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トウパッドの形の謎


 トウシューズというのは先細のものや四角いものなど、いろいろある。いろいろあるので、ギリシャ型の人は先細を、スクエア型の人は四角いものをといったように足に合わせて選ぶことが出来る。それなのに、なぜかトウパッドは決まったような形しかない。たいてい丸いか、先がキューッとすぼまっているかどちらかだ。


 エジプト型、それも親指がかなり長いエジプト型の足でそういうものを使おうとすると非常に具合が悪い。親指に取られてしまって小指の方まで届かないのだ。親指の居場所がないから、真っ直ぐにかぶせようにもかぶせられないのだ。とにかく本当に具合が悪い。どうしてトウパッドというと親指の長い人やスクエア型の人を無視したような形しかないのだろうか?



 トーフローというトウパッドは、なかなかいい形をしていた。左右対称で上の辺が長い台形をしている。これなら曲がらずに真っ直ぐに足にかぶせることが出来る。親指に取られてしまうことが無いので、小指の付け根までちゃんと覆ってくれる。「上の辺が長い」ということが非常に重要なのだ。これが、上の辺が短くてしかも左右対称だと、もはや人間の足の形ではなく、特に親指の長い人にとってはこの上なく具合の悪いものになってしまう。この、上の辺が長い左右対称の台形が具合良かったのに、残念ながら今は上の辺が短い左右非対称のものしかないようだ。完全に丸いものよりはマシだが、親指の長すぎる私にはあまり具合がいいとは言えない。

 トウパッドというのはだいたいAかBのような形(上図参照)をしている。一度「トウパッドとはこういうもの」という“常識”のようなものができてしまうと、なぜ、ほとんどのメーカーもお決まりのように同じような形に作るのだろうか?なぜエジプト型用、ギリシャ型用とバリエーションが無いのだろう?素材などはいろいろ考えられてハイテクなものが出ているが、なぜ根本的な“形”を見直さないのだろう?それでもまあまあな形のものはあるが、ただどこかのメーカーを真似て作っただけという類似品と思われるものは、それよりも更に変な形をしていたりする。おそらく、トウパッドだけを見て真似をして、人間の足に合う形をしているかということをとうに忘れているから、おかしな形になってしまうのだろう。

 ここで、独断と偏見でバレリーナのボアパッドをベタ褒めしてしまおう。特定のメーカーの商品をけなすのは問題だが、褒めるのなら問題がないだろう。このボアパッドはただものではない。とても工夫がされているのだ。

 まず形が上辺が長い台形をしている。この形のお陰で、親指の長い足でもまっすぐにかぶせられるし、トウシューズの中で安定が良く、ずれにくい。


 次に縫い目がこれまた素晴らしい。普通この手のボアパッドは、縫い目が真横にある。この縫い目が邪魔で指が窮屈になったり、ちょうど小指の付け根の骨に当たって痛かったりして、何とも具合悪いと感じることがある。でも、バレリーナのボアパッドは縫い目が裏側の下の方にあるために、真横が出っ張ることが無く、全く邪魔にならない。パッドが無くなるところの段差で痛くなることも無い。また、縫い目を下に持ってくることによって、立体的な形になっている。

  3つ目に、これは他のボアパッドでも同じだが、毛を切ることによって厚さが調節出来る。バレリーナのボアパッドは毛足がかなり長く、最初はかなりふっくらとしている。でも、厚いパッドが苦手な人は切ってしまえば薄くなる。写真は新品の状態なので厚いが、私はかなり切って薄くしている。それから左右を決めて指の長さに合わせて小指側を厚く、親指側を薄くというようにも出来る。

 そして、最後に、サイズがS・M・Lの3種類あること。なかなか3種類も用意されているパッドは無い。これなら足囲の狭い小さい子でも大丈夫だろう。

 というわけで、私にとって曲がらずにかぶせられるトウパッドは、今は無いトーフローと、バレリーナのボアパッドしかないのだ。他のメーカーも足のタイプ別に対応を考えてくれればいいのになあ・・・。

トーフローは、上に紹介した一部仕切られたタイプは今は製造されていません。今は、全く仕切りが無く左右が決まっているタイプと(薄ピンク)、半透明のビニールの中にピンクや紫のゼリーの入った、つま先部分が仕切られたタイプ(写真右)があります。TOMONで買えます。


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