+  48話「宗家の資格」 +

 前回は、望美と八葉たちがばらばらになり、それぞれに敵と対峙してヒキでした。石化し、京の滅亡を食い止めている高倉花梨とその八葉。それを壊そうとする巨大化知盛に、敦盛くん・白龍・九郎・惟盛と平家武将のみなさんが苦戦しております。そこへ駆けつけたのは朔。ようやく現状を解説してもらえました
 黒龍の神子の登場にも、知盛は余裕たっぷりで動じません。
「ふっ…黒龍の神子か……。ノコノコと出てきても無駄だぜ。誰も私をとめられないんだ……」
 昔は『俺』って言ってませんでした? 敦盛くんと惟盛はそう思ったといいますが、ひとまずスルー。朔は兄上を召喚して戦おうとしますが、以前宿題になった「朔に取ってぱうわーとは何なのかな?」の答えが出ていないので、兄上は出てきてくれません。仕方なく敦盛くん・白龍・惟盛・九郎だけで戦います。なんとしても花梨と、京の人々を守ろうとするみんなの姿に、朔もようやく悟るのでした。
「ようやくわかったわ。いま、私が守らなくちゃならないものが……」
 真のぱうわーに目覚め、朔と兄上は力をあわせて戦います。具体的には全員で巨大化です。石化中の花梨も含め、その場にいる全員が巨大化する異常事態の中、いつのまにか知盛は倒されておりました。
 喜ぶ白龍や敦盛くんに、朔は穏やかに告げるのでした。
「敦盛どの、ここをお願い。わたしは清盛どのを倒してくるわ。望美と、一緒に……」
 そう言って朔は走り出します。
「待ってて、望美。今行くわ!」と。

 その望美は、青い炎の中でどこかで見たことのあるおじさんに遭遇しております。
「あなたは、まさか……」
と言ったはいいけど思い出せない望美に、譲くんが「源頼朝ですよ先輩!」と教えてくれます。本当は望美の伯父さんに当たる人ですが、他に代役もいないので頼朝で。
「一度おまえとじっくり話してみたかったのだ、白龍の神子……」
 怪しい笑みと、突き抜けちゃってる目をした頼朝は、おまえも怨霊の仲間になれ、そうすれば苦悩もなくなるぞと熱烈勧誘。面倒なキャッチセールスに引っかかっちゃった望美は、力のこもった演説を聞き流すのみです。

 そのころ京邸では、現れ続ける怨霊を湛快さんと弁慶さんが次々に手なづけておりました。湛快さんの獲ってきた魚を食べて上機嫌になった怨霊に、すかさず弁慶さんが怪しい薬を飲ませるとあら不思議、あっという間に仲間になってくれるのです。常識人のリズ先生は「この運命はありなのか……?」と動揺しておりますが、熊野組にそんな疑問は通じません。ひとまずは京邸の平和は確保されたようです。

 さて、前回花畑で笛を吹いていた経正さんと、そこへやってきた将臣くん。真意の見えない経正さんを、将臣くんは問い詰める気まんまんです。
「清盛が京を滅ぼそうとしていたことを、おまえは知ってたのか? なぜ俺をだました。俺とおまえが取り戻そうとしているものは、同じじゃなかったのかよ?」
「同じです。還内府どの。そうでなければこうして共に歩んでくることなどできませぬ」
「こうして京が滅びようとしているっていうのにかよ!」
「なら、伯父上を殺せばよい。私と還内府どのならば、それができます」
 予想外の発言に衝撃を受ける将臣くん。経正さんの真意はまだまだ見えません。

 一方、頼朝によるキャッチセールスはまだ続いておりました。
「……というわけで我らの仲間になればよいことだらけだ。どうだ、白龍の神子。私と手を組まぬか?」
「あ、いいです。私には白龍も八葉のみんなもいるんで。それじゃ失礼しますね」
 きっぱり断るのはキャッチ撃退の基本ですが、言われた頼朝は逆ギレ。巨大化して襲い掛かってきます。望美もすかさず譲くん召喚。これまでの戦いであげまくったレベルに物を言わせ、あっという間に倒してしまいます。と、倒れた頼朝が望美の視界から消えると共に、桜の木が一気に花を咲かせます。そしてその前に現れる人影が……。
「あれは、まさか……」
「先輩、近づいてはダメです!」
 引き止める譲くんの声も、ユメミル瞳になってしまっている望美には届かないのでした。
 次回に続く。

