ぶらりと 花 散歩(その2)
六国見山から春霞に煙る海を観に行く
オオイヌノフグリ |
ソメイヨシノ |
四月になった。週末の一日、お天気もよいし、今日は最高のお花見日和かもしれない。 朝の9時前には家を出た。歩き始めて20分ほどで山道に入った。市境界域にある田圃のあぜ道には、オオイヌノフグリなども咲き、彩りを添えている。田圃の向いの山肌に咲く、ソメイヨシノが綺麗だ。 尾根近くに至り、頭上に小枝から白い花房の垂れて咲いているのに気がついた。 |
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薄いクリーム色をした小花が房になっている。キブシの花にも見えるが、季節的に少し遅いしなぁ〜、さて、何だろ〜。 尾根を越え鎌倉へ抜けた。鎌倉市側の斜面を降り、何時も陽だまり状態となっている畑の脇に出た。 富士山や大船観音を眺望できる場所であるが、今日は、この陽気で霞んだ空に、富士山を仰ぐことはできなかった。 胸ポケットから取り出したドロップ一粒を口に放り込み、陽だまりに咲乱れるタチツボスミレに目を遣った。 |
タチツボスミレ |
ヤマザクラ |
オオシマザクラ |
レンギョウ |
鎌倉の市境界尾根周辺では、ソメイヨシノの他に色々な桜を観ることができる。特にこの辺りでは、ヤマザクラやオオシマザクラに会う機会が多い。 さて、薄暗く湿った切通しを通過し今泉の住宅街にでてきた。路地からのぞく庭先には桃やレンギョウ(連翹)、ハナズオウなどの花々が咲競っている。 今日は六国見山から春の風情を満喫しようと思っているので、先ずは、高野台に向おう。 |
岩瀬中学校脇の小道に入りフェンスに沿って歩き出す。周囲の林は、芽吹いた新緑が陽に輝き、まさに山笑うという趣である。 体育館の裏手まで来たところで、大船高校へ続く急傾斜の階段のぼりとなった。一歩、一歩登ると右手に展望の開ける箇所があり、大船の観音さんが良く観える。 更にのぼると、前方に視界が開け、その先に高野台のバス停が見えたが車道に出ず、直前で左折した山道を辿り、六国見山をめざした。 |
山 笑う |
六国見山から春霞の海を望む |
急な山道を登り、六国見山に着いたのは家を出てから50分後のことだった。腰につけた、万歩計の表示は5800歩程となっていた。 六国見山(標高147m)は、北鎌倉・円覚寺の奥にあたる場所にある。山頂からは大島や伊豆半島も良く観えるのだが・・・・今日は残念。春霞で煙る稲村ガ崎の先に、湘南の海は在った。 それにしても、穏やかである。晩唐の詩人・杜牧、江南の春の一節が浮んだ。 |
千里鶯啼緑映紅 水村山郭酒旗風 南朝四百八十寺 ・ ・ ・ ・ ・ |
山 頂 |
明月院も近い |
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北鎌倉駅(後の林は円覚寺) |
六国見山の山頂で休憩をとった後、北鎌倉へ向った。急な坂道を降り、ユキヤナギや菜の花の咲く民家脇を通り、道端の庚申さんに手を合わせれば、明月院も近い。 六国見山から20分弱で、観光客で賑わい始めた、明月院に到着。拝観は又の機会にと、駅に向った。 |