NOVEL
くもりときどきあくま2 第6回〜第10回
「は?」
なんって言ったらいいかわかんなかったから、
とりあえず聞きなおした。
「だから、服脱いでって」
「なんで?」
「命令」
コイツ、ちょっとおかしい。
さっきぼくとカッちゃんを
勝手にくっつけるとかゆってたのに、
それとぼくが服をぬぐのと
どう関係あるってんだろ。
「意味わかんねぇし」
いま、ぼくの立場が
すごく不利だってのはよくわかってる。
トイレであんなことしてるの、
見られちゃったんだから………
まさか、ぼくとも仲良くしたい
って言ってたのはウソで、
これをネタにしてぼくをいじめようってのかも。
「ふふっ」
しばらく無言状態が続いたあと、
いきなりミツルが笑い出した。
なにがそんなにおもしろい?
ぼくの弱みをにぎって、
これからぼくをいじめてくってのが
そんなに楽しみなん?
ぼく、オマエのこと
そこまで最低なヤツだとは思ってなかったよ。
「別に学校でワタルをいじめようなんて思ってないよ」
「!?」
びっくりした。
まるでぼくの心ん中を呼んだみたいに、
ミツルが返事をしてきた。
さっきはコイツの目をみただけで
ぼくの身体がおかしくなってきたし……
なんかヘンな力でも持ってんじゃないかって、
すごく非常識なことを考えた。
「ま、流石にいきなり脱げってのは無理かもね」
ぼくひとりがうろたえてる。
それが一番くやしい。
「じゃあ、
服着たままでもできることからはじめようか」
ミツルが近づいてきた。
「うるせぇって! はやく帰れよ!」
なんだか急にミツルがブキミなものに思えてきて、
弱みをにぎられてるのも忘れてぼくは叫んだ。
「僕は当分帰れないよ、
目的を達成するにはまだまだ時間がかかるから……」
なっ、なに言ってんだよこいつ!!
はやく家に帰れって言ったのに
またわけわかんねぇことばっか言ってきやがって………!
ミツルがすごく大きく見える。
それがぼくに近づいてくると
心臓のどきどきもどんどん大きくなってきて、
でもミツルから目がはなせない。
「しばらく、じっとしててね」
いっしゅん、ミツルの目が光ったように感じた。
「なっ………!!!」
か、かなしばり………!?
ミツルの光る目を見たあと、
ぼくの身体がぜんぜん動かなくなった。
かろうじて目とくちだけが自由。
体育座りで両手をうしろについたかっこう。
そのまま動けなくなった。
ミツルもこしをおろして
ぼくと目線をあわせてきた。
目をじっと見られる。
ぼくがこんな状態だってのに、
ミツルはいつもとかわらない顔だった。
「な、なんかしただろっ……!」
くちを動かすにも力がいる。
目の前のミツルに、なんとかそれだけ言った。
「さぁ?」
ミツルの顔にうすら笑いが浮かんでる。
やっぱりコイツがなんかしたんだ!
「どう? こわい?」
なんだ………?
さっき飲んだお茶になにか薬まぜられたのかな、
でもあれはれいぞうこから出して
すぐ飲んだし………
ミツルがぼくをかなしばりにした原因が、
どう考えても見つからなかった。
「大丈夫だよ、別にひどいことはしないから」
そう言いながら、親指と人差し指で
ぼくのアゴをくいっと持ちあげた。
なんとなくだけど、イヤな予感がした。
———ちゅうぅ………
「ふぐうぅっ………!!」
なんの抵抗もできなかった。
いきなりミツルの顔が目の前にせまってきて、
なにか抵抗するとかそんなことを考える前に
ぼくはミツルにきす……された。
「ふ…むうぅんっ………」
なに考えてんだよコイツ、
ぼくら男同士なのにっ………!!
手でミツルの顔をはらいのけようとしたり、
自分の頭をふって逃れようとしたんだけど、
ぜんぜん力が入らない。
———ぬる
「うぅぅ………」
ミツルのべろがのびてきて、
ぼくのくちびるをなめはじめた。
ミツルのつばがぼくの顔につく……
いやだ、キタナイキタナイ………
やめろって言いたいけど、
そしたらたぶんそのべろが
くちの入ってきちゃう。
ぼくは必死になってくちびるを閉じてるけど、
ミツルのべろは
それをこじ開けようとしてるみたいだった。
こらえなきゃ……
こんなの、たぶんまだちゃんとした"キス"じゃない。
ぼくの方はくちびるを出してないから
これはまだキスになってない。
だから、このままこらえれば………
———ぎゅう
「いぃっ………!!」
ちんちんを、思いっきりにぎかれた。
「ふむうぅぅ………」
そのしょうげきでくちびるが開いちゃった。
すかさずミツルのべろが入りこんでくる。
まだ…まだ歯を閉じてればだいじょうぶ……
って思ってたら、ミツルのべろは
ぼくの歯ぐきとくちびるの間に入りこんできた。
歯をいっぽんいっぽん、そのべろでなめられる……
「ぐ…うぅぅ………」
なんで……なんでこんなことするんだよ………
こんなことしてなにが………
後頭部にミツルの手がまわされて、
ぼくの顔を突き出すようにしてきた。
ぼくのくちびるとミツルのくちびるが、
もっとくっつく。
ミツルのべろは、
ぼくの歯をなめてはミツルのくちの中にもどり、
ぼくの歯をなめてはミツルのくちの中にもどる。
まるで、ぼくのつばを
自分のくちの中に運んでいくみたいに。
歯は閉じてるけど、
ぼくのくちの中にミツルのつばが
入ってきちゃったから、
これで"キス"になっちゃうのかな………
———ぷは………
やっと、ミツルのくちがはなれた。
「はぁ…はぁ…はぁ………」
ただ座ってただけなのに、
なぜかぼくの息はあらくなってた。
「どう?」
そんなぼくをじっと見ながら、ミツルが言った。
「どうって……
なんでこんなことするんだ
「カッちゃんとしたい?」
「へっ!?」
ぼくの言葉はさえぎられた。
自分からどうって聞いてきたくせに。
「カッちゃんとキス、してみたい?」
「んなわけねぇだろっ!!」
この場は、そう言っておくしかない。
でも……カッちゃんとキス………
たしかにカッちゃんとなら、
ミツルなんかとするよりずっといいな。
カッちゃんとぼくで
くちびるとくちびるをくっつけて、
今みたいにべろを出したりして、
カッちゃんのつばをなめて、
さっきのミツルみたいに、
カッちゃんのつばをごくんって………
「想像したね?」
「えっ………」
図星だった。
ミツルのその一言で、
ぼくの頭ん中に浮かんでたカッちゃんの姿が消えた。
「別に我慢しなくていいよ。
もう僕には弱みを握られてるんだから
これ以上弱みが増えたって問題ないだろ?」
「ふえる………?」
「ワタルがカッちゃんとキスしたがってるってこと」
「べっ、べつにしたくないけど……」
小さい声しか出なかった。
男のカッちゃんとキスするなんておかしいけど、
さっきみたいなことを
カッちゃんとするって思ったら、
そんな小さな声しか出なかった。
「ワタルは歯を閉じてたけど、
本当は舌と舌で舐め合ったりするんだよ?」
やっぱり……そうなんだ。
ぼくのべろとカッちゃんのべろが………
「カッちゃんの唾と息が、
ワタルの口の中にたくさん流れ込んでくるんだよ?」
そっか………
カッちゃんのいろんなものを感じながら、
ぎゅうって抱きあったりして………
———ちゅうぅ………
気がついたら、またミツルにキスされてた。
カッちゃんのことを考えてたせいで身体が熱い。
前みたいにくちびるも歯も閉じない。
ミツルのべろが入りこんできても、
それをこばもうとしない。
———ぴと………
ツルのべろが、ぼくのにちょっとだけ当たった。
心臓が、さらにたかまる。
ぼくが…キス………
こんなことしちゃっていいのかな………
———れろろ………
ミツルのべろが動きはじめた。
とくにどんな動きをするってわけじゃない。
ただ、ひたすらにぼくのくちの中をかきまわす。
ときどき溜まったつばをすくい取っていくけど、
すぐまたぼくのくちに戻ってくる。
顔が……あつい。
身体も動かない。
目を閉じちゃって、ミツルのされるがまま。
今までやったことも、考えもしなかったこと。
こんなことしてるってバレたら、
きっとお母さんに怒られる。
そんな、いけないことをしてるんだって思ったら、
なぜかわかんないけど
もっと心臓がどきどきしてくるんだ。
「あぁ、うぅぅ………」
気がついたら、
ぼくも自分のべろを動かすようになってた。
ぼくがちょっとべろを突き出すと、
ミツルのくちびるがそれを吸う。
べろについてるつばを全部吸い取るみたいに。
そのあとは、また二人でべろを動かす。
ぼくのくちびるとミツルのくちびるの間で、
ぴちゃぴちゃって音がなってた。
「はふぅー………」
ミツルのくちびるがはなれていくとき、
少しだけ残念な気がした。
「ねぇ」
あんなキスをした後だってのに、
ミツルはいつもとぜんぜん変わってなかった。
「なんで僕とキスして
そんなに気持ちよさそうにしてるの?」
「え………?」
そうだ、いまぼくがキスしたのは
ぼくが一番キライなミツルだったんだ……
「ワタルって、だれとキスしても
そんなふうになっちゃうんだろうね」
「ち、ちがうっ………!」
「エッチな身体してるよ」
「だからちがうって!
