせになまいきだ。
って思ったしゅんかん、
「あっ…!!」
それまで全く動かなかったぼくの口が動いて、
思わず声がでた。
「ん…うむぅ………」
トオルが……、カッちゃんにチュウ………
キス、しやがった。
「んっ、んぅんっ………!」
———びゅっ、びゅるるーっ!
カッちゃんのちんちんは、
すっごい勢いで精液を発射した。
その精液が自分たちの顔に
かかっちゃってるのも気にしないで、
カッちゃんとトオルはキスを続けてた。
クチとクチのあいだからちょっとだけ見える。
カッちゃんのべろとトオルのべろが
つばでにちゃにちゃになりながら
絡み合ってるのが。
そのべろからつばがひとしずくだけ落ちて、
カッちゃんのおなかの上に飛びちってた
精液にぶつかった。
見たくない……はずなのに、
ぼくは目がはなせなかった。
「ほんっとにたくさん出るねー」
やっとカッちゃんの口からはなれたトオルが言う。
「うっせ……」
はずかしそうに、カッちゃんが返す。
そう。
ぼくもそうなんだ。
出しちゃったあと、
急にはずかしくなってくるんだよね。
われに帰るってゆうか………。
「どう?」
ミツルが話しかけてきた。
そう言えば、
いつのまにか身体が動くようになってる。
「てめ………」
ぼくはミツルに逆らえない。
逆らったら
学校でカッちゃんが好きだってことをバラされるから。
それに、またヘンなことされるから。
だけど、今はそんなこと関係なかった。
ぼくとカッちゃんの関係をぶっこわしやがった
コイツがムカついてしょうがなかった。
「なんで怒ってんの?」
ぜんぜん自分が悪いことしてないみたいな言い方だ。
ミツルはいつもそうだ。
冷静で落ちついてて、
ぼくがどんだけ言ってもそれをくずさない。
それなのに、時々すごい目つきでぼくをにらむ。
それをこわいって思っちゃう自分が
すごくいやだった。
「まだ思い出せないの?」
「はあ?」
「だから、僕が前にワタルに言ったこと」
今のぼくの頭ん中は
ミツルをなぐってやりたいってことで
いっぱいだったから、
ミツルがなんのことを言ってるのか、
考えるよゆうなんかなかった。
「僕が初めてワタルにエッチなことした日」
「え………?」
さいしょって………
たしかぼくの部屋でだっけ………
そうだ。
さっきみたいに動けなくされて、
はだかにされて、
ちんちんとかおしりのあなとか
ぜんぶ見られちゃって………
顔があつくなってきた。
「あの時、ワタルは僕に
なんでこんなことするんだ、って聞いたよ」
たしかに……そう言った気もするな。
「僕は、僕が楽しいから、って答えた」
ヘンタイじゃないか、コイツ。
「ワタルにそんなこと言われたくないね」
「あっ…」
そうだ。
心ん中でヘタなこと考えちゃいけないんだった。
「これからワタルをどう調教していくかが楽しみだ、って」
ああ………。
そういえば、はだかにされて、
そんなこと話してたかもしれない。
「その次、覚えてない?」
「……………?」
しばらく考えた。
それでも、なんにも思い出さなかった。
いつのまにかカッちゃんは部屋からいなくなってた。
トイレでも行ったのかな、
部屋にはトオルだけが残ってた。
自分の手についたカッちゃんの精液をなめながら。
「ま、覚えてなくてもムリないか。
はじめておしりの穴なんか見られて、
気が動転してたかもしんないしね」
また、顔があつくなった。
あの、おしりのあなをぎゅうって
広げられたときみたいに。
「それに、このハナシ約2年ぶりの更新だしね、
読者の人だってきっと忘れてるだろうし」
なにを言ってる?
「あの時ね…」
ミツルが、ニュッと顔を近づけてきた。
「ワタルを調教してどんどんエッチな身体にして………」
身体が、ひとりでに浮かんでいく。
天井をつきぬけて、どんどん空へのぼっていく。
ミツルもいっしょにのぼっていく。
なんだか、いしきが遠くなっていく。
「最終的にはカッちゃんとセックスさせてあげる、
って言ったんだよ」
目の前が、まっしろになった。
「………!」
ここは、ぼくの部屋だった。
なんか、すっごい長い時間寝たあと、
起きたときみたいに身体がだるかった。
長い夢でも見てたような………
今までのは、やっぱり夢だったんかな!?
「まだ、夢だなんて思ってんの?」
後ろからいきなり声が聞こえて、
ぼくは振りかえった。
そこには、ミツルが立っていた。
「明日、学校でね」
そう言いながら、ミツルの身体は消えていった。
ぼくの目の前で、ミツルの身体が消えてしまった。
すご………
怪現象なんて生まれて初めてみたよ………
「だから、怪現象とかじゃないって」
ぼくしかいないはずのこの部屋に、
ミツルの声がひびきわたった。
なんだか、わけわかんないこと
ばっかあった日だったけど、その日の夜はよく寝れた。
一週間くらいいなくなってたミツルが
いきなりぼくの部屋に現れて、
ぼくをとうめいにして空を飛ばせて
カッちゃんの家まで連れてって...
あんまりにも信じられないことばっかりで、
でもミツルの言ってたことには
みょうに説得力があって、
ほんとなのかウソなのか、まだよくわかんなかった。
ただ、身体はすっごいだるくて、
おふろから上がったあと
明日の時間わりも合わせないでそのまま寝ちゃった。
ふとんの中で思った。
ミツルとかトオルとかぜんぶウソで、
明日はまた、カッちゃんといっしょに学校行って
放課後に一緒に遊べたらいいなって。
次の日。
「ウース...」
カッちゃんが出てきた。
たぶん、まだ30%ぐらい寝てる。
いつもはおっきいカッちゃんの目が半分くらい閉じてて、
くちもとをよく見たらヨダレのあと。
顔ぐらい洗えよな...
ぼくはちょっとだけ笑った。
ボケてるカッちゃんは気づかなかったけど。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
なんか気まずくて、しゃべれなかった。
「……………」
「……………」
「……………」
「オイ…………」
カッちゃんがこっち向いた。
「ナンカシャベレヨ」
すっごいヘンな顔しながらそう言った。
「なにを?」
思わず笑いながら、ぼくはそう言った。
「オレとワタルがいるのに
ぜんぜんしゃべらんのって気持ち悪いだろ?」
確かに、カッちゃんと二人でいる時は
いっつもしゃべってたから、
言われてみたらこんなジョウキョウ、たしかにキモチワルイ。
でも、ぼくはその言葉がうれしかった。
いつものカッちゃんに戻ったみたいだった。
一週間前からカッちゃんはいつもボーッとしてて、
ぼくが話しかけても
「うん」「はあ」「おう」ぐらいしか返ってこなかった。
なんか、ひさびさにカッちゃんとまともに
しゃべった気がした。
「だって、最近カッちゃんヘンやったもん...」
ほんとにカッちゃんにトオルなんてアクマが
とりついてるのか、信じられないけど
それをさぐるような質問をしてみた。
「べつにヘンじゃねぇし」
ちょっと笑いながら言う。
「そお?」
ほんとは、いろいろ聞きたい。
トオルってほんとにカッちゃんちにいるの?
そいつにエッチなことされてんの?
ぼくと遊ぶことより、
そいつにエッチなことしてもらう方が大切?
ぼくとじゃ………だめ?
