矢作川の橋<中流>

矢作川中流の橋です。矢作ダムの下流から 青木川合流点まてです。

新閑羅瀬橋(しん しずらせばし) 鋼鈑桁橋
愛知県豊田市(H17.3.31 までは旭町)/岐阜県恵那市(H16.10.24 までは串原村)
 
  矢作ダムに近い谷間に架かる小さい橋です(平成15.10 As)。約 100 m 上流にあった旧橋に代わって架けられました(遺構あり)。

矢作(やはぎ)第二ダム コンクリート重力式ダム
愛知県豊田市(H17.3.31 までは旭町)/岐阜県恵那市(H16.10.24 までは串原村)
 
  発電用のダムです(平成10. 1 As)。

奥矢作橋(おくやはぎばし) コンクリートT桁橋
愛知県豊田市(H17.3.31 までは旭町)/岐阜県恵那市(H16.10.24 までは串原村)
 
  すぐ近くに串原村役場があります(平成15.10 As)。この橋と下流の寿橋との間で、明智川(あけちがわ)が右岸から合流します。

寿橋(ことぶきばし) 鋼鈑桁橋 豊田市内(H17.3.31 までは旭町)
 
  目出度い名前がついていますが、間道の小さな橋です(平成10. 1 As)。

日ノ出橋(ひのでばし) 鋼鈑桁橋 豊田市内(H17.3.31 までは旭町)
 
  県道のバイパスとして作られた 比較的新しい橋です(平成10. 1 As)。向こうに見えるのは旭町役場です。

両国橋(りょうごくばし) コンクリートT桁橋+下路鋼ポニートラス橋
豊田市内(H17.3.31 までは旭町)
 
  橋の真ん中から向こうとこちらで構造が違っているのは・・・今は両岸とも愛知県旭町ですが、かつてはこのあたりは愛知・岐阜県境でした(それで「両国」橋)。愛知県側はコンクリートでしたが、岐阜県側は事情で当初 木造トラスを架けたのを、その後、鋼トラスに置き換えたのだそうです。それでちぐはぐになっているのですね(平成10. 1 As)。
  ポニートラスとは背の低いトラスのことで、比較的軽荷重用に使用されます。一般にトラス橋では左右のトラスを上部で連結するとよりしっかりするのですが、ポニートラスの場合は連結材に車や人の頭が当たってしまいますので、上部は開放です。

  すぐ上流に、旧橋(吊橋)の塔が残っています。

有平橋(ありひらばし) 鋼鈑桁橋 豊田市(H17.3.31 までは旭町)
 
  川幅が広がっているところなので、かなり長い橋が架かっています(平成10. 1 As)。

笹戸橋(ささどばし) 鋼鈑桁橋 豊田市内(H17.3.31 までは旭町/小原村)
 
  この橋の東側は笹戸(ささど)温泉というひなびた温泉(硫黄泉)で、数軒の旅館を中心に街を形成しています平成10. 1 As)。
  添架のきれいな歩道橋は「鮎見橋」(あゆみばし)と名づけられており、名産のアユと“歩み”とをかけています。

加茂橋(かもばし) 下路曲弦トラス橋 豊田市内(H17.3.31 までは足助町/藤岡町)
 
  矢作川を遡ってくると、珍しくこのような大掛かりな赤い橋に出会います(平成10. 1 As)。

阿摺(あずり)ダム コンクリート重力式ダム 豊田市内(H17.3.31 までは足助町/豊田市)
 
  両側から山が迫ったところに作られているダムで、近くに水力発電所があります(平成10. 1 As)。人が渡ることはできません。

富国橋(とみくにばし) 鋼ポニートラス+鋼鈑桁橋 豊田市内
 
  狭いポニートラス橋で、今は自動車通行禁止、歩行者専用です。3径間のうち、中央のトラスが平成12年の集中豪雨で流失したため、現在は下路式鈑桁で復旧されています(平成16. 6 As)。