だいたいキスしてきたのはおまえの方だろ!」
しまった、また"おまえ"って言っちゃった。
ミツルはそれにびんかんに反応して、
ぼくのことをにらんだ。
「僕はただワタルを試してみただけだよ。
まぁ結果は思った通りだったけどね」
「ぐっ……」
なんで……
なんでコイツはぼくにキスなんかしておいて
こんなに平気な顔してるんだよ……
「そのエッチな身体、もっと試させてよ」
「おっ、おい!」
ミツルは、まだ動けないぼくのうでをつかんで、
ぼくの身体をよつんばいにさせた。
「腕はこっち」
「うあっ!」
ぼくの両手を、ぼくの足首のとこにもってく。
突然上半身を支えるものがなくなって、
ぼくの顔が床に落ちた。
「なにやってんだよ!」
その体勢のまま
なんとか顔を動かして足の方を見たら、
ミツルがぼくの右手首と右足首、
そして左手首と左足首を
なんか革の手じょうみたいので
つなぎ止めてるとこだった。
「何って、ワタルが暴れたりしないようにしてるんだよ」
そういえば、あのかなしばりが解けてた。
でも今は、ミツルに縛られたせいで動けない。
「完成」
うつぶせで、ひざをついて
おしりだけを突き上げるかっこう。
手首と足首が縛られてるから、
今のぼくにできることは
せいぜいイモムシみたいに
はいずり回ることぐらいだった。
「さっき、ここもジンジンしてただろ?」
そう言って、おしりの割れ目を
指でつうっとなぞってきた。
「なにやってんだよ、ヘンタイ!!」
「まだ僕にそんな口きくの?」
「ぐっ………」
くっそぉっ……!
こんなヤツに敬語使わなきゃなんねぇのかよっ……!
「今ワタルをどうするかは
全部僕の手にかかってるってことをお忘れなく」
片手でぼくのおしりをなでながら言う。
わかってたけど………最悪だ、コイツ。
「ここはまだいじったことなさそうだね」
「ひっ!!」
ズボンの上からおしりのあなを突つかれた。
「エッチなワタルのことだから、
きっとすぐ気持ちよくなるんだろな」
いちいちえっちってゆうなよっ……!!!
って言ってやりたいけど、
そんなこと言ったらコイツまた怒るし………
———カチャカチャ………
「おいっ!」
ぼくのズボンのベルトを、はずそうとしてきた。
「だまれ」
こ、こんなカッコのままズボンおろされて、
なんの抵抗もできないなんて………
なんか、急に自分がみじめに思えてきた。
ぼくはただ、前みたいに
カッちゃんといっしょにいたかっただけなのに。
———ずる………
ズボンが床についてるひざのあたりまでおろされた。
はずかしくて、ぼくは目をつぶった。
「うわ、まだこんなパンツはいてんだ?」
「べつにいいだろっ!!」
ぼくのパンツ……まだ白いブリーフ。
しかもゴムのとこにお母さんが書いた名前入りの。
ぼくだってトランクスとか
ボクサータイプのはきたいのに、
お母さんが勝手にこればっかり買ってくるから………
「ま、脱がしちゃうから関係ないんだけどね」
「やめっ………!」
———するっ
ぼくがそう言っても、
ミツルはぜんぜん聞いてくれなかった。
ぼくのパンツは、ズボンとおなじように
あっけなくおろされた。
「なにやってんだよっ!!」
ズボンおろされたんだから、
パンツもおろされるってのは覚悟してた。
でも、こんなヘンタイなことを実際にされたら、
やっぱり声がでる。
「ふふっ、ぜんぶ丸見え」
「はやくほどけって!!」
ミツルが、ニヤニヤしながら
ぼくの足の間をのぞいてる。
おしりも、ちんちんもぜんぶ見られてる。
ぼくがどんだけ力をいれても、
手首と足首をしばってる道具はびくともしない。
「ねぇ」
ミツルがぼくの背中に手をついて、
顔を近づけてきた。
「これから何されるか、わかる?」
「しるかっ!」
今すぐミツルをぶっとばして、
コイツはぼくのパンツをぬがせたりする
ヘンタイなんだぞ、って叫んでやりたい。
学校でも、みんなに言いふらしてやる!
「ふうん、このこと、
学校で言いふらそうとか考えてるんだ?」
「!?」
ま、まただ……
やっぱりコイツ、
ぼくの心ん中を読んでる!?
「そしたら僕も
ワタルがカッちゃんに対して思ってること、
ぜんぶ言っちゃうよ」
なんで……なんでぼくが思ってること、
ぜんぶつつぬけなんだよ………
なんだか、ミツルが人間じゃないみたいに思えてきた。
「ぼくにこんなことしたって言いふらされたら、
おまえだって困るだろっ?」
そう言ったら、にらまれた。
「いい加減、名前で呼んでよ」
「はぁ?」
「僕の名前、ミツルってんだから」
ぼ、ぼくはそんなこと言ってるんじゃないのに……
今はぼくが
ミツルに対してキョーハクしてるはずなのに、
なんでコイツはこんなに落ちついてる?
