聖封神儀伝・0 記 憶 の 扉
第 3 章  再 会

 5

 現在いまも大切。
 だけど、何とかしたい過去があって。
 ああ、でもそうだ。
 もう人界はないんだった。
 続けたいと思う現在が存続すべき場所は、失われてしまった。
 なら、予定通り時を巻き戻してやり直そう。
 手に入れた力を使わないでいられるわけがない。
 けれどいつから?
 どこが始まりだったかなんて、もう皆目見当もつかない。
 下手をすればこの世の始まりがそのまま全ての始まりにさえなりかねない。
 ただ一つ確かなのは、わたしの――守景樒のはじまりはここからだった。
 真由は、開いた扉を柵向こうから凝視していた。
 わたしと真由の間には、立ちすくんだ小さなわたしと、やはり動けないでいる葵。
「樒! それに桔梗も!」
「ごめん葵」
 泣きそうになってる葵に謝って、わたしは二段の小さな階段を下りて灰色のコンクリートの屋上に降り立った。
「ミツキ……?」
 満月の下、真由は怪訝そうに小首を傾げる。
 ショートカットの短い髪に印象的なほど大きな黒い瞳。ちょっと気は強そうだけど明るく快活で大人びた美少女。
 だと小さなわたしは思っていたはずだ。
 そう、少なくともわたしなんかよりもずっとずっと大人なのだと。
 けれど、今目の前にいるのは幼いわたしと同じ小さな子供だった。
 幼くあどけない面影を色濃く残した少女。
 記憶の中の真由はあんなに大人びていたのに、今現実に目の前にいる真由を見るとその幼さに愕然とする。
 そして、あんな小さな子が自ら命を絶とうと決心するほど傷ついていたのかと。
 そういえば光くんも小学校六年生だったっけ。
 この年頃は子供と大人が同居するものなのだろうか。
「だめ! 来ちゃだめ!」
 一歩、二歩と真由に近づこうとしていたわたしの前に、突如立ちはだかったのは小さなわたしだった。
 小さい、といっても身長はもう十センチも違わないだろう。
 泣きそうな顔で睨みつけるその目は、今のわたしとさほど変わらない位置にある。
「来たら真由が飛び降りちゃうでしょ!? もうこれ以上近づかないで!」
 そんな台詞、言っただろうか?
 思い出そうとしてわたしは心の中で首を振った。
 わたしの記憶に高校生の自分と出会った記憶なんて残っていない。
「みっちゃん」
 必死で通せんぼしようとする小さなわたしの背に、真由は優しく呼びかけた。
 小さなわたしの肩はびくりと震えた。
 真由の声が、あまりに優しく穏やかだったから。
「みっちゃん」
 二度目の呼びかけに、小さなわたしはわたしを睨みつけながらおそるおそる真由の方を振り返る。
「真由、だめだよ? 絶対だめだからね?」
 わたしはちらりと葵に視線を送った。
 どういうことだよと問いただしたそうな目でわたしを見ていた葵は、わたしが小さく頷いたのを見て切り替えたように真由に視線を戻してくれた。
 わたしの足の速さじゃここから急いでも間に合わないから。
 そして、もう一人。
 斜め後ろで様子を見極めようとでもいうように立っている桔梗をわたしは盗み見た。
 考え込むように遠く、真由の方を見つめている桔梗は、わたしが見ていたことに気づいていない。
 それでも、桔梗ならこの場を上手く乗りきらせてくれるんじゃないかと、わたしはどこかで期待していた。
 夏城君から借りたままの短いワイシャツの袖からは十一月の冷たい風が吹き込んでくる。一つ震えて、わたしは鳥肌立つ両腕を抱きしめた。
「みっちゃん。ごめんね」
「ごめんねじゃないよ! どうして真由が謝るの? 悪いのはわたしでしょう? わたしが真由を……」
「ごめん。あたし、最期にみっちゃんに会っておきたかったんだ。宿題の漢字のドリル、みっちゃんの鞄から抜き取ったのあたしなの。真面目なみっちゃんなら帰った後でも学校にとりに戻ってくるかなって」
 さすがに小さなわたしは立ち尽くしている。
 全身が震えているのは、けして風が冷たいからというだけではないはず。
「仕返し……? 仕返しのつもりなの……?」
 茫然と小さなわたしは呟いた。
 それは、わたしも在りし日の真由に言ってしまった、絶対に言ってはいけない言葉だった。
 本当ならわたしはこの言葉を封じるために来たのに――
 だって、ここはわたしの記憶とは違う。いなかったはずのわたしと葵と桔梗が居合わせている。
 それなのに、どうしてまた同じ流れになろうとしているの……?