 ……というお話でした。
 今回の心わしづかみは、なんと言っても名台詞の数々です。
ちんけなつっかい棒」 「クズ野菜が」 「風流風流!
 ショウカク最後まで株あげて退場ですか。もういいです完敗です。大好きです。最高です。
 今回は一気に3人退場ですか。自己犠牲系はつらくて苦手なんですが、あの場面はむしろ闘神士よりもアンジとクジラベエの男気にほれました。退場は惜しすぎる……(でもそれを言うとこれまでの闘神士も式神たちも、みんな惜しかったわけですが)。あと大降神ホリン。なんですかあのシリアス場面にそぐわないファンシーアイテム! マジでグッズとしてぬいぐるみ発売してください。
 あと、OP前のナレーションですが。部長、いたよね? ショウカクがいなくてタイザンがいるってことは、タイザンは味方側扱いだと思っていいんだよね? ……とかミカヅチセキュリティサービスに電話して聞きたい気分で一杯です。本編でも、取り戻したかったものは同じじゃなかったのかと言われて「同じだ」って断言してたよね? ガシンには嘘ついてないよね? あれは本音なんだよね? もう一度オニシバ追悼の準備する必要はないんだよね?とミカヅチ技研に電話して(以下略)。
 次回はさらに待ち遠しい話のようで……。拳銃構えるオニシバかっこよすぎ! 今度こそ、今度こそ部長と犬の会話がありますように。テレ東の公式予告で、「マサオミは兄とも慕っていたタイザンと……」とかあって、かなり「うわあ」と思いつつ、のた打ち回って待ってます。あまりに幸せそうなリクが悲しすぎる……。





+  第49話「夢の終わり」  +

 冒頭から、『無』が広がる天の下の花畑で、将臣くんと経正さんがにらみ合っています。将臣くんは経正さんにだまされていたと思い、問い詰めるのです。それに応える経正さんの口からは、衝撃発言がつぎつぎと飛び出します。いわく、清盛伯父上がこの世を破壊しようとしていることは初めから知っていた。平家の手で都を取り戻してから、尼御前たちを甦らせる、等等。源氏の手の及ばぬ場所で、静かに暮らせればいいと思っていた将臣くんには大ショックです。
「平家一門を再び栄えさせるため、協力してはもらえませぬか?」
「……答えは、言わなくてもわかっているはずだ!」
 長い間平家一門のため力をあわせてきた、将臣くんと経正さん。その二人のバトルがとうとう始まってしまうのです。

 さて、頼朝を倒したとたん咲き誇った桜の下で、ユメミルヒトミになってしまっている望美。パステルカラーの夢を見ているのです。美しい風景のなかで、微笑む八葉と白龍・朔。さらには知盛・経正・惟盛・清盛まで。平家側も含んだ全キャラ一斉攻略が成功した幻が望美の前に広がります。幸せ満開です。
「先輩! 正気に戻ってください!」
 怨霊化頼朝と交戦中の譲くんが叫んでも、望美は怖い笑いを浮かべて虚空を見上げたままなのです。
「フハハハハ! もはや白龍の神子はその肉体が果てるまで妄想の世界から抜け出せぬわ!」
 かなり嫌な未来予想図を叫びつつ、頼朝の猛攻撃が譲くんを襲います。

 さて、平家二人のバトルは激しさを増すばかりです。八葉特権のレベルアップもあるし、楽勝だろうと思っていた将臣くんですが、なんと経正さんは互角以上の戦いを見せるのです。神速ヤクザキックが思いっきりボディに入り、吹っ飛んで転がる将臣くん。立ち上がることもできません。
「私の子守唄は、すぐに眠れますよ……」
 そう言って拳銃を構えた経正さんでしたが、急に咳き込みます。ただ咳き込んだだけではなく、口を覆った手の間から血が流れてぼたぼたと地面に落ちるのでした。
「経正? 経正、どうした!」
 戦いも忘れて駆け寄った将臣くんは、経正さんがその身を犠牲にしてステータス強化の術を施していたことに気付いて絶句します。
「どこか遠くに逃れても、源氏は必ず平家を探し出して滅ぼすでしょう……。頼朝の勢力に対抗し、平家一門を守るためにはこうするほかなかったのです」
 そう経正さんは語り、倒れると動かなくなるのでした。