「今のクラスでさ、
僕の信用とワタルの信用、
どっちが大きいと思う?」
「はぁ………?」
な、なに言ってんだ? こいつ………
「だから、僕が言ったことを信じる人と、
ワタルが言ったことを信じる人だったら
どっちが多いと思う? って」
「……………」
「……………」
「……………」
「どう?」
「……………」
くやしいくらいに、ぼくの負けだった。
ミツルは転校生だから、
いまのクラスにいた時間はぼくの方がずっと長いけど、
クラスのみんなのミツルに対する態度考えたら……
頭もダントツでいい、
運動もぼくなんかよりずっとできる、
しかも他の男子みたいにふざけたりしない。
そのくせ、暗いわけじゃなくて
みんなともよく遊んだりしゃべったりしてる。
こんなこと言いたくない……
言いたくないんだけど、
ミツルはぼくのクラスでたぶん………
いちばんの人気者だと思う。
ぼくが、そんなミツルに
ズボンとパンツをおろされたって言っても………
たぶん、ミツルが
「僕はそんなことしてない」って言ったら、
みんなそっちの方を信じちゃうだろな。
「……………」
「……………」
「……………」
ミツルが、じっとぼくの顔を見てる。
「……………」
「よく考えた?」
「……………」
「結局、ワタルはぼくの言いなりに
なるしかないんだよ」
冷たく、そうはき捨てた。
「でも、なんでぼくにこんなことするんだよ!?」
そうだよ、ぼくは男なのに
ズボンとパンツぬがしたりするなんて………
女子にするなら、
まだわかんなくもないけど………
って、それもダメか。
「なんで?」
ミツルが聞き返す。
「別にこんなことしたって、
………ミツルには何の特もないだろ?」
「やっと名前で呼んでくれたね」
ちがう! そんなこと言ってるんじゃないっ!
「だから………」
「僕が楽しいからに決まってんじゃん」
「へ!?」
立ちあがったミツルが、
縛られて床にはいつくばるぼくを
見下ろしながら言った。
「これからワタルをどう調教していくか、
それが僕の楽しみ」
ちょ、チョウキョウってなんだ………?
「もともとエッチなワタルの身体を
これから僕がもっとエッチにしてあげるよ」
なに言ってんだ、こいつ。
「そして、最終的には
カッちゃんとセックスさせてあげるから」
なんか、あまりにも非常識なことを
ペラペラゆうもんだから、
ぼくはあきれて声が出なかった。
この前習ったことわざ、
「開いたくちがふさがらない」ってのは
こうゆう時のことを言うのかな。
「じゃ、そういうことだから」
「お、おい!」
一人でさんざんしゃべったあと、
ミツルがぼくのおしりの方へ戻って行った。
ま、また見られる………
「さらさらだ」
おしりをなでられた。
「さわんなあっ!!」
叫んでも、ぜんぜん意味がない。
相変わらず手も足も動かせない。
———ぐにゅうぅぅ………
「うあぁぁ………」
おしりのあなが、思いっきり広げられた。
はずかしくてはずかしくて、
でもどうすることもできなくて、
せめて見られてるとこを
見なくていいように、目をつぶってくちびるをかんだ。
「こんなとこ、誰かに見られたことある?」
「うっさいっ!!!」
ミツルの声がはずんでる。
くそおぉ……
なんでぼくがこんなことされなきゃなんないんだよっ!
「ここ、今からどうするかわかる?」
「……………?」
ミツルの言ってる意味がわかんなくて、
ちょっとだけ目をあけてミツルの方を見てみた。
あたりまえだけど、
ミツルは本当にぼくのおしりのあなを
じっと見てた。
「ねぇ、わかる?」
「しるかっ………!」
いちいちぼくに聞くなよっ!
大体ぼくが知ってるわけないじゃんか、
オマエが勝手にやろうとしてることなんだから。
「こうするの」
そう言って、ミツルがぼくのおしりに
顔をうずめるのが見えた。
「うあっ!!」
ちがった………
顔を近づけたとき、
においかいでくるのかと思った。
それで、「くっさいね、ワタルのココ」とか
言ってくるのかと思った。
でも……ぜんぜんちがってた。
「き、きたないだろっ………!」
ミツルはぼくのおしりのあなを、
べろでなめてたんだ。
「やめろって………」
おしりのとこがあったかい。
トイレのとき、紙でふくのとはぜんぜんちがう。
やわらかくてあったかくて、
それが何度も何度もあなをなでてくる。
こんなの、今まで感じたこと、ない………
———つぷ
「ぃいあっ!!」
べ、べろの先っぽがほんのちょっとだけ、
中に入ってきた。
「きたないって言ってるだろっ!!」
なぜか、声がちょっとだけ裏返った。
「……………」
べろが離れた。
でも、ぼくのおしりは……
まだちょっとヘンなかんじ。
「うるさいなぁ」
あんなことをしたのに、
ミツルはいたったフツーだった。
「これあげるから静かにしててよ」
って言って、ミツルがぼくの顔の近くに
何かを転がした。
「………?」
今のぼくは顔を動かすのがやっと。
その顔をやっと動かして、
その転がってきた"モノ"の方を向いた。
「これって……」
ぼくらが音楽の時間に使ってるふえ、
ソプラノリコーダーだった。
「名前のとこ、見てみなよ」
ミツルにそう言われた。
ふえの裏っかわのところに、
持ち主のなまえが書いてある。
ふえがちょっと下を向いてるから
見にくかったけど、なんとか見れそう………
「!!!」
な、なんでこんなのがここに………
「名前、見えた?」
や、八木克也って………
これ、カッちゃんのふえじゃん!
「カッちゃんのことが好きなワタルのために、
わざわざ持ってきてあげたんだよ」
「こ、こんなん、勝手に持ってくんなよ!!」
ぼくがそう叫ぶと、
ミツルはカッちゃんふえを持って
ぼくの顔の前に突きつけてきた。
ちょうど、くちをつけるとこを
ぼくのくちびるに向けるように。
「練習だよ」
「はぁ?」
「ワタル、カッちゃんとキスしたいんでしょ?