「あー、きょう遊ぶか?」
カッちゃんが、ぜんぜん関係ないこと言った。
「え?」
「最近ワタルと遊んでなかった気ぃするし」
すごい、うれしかった。
でも、ちょっとひねくれたくなった。
「だって、学校終わったらすぐ帰っちゃうじゃん……」
「あれは……まあ、いろいろ用事があって………」
ぜったいウソだ。
「うっせぇな、遊べるんか遊べんのか答えろ」
そう言いながら、
カッちゃんがぼくのこしに手を伸ばしてきた。
ぼくはそれを反射的によけてた。
「ワタルってほんとによく効くよな」
って、指先でぼくのこしをつついた。
「あうっ!」
くすぐったくて、ヘンな声が出た。
「なんでカッちゃんは効かんのよ………」
両手でカッちゃんのこしをもんでみたけど、
カッちゃんはぜんぜん平気。
「オレ、無敵だから」
「イカサマや」
って言いながら、
ぼくはしばらくカッちゃんのこしをさわってた。
少しでも、カッちゃんにふれてられるように。
それからしばらくして、カッちゃんが立ち止まった。
「どしたん?」
ふり向いて、声をかけた。
「あ? だってミツル待ってなきゃ」
「は?」
いっしゅん、カッちゃんがなに言ってんのかわかんなかった。
「だってあいつ、しばらくずっといなかったじゃん………」
「は?」
今度は、カッちゃんの「は?」。
「ずっといなかったって、
今までずっといっしょにがっこ行ってただろ?」
えっ、えっ?
だって、ミツルは一週間前から
どっか遠いとこに行くって言って学校にこなくなって、
先生もどこ行ったのか教えてくれなくて、
だからずっとカッちゃんと二人で学校行ってたのに……
「えっ、じゃあ昨日は?」
ちょっと汗が出てきた。
「昨日だって3人で行ったじゃん」
はあ?
「ぼくとカッちゃんとミツルで?」
「うん」
カッちゃんは、ヘンな目でぼくを見る。
でも、ぜったいおかしい。
ミツルと会ったのは昨日はわけわかんない夢の中で、
朝はぜったいいなかった。
「学校にミツルいた?」
「おい」
とつぜん、カッちゃんがぼくのおでこに手を当てる。
「熱あんじゃねぇの?」
カッちゃんにさわられた………
それだけでちょっと身体が熱くなってきたけど、けど!
「じ、じゃあ、今週ずっとミツルいた?
どっか遠いとことか行ってなかった?」
頭ん中がぐちゃぐちゃになってたところへ、
聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おはよう」
アイツだ。
振り向くと、ミツルが立ってた。
学校の制服にランドセル。
どっからどう見てもニンゲン。
「おう」
カッちゃんが答える。
「コイツさ、わけわかんねぇこと言ってんの」
「え?」
「なんか、ミツルがしばらくいなくなってたとか」
「なにそれ?」
「昨日もオレら3人でがっこ行ったのにな」
カッちゃんとミツルの会話が続く。
カッちゃんは笑う。
ミツルも笑う。
ぼくは笑えない。
いったい、どうなってる?
この一週間はなんだったんだ………?
『明日、学校でね』
昨日の、夢の中のミツルが言ったことを思い出した。
今日の学校が終わった。
やっぱり、クラスのだれに聞いても
ミツルがいなくなってたなんて言うやつはいなかった。
ミツルはいつもどおりずっと学校に来てて、
やっぱり頭よくて問題スラスラといて、
体育もできてトビバコ8段も飛んだらしい。
もちろん、ぼくはミツルが
トビバコ8段飛んだとこなんか見てない。
てゆうか、この一週間はみんなミツルの話なんかしなくて、
ぜったいにミツルはこの学校にいなかったはずなんだ。
それなのに、みんなはミツルがいたって言う。
ふつうに。
いつもどおり学校に通ってたって言う。
どうなってる………?
ぼくの頭、おかしくなっちゃったのか?
「ワタルぅー、かえ(帰)っか?」
そう言うカッちゃんの横にはミツルがいた。
やっぱりこれが現実なんだろか………
帰りみち。
「あ、今日ワタルと遊ぶんやけど、ミツルも来る?」
ばっ……そんなヤツ誘わなくていいのに!
「ごめん、今日ちょっとやらないといけないことがあって」
ミツルがそう言って、ぼくはほっとした。
せっかくの、ひさびさのカッちゃんと遊ぶのを
ミツルにジャマされたくなかった。
「えー、なんでー?」
カッちゃんは不満そうに言う。
だから、ぼくと二人だけでいいじゃん!
ミツルなんかいなくていいって!
「ふふっ」
ミツルがとつぜん笑った。
「なんだよ、気持ちわりぃな」
カッちゃんも笑う。
「ごめん。僕、最近ペット飼いだしてさ、
そいつの躾しなきゃならなくて」
ミツルはカッちゃんの方を見ないで言う。
うつむいて地面を見ながら、
しかも、なんだかブキミな笑いを浮かべながら。
「へー、なんのペット?」
「イヌ」
ようやく顔を上げて、ぼくらの方を見ながら言った。
「犬かー、今度見に行っていいか?」
「いいよ。それまでにしっかり躾とくから。
きっと、カッちゃんにはよく懐くと思うよ」
ぼくは興味なかった。
ミツルがなに飼おうがぼくには関係ない。
もちろん、見せてもらいに行くつもりもないし。
それにしても、アパートで犬なんか飼えんのかしら。
「じゃ、ばいばい」
ミツルのアパートに着いた。
ミツルは自分の部屋に入って行った。
納得いかないことだらけだったけど、
とにかく今はカッちゃんと二人になれた。
「今日、どこで遊ぶ?」
ミツルを見送るカッちゃんに声をかけた。
「んー、ひさびさにゲーセン行くか」
歩きながらカッちゃんは答えた。
「え、でも先生に見つかったらやばくない?」
ゲーセンって言葉が
すれちがった人に聞こえた気がして、
ぼくはひそひそ声で話した。
「そんときゃ、
かあちゃんと来てるっていやあいいじゃん」
「でも、ほんとは二人で行くんでしょ?」
「かあちゃん呼んでこいとか言われたら
そのスキに逃げる!」
あいかわらずすごいこと考えるなあ。
次の日学校で聞かれたり、
家に電話されたりしたらすぐばれるのに……。
でも、いいや。
「じゃ、何時に待ち合わせする?」
「おっ、行く?」
カッちゃんがニカッて笑う。
これ見たら、ぼくも笑っちゃう。
「だって、カッちゃんが行くって言い出したんじゃん」
「ま、そうだけど」
爆音ぶったてて車が横を通った。
あんなうるさい車、みんなの迷惑になるだけなのに。
「じゃ、ワタルんちに呼びに行く」
「そうする?」
「うん。オレが行くまでにワタルは宿題やっとけ」
またぼくのを写す気だな。
「てことで、またあとで」
カッちゃんのうちに着いた。
手をふってカッちゃんを見送った。
「ただいまー」
そう言ったけど、返事はなかった。
お母さんは今日夜勤だったっけ。
台所でお茶を飲んで、自分の部屋に向かった。
宿題するか……
カッちゃんのために………
カッちゃんのためならいいや。
あ、お金いくら残ってたっけ………
そんなこと考えながら部屋のドアを開けると、
中にミツルがいた。
「おかえり」
とつぜん、身体がふるえ出した。
さっきまでの楽しい気持ちが、
ぜんぶどっかへふっ飛んでった。
なんだかよくわかんないけど
こいつは……こいつはまた、
ぼくとカッちゃんの関係をこわそうとしてる!
