矢作川の橋<下流>

矢作川下流の橋です。青木川合流点から河口まてです。
下流のほうで分かれる矢作古川の橋も掲げます。

愛知環状鉄道 矢作川橋梁(大門−北野桝塚間) コンクリート箱桁橋 岡崎市内
 
  国鉄岡多線敷設時に架けられた橋で、東海道本線や東海道新幹線の矢作川橋梁と同じ構造のがっちりした橋です。複線橋梁ですが、まだここは単線なので下流側に寄せて線路が敷かれています。
  この写真に写っているのは愛環鉄道 2000系の4連です(平成16. 5 As)。

岡崎大橋(おかざきおおはし) 鋼箱桁 岡崎市内
 
  後掲の日名橋を通る県道のバイパス道路(同じく県道)の橋です。(平成12.10 As

日名橋(ひなばし) 鋼鈑桁ゲルバー橋 岡崎市内
 
  名古屋から岡崎に至る古くからの道(現在は県道)が通ります(平成17.4 As)。

矢作橋(やはぎばし) 鋼鈑桁橋 岡崎市内
 
  矢作橋は、4車線の国道1号が通り、交通量が大変多い橋です(平成10. 3 As)。
  ここは旧東海道にあたり、古来、商用・物流・戦い・お伊勢参りなどで往来が多いため、飛鳥時代から橋があったと伝えられ、戦国時代には確かに橋が架けられていた記録があるそうです。洪水や地震により破損すると、いち早く復旧、改築を繰り返してきました(架け替えのたびに、少し上流になったり 下流になったりしました)。
  橋の西詰めに、この橋の袂であったという蜂須賀小六と日吉丸(秀吉の幼名)の故事を象った石造が建っています。

  下の版画に描かれているのは江戸時代の木造矢作橋(矢矧橋)で、東海道を上(のぼ)る参勤交代の一群が通るところかと思われます。橋の背景は岡崎城と岡崎の宿(しゅく)です。
 東海道五拾三次「岡崎矢矧橋」 安藤廣重

名鉄名古屋本線 矢作川橋梁(岡崎公園前−矢作橋間) 下路鋼鈑桁橋 岡崎市内
 
  上下線別々の橋が並んで架かっています(平成9. 9 As)。名鉄の本線のため頻繁に電車が通り、ガーダーに響く音が遠くまで聞こえます。

東海道本線 矢作川橋梁(岡崎−西岡崎間) コンクリート箱桁橋 岡崎市内
 
  岡崎駅を下り方向へ出て緩やかにカーブしてからこの橋にかかります(平成16. 5 As)。

  岡崎市中心部を流れてきた乙川(おとがわ)が、この橋の下で合流しています。

渡橋(わたりばし) 鋼鈑桁橋 岡崎市内
 
  4車線で両側に歩道がついた立派な橋です(平成16. 5 As)。

美矢井橋(みやいばし) 鋼鈑桁橋 岡崎市内
 
  周辺の六ツ美・矢作・桜井の地名を取って美矢井橋と名付けられたということです(平成10. 3 As)。

東海道新幹線 矢作川橋梁(豊橋−三河安城間) コンクリート箱桁橋 岡崎市/安城市
 
  下り列車に乗って三河安城に近づく手前でこの川を渡ります。桁高の大きい橋が 堤防の上を越しているので線路の位置がかなり高く、車窓から岡崎平野が一望できます(平成9. 9 As)。
  写真の100系は、すでに東海道区間からは引退しています。

小川橋(おがわばし) 鋼鈑桁橋 西尾市/安城市
 
  この橋の安城市側が小川町であることから小川橋と名付けられたものと思われます(平成10. 3 As)。この橋も堤防をまたいで架かっているので、通るとずいぶん高いところを走っているように感じます。

矢作古川(やはぎふるかわ)分流点 西尾市内
 (国交省豊橋河川事務所HPから)
  矢作古川が分流する地点です。本流の河口から約 12 km 遡ったところの左岸です。写真は増水時のものですが、それにしても古川は狭かったですね。元来、すべて古川に流れていたのですが、たびたびの洪水で江戸時代に放水路が開削され、現在ではそれが本流となりました。
古川の橋はあとに掲げます。
引き続き、本流の橋です。