「みっちゃん」
 真由は、見覚えのある儚く透明な微笑を浮かべて小さなわたしに呼びかけた。
「違うよ。仕返しなんかじゃないよ。でも、そう思われても、当然だったよね……ほんとに、ごめんね。みっちゃん」
 わたしはその言葉が終らないうちに柵向こうの小さな真由に向かって全力で突進していた。
 茫然としたままの小さなわたしを突き飛ばして。
「真由!!」
 胸半ばまである白い柵から上半身を突き出して、わたしは手をのばしてその小さな手を掴むことに成功していた。
 冷たい手。
 あとちょっと力を入れてしまったら、粉々に砕けてしまうかもしれない。
 でも、たとえ真由の手が骨折してしまおうと、肘が外れようと、わたしはこの手を離すつもりなんかなかった。
「離して! 離してよ!」
 四階屋上から片手だけでぶら下がりながら自らも壁を蹴って暴れる真由の体は、容赦なく吹きつける風でさらに激しく揺れていた。
 それに伴って、屋上から足が離れながらもかろうじてお腹の辺りでバランスをとっているわたしの身体も一緒に揺れる。
「わたしね、真由を助けに来たつもりだったよ。でも、今気づいた。わたしはわたしを助けに来たの。最後に真由を追い詰めてしまったって、ずっと後悔し続けてきたわたし自身を」
 至近距離で真由とわたしは見つめあった。
「……みっちゃん……?」
 確信なく呼ぶその声は風に消されそうになりながらもわたしに届いた。
「そうだよ。樒だよ。真由、わたしなんだよ」
 わたし達はもう一度見つめあった。
「樒! 今手ぇ貸すから絶対はなすなよ」
「何があったって離さないよ」
 わたしが笑い返す間もなく右横から思いのほかほっそりとした葵の長い手が伸び来、真由の腕をさらに掴む。
 そして――
「真由、左手も」
 わたしの右横には小さなわたしが同じく細い柵に腹ばいになって真剣な顔で両手を差しのべていた。
「みっちゃん……」
「ごめん。仕返しなんて言って、ごめん。ほんとはそんな気なくて、つい口から出ちゃったの。だって、ここ最近わたし、真由のこと避けてたから。後ろめたかったりもしてて、だから、つい……。おねがい、真由。わたしにもう一度やり直す機会をちょうだい。もう馬鹿な拗ね方なんかしないから。わたし、真由と話すの無理なんかしてないから、だから何にも気にせず話しかけてくれていいから。わたしも普通に話すから。だから、また二人で一緒にいよう? 真由が私立行っちゃったら学校で会えるのは卒業までになっちゃうけど、卒業したって……」
「じゃあ、みっちゃん。みっちゃんも一緒に行こう? 岩城の中等部。大丈夫。みっちゃんなら今からでも間に合うよ。だって」
 真由はにっこりとわたしの方に微笑みかけた。
「みっちゃん岩城の制服着てるもん」
 視線を小さなわたしに移して、真由は左手を小さなわたしに託そうと持ち上げた。
 そのときだった。
「樒ちゃん! 後ろ!」
 桔梗の切羽詰った声にわたしはふりかえる。
「何で……ファリアス……」