まずこの笛で関節キスしておきなよ」
ふえの先っちょを
ぼくのくちにつけようとしてきたから、
ぼくはあわてて顔をそむけた。
ふえ…なめるなんて
そんなヘンタイみたいなこと……
できないよ。
「じゃ、ここに置いとくから
ワタルが好きなときにカッちゃんと関節キスしなよ」
ふえを床に置いて、
ミツルはまたおしりの方に戻って行く。
ぼくがちょっとくちを突き出せば
届いちゃうとこに、カッちゃんのふえがある………
「ねぇ知ってる?」
おしりの方から、ミツルの声がした。
「男同士でセックスする時って、
ここを使うんだよ」
———ちょん
「いぃっ!!」
今度は指で、おしりのあなを突つかれた。
———ずぶぶ………
「いっ、いたいっ!!」
その指が、あなのなかに入ってきた。
痛くて、なんだか身体の内側からちんちんに向かって、
おしっこが押し上げられるみたいな感覚。
気持ちわるい。
「これがさ、僕の指なんかじゃなくて、
カッちゃんのちんちんが入ってくるの」
「へ………?」
今のぼくは、"カッちゃん"って言葉に
びんかんに反応しちゃう。
「カッちゃんのちんちんが、
こうやって入ってきて……」
———ずぶうぅ………
「あうぅぅ………」
指が、ゆっくりゆっくり奥へ進んでくる。
「また出て行く」
———ずるるぅ………
「あひっ!!」
指がぬけていく。
完全にぬけたわけじゃなくて、
先っぽは入ったまんま。
「さすが。もう気持ちよくなり始めてる?」
「ん…んなわけないっ………!」
自分だって、気持ちいいとかわかんない………
ただ、ミツルがカッちゃんのちんちんとかゆうから、
そんでその時に指を引きぬかれたから、
その時はなんか……ちょっと………
「ほら、目の前にカッちゃんの口があるよ?」
「あ…ぐ………」
おしりの指をぬきさしされながら
ミツルの言われるままに前を見ると、
さっきのカッちゃんのふえ………
カッちゃん………
カッちゃんと、さっきミツルとしたみたいなキス………
カッちゃん、このふえ、ちょっとにおうよ。
たまには洗ってやらないと
ふえだってかわいそうじゃん。
でも………でも、
そんなこと、関係ないんだ………
———はむ…
カッちゃんのふえを、くわえた。
「ほら、さっきみたいに舌出してさ、
いっぱい舐めてみなよ」
———れろ………
べつに……
ミツルに言われたからそうしてるんじゃない。
たまたまぼくのしたかったことを、
ミツルに言われちゃっただけ………
ふえの先っぽをぜんぶくわえて、
くちのなかでなめる。
ちょっと吸ったら奥の方から流れてくる
カッちゃんのにおい。
ちょっとくさいけど、
カッちゃんのだから、いい。
おしりも……痛くなくなってきた。
これがカッちゃんのちんちんだったら、
ほんとに気持ちよくなれるのかな………
「ふふっ」
ミツルの笑い声が聞こえた。
ぼくが後ろをむいたひょうしに
カッちゃんのふえがくちから離れて、
ぼくのくちとの間に糸を引いた。
その糸がほっぺについて、
ぼくはその糸をべろを伸ばしてなめた。
「気づいてないの?」
「な、なにが………?」
「ワタルの、触ってもないのに勃ってる」
「!!!」
自分で見て、はっとなった。
カッちゃんと関節キスして、
おしりをいじられてたせいなのか、
ぼくのちんちん、立っちゃってた。
「うわ、硬っ」
「おいっ!!」
コイツ、ぜんぜんためらわなかった。
パンツおろして
ぼくのちんちん見ただけじゃなくて、
さわってきやがった。
しかも………
なぜかはよくわかんないけど、
たっちゃったときのを………
「ばか! さわんな!!」
イモムシみたいにはいずって
ミツルの手からはなれようとしたけど、
そんなんじゃとても逃げられない。
「ばかぁ?」
親指と人差し指でちんちんを
くにくにつまんできた。
「僕にそんな口きくんだ?」
やっと手がはなれた。
「じゃ、明日学校で
ワタルがカッちゃんを好きってことと
ワタルのちんちんの大きさ
バラしちゃおうかな」
「なっ………!」
ぼくの足と足の間から、
にゅっとものさしが出てきた。
とうぜんそれを持ってるのはミツルの手で、
そのものさしがぴったり
ぼくのちんちんに当たって………
「やめろっ!」
自分でもすごくカッコ悪いと思うけど、
ものさしがちんちんに当たんないよう
ぼくはこしを思いっきりふった。
「動くなよ、ちゃんと測れないじゃん」
「あぐっ………!」
ミツルにおしりを押さえつけられた。
すっごい力、ぜんぜん動けない。
「えーっと、なんセンチになるかな」
またちんちんに
ものさしの冷たい感しょくが伝わる。
やだ…やだ………
「あ、あやまるからっ!」
ものさしが当たった直後、
ぼくは叫んでた。
「へぇ、何を謝るの?」
「だ、だから………」
なにがって、わざわざ聞かなくても
わかってるくせに!
「ばかって言ったこと………」
「ふふっ」
また、笑った。
「そんなに測られるのイヤだった?」
「そ、そりゃあ………」
ちんちんの長さ測られて
よろこぶヤツなんかいるかよっ……!!
って言ったら、
今度そこほんとに測られちゃうだろな。
「だよね、エッチなワタルは
はやく気持ちよくなりたいんだよね」
「はぁ!?」
ぜんぜん関係ないじゃん、そんなこと!
「いつも自分でやる時どうしてる?」
「あうぅっ……!」
いきなりちんちんをにぎられた。
今度はさっきみたいに親指と人差し指だけじゃない。
てのひらぜんぶを使って
ぼくのちんちんをにぎって、
それがゆっくり前と後ろに動いてる………
「う…うぅ………」
これ……ぼくがいつもやるのとおんなじ。
さいしょはゆっくりで、
出そうになった時だけはやくするの。
「気持ちいい?」
「………っ!」
きもち…いいけど、そんなこと言えるわけない。
だいっキライなミツルに
ズボンとパンツぬがされて、
ちんちんさわられて気持ちいいなんて………
言えるわけない。
「こんな風にもする?」
皮が根元に引っ張られて、先っぽがむけた。
「し…しないっ………!」
すぐ出しちゃうのがもったいないとき、
手の動きをやめて
たまにむいてみたことはあるけど……
「ここんとこ触ったりとか」
「いぎっ……!!」
皮がむけたとこをさわられた。
いたい…んだけど、
切れたりたたかれた痛みとはちがう。
よくわかんないけど、そんな痛みが
ぼくのちんちんの先っぽをおそった。
「あ、まだ痛いんだ?」
え……? いたくない人っているの?
「じゃ、ワタルはこうやってやるのが
一番気持ちいいんだね」
ちんちんの皮がもどった。
ぼくがいつも自分でやってるのとおんなじの、
さっきと同じ動きがまたはじまった。
「あぁぁ………」
おかしい……おかしい、
さっきトイレで最後までできなかったからかな……
いまの状況、すぐにでも逃げ出したいはずなのに、
いつもより……きもちいい。
「あ……うぅぅ………」
おかしい……ぜったいおかしい、
すっごくはずかしいはずなのに、
それがなんだかどうでもよくなってきちゃった。
手と足をしばられて、
ミツルの前におしりとちんちん丸だし。
でも、それがもうどうでもいい。
目をつぶっちゃえば、ミツルを見ないですむ。
きもちいい……ただそれだけ………
「どう? ワタル」
その声が、ぼくを一気に現実へ引きもどした。
「僕にこんなことされて気持ちいい?」
「……………」
ほんとは……すごく気持ちいいんだ。
でも、ぼくはウソをついて首を横にふった。
「ウソ、下手だね」
「へ………?」
「あんな顔してあんな声出しときながら、
気持ちよくないなんて言われても
誰も信じないよ?」
こえ………!?
ぼく、そんなヘンな声出してたのかな?
「まぁいいや、
今日の目的はココじゃないし」
そう言って、
ミツルはぼくのちんちんをさわるのをやめた。
ホッとしたけど、ちんちんが宙ぶらりん。
「もう…ほどいてよ………」
はやくぼくをほどいて、さっさと帰ってよ。
そしたらぼく、一人でちんちんさわって………
もう、がまんできない………
「これ、かりるね」
ぼくの言葉には耳もかさなかった。
ミツルはぼくの顔の近くに転がってた
カッちゃんのふえを拾った。
「最後にもう一回キスする?」
そう言ってぼくの前にふえを突き出してきたけど、
ぼくは顔をそむけた。
「我慢しなくてもいいのに」
「………うっさい」
ちっちゃくそう言ってやった。
ミツルには聞こえないように、
自分にだけ聞こえるように。
「ココ、どう? 気持ちよくなかった?」
コイツ、まだぼくを解放する気はないみたい。
おしりのわれ目を指でつうってなぞって、
あなに当たったとこでその指が止まった。
「や、やめっ………!」
さっき指が入ってたとき、
なんかすごくヘンな感じだったんだ。
ミツルが言ってるみたいに、
気持ちいいってことはぜったいない。
かといって、しばらくしたら
そんなに痛くもなくなった。
指が入ってくるときは
身体の奥からちんちんが突き上げられるかんじ。
指がぬけていくときは……
トイレでおっきいほうするのと……にてるかな?
こっちはちょっとだけ………
きもちいいかも。
———ずぶっ…!