「なんで……ここにいんだよ」
声もふるえる。
「言ったでしょ?
今日はペットのシツケしなくちゃなんない、って」
ぼくを見ながら、ミツルはにっこり笑った。
ほんとに、テレビとかに出ててもおかしくないくらい、
その笑顔はキレイだった。
「だったら、自分ち帰ればいいじゃん………」
いやだ……いやだ………
今日はカッちゃんとゲーセン行くんだもん、
コイツに関わりたくなんかない!
「だって、僕のペットは家にいないんだもん」
「はあ………?」
いやな……予感がする。
また、またあのエッチなはずかしいことされる………
「これからたっぷり躾てあげるからね」
ミツルは、笑う。
「だって、ワタルは僕のペットなんだから」
そう、言い放った。
「なっ、なに言ってんだよ」
「だって、カッちゃんがあれだけエッチになったんだもん、
ワタルも早くおんなじようにしてあげないとね」
え、じゃあ、カッちゃんはやっぱり………
「そう。昨日ワタルが僕と一緒に見たことは
もちろん全部現実にあったこと」
「……………」
「あのトオルって奴ね、
ほんっとに出来の悪い悪魔だったんだけど、
一週間くらい僕が調教して
やっとあれだけ出来るようになったんだ」
ミツルが目にかかった前髪をはらう。
「え、じゃあやっぱり一週間いなかったの………?」
「そうだね、しばらく悪魔界に戻ってた」
「でも、今日みんなに聞いたら
ミツルはずっと学校に来てたって………」
「ははっ」
ミツルは笑った。
ぼくをバカにするように。
「人間共の記憶変えるなんて悪魔なら誰だってできるよ」
まただ……
ぼくの常識では考えられないことをさらっと言う。
「もちろん、ワタルの記憶だけは変えなかったけどね」
「じゃあ、ミツルがしばらくいなかった、ってのが………」
「そう、本当」
しばらく、なにも言えなかった。
ほんとに、ミツルがアクマだということを
信じなきゃいけないんだろうか。
こうやってみんなの記憶を変えたりしたっていうことを、
信じなきゃいけないんだろうか。
「じゃ、さっそくシツケ始めようか」
ミツルが近づいてくる。
これから、これからカッちゃんと遊ぶのに………
「久しぶりだね、溜まってる?」
「あうぅっ」
ぎゅっとにぎられた。
ぼくは、動けなかった。
「う、う………」
ぼくのを握るミツルの手は、よく動いた。
身体が勝手に後ろにさがっていく。
「は、なせ………」
その手を両手でにぎってはなそうとするけど、
ミツルの力はすっごく強くて
ぜんぜんはなれようとしなかった。
そのくせ、指だけはよく動いて、
ちんちんだけじゃなくてタマまでしつこくいじってくる。
「きょう、カッちゃん来るからだめ……」
さわられて、だんだん気持ちよくなってくるのに耐えながら、
なんとかそれだけ言ったら、
「へぇ」
ミツルはそれだけ言ってまた笑った。
「ふぐ………」
キス、された。
すぐにミツルのべろが
ぼくのくちの中に入りこんできた。
ああ、このかんじ、ひさしぶり………
ミツルのべろでぼくのべろをなめまわされる。
このあったかさ。
ぴちゃぴちゃってゆう、エッチな音。
他の人のつばなんか汚いだけなのに、
この時だけはなんでか気にならない。
くちの中に入ってきたミツルのつばだって、
平気でのみこめちゃう。
そしてぼくも自分のべろをのばす。
そしたらミツルのくちがはなれてったから、
ミツルのくちとぼくのくちとの間で
二人のべろをチロチロなめ合うことになった。
いま自分がこんなことしてるって考えると、
それでまたぼくの身体が熱くなる。
オトコどうしだけど、キスなんかして
そんなにもべろとべろとをなめ合ってるって考えると、
それでまた頭がぽーっとしてくる。
大キライなミツルのはずなのに………
ミツルはぼくをもっとエッチにするって言ってたけど、
もう十分エッチなんかもしれない。
こんなことしてるなんて、
ぜったいだれにも言えない。
「んぅ………」
もう、べろをなめてるだけじゃたまんなくなって、
くちをミツルのに押しつけようとした。
だけど、ミツルの顔はそのままはなれてっちゃった。
「エロいね」
そう言って、また顔を近づけてきた。
キスをするのかと思ったら、
ミツルのくちはぼくの耳の方へ近づいていく。
耳元で、くちの開く音がした。
にちゃ…って音が大音量で聞こえて、
なんだかそれがすごくいやらしく思えた。
「んあぅっ……!」
耳をなめられた。
思わず声も出た。
もどかしくてくすぐったくて、
でも、気持ちよかった。
「は……あぅっ………」
どんどん後ろにさがってた身体がカベにぶつかった。
足もがくがくになってたから、
そのままカベに寄りかかると、すごく楽になった。
ミツルのべろが耳のあなのまわりをなめまわしてく。
すごいおっきな音がする。
くすぐったさだけでも身体がふるえるのに、
つばでにちゃにちゃいう音を耳元でたてられて、
それでまたぼくは興奮してしまう。
「カッちゃん、来るんじゃないの?」
気がつくと、目の前にミツルの顔があった。
こんなに近くでミツルの顔を見たのは
初めてだったかもしれない。
すっごいやなやつなのに、
うらやましいくらいキレイな顔してる。
でも、その手はまだぼくのちんちんを握って
はなさなかったけど。
「そう、カッちゃんと遊び行くから
今日はだめ………」
って言って、ミツルの手をどけようとしたら、
「じゃあ、コレはどうするの?」
「いっ………!」
また、ちんちんをぎゅっと握られた。
おもわず、背伸びになった。
「このまま、何にも出さないで行く?」
にぎるのをやめて、
今度はてのひらでゆっくりとちんちんをさすり出した。
「こんなに硬くなってるけど?」
そうやって、なでられるだけできもちい………
あの、とうめいなやつが出ちゃって、
パンツがぬれちゃってるかもしれない………
「ふふっ」
なんにも答えられないぼくを見て少し笑ったあと、
ミツルはこしをかがめた。
そしてぼくのズボンをパンツごと下ろそうとした。
「あっ…」
反射的に、ぼくは落ちていくズボンをつかんでた。
だめだ。
だって、今日はカッちゃんとゲーセン行くんだもん………
ズボンをつかんで下を見ると、
ミツルがぼくを見てにっこり笑った。
そして、ズボンをつかんでるぼくの手をどけた。
ぼくの両手はちゅうぶらりん。
もう一度ズボンをつかめるはずなのに、
それができなかった。
これじゃあ、カッちゃんのこと言えないじゃないか。
もうすぐカッちゃんが来るってのに、
ぼくはなにをやってんだ。
こんなんじゃだめ………
ミツルなんかより
カッちゃんの方がずっとだいじなはずなのに………
でも、でも……………
「うわ、もう濡れてる」
ぼくのズボンとパンツは、もう足元に落ちちゃってた。
もう、なんでもいいや………
「今日は面白いもの使ってあげるよ」
そう言って、ミツルはポケットから何か取り出した。
「なに、それ……」
カベに寄りかかったまま、ぼくは答えた。
うずらの卵みたいな形した、
いや、うずらの卵よりずっと小さい、プラスチックのボール?
