+ 小話6 ヤクモさんとブリュネさん +


 ある日のことです。天流闘神士吉川ヤクモさんは、コゲンタに代わる式神と契約しようとしておりました。
「……自分を呼び出したのは、あなたでありますか」
「ああ。俺は天流闘神士、吉川ヤクモだ」
「吉川ヤクモ……噂は聞いているであります。先の大戦を終結させた、零の力を使う伝説的闘神士。
 自分の上官に申し分ないお方でありますな。
 自分は人望をつかさどる式神、青龍のブリュネであります! いざ、契約を!」
「ああ」
 障子の向こうの影にむけ、ヤクモさんは零神操機を高く掲げます。
「青龍のブルネ! 吉川ヤクモが契約する!」
 障子はぴくりとも動きませんでした。ややあって、
「……言いにくいでありますが……。自分は『ブリュネ』であります」
「わ、わかってる。おかしいなそう言ったんだが……。よし、もう一度だ」
 ヤクモさんは呼吸を整え、
「青龍のビュリュネ! 吉川ヤクモが契約する!」
「……悪化しているであります」
「え? おかしいな、ちゃんと……。ぶ・りゅ・ね。ぶーりゅーね、だよな。よしもう一回!
 いくぞ! 青龍の、ビュ……ブ、ル……じゃなくて……。
 ああもういい、新しい名前をつけるからな! おまえは今日から青龍のコジロウだ!」
「神操機では名前は付けられないであります」
「……………………名落宮に闘神機取りに行くか……?」
 ぐったりしたヤクモさんは、その後2時間ほど、契約の台詞を繰り返したそうです。

06.08.15



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ときどき明らかに言えてないヤクモさんラブ。