とぼとぼ 鎌倉 (その13)
如月・鎌倉を行く



 連休最終日である今日になるまで、部屋に籠っていた私だった。この連休は体の調子が今一つであり、関節の具合も芳しくなかった。
 しかし、流石に3日目ともなると痺れが切れ、様子を見ながらの外出となった。
 陽の陰った横浜側、北向き斜面には先週の雪が残っていた。
私は斜面の泥濘に気をつけながら、山道を辿っていた。

 立春も過ぎ、小さな春を見つけようかと家を出たが、木立の道には湿潤な冷気が充ちていた。                              .



 尾根を越え鎌倉側の下りにかかると雪は消えていた。林が切れ明るく開けた所で頭上に多くの小鳥を見た。スズメである。スズメの大群が枝に鈴なりの状態で留まっている。どのスズメもプックリと丸く、ずいぶん太ったように観える。
           「 アァ〜 ふくらすずめだ 」

 スズメが羽毛を逆立てて、羽の間に空気を取り込み、体を膨らませ寒さに耐えているのだ。
 地面に積もった雪は殆ど融け去ったが、先日の雪降り後、何日かは餌探しで難儀しただろう。寒風吹く中、羽根を膨らませて寒さに耐えている。
 天園のハイキングコースに入り、先週行けず仕舞いだった建長寺に向った。
 

 急な階段を下り、半僧坊に辿り着いた昼過ぎ頃には、額にかいた汗を拭う陽気となっていた。

 注意して歩いたつもりだったが、階段のくだりが効いたのか、右膝に痛みがでてきた。
                     .


 
 山門をぬけ建長寺を後に、鎌倉街道を駅に向う。鎌倉の街角には
紅梅や白梅も咲き始め、思いのほか厳しかった、この冬の終焉も
近いと感じた。             
        

   つんの
とぼとぼ