色はピンク。
よく見たらごい小さい。
だいたい、パチンコ玉と同じくらいかな………
「こっちがリモコン」
ミツルはもういっこポケットから取り出した。
今度のはもっと大きくて、
なんかスイッチみたいのがついてるピンク色のブッタイ。
リモコンってことは、さっきのパチンコ玉みたいのは
なんかの機械なんやろか。
「このリモコンのスイッチを入れると、」
ヴィィィィィ………
ヘンな音が聞こえだした。
お母さんのケータイの音ににてる。
マナーモードにしてる時に電話かメールが来た時の
ケータイがふるえてる音。
「こっちがバイブレーションするの」
ばい…ぶ……なに?
よくわかんないけど、
よく見たらさっきのパチンコ玉みたいのがブルブルふるえてた。
「これを………」
ミツルはそれをぼくのちんちんに近づけてきた。
「やっ………!」
なんだかちょっと怖くて、ぼくはそれをはらいのけた。
その時ちょっと手に当たったけど
すごいしんどうがぼくの手に伝わってきた。
「何すんの?」
ミツルがぼくをにらむ。
だって、もしあんなんがちんちんに当たったら………
想像もできなくてちょっと怖かった。
「僕に逆らえないこと忘れたの?」
小さくそう言った。
だって、だって………
「早く、その手どけて」
だんだん、怒ってるような声になってきた。
「どけろ」
ぼくは、手をどけた。
振動の音がだんだん近づいてくる。
逃げようにも、後ろはカベで逃げるところもない。
「うあぁっ!!!」
後ろに行けないこしが、思わず横に動いた。
それくらいのしょうげきだった。
「あれ、まだ"弱"なのに今からそんなんでどうするの?」
ジャク………?
なにが弱い?
とにかく、今まで感じたことないしょうげきだった。
手でちんちんのうらっかわのとこを
さわったらすごく気持ちよかったけど、
今のは電気が走ったのかと思った。
まだ、ちんちんがじんじんしてる。
「ほら、動いたらできないじゃん」
そう言ってミツルがまたピンク玉を近づけてくる。
「それ、いやっ………」
思わず手でちんちんを隠した。
それを見たミツルが舌打ちをした。
「もうウザい。手、縛ってあげる」
今度は手じょうを出してきた。
けいさつの人が使うようなのとおんなじの。
あれで、ぼくの手を使えなくする気だ………!
「ほら、手ぇ後ろに回して」
って言われたけど、できるはずなかった。
「そっか、明日学校でアノコト言っちゃっていいんだ……?」
手じょうを指でクルクル回しながら言う。
逆らえない。
ガチャン
って音がした。
両手をおしりの後ろでつながれて、ほんとに動かせなくなった。
「この鍵ないと外せないから」
小さな銀色のカギをぼくに見せつける。
「この鍵をいつでも窓から放り投げれるってことを
よく覚えといてね」
そんことされたら、一生このまま………?
ズボンもパンツもはけないから、
こんなかっこうのままお母さんとかに見つかって………
本当に、アクマだと思った。
「あれ、小さくなっちゃってるね」
そんな怖いこと言われたんだから当たり前だと思う。
さっきまですごいかたくなってたぼくのちんちんは
すっかりしぼんで元にもどっちゃってた。
「ま、これ使えばすぐだよ」
ちんちんをつまんで上に向けた。
そしてゆっくり皮をむかれていく。
先っちょが外にでると、
そこがちょっと冷たく感じた。
ヴィィィィ………
リモコンを使って、またピンク玉がふるえ出した。
「僕らの仲間もわりとよく使ってるんだよこのローター」
ろーたー………ってゆうの?
「いぎっ……!!!」
十分かくごしてたはずなのに、
思わず歯をくいしばっちゃった。
それぐらい………だった。
「すごいすごい、どんどん硬くなってくる」
手でさわるのとはぜんぜんちがう。
手でにぎって皮を動かすのともちがう。
それでも、たまんなく気持ちよかった。
先っちょに当てられてるだけのはずなのに、
ちんちん全体に振動が伝わってくる。
「あ…あ………はな…して………」
動かせない手じょうがガチャガチャ音を立てる。
逃げようとしてもミツルがもうかたっぽの手で
ぼくのおしりをがっちりつかんでて動けない。
とっくにかちかちになったちんちんに
ローターを当てたまま、ミツルはそれをはなしてくれない。
ほんとに、おかしくなりそうだった。
「どう? 気持ちいい?」
しゃべることもできなかった。
そしたら、いきなりスイッチが切れた。
「はあっ、はあっ………」
ほとんど息もできなかったから、
なんか50m走したあとみたいになってた。
スイッチが切れたはずなのに、
まだちんちんがじんじんして
スイッチが切れてないように思えちゃう。
「すごい効き目」
そう言いながら、ミツルは何かを始めた。
ほとんど開けてらんなかった目をあけて
下にいるミツルを見たら、
なんか細いヒモを使って
そのローターをぼくのちんちんにまきつけてた。
「ちょ、ちょっと………」
そんなことされたら、ぼくのちんちん、ずっと………
「ずっと気持ちいいままでいれるよ?」
ぼくが心の中で思ったことに、ミツルが続ける。
「もちろん、リモコンはぼくが持ってるけど」
また、笑った。
くる、って思った。
「あ…うぅ………」
スイッチが入った。
その気持ちよさにどうすることもできなくて、
ただ歯をくいしばって身体をすじるしかかった。
「いまのが"弱"」
「うあぁぁっ………!!!」
「これが"中"」
振動がさらにはげしくなった。
ひざまでガクガクし始めてきた。
「そして"強"」
「ひぎ……いぃっ………!!!」
足元のズボンとパンツにもつれて、ぼくは転んだ。
床に思いっきりシリモチついたのに、
ちんちんにまきついたローターは外れなかった。
「最強にしてみたんだけど、どう?」
床にねころんだまま、声も出せなかった。
ちんちんがこわれちゃうくらい
ローターはばけしくふるえた。
身体のぜんぶの神経がちんちんに集まっちゃったみたいで、
もう、気持ちいいのかどうかもわかんないくらいだった。
「ほら、もうこんなの取っちゃいなよ」
ミツルがぼくの足からズボンとパンツをぬきとって、
ぼくの身体をあおむけにさせた。
下になった両手がちょっと痛かったけど、
そんなのはこのローターのせいでほとんど感じなかった。
「もっと脚広げて」
ぼくのひざを立たせて、広げた。
すごい、はずかしいかっこう………
………なんだけど、そんなこと気にしてらんなかった。
ぬれるから、って
シャツもまくりあげられた。
目をつぶってるからわかんないけど、
そんなにとうめいなのが出ちゃってんのかな………
「はあっ……はあっ……はあっ………」
最強にしたまま、
ミツルはぜんぜんスイッチを弱めてくれない。
ただ気持ちいいしか考えらんなくて、
ぼくは何度も何度も顔を左右に動かしてた。
「どう?」
うすく目をあけてみると、
うで組みをしたミツルが立ってぼくを見下ろしてた。
その下でこんなかっこになってる自分が
すごくはずかしく思えたけど、それはどうしようもなかった。
「どう、って聞いてんだけど」
また、口調が変わる。
「き………」
「え?」
「きもちい………」
やっとそれだけ言って、また目をつぶった。
「ごめん」
「?」
いきなり意味不明なことゆうから、
また目をあけてミツルを見た。
「カッちゃんみたいにエッチにするって言ったけど、
もう十分エッチだったね」
「う、うっさいぃ………」
おまえが、おまえがこんなことするから悪いのにっ………
「ね」
ミツルがしゃがんでぼくに顔を近づけた。
「こっちは?」
またチュウすんのかと思ったら、
指先でぼくのおしりのあなをつついた。
「こっちにはこんなのがあるんだけど」
そう言って今度取り出したのは、
ローターとおんなじ色した細長い棒だった。
「あ………」
すぐに気がついた。
先っちょがちょっと太くなってて、三角のカタチしてる………
それが、ちんちんのカタチをした棒だって気づくのに、
そんなに時間はかかんなかった。
「これ、この前型取りして作ったんだ」
ちんちんをかたどり………?