広梅橋(ひろうめばし) 鋼鈑桁+鋼箱桁橋 豊田市内
 
  橋の直ぐ上流に 有名な広瀬簗(ひろせやな)があって、鮎(アユ)を掴み取りすることができます。
  この写真はその簗場から撮りました(平成11. 8 As)。

名鉄三河線 矢作川橋梁([廃]枝下−三河広瀬) 鋼鈑桁橋 豊田市内
 
  廃止になった三河線の猿投から先では、矢作川をこんなに高い橋で渡っていました(平成16. 2 戸田秀忠氏撮影)。
  三河線は南部でも矢作川の河口近くを渡っていました(<下流>編参照)。両方とも、平成16年3月末かぎりで廃止された同線の末端部分です。

両枝橋(りょうえだばし) 鋼鈑桁橋 豊田市内
 
  矢作川中流の橋です。橋の袂の桜と 赤い橋桁が印象的です(平成16. 4 As)。

枝下大橋(しだれおおはし) 鋼鈑桁橋 豊田市内
 
  名古屋と豊田市北部とを結ぶ「猿投グリーンロード」の橋です。橋の西詰には枝下(しだれ)インターチェンジがあります。橋が逆キャンパーになっているのは、川の両側が丘陵のためですね(平成10. 1 As)。

東海環状自動車道 勘八橋(かんぱちばし) 鋼逆ローゼ橋 豊田市内
 
  赤い大きなアーチ橋が越戸ダムの上流に架かりました。東海環状自動車道(通称「マグロード」)の一部をなすものです(平成16.10 As)。

越戸(こしど)ダム コンクリート重力式ダム 豊田市内
 
  発電用および農業用水ダムです(平成16.10 As)。この下流 数百メートルの右岸に「越戸発電所」があります。そこから農業用水を分取しており、これを「枝下(しだれ)用水」といいます。明治用水と並ぶ この地方の重要な用水です。

  この辺りは「勘八峡」(かんぱちきょう)と呼ばれ、両側に丘が迫り、桜やもみじのシーズンは散策に絶好なところです。

勘八水管橋(かんぱちすいかんきょう) ランガー橋 豊田市内
 
  越戸(こしど)ダムのすぐ下流に架かる 3径間の水管橋で、人も通れます。総鋼管製の赤いアーチ橋が河岸の桜並木に映えます(平成16. 4 As)。

平戸橋(ひらとばし) 上路鋼トラス橋 豊田市内
 
  名古屋から信州に至る国道153号が渡る橋です(平成16. 4 As)。かつてこの道は「飯田街道」(いいだ かいどう)と呼ばれ、尾張から三河を経て信州に至る重要な交通路でした。信州側からは「三州街道」(さんしゅう−−−)と呼ばれていました(“三州”とは三河のことです)。
  現在の平戸橋は、この位置での三代目(昭和11年築)で、現在のものになってからでも、歩道添架・補強等の改修が行なわれています。
  この位置にできる前の平戸橋は、明治15年に現位置よりも約 500 m下流に架けられたといい、左岸橋台の石積みが竹やぶの中に残っており、また右岸には旧橋があったことを示す石碑が立てられています。

  矢作川周辺の地形はここまでは山岳および丘陵地でしたが、この橋を過ぎると平野部になります。河口まではまだ 40 km あります。

百々(どうど)貯木場遺構 豊田市内
 
百々貯木場の水門平成14 島 和雄氏撮影)________貯木場の航空写真(豊田市グラフから)

  この貯木場は、上流で伐採してバラで流してきた材木を集めて一時貯蔵する施設です。一部は陸揚げして製材し、あとは筏(いかだ)に組んで下流へ送るための基地でしたが、ダムができて川流しができなくなり、馬車、鉄道、自動車輸送に変わったため、昭和初期(1930頃)から使われていません。

