＋　７　技研部長　＋


「待ってください。今、また部長４人で……とおっしゃいましたか」
「ああ、言ったぞ」
「……また、部長、４人……。
　も、もしかしているのですか、あと一人も」
「いるに決まってるじゃない！！」
　破壊する勢いで扉が開かれた。白衣の女が両手いっぱいの実験器具と計測機器とともに、ものすごい早歩きで近づいてくる。
「オオスミ部長！　あなたまで復帰していたのですか！！」
「あたりまえじゃない私以外の誰に技研部長が勤まると思うの？！
　久しぶりねタイザン聞いたわよぉ平安時代の人間だったそうじゃないの血を採らせなさいいや全身くまなく検査させてもらうわよ！！」
　息継ぎなしでそこまでしゃべり、オオスミはいきなり全力ダッシュに移った。同時にタイザンも全力での逃亡を開始した。
「断る！！　貴様大戦が終わってもマッドサイエンティストのままか！」
「違うわよ、最近知ったんだけど、私は流行りのヤンデレというやつらしいわ。萌え〜とありがたがるべきよ」
「気色悪いことを言うな、貴様の何がヤンデレだ！　式神、降神！」
「霜花のオニシバ、見参。姐さんもずいぶんとお元気そうで」
「あら久しぶりねオニシバ。ちょうどいいわ、あなたの闘神士、とっつかまえといて」
「いや、あっしァダンナの式神なんで、そいつァできねェ相談ってやつで」
「そう」
　赤い唇がにんまりとゆがんだ。
「じゃあ自分でやるわぁ。式神――……」
　オオスミが神操機を振りかざしたとたん、フロアじゅうの照明が消えた。
08.12.20