「あぐうぅっ………!!」
ずっとおしりのあなを
突ついてるだけだって指が、
ぼくにはなんにも言わずに
いきなり入ってきた。
「やっ、やめろぉっ……!」
"もんどうむよう"って感じだった。
止まらない。
ずっと同じスピードで、
指が奥に突き進んでくる。
「ちゃんと爪は切ってあるから」
ぼくがそんなこと気にしてるんじゃないって
わかってるくせに。
「ほら、全部入った」
おしりの中にミツルの指がはいってる、
おしりのあなが閉じてないってのは
今まで味わったことのないヘンなかんじ。
こんなの……ほんとに気持ちよくなるのかな。
———ぐに
「いぃっ……!!」
どうなったか、ぼくにもよくわかった。
中の指が……曲がったんだ。
「この辺、どう?」
「う…ぐぅっ……」
こたえられなかった。
ミツルの指が、ぼくのおしりの中を突つく。
突つくってよりは
突き出すって感じに近いかもしれない。
指が入ってるだけでも
なんでかはよくわかんないけど
ちんちんにヘンな感覚がきてたのに、
今度はその指が曲がって
中から直接ちんちんを突き出そうとしてる。
こんなの……
生まれてはじめてだった。
「ほら、また硬くなった」
「さ…さわんなっ………!」
またさわられた。
こんなにかたくなってるの。
おかしい………
おしりとちんちんが……
なんか連動してるみたい。
「もっとしっかり触ってほしい?」
「うぅぅ………」
今度のは……
さっきみたいににぎって
ぼくが一人でやる時みたいな
動きをするんじゃなくて、
たださわってるだけ。
手の平でなでてるだけ。
———ずぶうっ!
「い、いたっ………!!」
もっと………さっきみたいに
ちんちんいじられるんだって思ったのに、
いまミツルがしたのは……
ぼくのおしりに入れる指を
ふやすことだった。
「大丈夫だよ、すぐ慣れるから」
「やっ………ぬ、ぬいて………」
一本のときとはぜんぜんちがう。
おしりのあながせいいっぱいに広がってるのに、
それでもミツルはようしゃしない。
「カッちゃんのちんちん入れるんだったら、
これくらいは我慢しなきゃね」
「………っ!!」
ま、まただ………
カッちゃんの名前を出されたら
心臓がどきってする。
「ほら、カッちゃんのちんちんが
ワタルのおしりに出たり入ったりするよ?」
「ぐぅぅ………」
二本の指がいちばん奥まで到達して、
ゆっくりゆっくり戻っていく。
ぬけそうってとこまできたら
また奥のほうに入ってくる。
よく……わかんないけど、
カッちゃんと"せっくす"したら
こんなかんじなのかな………
指の数が二倍だから、
指が曲がったときのしょうげきも二倍。
それで、おしりの中の
いろんなとこが突つかれて………
「はぁ……はぁ………」
ミツルにこんなことされて、
もう悔しいしか考えられないはずなんだけど、
ちんちんが……今までにないってくらい
かたくなっちゃってる。
ぼくがどれだけかたくなるなって思っても、
ぜんぜん言うこときいてくれない。
ちんちん……さわりたい、
でもぼくの手は縛られてて動かせない。
ミツルに頼むなんて………
できるわけない。
———きゅぽん
突然、おしりの指がぬけた。
「うわ、ぽっかり穴があいてる」
「みるなあぁ………」
その、"ぽっかり穴があいてる"って
状態がはずかしくって、
ぼくはちゅっと力をいれて
おしりのあなを閉じた。
でも、ついさっきまで
指が二本も入ってたそこは、
指がなくなった今もなんだか違和感があった。
「じゃ、今度は指なんかじゃなくて……」
ま、まだなんかするの?
「カッちゃんの笛に挑戦してみようか」
「えぇぇ!?」
ま、まさか、カッちゃんのふえを
ぼくのおしりに入れるっての!?
「よくほぐしたから大丈夫だよ、たぶん」
た、たぶんってなんだよ!!
「そんなの入れたら、
カッちゃんもう使えなくなっちゃうだろ!」
「大丈夫、入れるのは反対がわだから」
そう言って、くちをつけるのとは反対のほう、
底になってる部分で
またぼくのおしりのあなを突つく。
「大丈夫だって、
さっき指入れられてて気持ちよかったんでしょ?」
「しっ、しるかっ………!」
ウソなんかついてない………
ほんとに、"よくわかんない"感覚だったんだから。
「笛って結構デコボコしてるから
それがエッチなワタルには良かったりしてね」
ミツルのつばと指で
ぐちゃぐちゃになってぼくのおしりのあな。
そこにカッちゃんのふえが今にも
入ってきそうだった。
「こんな………」
「え?」
「こんなことするミツルの方が
ぼくよりずっと"えっち"じゃないかっ………!」
こんなこと言ったらまた、
学校で言いふらすぞって言われると思ったけど、
このままじゃあまりにもくやしい。
「そう?」
いたってフツウに答えられた。
「だって、ぼくのパンツぬがして、
こんなことしてさ………」
「だから僕の方がエッチだって?」
「そ、そう……だろ?」
こんな、ひとのパンツぬがして
ちんちんやおしりさわるなんて、
どう考えてもふつうじゃない。
「だったらさ」
ミツルの顔がせまってきた。
「僕にそんなことされて
気持ちよくなってるワタルはどうなんの?」
「へ………?」
「僕にあんなことされて気持ちよくなって、
あんな声まで出してたワタルはどうなる?」
意地悪く、語尾のトーンが上がる。
「ぼ、ぼくは……
ぜんぜん気持ちよくなんかなってないし………」
「ふふっ」
ぼくがそう言ったら、ミツルが笑った。
この笑いにふくまれてる意味は
ぼくにもよくわかった。
ウソをつくなよ、
僕は全部お見通しなんだよ、って。
「無理しない方がいいと思うよ」
「あぐ……!」
ふえがちょっとだけめりこんだ。
「ま、少しは抵抗してくんないと
僕も面白くないけどね」
こいつ、たまにわけわかんないこと言う。
———ず………
「やっ……いたあっ!!」
ついに、カッちゃんのふえが入ってきた。
「最初だけだって」
今までもそうだった。
ぼくがどんだけ言っても、
ミツルがやめてくれるなんてことは、ない。
「あ…ぐぁぁ………」
おしりのあなが、
思いっきり広がってるのがわかる。
ふえの底の部分。
いっちばん太い部分が、
ぼくのおしりの中にうまっちゃってる。
「ほら、ここさえ入っちゃえば
もう痛くないでしょ?」
「ぐうぅ………」
おしりのあなが
広がったまんまってゆうヘンな感覚と、
カッちゃんのふえを
汚しちゃってってゆう気持ちで、
ぼくの頭ん中はいっぱいだった。
カッちゃん、ごめん………
でも、ぼくが悪いんじゃないんだよ?
ミツルがムリヤリこんなことするからで、
悪いのはぜんぶミツルなんだ。
———にる………
「あうぅぅ………」
ふえが奥へ進んできた。
底の広がった部分で
ぼくのおしりの中がどんどん広げられていく。
おしりの入りぐちのとこほど痛くない。
ミツルが言ったように、
痛いのはふえの太い部分が
入りぐちを通る時だけだった。
でも……でも、
身体の奥底から何か突き上げられるかんじ。
おしりとちんちんって別のもののはずなのに、
ふえでちんちんが突き上げられるぅ………
「ここが限界かな?」
「いっ………!」
ちんちんがくちから飛び出すってゆうような、
さっかくを覚えた。
そして指で奥を突かれたときとおんなじ、
おしっこが出ちゃいそうになるかんじも………
「すごいよ、"レ"の穴が
ワタルのお尻に埋まって隠れちゃってる」
「ふぇ………?」
"レ"のあな………?
