関八州狛犬詞めぐり(5)〜(8)
絵・作詞 吉野 忠夫
  関八州狛犬詞めぐり(5)
   
〜 群馬吉井町 辛科神社 〜

   咆哮千古渡来の狛よ

  多胡の碑はるか冠雪の
  浅間の峰のその彼方
  新羅の郷から渡り来た
  大地駆けたるその勇姿
  千古座してもなを望郷の
  大地を想う咆哮か

        2002年28号より

   関八州狛犬詞めぐり(6)
    
〜 荒川区 素盞雄神社 〜

   尾どる狛犬

  芭蕉矢立のこの杜は
  スサノオ祀る天王社
  三年一度の宮出しに
  荒れる神輿は二天棒
  ぶつかる熱気に湯気も立ち
  見守る狛犬尾も躍る

         2002年29号より

   関八州狛犬詞めぐり(7)
    
〜 木更津 八剱八幡神社 〜

   君去らず与三ら津狛犬さん

  権現様の昔より
  この木更津は
  金波銀波の寄せ処
  定式幕を彩った
  切られ与三に蝙蝠安
  見守る狛犬旦那顔

           2002年30号より

   関八州狛犬詞めぐり(8)
    
〜 館山市 館山神社 〜

   八州廻りのしんがり狛犬

  関八州ぐるり廻ってしんがりは
  八犬伝でその名も高き
  里見氏ゆかりの安房の国
  下総始めのこの詞めぐり
  たどりついたるが館山は
  妖犬八房の導きか
  はたまた感応伏姫の配剤か…

         2002年31号より