 さて全キャラ同時攻略の夢を見ている望美。とてもとても幸せな幻想でしたが、でもちゃんと気付いているのです。これは夢で、自分は京を守るため現実に戻らなくてはならないと。
「これが清盛の見せてくれた夢なら、神子は清盛にこう言いたいよ。ありがとうって……」
 黒龍の逆鱗の力で、遠くから監視していた清盛は、予想外の発言に絶句します。同時に術が破れ、現実に戻った望美は、譲くんが苦戦していた怨霊化頼朝を一刀両断に切って捨てるのでした。しかしさすが源氏の棟梁、頼朝は最後の力をふりしぼり望美に襲い掛かります。とっさに反応できなかった望美を助けたのは景時さん、そして駆けつけてきた朔でした。
「望美、まだ私のことを仲間にしてくれるかしら?」
「もちろん!」
 二人の神子は笑顔をかわし、京を守るためともに走るのでした。
 次回へ続く。

 ……という話でした。あんまりといえばあんまりな。まさかオニシバがもう一度散るとは……。その辺りの泣き言は日記で書きまくってしまったので(恥)改めてポジティブシンキングでわしづかみポインツを書きますと、
 ・八方印を切ってる時の部長の左手、ぴこぴこ動いてて可愛い……。
 ・オニシバVSキバチヨのバトルは最高に燃えました! 個人的に本作最高のバトルと断定します。
 ・「オニシバを、なめるなよ!」 部長〜〜!!(喜)
 ・ヨウメイの幻想風景は本当にきれい。「ありがとう」と言えるリクはしみじみいい子です。
 いろいろいろいろ感想はあるんですがこのへんで……。それにしても次回予告でいきなりオニシバの影が出たのにはひっくり返りました。あう。





+ 第50話「絆をかけて」  +

 前回、屋島の望美と朔はついに合流に成功しました。二人で平家本陣へと攻め込みます。その平家本陣ですが、前回清盛が癇癪を起こしたせいで焼け野原になっていました。残った平家側の人間は、清盛ただ一人なのです。
 しかし、龍神の神子たちの前に姿をあらわした清盛は余裕綽々。全ての人間が怨霊になることが、京を永遠に繁栄させることにつながると演説をぶちます。神子たちと清盛の主張はやはり相容れないのです。京の人々を守るため、望美と譲くん、朔と景時さん、さらに駆けつけた敦盛くん・ちいさい白龍・九郎・惟盛が力をあわせて闘います。いよいよクライマックスな盛り上がりです。清盛も、エキストラがたくさんいたほうが盛り上がると思ったか、これまで敗れた平家の将たちを怨霊として甦らせ、一軍を築いて迎え撃つのでした。このあらすじで言いますと惟盛の大群ということになってしまいますが、一人経正さんが混じっていたのは見なかったことにします。
 しかしエキストラはエキストラ、レベルアップを重ねた神子たちの敵ではないのでした。せっかくの怨霊軍団が蹴散らされ、清盛も本気になります。黒龍の逆鱗とともに敦盛くんの宝玉が光ったかと思うと、正気をうしなった敦盛くんはいきなり白龍に襲いかかったのです。しかし、
「敦盛? 正気に戻って、敦盛!」
 白龍の涙の叫びの前に、わりと簡単に正気に返ります。ダメじゃん、と悟った清盛、今度は拳をぐっと握り締めたのでした。と、敦盛くんの宝玉が砕け散り、彼はばったりと倒れ伏します。続いて白龍も。望美と朔は信じられない光景におののくばかりです。

 どうしたらいいの? 早く清盛を封印しなきゃ、みんなやられちゃうよ!
 龍神の神子の力をあわせるのよ望美。行くわよ!

 神子たちが術のタメに入ってる間、九郎と惟盛が清盛の攻撃を散らします。この2人いつのまにか親密度が最高値を記録していたらしく、すっごく楽しそうに合同技を披露してくれます。ホントいつのまに……。
 しかしそれが2人の最後の輝きだったのでした。一瞬の時間稼ぎには成功したものの、清盛の力で宝玉を砕かれ、2人は手に手を取って倒れます。

 九郎どの、私はあなたに会えて幸福でしたよ……。
 惟盛、俺はおまえとともに闘えて、光栄だった……。

 どうしようかと思うくらい幸せそうな散りっぷりです。あと、2人の間に微妙な温度差があるように感じるのは気のせいでしょうか。
 神子たちが術にいっぱいいっぱいでそれに気付かなかったことは幸いでした。九郎と惟盛が稼いだわずかな時間で、神子たちの封印の術が完成します。光が清盛を捕らえた……と思った瞬間、清盛は不敵に笑い、軽く手を振ります。なんと術が跳ね返され、神子たちの体を包むのでした。