手は動かせないけど、
音楽の時間にふえを吹いてる時のことを
考えてみた。
たしか、いちばん下にあるのが
"ド"のあなだから、"レ"は下から二番目?
"レ"のあなはくすり指で押さえるから………
そっ、そんなに入ってるの!?
「これ以上は無理?」
「あぐうぅっ!!」
ミツルがふえをぐいぐい押してくる。
「"ミ"の穴まで行けないかな?」
「やっ、やめぇっ……!」
ぼくがこしを引いてふえから逃げようとすると、
ミツルはえを押すのをやめてくれた。
「ま、最初はこんなもんだよね」
さ、さいしょ、って………?
「お尻にカッちゃんの笛入れて、
ココもこんなになってるし」
「さっ、さわんなあっ!!」
逃げようとしても、
両手両足が不自由なぼくが
ミツルから逃げられるはずがなかった。
ミツルはさっきみたいに
ぼくの足と足の間から手を伸ばして、
ぼくのちんちんをさわる。
しかも今度は親指と人差し指で
先っぽの皮をぐりぐり。
これって………
カッちゃんのふえの………せい?
たしかに、いつも一人でするときは
先っぽからヌルヌルなのが出て
ちょっとぬれるんだけど………
今はぜんぜんさわってないのにっ………!
ミツルの指は、先っぽの皮をはさんで
円を描くように動く。
その皮のとこはぼくが出したヌルヌルがあるから、
指がにちゃにちゃって音を立てる。
「うわ、糸引いてる」
「いちいちゆぅなぁ………」
こいつ、わざと言葉で説明して
ぼくを恥ずかしがらそうとしてる!
「こんだけヌルヌルになってたら
先っぽさわっても痛くないよね」
———にるる………
ぼくが返事するのを待たないで、
ミツルがぼくのちんちんの皮をむいていく。
いつもだったらちょっと痛いのに、
そのヌルヌルのせいですべりがよくなってるのか
すっごく簡単にむけていく。
「はい、先っぽ丸出し♪」
まただ、いちいち言わなくていいってのに!
「ねぇねぇ」
ぼくの肩をぽんぽんたたく。
「どんな気分?」
「ど、どんなって………」
これ。
いちいちぼくに聞いてくるのが
すっごいウザい。
こんなことされて、
ぼくが恥ずかしいって思ってるのは
わかりきってるはずなのに。
「恥ずかしいだけじゃないよね?」
「へっ!?」
また…心ん中を読まれた!?
「カッちゃんと間接キスした後にさ、」
ミツルがぼくに顔を寄せながら言う。
「お尻にカッちゃんの笛入れて、
ちんちんこんなにヌルヌルにして………」
「いっ………!」
いっしゅん、ほんのいっしゅんだけ、
ぼくのちんちんをにぎってるミツルの手が動いた。
それだけでぼくの身体は
びくってふるえた。
「さっきも精液出せなかったんでしょ?」
だって、さっきは
ミツルがいきなりトイレに入ってきたから………
「はやく出したくない?」
ちんちんの皮がもとにもどった。
でも、またすぐにむかれる。
これを3回くりかえし。
「エッチなワタルはココも気持ちいいみたいだし」
「うあぁっ!!」
なんの前ぶれもなく、
おしりからカッちゃんのふえがぬけていった。
腸が……引きずり出されるかと思った。
「あ? ワタルは抜く時が気持ちいいの?」
「ちっ、ちが………あぐっっ!!」
ぼくがしゃべるのをさえぎるように、
またカッちゃんのふえでおしりを突かれた。
止まんない、止まんない………
ゆっくりだけど止まんない。
あっとゆうまに、
ふえがさっきと同じとこまでおしりに埋まる。
「あ………うあぁ………」
そしてまた抜けていく………
「なに? その満足げな声」
ミツルが何か言ってるけど、気にしてられない。
その間にも、またふえが昇ってくるんだもん。
ちんちんを突き上げられたあと、
腸が引きずり出されていく。
突き上げられたときは、
ちんちんの先から何か飛び出しそうになるんだ……
「すごいね、まさかワタルがここまで
お尻で感じるとは思わなかったよ」
そう言う間もえの動きを止めないから、
ぼくはくちを動かせない。
「ワタルのお尻、
カッちゃんの笛に吸い付いてるみたい」
「ち……」
「ま、それだけワタルがエッチで、
カッちゃんのことを好きだってことだね」
「ちがぁぁ………」
「え? なに?」
「ちがうぅっ………!」
やっと、やっと言えた。
これ以上、勝手にしゃべらせてたまるか。
「あそう、気持ちよくないの?」
「へっ………?」
ふえが、止まった。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
自分でもびっくりした。
ミツルが、ふえを動かすのを
やめたってだけなのに、
なんだか………体がつまんない。
ちんちんやおしりは熱くなってるのに
ただそれだけ、それだけ………
そうだ、あのときの感覚ににてる。
ぼくが部屋で一人でちんちんさわってて、
もうちょっと……ってとこで
お母さんがノックしてきたとき。
しかもお説教が始まっちゃったから、
その後ちんちんさわることできなかった。
今まですごく気持ちよかったのに、
それがしぼんでいく。
残るのは、まだかたいままのちんちんと
あらくなった息だけ………
「……………」
ミツルはもう何もしてくれない。
ちょっと顔を動かしてミツルの方を見た。
授業中とおんなじ顔。
すっごくクールな顔でぼくを見てた。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
何も言わない。
なに……考えてんだろ。
「ど、どしたの……?」
あまりに気まずくて、
ぼくの方から聞いた。
「どうしたって、
ワタルが気持ちよくないって言ったから
やめてあげたんだよ」
そ、そんな………
「ぼ、ぼく、
気持ちよくないなんて………」
「え、なに? はっきり言いなよ」
ミツルの口調が変わった。
「きもち…よくないなんて言ってない………」
はずかしいぃ………
でも、このままでいるのもすごく辛いんだ。
「あっそう。で?」
「へ?」
ミツルはぼくを見たまま、
ぜんぜん目をそらさない。
じっと見られて、ぼくの方が
目をそらしたくなるくらい。
「僕はどうすればいいの?」
「ど、どうすればって………」
あうぅ………
あのとき、「ちがう」なんてゆうんじゃなかった………
「ちゃんと言ってよ」
ミツルがわざとこんなこと言ってるってのは
すごくよくわかる。
ただ、ぼくに意地悪したいだけなんだ。
ぼくに恥ずかしいことを言わそうとしてる。
「僕、今まで何してたっけ?」
性格悪すぎ。
「他に誰も聞いてないんだよ?」
うるさい、うるさいぃ………
「言っちゃえば?」
「うぅ………」
「え?」
「お、おしり………」
"おしり"とか、その単語を言うだけでも
すごく恥ずかしかった。
いつもなら普通に言えるのに、
今は言うのにすごく勇気がいった。
「ワタルのおしり?