「誰のかわかる?」
それをぼくの目の前に持ってきた。
ぼうっとしてたけど、ぼくはなんとかそれを見た。
そんなに大きくない。
ぼくのとおんなじくらいかな………
たぶん、大人のじゃなくて子どもの……………あっ!
「わかった?」
まさか、まさか………
「そ。ワタルが大好きなカッちゃんのだよ」
これが……カッちゃんの………?
ほんとかどうかわかんない………
けど、ミツルがゆうんだから
きっと本当なんだろう。
型なんか、どうやって取るのか全然わかんない。
あのトオルってやつがやったのかな。
カッちゃんのちんちんをおっきくさせて、
それから、どんなことしたんだろう。
「なかなかいい出来でしょ?」
ミツルが、それを床に置いた。
床からちんちんが生えてる、
なんかすごいヘンな光景になった。
ぼくのと……どっちが大きいかな。
自分のって、上から見下ろすしかできないから
ちゃんとした大きさってわかんないと思う。
でも、ぼくもカッちゃんも背はおんなじくらいだから、
きっとこれもおんなじくらいじゃないかな。
床に生えたカッちゃんのをじっと見てたら、
ミツルがそれにヌルヌルした液体をぬりつめ始めた。
「なに、それ………うぁっ……!」
急にちんちんについたローターの勢いが強くなった。
ぼくが叫んだのを見てミツルは笑う。
ローターのリモコンを自分で操作して、
ぼくがヘンになるの見て楽しんでる、コイツ。
いつものことだけど。
「滑り良くしとかないと、入れにくいでしょ?」
前のぼくだったら、
なんのこと言ってんのかわかんなかったと思う。
でも、今ならすぐにわかった。
おしりに、入れやすくするため。
「ワタルならもう楽々入ると思うけど、
一応同じサイズで練習しとかないとね」
なんの………練習だよ。
ミツルの手によって、
すぐにカッちゃんのちんちんがぬらぬらになった。
上の方からそのヌルヌルがすべり落ちてるのを見ると、
なんだか自分のを思い出した。
ミツルにされて気持ちよくなったとき、
先っちょから出てくるあのとうめいなやつ。
あれがちんちんを伝ってしたたり落ちるのに似てる。
「はい、いいよ」
ミツルがあっさり言う。
「は?」
すぐには意味がわかんなかった。
伝って落ちていったヌルヌルは床にまで落ちて、
根元の周りが水溜りみたいになってる。
「準備できたから、入れていいよ」
いいよ、って言われたって………
ヌルヌルになったちんちんをただ見つめて、
ぼくが動けなくなってると
ミツルはまたハナで笑った。
「それ触ると手がヌルヌルになっちゃうからさ、
ワタルが自分で入れてみて」
自分の手をペーパータオルでふきながら言った。
なんで、ヌルヌルをぬることはできんのに、
それを持つのはイヤなんだよ………
って思ったところで気づいた。
ミツルはただ、じぶんが 楽しみたいだけ。
ぼくが自分でカッちゃんのちんちんを
おしりに入れるとこを見て、
それがミツルにとってはすごく楽しいことなんだ。
ぼくがはずかしいって思うことほど、
ミツルにとっては楽しいことなんだった。
コイツは、そうゆうヤツ。
ほんとにイジワルな、つめたいアクマ。
「でも、手がこんなんだから
入れれるわけないじゃん………」
またローターの動きが変わった。
今度はすごく短いリズムで
強くなったり弱くなったりしはじめた。
なんとか立ちあがって手を動かそうとしたけど、
背中の後ろで手錠をつけられたぼくの手は
やっぱり動かすことができなかった。
「ああ、これ?」
そう言ってミツルは、ちっちゃなカギをぼくに見せた。
これがないとぼくの手は動かせないままなんだ。
「別に手なんか使わなくたって出来るでしょ?」
って言って、カギをポケットにしまっちゃった。
「ど、どうやって?」
ミツルは何も言わないまま、
床に立ったカッちゃんのちんちんを指差した。
「ワタルがその上に座るんだよ」
「えっ………」
いっしゅん、そうぞうしてしまった。
ミツルがじっと見てる前で、
ゆかに立ったちんちんを
なんとかおしりに入れようとしてる自分の姿を。
そんなん、でき…ない………
「できない?」
ミツルが言った。
また、ぼくの心ん中を読んだんだろうか。
「ワタルがそう言うんならいいけど………」
ミツルがゆっくりぼくの後ろにまわる。
「ここ、使わなくていいの?」
「やっ………」
ぼくのおしりをなでまわし始めた。
これ、チカンといっしょじゃんか………
「うぐ………」
ミツルの手はすぐにおしりの割れ目をなぞり始めて、
ぼくのおしりのあなを突ついた。
指が、あなを押す。
ほんのちょっとの力で。
でも、入ってこない。
「あああ………」
ちんちんのローターが最強になった。
自分の手でしてるんじゃないから、
すごく気持ちいいんだけど
なかなか精液が出ちゃうまではいかない。
先っちょはあの汁でてかてかになって、
ローターまでぬれちゃってるけど………
「こっち向いて」
言われて、ぼくは顔を後ろにむけた。
「ぐ………」
すぐにキスされた。
後ろをむきながらのちょっと辛い体勢だったけど。
くちの中に入りこんでくるミツルのべろを、
ぼくはすぐに受け入れちゃってた。
まだいけないちんちんと、
じれったすぎるおしりが、ぼくをおかしくさせる。
ぼくのくちからはなれたミツルのべろは、
ほっぺを通って耳へと向かう。
「この指、入れてほしい?」
耳もとで、ひそひそ声。
「ずぶって奥まで入れて、
何回も何回も出したり入れたりするの。
やってほしくない?」
また、ミツルのくちが近づいてくる………
「や……」
「え?」
「やってほしい………」
目をつぶったと同時、またキスが始まった。
だけど、指はいつまでたっても入ってこない。
ぼくのくちのなかでこんなに動いてるべろみたいに、
おしりの中でも指を入れて
いっぱいいっぱい動かしてほしいのに、
いつまでたっても入り口を突つくだけ。
じれったくてじれったくて、目からなみだが出た。
「ごめん、泣かしちゃった?」
キスも終わった。
「だから、ね」
いつもとちがう、やさしく笑いながら
ミツルは床を見た。
そこにあるのは、型取りしたっていう
カッちゃんのちんちんだった。
ぼくは、それをまたいで立った。
そしてゆっくりこしを下ろしていく。
ミツルが見てる。
先にしゃがんでぼくのことをじっと見てる。
自分でおしりにちんちんを入れようとしてる
ぼくを見て、楽しんでる。
ローターでぬらぬらになったちんちんを見られないように、
脚を閉じてバランスを取りながら
ぼくはゆっくりこしを下ろしていく。
「あっ…」
おしりにちょっと当たっただけで、
カッちゃんのちんちんは倒れてしまった。
「なにやってんだよ」
ミツルがぼくをにらむ。
さっきまでとは全然ちがう顔をして。
「そんな格好してたら入るわけないだろ?」
倒れたちんちんを直しながら言った。
「だって………」
「今度倒したらもうコレは使わせないから」
きょうはくだった。
ほんとは、そんなもん使わなくていいって言いたい。
そんなはずかしいことできるかって言いたい。
でも、だめなんだ。
あれでおしりをいじられながら、
ローターでぐちゃぐちゃになったちんちんを
思いっきりいじったらどんだけ気持ちいいか………
もう、それしか考えらんなかった。
もう一回、またカッちゃんのちんちんを目指して
ぼくはこしを下ろす。
不安定な姿勢と最強になったローターのせいで
からだはふるえる。
でも、もう失敗できない。
ミツルのことだから
今度倒したら使わせないってゆうのは
きっとほんとなんだと思う。
そして、使わせてくださいとかぼくに言わせて、
それを見てまた笑うんだろう。
「あのさ、」
中腰になったあたりでミツルが声をかけてきた。
「それだとさっきと同じ結果になると思うんだけど」
言われて、自分のことを見た。
脚を閉じたまましゃがもうとしてるから、
バランスがとりづかくて
ぶるぶるふるえてるカラダ。
「もっと脚広げろよ」
立ちあがって、ぼくを見下ろしながら言った。
ぼくはミツルを見上げながら
自分の情けなさを感じた。
けっきょくはミツルのいいなりになるしかない自分。
この、あっとう的なチカラの差。
「そうそう」
ぼくは、歯をくいしばりながらゆっくりあしを広げていった。
そんなぼくをミツルはしゃがんでじっと見てる。
「すごいね、エッチなワタルのちんちん」
はずかしくて、
とてもミツルの方を見てらんなかった。
「そんなに濡れちゃって、ちょっと異常じゃない?」
だれのせいだよっ………!