平井(ひらい)の流れ橋遺構 豊田市内
 
  平戸橋と平成記念橋との間に流れ橋の遺構があり、左岸の橋脚一つと、河中の橋脚柱数本が残っています(平成16. 3 As)。
  流れ橋というのは、増水時には桁が流されてしまうような簡易な橋のことで、桁をワイヤロープでつないでおけば、減水後にたぐり寄せることで容易に復旧できました。

平成記念橋(へいせいきねんばし) 鋼箱桁橋/ニールセンローゼ橋 豊田市内
 
  この橋は、矢作川と、並行する市木川(いちきがわ。すぐ下流で合流)とを跨いでいます。よく目立つアーチ橋が架かっているのは 実は市木川のほうで、本流のほうは写真手前の桁橋です(平成16. 3 As)。両方併せて平成記念橋」と呼んでいます。

高橋(たかばし) 下路曲弦鋼トラス橋 豊田市内
 
  豊田市の中心部から市の北東部へ行くときに矢作川を渡る橋です(平成9.11 As)。かつて川の向こうは高(たかはし)村だったのでこう名付けられたのだと思いますが、橋名は“は”を濁って「たかばし」と呼んでいます。
  今となっては橋の幅が狭いし、川の向こうが宅地化して交通量が増えているので、そろそろ架け替えの時期かと思われます。

豊田大橋(とよたおおはし) ニールセンローゼ橋(バスケットハンドル形) 豊田市内
 
  黒川紀章氏のデザインになる 矢作川中流の優美な橋で、広い歩道が付き、橋の中央部はさらに広がって見晴らし台になっています(平成17. 2 As)。
  河川敷から上り降りできる階段もあり、増水時はそれらをはね上げることができます。
  この橋を東へ渡ったところに、サッカーや各種イベントが催される豊田スタジアムがあります。写真の右寄りに見えているのがそれです。

久澄橋(きゅうちょうばし) 単面ローゼ橋 豊田市内
 
  国道301号が通っています。4車線の道路を 大きなアーチ単面で吊る構造で、縦材が放射状になった美麗な橋です(平成14. 8 As)。
  このすぐ上流側の豊田大橋とともに、豊田市中心部のランドスケープになっています。

竜宮橋(りゅうぐうばし) 鋼鈑桁橋 豊田市内
 
  豊田市内の内環状道路の一部をなす橋です(平成9.11 As)。

鵜の首橋(うのくびばし) 曲弦下路鋼トラス橋 豊田市内
 
  赤いかわいいトラス橋です。写真に見られるように 4 t の重量制限があり、しかも小型車がやっと通れる幅しかありませんが、住民の生活上は便利な橋です(平成9.11 As)。
  川が丘陵部にかかってSの字形に曲がっているため、鵜(う)の首になぞらえてこの辺りを「鵜の首」といい、そこの橋だから上のような橋名になりました。

山室橋(やまむろばし) コンクリート箱桁ラーメン橋 豊田市内
 
  2本の橋が少し離れて ほぼ平行に架かっていて、それぞれ2車線の道路(豊田市 外環状道路)が通ります。東行きの上流側(左)が昭和47年、西行きの下流側(右)が昭和62年の完成で、下流側の橋ができるまでは、上流側の橋が対面通行でした。どちらも構造は同じで、ただ下流側のほうが幅が少し広くなっています。
  ここは明治用水頭首工の直上で、ダム湖のため川の流れが穏やかです(平成9.10 As)。

めいじようすい とうしゅこう
明治用水頭首工と水源橋(すいげんばし) コンクリートT桁橋 豊田市内
 
  矢作川では最下流のダムで、ダムの上に架かる橋が「水源橋」、車も通ることができます(東行き一方通行。平成16. 8 As)。このダムは農業用水取水設備です。頭首工とは取水設備のことです。
  ここから取水している「明治用水」は、江戸時代末期に計画され 明治13年(1880)に完成した農業用水路で、愛知県中南部一帯を潤し“日本のデンマーク”といわれる一大農業地帯を形成させる基となりました。