カッちゃんの笛をこんなに飲み込んでるね」
ミツルの視線がぼくのおしりの方を向く。
自分では見えないけど、
カッちゃんのふえが入ってるとこを
見られてるって思ったら、
冷めてた身体が急に熱くなってきた。
「そのふえ………」
「この笛を?」
「うごかして………」
目もあけてられない。
「ふーん、こおぉ?」
「ひぃあぁぁ………」
やっと……やっとおしりのふえが動いてくれた。
ぬけそうになってたのが、
どんどん奥へ進んでくる。
「それからどうするの?」
「ぬ、ぬいて………」
なんで…こんな恥ずかしいこと、
すらすら言えちゃうんだろ………
「このままぬいちゃっていいの?」
「だっ、だめっ………!」
思わず、おしりに力いれちゃった。
「へぇ、そんなにおしりが好きなんだ?」
返事ができなかった。
ミツルのそのセリフで我に返ったかんじだった。
おしりに入ったふえ、
ぬきさししてくださいなんて、
ぼくなんてこと言ってんだろ………
「さっすがエッチなワタル」
「いぃ…あぁぁ………」
さっき…さっきと同じだ………
ぼくがずっとしてほしいって思ってたこと。
カッちゃんのふえがおしりを出たり入ったり。
「これがしてほしかったんでしょ?」
「あぐ、あぁぁ………」
も、もういいや………
おしり、すっごく気持ちいい。
カッちゃん、ごめんね。
ぼく、カッちゃんのふえこんなことに使ってる………
「こっちはいいの?」
今度は指でちんちんを突つく。
「触ってほしい?」
もう、どうなってもいいやって思った。
あとからミツルにんって言われようとも、
いまき持ちよくなりたくってしょうがなかった。
———うんうん!
そう心の中で叫びながら、ぼくはうなずいた。
「いぎいぃぃ………」
おしりとちんちんに、同時こうげき。
ちょっと小さくなりかけてたちんちんが
ぐちゃぐちゃにもまれて、
あっとゆうまに硬くなっちゃった。
ミツルの指が先っぽから出たヌルヌルを
ちんちん全体にぬりたくっていく。
そしてわざと音を立てるように
手とちんちんの間に空気を入れる。
空気とぼくのヌルヌルが絡まって出た
ぐちゃぐちゃって音は
なぜかすっごく大きく聞こえた。
「お尻とちんちん、どっちが気持ちいい?」
ミツルが言う。
「ど、どっちも………」
それだけ言った。
だって、答えるのめんどう。
今はただ気持ちいいってことしか
考えられないから………
「あ……あ………」
もう、もう出そう………
トイレでも最後までできなくて、
今もすっごくじらされたから、もうでそう………
「ね、ワタルは今から何を出すの?」
「へ………?」
「だから、
このヌルヌルになった先っぽから何を出すの?」
「うぅぅ………」
なんで、なんでこんなこと、
ぼくにゆわすんだよっ!!!
「ほら、ちゃんと言えたら
いっぱい出させてあげるって」
ちんちんをにぎる手の動きが
ゆっくりになった。
たぶん……ぼくが言えたらこの手がもっと速くなって、
そんでぼくはいっぱい………
「せ………」
「え?」
「せぇえきおぉ………」
「うんうん」
「だしますっ………!」
「ふふっ」
ぼくがちゃんと言ったのに、
ミツルは笑った。
「えらいえらい、さすがエッチなワタル」
「あ…ふぁあっ!!」
思ったとおりだった。
おしりのふえも、ちんちんの手も、
すっごくはやくなった。
あたまが……おかしくなる………
「あ…あ…あ………」
———びゅっ、びゅるるぅっ!!
ひざがふるえて、こわれる。
こんなふうになったのは初めてで、
自分でもびっくりするくらい
たくさんの精液がおしっこの管を
のぼってくのがわかった。
なんどもなんども、
ちんちんから精液が飛び出すたんびに
おしりが高く突き上がる。
「あぁぁ………」
何回飛び出したかわかんない。
だけど、たぶん今までで一番たくさん出た。
こんに気持ちよくて、
身体の力がぬけちゃったのは初めてだったから。
「ほら」
しばらくして、ミツルが自分のにぎりこぶしを
ぼくの目の前に持ってきた。
———にちゃあぁ………
それを広げると、
中にはぼくが出した精液がいっぱいで、
指と指との間で糸を引きまくってた。
「ワタルが出したの、
ぜんぶ手で受け止めたんだ」
また、笑い出す。
「すごいね、一回でこんなに出せるんだ?」
答えられない。
「これからも、たくさん出してよね」
意味が、わからない。
———……………あれっ!?
ここは………ぼくの部屋だ。
あたりまえだけど。
———ミツルは!?
……………。
いない。
部屋んなかをどんだけ見回してみても
ミツルの姿はない。
帰ったのかな?
なんか、頭がぼんやりする。
寝てたのを急に起こされたときみたい。
ぼくはたしか………
ミツルに縛られて動けなくされて、
ちんちんとかおしりを
いっぱいさわられたんだ。
いま考えたら鳥肌が立ってくる。
あんな恥ずかしいことさせられたんだ、
って考えたら。
だけど、くやしいんだけど
それがすっごく気持ちよくて、
ぼくはミツルの手に
いっぱい射精しちゃったんだ。
ミツルが手についたぼくの精液をながめて、
にやにや笑ってたんだ。
そこまでは覚えてる。
でもそこまで。
それからミツルがなんってゆって帰ったのか、
ぜんぜん思い出せない。
あ、カッちゃんのふえもなくなってる。
やっぱミツルは
カッちゃんのふえを持って帰ったんだな。
なんでぼくがそのことを覚えてないのかは
ちょっとブキミだけど、
思い出せないんだからしょうがない。
「はっ!」
気づいたら、
まだズボンとパンツが脱がされたままだった。
急に恥ずかしくなってきて、
ゆかに散らばってたズボンとパンツを
手に取ってはいた。
でも、お母さんに気づかれなくて
ほんっとによかった。
おふろ入ってるとき、
自分でちょっとだけちんちんをさわってみた。
すると、あのときのことが
頭んなかによみがえってくる。
手と足を縛られて身動きとれなくされて、
ミツルにいっぱい意地悪されたこと。
カッちゃんのふえをなめちゃったこと。
そのふえがぼくのおしりに入ってたこと。
そのふえを抜いたり出したりされながら
ミツルにちんちんをさわられて、
そのまま射精しちゃったこと………。
「あ………」
なんで………
あんなに恥ずかしいって感じたのに、
なぜかぼくのちんちんがかたくなる。
あの時とおんなじように、
おなかにくっつきそうなくらい
ぴんって立って、
先っぽがほんの少しだけぬれてる。
あんなこと、二度とされたくないのに………
ミツルが、
「これからも、たくさん出してよね」
とか言ってた。
それってやっぱり、
せい……えきのことだよね………
だったら、
またあんなことされるのかな………
今日みたいに、
「おとなしくしないと
ワタルがカッちゃんを好きだってこと、
学校でバラしちゃうよ」
みたいなこと言われて。
また縛られて、
おしりとちんちんいっぱいさわられて………
「!」
ちんちんをつたって、
なまあったかいものが流れ落ちていった。
見てみたらそれは透明なしるで、
先っぽから出たのが
あふれて流れ落ちていったんだってわかった。
なんでだろ………
いつも自分でする時だって
こんなに出たことないのに………
それに今は何もさわったりしてなくて、
たださっきのこと考えてただけなのに………
「いっ………!」
指先でちょっとさわっただけで、
身体じゅうがびりびりした。
そのままちんちんをにぎって
皮を上に引っ張りあげたら、
さっきの透明なのがどくどくあふれてきた。
そして皮を下に戻すと
そのしるが流れ落ちていく。
たったそれだけのことをしただけなのに、
ぼくのちんちん、
ぬるぬるでにちゃにちゃになった。
また皮を上に引っ張って、下にもどす。
「はぁ……はぁ………」
ゆっくりなんだけど、すっごく気持ちいい。
何回も手を動かすうちに
透明なしるが先っぽであぶくを作ってて、
それがなぜかすっごくえっちに思えて
また身体が熱くなった。
「はぁ……うぅぅ………」
気持ちいい……きもちいいけど………
だめだ、こなんことしてたら。
このままだったらミツルの言ってたとおりだ。
ぼくは、ちんちんから手をはなした。
そしたら、にらにらに光ったちんちんが
ぴくぴくふるえてて、
なんだかすごくさわってほしそうだった。
ぼくだって……
ほんとはこのままやっちゃいたいけど、
そんなことしちゃったら
ミツルの思うツボだ。
アイツのことだから、明日学校で
「昨日のこと思い出しながら
自分でしちゃったんだろ?」
とか言ってくる可能性が十分ある。
でも、ぼくはちがう。
あんなやつの思うとおりになるほど
単純な人間じゃないんだもんね。
でも……
おふろから出たあとも、
ぼくのちんちんはしばらく固いままだった。
次の日。
「うぃース………」
カッちゃんが眠そうな顔をしながら出てきた。
カッコもだらしなくて、
ランドセルが今にも肩からすべり落ちていきそう。
カッちゃんはほんとに朝が弱い。
たまにはしゃきっとして出てくればいいのにな。
「ワタルー………」
「あ?」
あくびしながら言うもんだから、
聞き取りにくくってしょうがない。
「今日さー、音楽の教科書みしてくんねぇ?」
言いながら肩から落ちていきそうだった
ランドセルをなおすカッちゃん。
「いいけど……忘れたん?」
「いや、なくした」
「なくしたって………」
ぜんぜんあせってる様子がないとこがすごい。
まぁ、カッちゃんらしいけど。
「これからずっとどうすんだよ?」
そしたらカッちゃんはこっちを見て
ニカッと笑った。
「ずっとワタルのをみしてもらう!」
「はぁ?」
「音楽の時間は自由に席すわっていいじゃん?