おしりに冷たいのが当たった。
倒れないように、ぼくはすぐにこしを上げた。
「そうそう、もうちょと後ろかな」
ミツルに言われるがまま、身体を動かす。
倒れないようにしんちょうに、
ちんちんの先っちょをおしりのあなに当てた。
「すごい格好」
ちょっとだけ目を開けてみたら、
すごい笑顔のミツルがいた。
「ビデオ撮っていい?」
とんでもないことを言う。
「いいわけないだろっ………!」
下半身はだかでちんちんもおしりも全部まる出しで、
手をしばられて
今から自分でおしりにカッちゃんのちんちんを入れようとしてる。
そう考えただけで身体があつくなるのに、
それをビデオに撮るなんて考えらんない。
「デジカメぐらい持ってくるべきだったね」
まだ言う。
でも、さっきのが冗談だってわかってホッとした。
「入れないの?」
そう言われてはっとなった。
今から、カッちゃんのちんちんとおんなじものが
ぼくのおしりに入ってくる………
おもわずローターに苦しめられてるちんちんに
力が入った。
そして、ゆっくりこしをしずめていく。
「う………」
おしりのあなが少しずつ広がっていくのがわかった。
「いぎ………」
いつも入れられてる指よりもかたくて、
少しだけおしりに傷みが走った。
「それぐらいで痛がってちゃ
カッちゃんとセックスできないよ?」
まぶたの向こうからミツルの声。
いつか、こんなニセモノじゃなくて、
カッちゃんの、ほんとのちんちんが入ってくるってことが
あるんだろうか。
「ふぅぅ………」
先のちょっと太い部分が入っちゃった後はだいぶ楽で、
大きく息をもらしながらおしりにしずめていけた。
おしりがいっぱいになった満足感。
ちょっと前までは、痛いだけだったのに………
自分の身体が変わってっちゃうみたいで、
ちょっとだけこわくなった。
「やっと全部入ったね」
カッちゃんのちんちんは、
ほんのちょっとの部分を残して
ぼくの中にうまってしまった。
「カッちゃんのが入ったらそんな感じなんだよ?」
なんって答えたらいいんだろう………
「でもさ、やっぱそんな作り物だったら
ちょっと寂しいよね」
何が……いいたいんだろう。
こんだけはずかしい思いをして自分でいれたんだから、
あとはこれをいじってもらえるって思ってたのに
ミツルにはぜんぜんそんな気がなさそう。
「やっぱり本物が一番だと思うんだけど、
コレも本物に負けないような機能があるんだよ」
そう言って、また何か取り出した。
それは、ちんちんにまきついてるローターのリモコンと
ほとんどいっしょなものだった。
まさか………
「あうぅぅ………!」
おしりにうまったカッちゃんのちんちんが、
すごい勢いでふるえ出した。
ローターとおんなじくらい、
いや、それよりも強いかもしれないしんどうだった。
「どう?」
答えられなかった。
前とうしろと一緒にせめられて、
ただ床ではいずりまわるしかできなかった。
「このまましばらく放置しよっかな」
「いやっ…!」
はんしゃ的に、声が出た。
このままなんて、たえられない。
なんでもいいから、
どんなことされてもいいから、
はやく、はやく………
「じゃあ、ワタルはどうしてほ
「ワタルー! いくぞー!!」
とつぜん、部屋の向こうからでっかい声がした。
ま、まさか………
「あれ、カッちゃん来ちゃったね」
どっ、どうしよう、はやく服着ないと………
なんとか立ちあがったはいいけど、
手が動かせないことに気づいた。
「ねえ、これはやくとって!」
でも、ミツルは不満そうな顔をしたまま
なにも言ってくれなかった。
「ねえ! もうカッちゃん来ちゃったし!」
げんかんにカッちゃんがいる……
はやく、はやく行かないと………
「これ、どうする?」
って言いながら、ミツルは手をのばしてきた。
「いぁっ!!!」
ローターごと、ちんちんをにぎられた。
おしりのも、ずぶずぶと動かし始めた。
「このままで我慢できる?
早く出したくてしょうがなかったんじゃないの?」
でも、でも、カッちゃんが………
「ああぁっ………」
ミツルの手が意地悪に動く。
さっきまで、ぼくがしてほしくてしょうがなかったことを、
今はぜんぶやってくれてる。
しなくていい、こんな時にかぎって。
「おーい、ワタルー?」
またカッちゃんの声。
ああ、やばい……………
「入るぞー?」
げっ!!!
「どうする? このままカッちゃんに見てもらう?」
「だっ、だめっ………!!!」
ぼくは思いっきり顔を横にふった。
こんなとこ見られたら………
ぜったいカッちゃんにきらわれちゃう………
「でも、出したくてしょうがないんでしょ?」
そ、そうだけど………
「ほんとに入るぞー?」
また聞こえたカッちゃんのこえ。
「ち、ちょっとまって!」
なんとか、それだけ言えた。
「ふふっ」
ミツルが笑った。
それといっしょに、手の動きも止まった。
「どうしよっか、
これ以上カッちゃんを待たせらんないし、
エッチなワタルは精液だしたくてしょうがないし」
わかってんだったら、はやく………
「だめだなあ、
僕じゃそんなに早くワタルをイかせることなんてできないし」
えっ、なに……言ってんの?
