関八州狛犬詞めぐり(1)〜(4)
絵・作詞 吉野 忠夫
  関八州狛犬詞めぐり(1)
   
〜 古河市 天満宮 〜

   あれが噂の狛研か

  雪にふるえて夏の陽耐えて
  梅の香巡り二百年
  なでてさすって写真を撮って
  明和、昭和と大騒ぎ
  あれが噂の狛研か
  杜をゆるがす狛犬ツアー

           2001年24号より

   関八州狛犬詞めぐり(2)
    
〜 鎌倉市 小動神社〜

   日傘の女(ひと)

  日傘かざして今日もまた
  お宮の階段昇る女
(ひと)
  幾星霜に角もとれ
  浜の潮風老い身にやきつい
  誰がかけたか頬被り
  忘れやしない日傘の女よ
(ひと)

           2001年25号より

斎藤さんの「あ・うん」参照

   関八州狛犬詞めぐり(3)
    
〜 大洗町 大洗磯前神社 〜

   恋し恋しの狛犬さんよ

  荒磯見下ろすこの躯
  備前生まれの赤銅色よ
  漁
(すなど)り栄えたこの街の
  浜の芸者は一本気
  遊郭
(さと)で覚えた磯節唄や
  恋し恋しと小石を投げる

           2001年26号より

   関八州狛犬詞めぐり(3)
    
〜 宇都宮 二荒山神社 〜

   二荒(ふたら)の杜の狛犬さん

  一目見たなら忘られぬ
  二荒(ふたら)の杜の狛犬さんよ
  見かけ四角の硬派でも
  芯はやわらか大谷の産
  六方
(ろっぽう)踏むよな強面も
  滅法やさしい野州の狛

           2001年27号より