どうせいっつもとなりですわってんだから
だいじょぶだろ?」
いいのか、それで………?
でも、ぼくは内心よろこんでた。
これでずっと、音楽の時間は
カッちゃんととなりの席だ。
カッちゃんのとなりをミツルに取られちゃう
ってこともない。
「ぼくはいいけどさ、
先生に言ったりしないの?」
「なにを?」
「だから、教科書なくしたってこと」
「べつにいいんじゃね?
ワタルがみしてくれるって言ってんだから」
後先のことぜんぜん考えてない。
「じゃ、先生に見つかってもしらないからね」
「そんときゃワタルも共犯よ」
「なんでだよっ!」
久しぶりにカッちゃんとダッシュした。
「おはよ」
そしてミツル。
いつもとぜんぜん変わんない。
まったくフツウだった。
ぼくを見ても、特に変わったそぶりは見せない。
まるで、昨日何もなかったみたいに。
なんかそれが、かえってヘンな気分になった。
カッちゃんとミツルは楽しそうにしゃべってるけど、
ぼくはそれから学校につくまで
一言もしゃべれなかった。
一時間目、音楽。
朝の会が終わってから音楽室へ向かって、
ぼくとカッちゃんは約束どおり
となりの席にすわった。
しかも、カッちゃんが教科書持ってないの
バレないように一番うしろの席。
ミツルは他の友達といっしょにずっと遠くの席。
ざまぁみろ。
「きりーつ!」
先生が入ってきた。
「ワタル、たのむぞ」
カッちゃんが小声で言う。
カッちゃんの机の上には
ほんとに教科書がなくて、ふえだけ。
———ふえ!?
「ちゃくせーき」
……………。
……………。
……………。
「……なにしてんの」
……………。
「宮部くん!」
「え!?」
あぁ、ぼくのことか、
先生がぼくのことを呼んでる。
「!」
って………
見回したら、ぼく以外の人は
みんな着席してた。
「はやくすわれよ」
カッちゃんに言われて、
ぼくはやっといすにすわった。
ふ、ふえ………
アイツ、あのあとカッちゃんのふえを
学校まで返しに行ったのか!?
それとも、今日朝一で………
いや、今日もぼくらといっしょに学校行ったんだから
それはないか………
でも、でも、
昨日あんなことに使ったカッちゃんのふえが、
今ここにある………
「じゃ、みんな笛出してー」
先生の声で、みんないっせいに
ふえを袋から取り出す。
もちろんカッちゃんも。
「おいワタル、はやく教科書みしてよ」
「あ、う、うん………」
心臓がどきどきして、
身体がかあって熱くなってきた。
汗もちょっと出てる。
「最初はみんなで合わせて吹きまーす」
みんながふえをくちのとこに持ってく。
でも、カッちゃんはふえをくるくる回して遊んでる。
そう……そのふえ、くちつけちゃだめ………
「八木くん! 遊んでんじゃないの!」
「うぇ!」
カッちゃん、おこられた。
みんなが笑うのにつられて
ぼくもちょっとだけ笑う。
それでも心臓のどきどきは止まんない。
「準備いいー?」
カッちゃんのふえが、
昨日ぼくがなめちゃったカッちゃんのふえが、
カッちゃんのくちに近づいていく。
「ワタル、何やってんだよ」
「あ、べ、べつに………」
ぼくもふえをくわえた。
そしてカッちゃんも………
だめ……、だめ……………
カッちゃんがふえにくちをつけたしゅんかん、
景色が回った。
天井も回った。
カッちゃんの叫び声が聞こえたあと、
なにも聞こえなくなった。
なにも見えなくなった。
「ん………」
昨日のあれと同じ状態だった。
頭がぼんやりしてて、
いっしゅん自分がどこにいるのかわからない。
「あ、起きた」
聞き覚えのある声がした。
「どしたの? 急に倒れちゃって」
「ミ、ミツル!!」
ぼくのそばにいたのは、ミツルだった。
それがわかると同時に、
ここが保健室でぼくはベッドに寝かされてるんだ
ってこともわかった。
「授業中に急に倒れるんだもん、
みんなびっくりしてたよ」
そ、そっか………
ぼく、カッちゃんがふえにくちつけるのを見て、
身体が熱くなってて……
熱くなりすぎて倒れちゃったのかな。
「って、なんでミツルがここにいんだよ!?」
「だって、今日保健係休みだもん」
そ、そうだっけ………?
「だからって………」
なんだよ、
カッちゃんがついててくれたらよかったのに。
「そりゃあ、大事なワタルのためだもん」
「はぁ!?」
「昨日、自分が舐めた笛に
カッちゃんが口つけるとこを見て倒れたワタルが、
心配でしょうがなかったんだよ」
「なっ………!」
な、なんでコイツ、
こんなに簡単にぼくのこと………
「よかったね、あの笛カッちゃんにも舐めてもらえて」
「るっせぇな………」
「またそんな口きく?」
ま、またこのパターンだっ……
「昨日、あれからまたオナニーしたんでしょ?」
やっぱりきた!
「するわけねぇし」
「あっそう、途中でやめちゃったんだ?」
「え…?」
「じゃ、今やったらまたたくさん出るかな?」
ぼくのちんちんをにぎろうと
ミツルが手を伸ばしてきた。
「さっ、さわんな!」
「いいじゃん、ここでやっちゃえば。
ちょうど先生もいないみたいだし」
相変わらずとんでもないことを
さらっと言っちゃうやつ。
「ここ学校だぞ!?」
「関係ないって」
「ばっ…寄るなって!」
ミツルがベッドの上に乗ってきた。
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