徒然雑記(18)第2章 運転

今回は準備から運転編に入ります!

17・9・10(土)

釜前

前回は点呼を終えて機関車に出向く所まで書きました 今回は準備段階から入ります。  機関車に来た
二人は持参しているカバンを所定の位置に納め、機関士は各部所(特に足回り関係)のナットやボルト類
に弛みや折損等が無いか或いは部品に異常が無いか等を点検ハンマや目視によって確認します。
ボルトやナットに弛みや折損があれば そこをハンマにて打つと鈍い音響で返って来るのでこの辺が耳や目が
重要視される所でもあります。
一方機助は 火室内(写真で見えるオレンジ色の所で石炭を燃やす所)にアク(石炭の燃えカス)が
一杯溜まって待機していた機関車なので このままでは石炭がくべずらい状態となっているので、


この溜まっている石炭の燃えカスをピットと云う捨て所に落として火床を薄くし 石炭をくべ易い状態にすべく自分流に作り直しをします。
機助にとってはこれが一番の苦業であり じかに1000度近い火と対面しての火床の整理に当たるだけに熱い事はこの上もなく 特に真夏は大変
です      これだけで一仕事したのと同じ位の体力の消耗がなされます。
これらが終わって「かま前」をきれいに掃除し、これで何時でも動ける用意が出来た事になります    今日、私達が乗務する機関車は
D51138号機としましょう       さあ! 準備完了です!!  

決められた時間に機関車を駅の境界に出さなければならないので 誘導を担当する掛かりが迎えに来て準備の整った機関車を出区させる事に
なります、    機関士は走行出来る機器の操作をとり 機助は走行に対応出来る様に石炭をくべ火勢を整え蒸気圧を確保します。
誘導を受けて境界線に出たら 以後は信号の確認等により駅の出発線に進み、ここからは本格的に信号機の現示によって機関車のみ(単機と
云う)で小樽駅に向う事になります。
小樽駅に着いたら携帯している時刻表の内容によって 駅構内にて入換え作業をする時もあれば そのまんま引き上げ線に上って本線列車を
待つ事もあります。

今日のけん引する列車名は 函館行き普通列車の122列車としましょう   この列車は「現車7両、換算27両」、けん引重量270トン
まあ、一般的な重量の列車組成です。

この列車は旭川からの普通列車で、小樽駅にてレベル区間を運転して来たC55或いはC57形式の機関車からD51型に付け替えになります。
小樽駅に到着した122列車は機関車のみ切り離して他の線路に逃げ その後にこれから主役となるD51138号機が連結となって7両の客車
(内2両は荷物車)をけん引する事になります。
この状態で機助は発車時に大量消費される蒸気とボイラー水を十分に蓄えて今やおそしと発車の合図を待ちます。

次回は愈々122列車は小樽駅を発車し倶知安に向かって走ります。       運転内容はこれからが本番・・・!
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