 ふらふらというよりはゆらりゆらりと陽炎のように上体を揺らしながら真っ直ぐわたしだけを視界に収めて歩いてくるその姿に、思わず手から力が抜けた。
「樒!?」
 葵が真由の重さに喘ぐ。
 慌てて駆けてきた桔梗が真由の片手を掴む葵と交代し、葵が朱雀蓮を手にファリアスと対峙するが、ファリアスの不気味な笑顔はもうわたしのすぐ目の前にあった。
 その手中には月の光すら吸い取りながら絶えず揺らぐ暗黒の球体。
 目がそらせなかった。
「貴女からいただいた刻生石と血晶石。私を蝕むだけでなく、たまには役に立つこともあるのですね」
 暗黒の球体の核の部分には闇を吐き出す刻生石が震えている。
「これのおかげで貴女の気配を辿って追いかけてくることができました。こんな過去にまで」
 そういうとファリアスはほくそ笑んだ。
「もしかしてここは貴女の過去の山場ですか?」
 ちらりとわたしから小さなわたしの方へと視線が移し変えられる。
 小さな背中は無遠慮に浴びせかけられるファリアスの視線にびくりと震えた。
 それを見たファリアスの手の中の球体は真黒き体積を増して膨れ上がっていく。
 残忍な笑み。
「では、貴女をこの時から消してさしあげましょう。望んでいたでしょう? 未来を変えることを。我が身を以って変えてください、聖刻法王」
「樒ちゃん、あの人は葵ちゃんに任せて、早くこの子を引き上げてあげましょう」
 桔梗の声に、葵がちょっと振り返って唇の端を上げて見せる。  わたしは意を決してファリアスに背を向け、真由の腕を握る手に力をこめた。
 真由がぼんやりとわたし達のそのまた後ろを見上げる。
「みっちゃん、無理、しないで」
 風に煽られ、両腕だけで支えられた状態の真由はもう限界のようだった。
 気弱な笑みを見せた次の瞬間、真由は壁を蹴って全身を揺らしだした。
「真由! 大人しくして! そんなことしたって何の意味もないんだから!」
 わたしは一喝するなり桔梗と視線を見交わし、小さなわたし一人で支えている左腕を掴みなおして一気に引っ張った。
 が、真由はまだじたばたしている。
「あたしのことなんかよりも早く逃げてよ。でなきゃみっちゃんが……」
「葵が防いでくれてるから大丈夫なの!」
 背後に感じていた禍々しい気配は大分遠ざかっている。
「そうね。恐竜と戦ってウォーミングアップも腹ごしらえもばっちりだし」
 腹ごしらえ?
「またそんな昔に飛ばされてたの?」
「ええ。すごかったわよ。朱雀蓮を手に入れた葵ちゃんは。獰猛な恐竜をちぎっては食べ、ちぎっては食べ……」
 ちぎっては、食べ?
「こら、桔梗! あたしまで獰猛な肉食獣のように言うな!!」
「ほら、こっちの会話聞いてる余裕もあるくらいですもの」
 にっこり微笑んだ桔梗にわたしはおそるおそる訊ねてみる。
「食べって、どういうこと?」
「だってもう帰れないかと思って。だったら向こうの世界に順応するしかないでしょう? 幸い火も水も使えたから暖をとったり料理したりするには困らなかったわよ」
 食べたんだ……!!