  現在の頭首工は昭和30年代に作りなおされたもので、当初の頭首工の一部が 200 m ほど上流の河中に残り、左岸にはパナマ運河のような方式の舟通し閘門(ふなとおし こうもん)の遺構も見られます。明治時代まで、この川をたくさんの川舟が上り下りして地域の物流を担っていましたので、舟通しが必要だったのです。舟運は今はなくなったため、現ダムには舟通しはありませんが、魚が上り下りする「魚道」はどのダムにも必ず備わっています。

第二東名高速道路/東海環状自動車道 矢作川橋 斜張橋 豊田市内
 
  矢作川では初の「斜張橋(しゃちょうきょう)」で、川を 約45°の角度でまたいでいるので橋長が 820 m に及び、この川で最大の橋になりました。第二東名でも隋一の大きな橋だそうです(平成17. 2 As)。
  この橋のすぐ東(写真奥のほう)に第二東名高速と東海環状自動車道とのジャンクションがあるので、この橋は 6車線の大橋です。
  2基の主塔は環境への調和を意図したというマンドリンのような優美な曲線をなし、また珍しく鉄骨コンクリート製です(たいていは全鋼製)。地面からの高さが 約120 m あり、かなり遠くからでも見付けられます。

  第二東名はまだできていませんが、平成17年3月に東海環状道が開通し、伊勢湾岸道の延伸部となるこの橋が一足先に供用が開始されました。

  過ぐる平成15年クリスマスに、塔を取り巻く工事用足場にクリスマス電飾が付きました。年が明けると「2004」と書いたものに代わり、2月にはバレンタインマーク、4月には桜の花、5月は鯉のぼりになるなど、電飾が毎月のように変わりました。JHと工事会社さんも粋なことをなさるようになったものです。 なお、平成16.11には足場が解体され電飾もなくなりました。

 
東主塔の「モリゾウとキッコロ」* 電飾 (平成16. 9 As
* 2005愛知万博のマスコットキャラクター


  この橋の下流で巴川(ともえがわ)が合流します。
名鉄挙母線[廃止]矢作川橋梁 鋼鈑桁橋 岡崎市/豊田市
 
  岡崎と豊田を結んでいた名鉄挙母線(ころもせん。廃線)の鉄橋です(昭和48. 3 As)。
  この写真は廃止直前に撮ったもので、その後撤去されてもう橋はありませんが、左岸の橋台や橋脚の基礎が残っています。

葵大橋(あおいおおはし) 鋼鈑桁橋 岡崎市/豊田市
 
  国道248号が通る 4車線+両側歩道の橋です(平成10. 3 As)。
  写真の奥に見える丸い頭の山は 岡崎市北部の村積山(むらづみやま)で、その均整の取れた姿から「三河富士」とも呼ばれ、矢作川中下流の広範囲から見ることができます。海抜 262 m の低山なので、近在の学校からの遠足でよく行きます。

東名高速道路 矢作川橋 鋼鈑桁橋 岡崎市/豊田市
 
  東名高速 岡崎IC〜上郷SAの間の橋です(平成9.11 As)。
  上に構造物のない開放的な橋で、しかも前後の道路を含めてフラットなので、高速道路を運転していて橋にさしかかったことに気づかない人が多いのではないでしょうか。高速道路ではそういう橋のほうが好ましいですね。

天神橋(てんじんばし) コンクリート箱桁ラーメン橋 岡崎市/豊田市
 
  この橋の歴史は古く、約 200年前から架けられたといいます。現在のものは昭和53年に、桁を橋脚から両側に伸ばしていくやじろべえ工法で作られたコンクリート橋です(平成9.11 As)。
  橋の東、岡崎側にある岩津(いわづ)天神に因んで 「天神橋」と名付けられています。

  この下流で青木川が合流します。


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