 封印され、永遠の絶望を味わうがよい……

 清盛が勝ち誇った笑みを浮かべたその時、封印の光が一太刀で切り裂かれます。
 そこに立っていたのは将臣くん。ついに来てくれたのでした。
 次回に続く。

 ……というお話でした。式神軍団の中に犬とか猫とかハ虫類とか、いましたね……。
 今回のこころわしづかみは、テルとムツキ氏のやけにハイテンションな協力技でした。なんと言うかその前後あたりは「テル、宗旨がえか……?」とか思うような雰囲気が立ち上りまくってうろたえましたが。特にムツキ氏、……いややめときます。
 あとはボート部、リュージがやけにかっこいい! あの落ち着きっぷりに株が急上昇です。……ところで、先生が糸に包まれて固まったところ、管理人ナチュラルに「ああ、最終回に繭の中から蝶々に進化した先生が現れるんだな」とか思ってまったく心配していませんでした。他サイト様の感想を回って初めて、自分の思考がおかしいことに気付き……。いやでも先生だから。無事に違いない!
 さて次回、ラスト二話ですね。寂しさが募りますがきっと大団円になってくれると信じています。CD第2弾も決定したそうで(祝)。今度こそ『ミカヅチ本社・天流討伐部長のストレスと闘う日々』もしくは『伏魔殿・神流闘神士の仲の悪い日々』が入ってることを期待します。





+  第51話「終焉の太極」 第52話「巡る節季の中で」  +

 長くかかってスイマセンでしたあらすじ。切るところが微妙なので、2話いっぺんに参ります。

 さて、始まりは前回のプレイバックからです。清盛が勝ち誇った笑みを(略)そこに立っていたのは将臣くん。ついに来てくれたのでした。
「重盛、我に逆らうのか? 平家一門が滅びてもよいのか!」
 清盛の言葉にも、将臣くんは揺るがないのです。
「清盛、俺はあんたを止める。尼御前が命がけで守ろうとしたものを、俺は守る」
 そして背後の2人に言うのでした。
「望美、朔、この戦いが終わったら好きなだけ俺を殴れよ。だから、今は……!」

 ……好きなだけ殴ってもいいらしいよ朔。
 ……将臣どのも結構命知らずよね。

 往復ビンタどころではすまなさそうな恨みのこもった会話に、ノリで言い放った言葉を後悔してももう遅いのです。それでも天下の還内府。「いくぞ、望美、朔!」と叫んだ将臣くんの号令で、譲くんと景時さんは総攻撃を開始するのでした。
 清盛もどんどん怨霊を呼び出して応戦します。しかし勢いに乗った3人は、大変前衛的なお色直しも交えて怨霊の群れを撃破してゆくのでした。
 最終的にはなんだかグレイ(歌うほうではありません)似の姿になった譲くんたちは、とうとう清盛のHPを削りきることに成功します。このまま清盛を封印するかと思われた瞬間、望美の心の中に何かが流れ込んできました。

 それは、清盛の心。家族を愛し、滅びゆく一門を何とか救おうとする清盛の、悲しみと憂いに満ちた心だったのです。

 我はここで封印されるわけにはゆかぬ……! この力で、一門を救わねばならぬのだ!

 そう叫ぶ清盛に、龍神の神子たちと将臣くんは語りかけます。
 清盛、あんたの思いは無駄にはしない。この俺が、必ず生き延びた一門の者を守ってみせる。
 私もよ、清盛どの。私ももともと平家の出。将臣どのとともに、平家の人たちを守るわ。
 私もだよ! 神子に任せて。頼朝が言うこと聞かないようなら、神子が天下を取ってでも守ってあげるよ。

 はっと清盛が振り向くと、そこには72人の人影がありました。生き残った平家一門の者たちです。彼らは、いつか、平家華やかなりしころ、都で暮らしていたときと同じ穏やかな瞳で、清盛を見つめていたのでした。
 清盛の顔から憤怒の色がゆっくりと抜け落ちてゆきました。その頬をつたう涙が手にした黒龍の逆鱗に落ち、浄化された逆鱗の力で京に応龍の加護が戻ってきます。空を覆う『無』は消え去り、石にされていた人々も息を吹き返すのでした。
 そしていつしか、清盛は息を引き取った時と同じ、老人の姿に戻っておりました。驚く望美たちに、