 なんだろう、この襲いくる脱力感。
 たくましい。たくましすぎだよ、二人とも……。
 真由と小さなわたしもあんぐりと口をあけて桔梗を見ている。
 思わず緩んだ手からずるずるとおちていった真由の左手をわたしはあわてて掴む。
「そんなことより」
 桔梗にいなされて、わたしと小さなわたしはお腹が見える辺りまで引き上げていた真由をさらに引っ張りあげることに集中した。
「せぇのっ」
 桔梗と声を合わせ、小さなわたしも引き上げる腕に力をこめる。
 ようやく屋上のコンクリートに足をつけた真由は、息も絶え絶えに向こう側からフェンスにぐったりともたれかかった。
「真由!」
 小さなわたしはフェンス越しに真由の肩を抱いていた。
「みっちゃん」
 真由もその肩に腕を回し、宥めるようにぽんぽんと軽く叩く。
 一見、その表情はしっかりしているように見えたけれど、真由の足はがくがくと震えていた。
「よかったわね」
 ほっとしたように桔梗が微笑んだ。
「うん、ありがとう、桔梗」
 わたしも口元に安堵を浮かべ、そのまま葵の方に視線を移した。
 葵は今にも朱雀蓮でファリアスを屋上の反対側に追い込もうとしていた。隙あらば闇色に染まった刻生石を取り上げようと燃える炎の連鎖を駆使することも忘れてはいない。
 けれどファリアスは追い詰められながらも実は一撃も葵の朱雀蓮を受けてはいなかった。たまに変化するリズムすらお見通しのように踊るようなステップで連なる炎をかわし、闇に淀む刻生石を守り通す。のみならず、ちらちらとこちらの様子を見ながら逆襲のチャンスを窺っているようだった。
 その青い目がわたしの視線に気づいて邪悪ににっこり眇められる。
 いやな予感がわたしの背筋を駆け抜けていった。
 記憶の奥底に封じられたものが蠢きだすような、そんないやな感じ。
「真由、早くフェンスを越えてこっち側に来て!」
 それは自分でも驚くほどヒステリックな、叫びにも似た声だった。
 再会を分かち合ってた二人は息をつめ、目を見開いてわたしをふり返る。
 そしてその一瞬、真由の目はわたしのさらに背後を見越して凍りついたように見開かれたまま動かなくなった。
 が、すぐに表情は和らぎ、真由は小さなわたしの肩に手をかける。
「みっちゃん。あたし、みっちゃんのこと大好きだったよ。大好きな人には傷ついてほしくない。あたしは大好きな人、傷つけたくない」
 真由の声は、わたしの記憶とどこかシンクロして聞こえた。そのせいで余計にわたしの焦燥感は煽られる。
 いや……だ……。そんな台詞、聞きたくない。
 このあと、どうなるんだった?
 思い出して、樒。ちゃんと、思い出して!!
「樒! よけろ!!」
「樒ちゃんっ」
 わたしの記憶の思索は葵と桔梗の声によって中座させられた。
 驚いて振り返ったわたしのすぐ胸元を掠めて、月夜に暗く沈む暗黒の球体が猛スピードで通り過ぎていく。
 その先には、小さなわたしの背中。
「ごめんね、みっちゃん。ありがとう」
 それは小さなわたしにだけ向けられた真由の最後の言葉。
 事態がよく飲み込めていなかった『わたし』は、「え?」と聞き返そうとしてその言葉を飲みこませられたのだ。
 強く肩を押されることによって。
「真由っ!」
 フェンス越し、後方へ思いきり突き飛ばされた『わたし』は強く屋上の床に打ちつけられながら、反動で何もない後方に背中を預けた真由と同じ高さでみつめあっていた。
 それはあっという間だったはずだ。
 何秒なんて数えられもしないほど。
 それなのに、その一瞬が『わたし』には長くて、満足げな真由の笑顔がじっくりと目に灼きつけられていった。
 そして、いつのまにか『わたし』の目には昇りはじめた満月しか映らなくなっていた。
 直後に聞こえた音は思い出したくもない。
 小さなわたしは頭が真っ白で、立ち上がってフェンス越しに真由の所在を確認することもできないようだった。
