+ 小話9 +
「タイザン、今がいつか知っているかしら? 7月下旬、節季は大暑、つまり私の誕生日よ」
「実験には協力せんし採血にも応じん。擬似大降神もお断りです、オオスミ部長」
「あら、ひどいわねえ。タイザンの誕生日にはプレゼントをあげたじゃない」
「もらってない! というよりプレゼントのためという名目で血を抜かれそうになった思い出しかないぞ!」
「よく覚えてるわねえ。でもそのことじゃないわよ。
その後一週間くらい、イゾウがおなか壊して出勤してこなかったでしょう?」
「あ……。あれはオオスミ部長の仕業だったのですか!」
「そうよ。おちついて仕事ができたんじゃない?」
「はあ、確かに。素直に感謝していいのかわからないのですが……。
わかりました。お返しに私からの誕生日プレゼントとして、
…………イゾウを好きにお使いください」
「うふふ、それでこそタイザンよ。
ああ楽しみだわあ。どうやってイゾウを引っ掛けてやろうかしら」
……第20話 『戦慄の大降神』に続く。かもしれない。
07.7.30