B樹のおかげで、俺にとっては職場の雰囲気はがらりと変わった。
最低最悪な前バイト→B樹、 職場の女ボスS江、ゴーインマイウエイT主事、脳天気お嬢様R嬢、女を武器に出世欲満々の隣の係のS主任・・・B樹が入ったおかげでこいつらの関係が微妙に変わってきた。
「係長、お茶入りました。」
「係長、これどう操作するんですか?」
B樹は、俺を上司として尊重し、それなりに扱ってくれる。まさにお父さんのような感覚に俺は将来の成長した娘像をダブら
せ目を細める。この子はこのまま成長すれば幸せな一生を一生を遅れるだろうな。
そんな平穏な日々が続く毎日、俺は温泉に家族で泊まったついでにお茶菓子を買ってきた。
たまたま数は12個。わが職場は11人。余りは当然若い子へとB樹に2個渡した。
「係長ごちそうさまです。」
「いやいや、たいしたものでないよ。」
「係長、おいしいですね。」
「いやいや。」うん、買ってきてよかった。
「ねえ、B樹さん、2個もいただいてよかったわね!係長にサービスしなくちゃね!」
「サービス?」
「そう、肩もんであげるとかね。係長は乳飲み子をかかえているの。家に帰ると子育てが待っているのよ。大変なんだから。」
「でもね、夜のサービスはいいからね!ねっ、そうでしょ係長!はははは!」
笑いながらも目が笑っていないS江に、俺は背筋が凍りそうだった。
し、しまった。平等に、平等に扱わなければならないんだああああああああああああ!
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