 わたしも、同じだった。
 愕然と座り込んだ足にコンクリートの冷たさだけがにじんでくる。
 どうして今まで忘れていたのか。どうして今までこんなにきれいさっぱり忘れ果てていられたのか。
 真由はただ飛び降りたわけではなかったのだ。
 わたしの言葉が真由を追い詰めたのだと、そればかり思っていたのに。なのに、本当はわたしを助けようとして、その反動で……わたしのせいで……わたしが……
 過去がようやくわたしの中で現在に繋がった。
 過去は一つ。現在も一つ。
 そして、結果としての未来も不変。
「わたしが真由を殺した」
 嘔吐感をこらえるために呟いて、慌ててわたしは首を振って立ち上がった。
「まだ、治癒でも蘇生でも何でもできるじゃない!」
 奮い立たせるように叫んだわたしは無我夢中でフェンスを乗り越えようと冷たい金属の縁を握った。
 その鼻先にふわりと風をはらんだ白い布があたる。
「ファリアス……っ!!」
 足場の悪いフェンスの上に立つのは黒い球体を手中に取り戻したファリアスだった。
 もしかしたら、はじめてだったかもしれない。
 十五年生きてきて、わたしははじめて憎しみが愛しさと同じく胸の奥からこみ上げてくるものだと知った。行き場のなくなった感情が殺人衝動になりうるのだと、知った。
 それを喜ぶようにわたしを上から見下すファリアスは恍惚と笑む。
「貴女がよけるからですよ。せっかくあなたの大切な記憶を閉じ込めたこの刻生石を返してさしあげようと思いましたのに」
 手の上でさらに凶悪に暗く輝く小さな石。
 葵の手から逃れるために。そして、わたしに復讐するために。  ファリアスはあの刻生石を幾重にも闇で覆いわたしに向けて投げつけたのだ。なのにそれは振り返った拍子にわたしからそれてしまった。結果として闇を纏った球体の軌道は小さなわたしの背中めがけたものとなり……真由に当たったのは見えなかった。その前に真由の体はもう宙にあって月を隠していた……。
 湧き上がる殺意を懸命に押し殺しながらわたしはファリアスを一瞥して踵を返し、わたしを屋上に招き入れた扉へと向かって走り出す。
 真由!
 一階まで階段を下りて、近くの窓からでも外に出て。
 空間を渡る呪文を唱えれば済むことにすらわたしは気づいていなかった。
 間に合えばいい。
 ううん。間に合ってくれなきゃ困る。絶対に間に合わせる。
 ただそれだけを念じてわたしは走る。
 だけど、階段への扉にたどり着く間もなく、無常にも白い壁は音もなくわたしの前に立ちはだかった。
「軌道はそれてしまいましたがとりあえずお返ししてあげますよ。悪夢の中でのたうちながら消滅するがいい。永遠にね」
 ファリアスは凶悪な笑みを浮かべてわたしの顎をつまみ上げ、無理矢理こじ開けたわたしの口に真っ黒な刻生石をねじ込んだ。
 口の中のごつごつとした異物感はほんの一瞬。
 刻生石は元の居場所――魔法石を探し求めてわたしの体の中を奔流となって駆け巡り、やがて胸の真ん中辺りでわたしの意識を揺るがすほどの爆発を起こした。
 ファリアスはわたしの表情が虚ろになったのを見計らったように、ぐっとわたしの胸元へと手を差し入れる。皮膚も血管も肋骨も全てが融け去ってしまったかのように冷たいその手はわたしの内部へと入り込み、まさぐるようにして魔法石を掴み出す。
 くすくすくすくす、とささやかながら満足げな笑い声が酷薄な笑みを浮かべたその口唇から絶え間なく漏れでていた。
 ともすれば霞がかる視界と意識。
 聴覚すらも幻聴を聞くかの如く遠い。
 どこか現実から切り離されてしまった感覚の中、わたしの中を真っ黒な流れだけは途絶えることなく廻りつづけていた。まるでわたしを負の感情だけに染め替えてしまおうとでもいうように。
    
 




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