ヨーガとは?

 私たちは、日常会話の中で、「生活の知恵」という言葉を使います。 ヨーガは、まさにインドで約4千年前から伝えられてきた「生活の知恵」「人間の知恵」そのものです。
 ヨーガは、ヒマラヤの厳しい自然環境の中でヨーガ行者が悟りを開くため、自ら心身を鍛錬したのが始まりとされます。偉大な先人たちによって受け継がれた実践哲学、それがヨーガなのです。
 過酷な環境に適応するため生み出された数々のヨーガ技法は、ストレス過多な現代社会を生きる私たちの心身を強化し、健康の維持・促進に役立つことが広く知られるようになり、今日まで受け継がれてきました。
 ヨーガは楽しみながら、いつでも誰でも行える自己制御法です。単に身体を鍛えるだけではなく、心を整える中で、自分を冷静に見る客観視力が養われ、ストレス対処能力を向上させます。
 ヨーガの智慧の教えに、「心を変えて態度と行動を変え、行動を変えて習慣と人格を変え、人格を変えて人生を変えよ」という言葉があります。ヨーガは、自分で自分を変えていく大きな力を持っています。

ヨーガ療法とは?

 ヨーガ療法は、数千年前からヨーガ行者たちによって現代まで伝承されてきたヨーガを科学的に検証し、一般人や疾患を持つ人でも安全に行えるように改良されたものです。
 近年ヨーガは、これまでの伝統的な宗教の分野だけでなく、多くの医療分野で活用され始めています。 それというのも現代の発達した文明社会は過度のストレス社会を生みだし、それにともない西洋医学では根本治療が難しい心身症や精神疾患が世界的に蔓延しているからです。
 ヨーガ療法は、難しいポーズを無理して行うのではなく、身体の硬い人や運動が苦手な人、体調不良を感じている人、高齢者や病後のリハビリにも役立ち、一人一人に合わせて無理なく行えるように作られています。
 健康増進や健康寿命の延伸に効果があるだけではなく、慢性疾患を抱えている方のQOL(quality of life、生活の質)の向上にも役立ちます。
 私たちの身近に起こる肩こり、腰痛、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、パニック障害、うつ病などの精神疾患、関節リウマチ、不眠、疼痛、アルコールなどの依存症ほか、様々な疾患に効果を示すことが(一社)日本ヨーガ療法学会の研究総会で毎年多数報告されています。