神宮前(じんぐうまえ)駅でJR東海道本線と再会します。ここで名鉄常滑線(とこなめせん)を合流しま
す。次の金山(かなやま)までの間は複々線になっています。JRとは名古屋の先まで並走し、その 間しばしば、JR列車と抜きつ抜かれつするさまを車窓から楽しむことができます。
その間に見えるJR熱田(あつ た)駅構内には、よく特急「しらさぎ」の 683系が名古屋駅から引
き上げられて羽を休めています。
金山からはさらにJR中央本線が北側に並走し、やがて、同線は名鉄と東海道本線の下をくぐ
って西側に移ります。そのあたりからは東海道新幹線も西側に寄ってきて、4複線の形で名古 屋駅に近づきます。
「名古屋」は、JR駅が盛土(または高架)であるのにたいし、名鉄駅は地下にあります。名鉄
電車は高架から一気にくだって地下にもぐり、「名鉄メロディー」のミュージックホーンを鳴らしな がらホームに着きます。なおここは長らく「新名古屋」と呼ばれていましたがさきほど「名鉄名古 屋」と改称されました(H17. 2)。駅の上は系列のデパートです。
名鉄名古屋駅は上下各1線の通過形の駅で、列車の待避・追い越しはできません。中ホーム
を挟んで上下線があり、その外側にもそれぞれホームがある 3面2線の構成です。
外側が上下線それぞれの乗車ホームで、中ホームが降車用です。列車が着くと、まず中ホー
ム側の扉が開き、時間差をつけて外側ホーム側の扉が開きます。乗降客がかち合わないよう にするためですが、それでも降りる人は急がないと乗ってくる人ともみ合いになることがありま す!
中ホームはまた、特急の「特別車」(有料)の乗降にも使われており、特別車座席指定券「μ(ミ
ュー)チケット」を持った人は中ホームから乗ることになっています。
ここは先述のように上下各1線で、そこに本線だけでなく、各支線から/行きの列車が集中す
るため発着列車がきわめて多い駅です。したがって大駅にしては停車時間が短く、一方、乗降 客が大変多いので、常に発車ベルに急かされては扉を閉め、全速力で逃げるように発車して いきます。頭端式のターミナルでは決して見られない、まことにせわしい駅です。
下り(岐阜方面)の乗車ホームは、連絡改札口を経て 隣接する近鉄ホームと行き来すること
ができるようになっており、名鉄−近鉄の乗換えに便利です(券売所併設)。
写真はいずれも As
名古屋駅を出て再び地上に出た名鉄は JR東海道本線・新幹線とまた並走しますが、庄内川
(しょうないがわ)を渡る手前で一旦東に逸(そ)れたのち、川を渡ったところで犬山線を分け(枇杷島分 岐点) 西に反転、東海道本線をアンダークロスして新川橋(しんかわばし)駅から北上します。
やがて一宮(いちのみや)でJR東海道本線が右に並びます。
一宮はJRといっしょの駅なのに、なぜか JRは「尾張一宮」(おわりいちのみや)、名鉄は「名鉄一
宮」(めいてついちのみや)と駅名が違います(「新一宮」(しんいちのみや)から改称。H17. 2)。
一宮から東海道本線としばらく並走しますが徐々に離れ、木曽川はだいぶ離れて渡ります。
あとはほぼ真北に走ったのち、最後はSカーブがあって東海道本線をアンダークロスすると
終点名鉄岐阜(めいてつぎふ)駅に着きます(「新岐阜」(しんぎふ)から改称。H17. 2)。
写真はいずれも As
名鉄岐阜駅は頭端式2面4線の駅です。数十メートル離れて各務原線と田神線のホームもあ
り、同じ改札内ですが、最近中間改札もできました。田神線は名鉄美濃町線の列車を引き入れ るためにできた線で、600 V − 1500 V 複電圧車が発着します。
駅前からは名鉄岐阜市内線が出ており、街の中心部を通って市の北西部に向かいます。終
点忠節(ちゅうせつ)で名鉄揖斐線(いびせん)に乗り継ぐことができます。市内線は元来、JR岐阜駅前 から出ていましたが、平成16年から JR岐阜駅前−新岐阜駅前間を休止しています。
当駅とJR岐阜駅とは 300 m ほど離れていて相互の乗り換えには不便ですが、名鉄駅のほう
が街の中心部には近いといえます。
なお、JRと名鉄を乗り継ごうとする場合は、この駅よりも前記一宮のほうが便利です。とくに、
名鉄の東部から来て JRの高山方面特急「ワイドビューひだ」や 米原回り富山方面特急「しらさ ぎ」に乗り継ぐ場合、名古屋で乗り換えるのが一般的ですが、実際には共同駅の一宮のほうが 手っ取り早いのです(ただし、改札口は別)。
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