とぼとぼ 鎌倉 (その1)

市境界を歩く



登りつめた団地脇の坂道を、するりと通り過ぎ、下りついた坂の角を曲がった所に
無人の野菜販売小屋があった。今日の品目は大きな白菜、キャベツに
大根、ブロッコリーそして春菊、小松菜といったところだ。

野菜販売所

馬頭観音
どれも新鮮な上に、値段も手頃だ。歩道をトボトボと歩いてゆく。

この辺り、高速道路(高速横浜環状道路南線)の建設予定地とあって
道脇の建物の多くが、取壊し中である。果たして数年後、
周辺の長閑な風景がこのまま、残っているのであろうか。

車輌の往来激しい交差点を横断した。道脇にブロックで雨風を
しのぐように奉られた、何体かの石仏が目に入った。
馬頭観音像である。

石に刻まれた文字は 萬延元庚申 五月 吉祥日 と読めた。
「 あ〜ぁ、観音さんも、車の排気ガスが眼に滲みるだろ〜に 」

庚申塔

横断した交差点の先から急に静かな通りになった。
これより先に進んでも、
山を越えて鎌倉側へ抜ける道は無いのである。

道路の左側に続く、崖の窪みに庚申塔があった。
庚申塔の台座には、三猿の彫り物があり、
左脇には小さな祠の中に小さな御地蔵さんが
奉られていました。

さらに先に進むと、右手に大きな民家風の建物が目に入りました。
入り口に掛かった暖簾には”縄文おやき”と書かれていましたが、
まだ営業時間ではない様です。店名は「あらい沢」でしょうか。

「おやき かぁ〜、懐かしいなぁ〜、具は何だろう、一度食べてみたいな」



ゴルフ場を俯瞰
T字路で”洗井沢市民の森”への道を選んで進んでいきます。
この先に”洗井沢川小川アメニティ”の案内図があり、
綺麗に整備された遊歩道に沿って歩いていきます。

”永久の杜墓苑”の所で今日は左の道をとりました。
谷戸と呼ばれる丘と丘に挟まれた湿地状の谷を通り、
この辺りの最標高地点である皆城山を過ぎ、横浜・鎌倉
両市の境界を形成する尾根に入りました。

分岐標識の先から、尾根の左手には鎌倉パブリックゴルフ場
が俯瞰できます。今日は、まだ時間が早いこともあり、
コースに御客さんは見えません。

市境界標識
しばらく歩くと尾根の右手(横浜側)に所々畑が見えます。
何か山里の風情を感じる、ここからの景色が私は好きです。

市境界を示す標識が散見される尾根をしばらく歩くと、
いよいよ、鎌倉側への下降となります。

滝の入トンネルを抜けて
”散在が池”への標識に従って「いざ鎌倉」とばかりに尾根から駆け下りて行くと、アッと言う間に江ノ電バスの”今泉不動 停留所”に下りつきました。

道路を隔てた反対側には、散在が池(通称 鎌倉湖)の入口があります。

さて、今日はこれから ・・・。

結局、滝の入トンネルと名のついた隧道を抜け、バス路線に沿って大船駅まで歩き通しました。(やぁ 〜 疲れたなぁ 〜 )

   つんの
とぼとぼ