B樹は前バイトI美に比べたらまだまともだった。何せ「係長。」とお茶を入れてくれる。
「B樹さん!お茶は朝一回だけでいいのよ!わかった!」
…S江!よけいなことをいうなあああああああああ!(泣)
そんなこんなで1週間が経った。B樹はすっかり朝1のみのお茶入れになってしまったが、まあなんとか平穏無事な職場がよみがえった。
その矢先のことだった・・・。
「こんにちわあ!」
どこかで聞き覚えのある嫌な声・・・そう、I美だった。
「どうしたの?」
「ちょっといいですか。お願いがあってきたんです。」
「まあいい。ちょっとケーキ買って来いや。」
課長相変わらずですか。
「ちょっと聞いてくださいよお。今度の職場があんまりひどいんで、わたし止めちゃったんです。」
「へっ?!」
「1週間しか経っていないじゃない?」
「だって、夜9時までなんですよ。休みが取れないんです。他の子も止めちゃうんですよ。」
「もう少し頑張ってみたら。」さすがに我が係員もまともに諭す。
「いえ、今止めて来たんです。それでお願いがあって。」
あまりのことに我が無敵の係員も固まってしまっていた。
「また、ここで働かせてくれませんか。それと通勤のために買った車が不要になるので返したいんです。手伝ってくれません
か。」
「・・・。」
「だめだ。ケーキでも喰って帰るんだな。」
「ええ!なんでだめなんですか!」
「ダメなものはダメだ。帰れ!」
このときばかりはさすが体育会系の課長と思った。ドスの聞いた声。さすがは元全日本柔道高校選手権の覇者だ。
I美はしばらく未練たっぷりに居残っていたが、係員の誰も相手にされず、新しい臨職B樹を根目付くような視線で見るとすご
すごと帰っていった。
おい、I美これは俺からの忠告だ。人生なめるんじゃないぞ。この役所ゴロが。働くっていうのはな、そうたやすいものではい
んだぞ。汗をかいて報酬を得る行為をなんだと思っているんだ。新しい仕事のために頭金もなしに新車を買って、仕事やめ
たので車も返したいだと!このボケがああああああああ!きさまのような奴がなあ、やがておかあちゃんになるからなあ、
子供邪魔だからと虐待するんだあ!この夫合わないといって離婚するんだあ!ブランドもの欲しいといってローン組むんだ
あ!そして行き着く先は、自己破産で、生活保護を受けるんだあ!そして働くといって保育所に子供を預けてパチンコ三昧
で変な男に引っかかり、子供が邪魔になって虐待だ。ああ、目に見える。目に見えるなあ。お前には絶対幸せは訪れない
!せいぜい何の裏づけもない自分探しに精進するんだな!このくそ馬鹿娘が!(辛口)
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