ぶらり  散歩(その5)

秋の川辺を歩いてみれば


 頭上にはり出した柿の木は、たわわに実った柿が枝をしならせている。

 終日、雨を降らせた一日が過ぎても、カラリと晴れ上がった秋日は戻ってこない。それでも、昼を過ぎると空が明るくなってきたので、いつもの川沿いを遡っての散歩にでかけた。
 小学校脇を通り、対岸へ渡ろうとして橋下を覗くと、一面のコスモスが風を受けそよいでいるのが観える。
 風情ある扇橋を渡り、上郷の公園を抜け旧鎌倉道にあたる崖沿いの道に入る。
 この道、市内では今となっては珍しい植物群が観られるので好きな場所だ。
 川寄りの左手から射す薄日があたる傾斜地には、この時期アザミや野菊と共にサラシナショウマの白い花穂が幾つも観れて少しばかり嬉しいのである。

サラシナショウマ

オオミゾソバ
 畑の脇を曲がって、證菩提寺の前へ出た。
 門前にある川岸の休憩所から眺めると、秋草が風になびいている。心休まる一時。
 
 川原に下り、メヒシバやエノコログサを踏み分け木製の小橋まで歩いて行くと、久しぶりに数珠玉を眼にした。川向うの原は、犬蓼の大群落だ。
 再び川岸の歩道へ上ろうとした辺り、流れに沿い一面に広がる、大溝蕎麦(オオミゾソバ)の花が眼に入った。

 葉月橋から稲荷森へ抜ける辺り。田圃には先日まで稲穂が風になびいていたが、既に収穫は終わっていた。

 尾月橋先の梅園まで歩き、上郷市民の森へ入ろうと踏入った。ここでは見渡す限りの、野菊の原が私を待っていてくれた。


PS. 家に戻って足元見れば、ズボンの裾には
           イノコズチのおみやげが ・・・。     



   つんの
とぼとぼ