さっきのを続けてくれたら、
それだけでいいのに………
「でもこれ以上カッちゃんを待たせたら
勝手に入ってきちゃうそうだしねえ」
わ、わざとやってるコイツ!
もう、ほんとにやばいのに!
はやく服着て行かないと、カッちゃんに………
「おい、もう入るぞー?」
カッちゃん、おこってきてる。
「どうしよう、カッちゃん入ってくるってさ」
「だから! はやくこれはずせよ!!」
手錠でつながれて動かせない両手が、
背中の後ろでガチャガチャ音をたてる。
「わかったわかった」
そう言って、やっとミツルは
ポケットの中に手を入れた。
でも、そこから取り出したのは
手錠のカギじゃなかった。
「これ履いていけばいいよ」
声も出なかった。
ミツルが取り出したのは、
まっしろなオムツだったから。
「どしたの? 早く履きなよ」
って言って、ミツルはそれをぼくの足元に持ってきた。
パンツみたいにはくタイプのオムツで、
ミツルはあしを入れるとろを広げて待ってる。
ぼくはもう、ハラが立ってしょうがなかった。
「こんなん、はけるか!!」
げんかんにカッちゃんがいることも忘れて、
ぼくはさけんだ。
もう5年生なのに、オムツなんかはけるか!
「え? これがそんなに恥ずかしいの?」
ミツルはぼくを見上げながらちょとんとしてた。
「僕の世界じゃ、これを履くのが大流行なんだけど」
どんな世界だよ………
つか、ぜったいウソだ。
「これさ、優れもんなんだよ」
ぼくがどれだけあせっても、
ミツルは落ちついたままだった。
「よく考えてみ?
これ履いてたらこの中で何回精液だしても
誰もわかんないよ?」
オムツをさわりながら言う。
ちょうどちんちんの当たるところ、
おしっことかを吸収する部分を指でなぞってる。
「そんなに厚くないから
ズボンの下に履いてたってわかんないし」
そ、そうなのか………?
ってなに考えちゃってんだぼくは、
オムツなんかはけるわけないじゃないか!
「だから、オムツじゃないって。
ちゃんとした悪魔界のアイテムだよ」
そんなこと言ったって、
どう見たってオムツじゃないか………
「おい! いいかげんにしろや!
もう帰るぞ!?」
とうとうカッちゃんの声がどなり声に変わった。
どうしよう、どうしよう、
ほんとにはやく行かないと………
「ね、これ履いて行きなよ。
ローターもバイブも入れたまま。
誰にもわかんないんだよ?」
「……………」
「途中で射精しちゃったって誰も気づかない」
「……………」
「ワタルだって、コレ外されたくないでしょ?」
ローターとバイブ(ってさっき言ってた)を
指でちょんと突ついた。
それだけで、身体がびくんとふるえた。
よく考えたら、手をしばられたままなんだった。
これを外せるのはミツルだけ。
これを外してもらわないとカッちゃんのとこに行けない。
でもきっと、言うこときかないと外してくれない。
このオムツはかないと外してくれないんだろう………
「カッちゃんごめん、いま行くから!」
「もー、はよしろよー?
ゲーセン行く時間なくなるやろー……」
よかった、まだ許してくれるみたい。
「ふぅー………」
ひとつ息をはいて、
ぼくはミツルが広げるオムツに足を入れた。
いや、これはオムツじゃない、
ミツルの世界で大流行のアイテムなんだ………
「へえ、ワタルって5年になってもオムツ履くの?」
コイツ、最悪だ。
でも、もうオムツはぼくのひざあたりまで上がってきてた。
「じゃ、こっからは自分で履いてね」
そう言って、やっとぼくの手錠を外した。
背中の後ろで固定されてたせいか、
久々にうでを動かすと肩が少し痛んだ。
ひざのオムツをつかんだところで、
動けなくなった。
この年になってこんな、オムツを自分ではくなんて………
「早くしろよ」
低い声でミツルに言われ、ぼくは動いた。
いまミツルのきげんを悪くさせたら、
またなにされるかわかったもんじゃない。
はずかしくて悔しくて情けなくて………
でも、ミツルに従うしかぼくに道はなかった。
「あぐっ………!!!」
オムツをこしまであげると、
ちんちんにまついてるローターが
さらに押さえつけられた。
おしりに入ってるバイブがさらに奥に進んだ。
「あ、あ………」
床にひざをついた。
こんな状態で遊びにいけるわけ………
「ほら、カッちゃん待ってるよ?」
ミツルがやさしく言った。
それはうわべだけで、
心の中はちっともやさしくないってわかってたけど。
「しょうがないな、スイッチは弱くしてあげるよ」
そう言ったとたん、
ちんちんとおしりへのしげきが弱くなった。
その弱いしんどうはじれったくてしょうがなかったけど、
さっきのままだったら
とてもカッちゃんと遊べそうになかった。
「はぁ……」
なんとか立ち上がってズボンをはいた。
「うん、全然大丈夫だよ」
ミツルが言う。
「とてもその下にローターつけてバイブ入れて、
オムツ履いてるなんて思えないから」
「うっさい………」
小さく、そう言った。
ミツルには聞こえないように。
「死刑」
カッちゃんが言った。
「ちょっ…、まっ、ごめんって!」
げんかんに言ったとたん、
カッちゃんのサバオリをくらうハメになった。
「いまやばいっ、まじで!」
ほんとだったら
ちょっとでも身体を動かしたくない状態なのに、
こんこと、しかもカッちゃんにされると、
アタマがポーッてなってくる。
「おそすぎんだよ」
後ろからカッちゃんの身体がぎゅうってくっつく。
アタマのすぐ後ろに、カッちゃんのかお。
さっきミツルにされたキスを思い出した。
このままうしろ向いたら、
カッちゃん、キスしてくんないかな。
クチビルとクチビルもぎゅうってくっつけて、
ミツルとやったみたいに
べろとべろをぺろぺろくっつけ合うんだ。
ミツルとやってるようなこと、
カッちゃんともできないかな。
カッちゃんのカラダをなめたい。
カッちゃんの二酸化炭素を食べたい。
カッちゃんのつばを飲みたい。
カッちゃんのちんちんさわりたい。
カッちゃんにちんちんさわってほしい。
カッちゃんと、セックスしたい………。
ミツルにさんざんやられて、
それでも精液出させてもらえなかったぼくのアタマは、
そんなことを考えていっぱいだった。
だめだ、こんなこと考えちゃいけない。
男どうしなんだから。
親友なんだから………
「おい」
カッちゃんが離れた。
ちょっと、ドキッとした。
「なんでなんもしねぇの?」
カッちゃんの目。
おっきい目。
ぼくを見てる。
このまま、抱きついちゃったらだめかな。
「ハンゲキしてこねぇとおもろくないな」
って言いながら、カッちゃんはチャリンコにまたがった。
「はよ行くぞ、ワタルもチャリ出してこいよ」
「う、うん………」
ちょっとはや歩きで車庫へ向かった。
カッちゃんはいまのぼくがこんな状態だなんて
思いもしないだろうな。
ちんちんにローターまきつけられて、
おしりにはカッちゃんのとおんなじ大きさの
バイブ入れられて、
それをかくすためにオムツはいてるなんて………
もし見つかっちゃったら、
ぼくはどうすればいいんだろう。
車庫からチャリンコ出して、
カッちゃんのところへ戻った。
「っしゃ、飛ばすぞ」
カッちゃんがペダルをこぎ出す。
それを見ながら、ぼくはサドルをまたぐ。
「あがっ………!!!」
「ん?」
思わず、声が出た。
ゆだんしてた。
ちょっと考えればわかることだったのに。