 ありがとう、重盛。ありがとう、龍神の神子……。

 最後にそんな言葉を残して、平家の棟梁は浄化されていったのでした。

 良かった……と思う間もなく、逆鱗の力でその姿を保っていた屋島が、音を立てて崩壊を始めます。将臣くんは清盛が最後に残して行ったあの蝶の衣装に駆け寄り、大事に抱え上げるのでした。そして振り向くと既に2人の神子は応龍の力で脱出済み。おもわずぽつねんと立ち尽くした将臣くんの所に、いつのまにか源氏雑兵のアイドルとなっていた高倉花梨が痛む体と雑兵を引きずり通りがかります。
 はるか2の応龍の力でここから脱出させてくれるという花梨でしたが、将臣くんは頭を振ります。

 俺も、清盛や尼御前、知盛たちの所へ行くよ……。
 馬鹿なこと言わないで、あなたにはまだやることが残ってるよ!

 叫ぶ花梨は将臣くんへと手を伸ばすのですが、顔を上げた将臣くんがその手に応える前に、2人の間で応龍の作った道は閉ざされてしまうのでした。

 応龍の加護の戻った京では、怨霊となっていた平家の人々が、次々と人としての命を取り戻しておりました。感動の再会を果たす将臣くん(しっかり生きてた)と尼御前。復活のショックで錯乱しちゃってるけど、もしかしたら2人に会わす顔がないから捨て身の演技なんじゃないかって気もする経正さん。彼らは安息の地を求め、南の島へ旅立ってゆきました。平家にもようやく平和が訪れたのです。(なぜか知盛だけは望美たちにくっついて現代にやってきましたが。)

 他の八葉たちも、それぞれの道を歩み始めます。
 敦盛くんは突然カリスマに目覚め、熊野を牛耳り別当と化しました。友情の証に白龍へとたくさんの金銀財宝を贈りますが、小さい白龍にはそんな価値はよく分かりません。それより敦盛が遊びに来てくれないと寂しいよ。そう思うばかりでした。
 九郎さんは全国各地に武者修行の旅に出かけました。しかし行く先々で白龍似の女の子に目を奪われているあたり、本当に武者修行の旅なのかどうかは定かではありません。
 朔は、応龍の姿を経て新たに生じた小さい黒龍と、幸せに暮らしておりました。中むつまじい2人の姿を、景時さんが微笑んで見守っているのです。
 惟盛はというと、熊野別当となった敦盛くんの下で水軍のかしらとなり、海の男をびしばし鍛えるのでした。
 2の世界では、鬼の一族との戦いで大破していた紫姫の館が再建されます。満足げにそれを見つめる高倉花梨の横には、当代の星の一族、紫姫の姿がありました。

 館が再建されて、ようございました。ところで神子様、兄様は?
 うん、製作サイドの都合で今回は出番なし。

 和やかに語り合う高倉花梨と紫姫を、柱の影から深苑くんがハンカチ噛んで見つめていたといいます。

 そして、望美と譲くん。2人は現代に帰るのです。譲くんエンディングです。
 はるか2の応龍の力を貸してくれた花梨が見守る中、望美と譲くんは手に手をとって現代へと帰ってゆくのでした。


 それから間もなくのことです。桜の花が舞い散る中、いつか見たような風景を歩く望美に、明るい声を掛けてきた赤毛の少年がいたのでした。
「へえ、噂どおりの美人だね、神子姫さま」
 余裕たっぷりに微笑むヒノエ。望美は思わず頬を赤らめておりました。

 二周目、ヒノエルートの始まりなのです。

 でもそれは別のお話。『遥かなる節季の中で』一周目は、これにておしまい。

 ……というお話でした。いやみんな幸せになってくれてよかった……! ところでタイザ(以下略)
 放映当時の日記にも書きましたが、心わしづかみは「せーの、バイス!」とイヅナさん。最高。太白神社最高。欲を言えばモンジュさんにも出てほしかった!
 そしてようやくこのはるか3で陰陽あらすじ、完結させられました。最後まで読んでくださってありがとうございます。日記連載当時から読んでくださってる方いましたら、お礼の言葉もありません。
 そして陰陽大戦記、楽しい一年をありがとう!


 …………最終回視聴直後に気持ちも収まらぬまま書いた感想はこちら



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