+ 大雪09 小話11+


 丹念に石鹸で洗ったところ、なんとかトラ縞の毛皮もなりを潜めました。ようやくタイザンと雅臣さんは年始の食卓につくことができます。
 さっそくお雑煮をほおばっていた雅臣さんは、三つ入っていたお餅をまたたくまに食べてしまいました。おわんを突き出し、
「タイザン、おかわり!」
「自分でやれ、自分で」
 こっちも見ずに返された雅臣さんは少々不満そうにし、それからふと何かいいことを思いついたような顔になると、
「オニシバ、おかわり!」
 しばし考え、オニシバは、差し出されたお椀の上に、自分の左手をちょいとのせました。
「さっすがオニシバ。わかってるなあ〜」
「人の式神で遊ぶな!」

10.03.12



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『HAHAHAタイザン、マサオミくんは遊んだんじゃなくて、遊んでもらったんだよ!』

着地地点を見失いつつあります。