ぼくの声を聞いて、
カッちゃんはヘンな顔しながら
こっちを向いた。
「どした?」
カッちゃんがもどってくる。
「なっ、なんでもない!」
ひっしにそう言いながら、
ゆっくりゆっくりサドルからこしを浮かした。
ずっぽり奥まで入ってたアレが、
少しだけぬけていく。
「どっか痛いん?」
カッちゃんはなにも知らずにぼくを見てる。
「だいじょうぶ……、はやくいこ?」
静かに、なるべくしょうげきがこないように座った。
「あぅ………」
おしりのバイブがまた奥へ進む。
だめだ………
すわれない。
こんなん入れてたら、
ぜったい座ってチャリこげない。
「ちょっ、まって!」
見たら、カッちゃんは立ちのりしてすごいスピードで、
もうけっこう前に行ってしまってた。
ぼくも立ちのりしてあとを追った。
「はあっ……はあっ……はあっ………」
いつもだったら、こんなに息きれないのに………
ばいぶが………
おしりに入ってるあいつが、
ちっちゃくふるえながら、
ペダルをこぐたびに少しずつぬけていく。
ちんちんだって弱いしんどうのローターがじれったくて、
じれったくてじれったくてしょうがなくて、
そのせいでよけいな汗がたくさんふき出てきちゃう。
こんだけはげしくチャリこいでるのに、
まきついたローターは全然はずれない。
ちんちんの裏すぎにぴったりくっついて、
ずっとずっと小さなぶるぶるを続けてる。
ぬけいってたバイブがとまった。
オムツにあたって止まったみたい。
ちょっとだけ、楽になった。
カッちゃんが信号にひっかかって、
やっとおいついた。
横にならんで、ぼくも止まる。
「なんでそんな疲れてんの?」
汗びっしょりのぼくをみて、
カッちゃんがフシギそうに言う。
カッちゃんの方が汗っかきな体質だから、
そう思うのもしょうがないと思う。
「カッちゃんがあんな飛ばすからわりぃんじゃん」
ふつうに、ふつうに。
ヘンに思われないように、
ふつうに答えた。
「ンあ? ふつうやろ?」
「ううん、いつもよりはやいって」
そうかなあ、ってかんじで
カッちゃんは首をかしげた。
そんなカッちゃんのおでこにもちょっとだけ
あせが光ってた。
「つーか、さ」
カッちゃんがぼくを見た。
頭から足まで、
ぼくの身体ぜんぶをながめるようにして。
「なんで立ってんの?」
「へ?」
自分ですごいって思った。
言われるまで気がつかなかった。
むいしきのうちに、
サドルに座らないで両足地面につけて立ってた。
カッちゃんは左足地面につけて
右足をペダルに乗せて、サドルに座ってる。
たしかにぼくのかっこうは
それと比べたらヘンだった。
「いやっ、なんでだろね……」
おかしくないのに、笑った。
そして、またゆっくりサドルにこしかけた。
数分前にもおそわれた、
おしりをつきあげられるあの感覚にたえるため、
おもいっきり歯をくいしばった。
「んっ………」
カッちゃんのちんちんが、
ぶるぶるふるえながらおしりを進んでくる。
となりには、ホンモノのカッちゃん。
カッちゃんのちんちんがはいったら、こんなかんじ。
カッちゃんとセックスしたら、こんなかんじ………
こんなん、やだ。
ミツルとやったみたいに、
ぼくの部屋とか、だれにも見られないとこでしたい。
なんでこんな………
ミツルのことを、心の底からにくんだ。
いつものことなんだけど。
おしりがいっぱい。
ハンドルを力いっぱいにぎった。
やっと信号が青になって、
カッちゃんが先に進み出した。
ぼくもうしろからついて行く。
今度はバイブがぬけていかないように、
おしりにぎゅっと力を入れながら。
やっと着いた。
オムツがぬれてるのがわかった。
ミツルの言ってたことはウソだった。
どんだけぬれても吸収するっていったくせに、
ちんちんのとこがちょっとぬれちゃってて
気持ちわるい。
精液じゃない、あのとうめいなのが
おへその下あたりをぴちゃびちゃにしちゃってる。
でも、もしかしたらオムツはちゃんと吸収してて、
吸収しきれないくらい出しちゃってんのかな………
いや、いくらなんでも………
いくらこんなにつけられてて、
カッちゃんが近くにいたって、
こんなにはぬれない………と思う。
ゲーセンに入ったカッちゃんがむかったのは
ギターをひくやつだった。
なまえわすれた。
とにかくギターの形したコントローラーかかえて、
音楽にあわせてボタンおす、みたいなやつ。
最近……って言ってもあんま来てなかったけど、
カッちゃんのお気に入り。
ぼくもけっこうお気に入り。
「いっしょにやる?」
2P側のギターをぼくにさし出してくれた。
「う、うん………」
受け取ったはいいけど、
とても今の状態でできる自信はなかった。
「あ、やっぱ最初はカッちゃんがやるの見てる」
「そう?」
って言いながら、カッちゃんは100円を入れた。
「じゃ、ドシロウトのワタルに
お手本見せてやっかなー」
「だまれ」
って言ったら、カッちゃんは笑った。
そんで音楽流れてきてカッちゃんの演奏が始まった。
……………。
……………。
……………。
……………。
……………。
……………。
……………。
……………。
……………。
でっかい音楽。
ゲーセンの中じたい、すっごいうるさい。
だけど、いまのぼくはそれをうるさいと思わなかった。
そんなこと思うよゆうがなかった。
カッちゃんからわたされたギター。
それが、ちんちんのとこに当たるんだ。
オムツごしに、ちょんちょん当たる。
でも、ローターがまきついてるから
それだけでじゅうぶん気持ちいい。
しんどうが弱すぎるローターをギターでつつくと、
もっと、すごく気持ちよかった。
だめ……だめ………
目の前で、カッちゃんが演奏してる。
周りにも、いっぱい人がいる。
こんなとこで、こんなはずかしいことしちゃいけない。
いけない……のに………
とめられない……………………
「あ……、あ……、あ………」
急に、ローターとバイブのいきおいが強くなった。
家でミツルにやられた時とおんなじ強さ。
ミツルが最強だって言ってた強さ。
なんで、いきなり………
またミツルなのかな……………
ギターでぎゅっと押す。
「くふうぅ………」
だめ………だってわかってんのに………
さらに強く押さえつける。
こんな、しんどうだけじゃなくて、
手でにぎって思いっきりしごきたい。
おしりのバイブもずぽずぽしてほしい。
こんな、機械だけじゃやだ………
やだ………、やだ………、やだけどぉっ……………!
からだが、ふるえた。
どくっ、どくうっ………!!!
「はあっ、あぁうっ………」
オムツの中が、どんどんあったかくなってくる。
すっごいたくさんの精液が、ちんちんをのぼってきた。
こんなとこで、
こんないっぱい人がいるとこで、
射精しちゃってる………
目の前にカッちゃんがいるのにっ………
「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」
あらい息をはく。
まわりのだれも、ぼくが射精しちゃったんんて知らない。
だれも、ぼくのことなんか気にしてない。
でも………、だけど、こんなとこで………
カッちゃん………
カッちゃあんっ………
ぼく、カッちゃんのうしろでこんなことしちゃった………
カッちゃん、ごめん……………
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