志貴野橋(しきのばし) 下路鋼トラス橋 西尾市/安城市
 
  赤い印象的なトラス橋です。右(上流側)に見える狭いトラス橋は歩道橋です(平成9.10 As)。

名豊矢作橋(めいほう やはぎばし) 鋼箱桁橋 西尾市/安城市
 
  国道23号 名豊バイパスの橋です(平成9.10 As)。今は 2車線ですが、並行してもう1本架けて 4車線にする計画です。
  国道23号は、愛知県内では豊橋から名古屋南部を経て三重県へと通じる高規格道路で、位置は離れているものの国道1号のバイパスと位置づけられています。

名鉄西尾線 矢作川橋梁(米津−桜町前間) 鋼鈑桁橋 西尾市内
 
  橋はまだ単線ですが、橋脚は以前から複線の幅が確保されています(平成9.11 As)。

米津橋(よねづばし) 鋼箱桁橋 西尾市内
 
  4車線+両側歩道の大きな橋で、矢作川で隔てられている西尾の街に、知立・安城などから入るのに重要な役目を持つ橋です(平成11.10 As)。
  キャンパー(反り)の強い橋で、渡り始めるときに向こう側が見えません。上流側すぐ隣に上掲名鉄西尾線の鉄橋が並んでいます。

上塚橋(かみつかばし) 鋼鈑桁橋 西尾市/碧南市
 
  碧南と西尾を結ぶ橋です(平成9. 1 As)。この橋を西尾側へ渡ると茶畑が広がっており、その産品の多くは抹茶に加工されます。ちなみに西尾市の抹茶の生産高は全国一で、製品は茶を点(た)ててたしなまれるだけでなく、抹茶入りアイスクリームや和菓子やケーキにもたくさん利用されています。

中畑橋(なかばたばし) 下路鋼トラス橋 西尾市/碧南市
 
  2車線に両側歩道を持つ立派な橋です(平成9.11 As)。
  平成5年にこの橋が完成する前は幅の狭いポニートラス橋で、向こうから大型車が渡り始めると手前で待っていなければならず、橋が長いので結構長時間待たされたものです。

名鉄三河線 矢作川橋梁([廃]三河旭―中畑間) 鋼鈑桁橋 西尾市/碧南市
 
  名鉄三河線が矢作川下流部を渡る鉄橋です(平成15. 9. 石川明寛氏撮影)。
  矢作川も河口に近いこの辺まで来ますと、増水時は水が川幅いっぱいに流れて、列車に乗っていると海上を渡る感がありました。「- - -ありました」というのは:―
  三河線の南部末端のこの辺りはだいぶ前に電化廃止されて(架線も撤去)、写真のような軽快気動車(単車または 2両編成)で運行されていましたが、平成16年3月末の末端部廃止によって、もう鉄道でここを渡ることができません。

棚尾橋(たなおばし) 鋼箱桁橋 西尾市/碧南市
 
  河口に近い位置に架かる これも長い橋で、全長 442 m あります(平成12. 7 As)。
  このような桁橋は見掛けは単純で見映えがしませんが、通るときは、トラス橋やアーチ橋と違い 開放的でよいと思いますね。

矢作川大橋(やはぎがわおおはし) 鋼箱桁橋 西尾市/碧南市
 
  矢作川の第一橋、つまり河口から見て最初の橋になります。国道247号が通っています。第一橋といっても河口から 5 km ほど遡った位置です。川幅が広いので、長さ 500 m 近くある長い橋です(平成9.10 As)。
  親柱(欄干の端の柱)が帆掛け舟の形をしているのが面白いと思います。これは、かつてこの川を利用した流通に活躍した川舟の形を模しています。

矢作川本流河口 西尾市/碧南市
 
  ついに河口まで来ました。三河湾の方向を見たところです(平成16. 4 As)。開口幅は約 1 km あります。
  対岸に見える建物は中部電力の碧南(へきなん)火力発電所です。石炭専焼(粉炭)、5基合計出力は 410万 kW あり、わが国最大の火力発電所です。



矢作古川(やはぎふるかわ)   <すべてではありません >
竜宮橋(りゅうぐうばし) 鋼鈑桁橋 西尾市内
 
  本流から分岐した古川の最初の橋です(平成 9.11 As)。
  背後に見える山は八っ面山(やつおもてやま)と呼び、古来、優良な雲母を産出したことで知られています。低山ながら平野部の独立峰なので各地から見え、新幹線の車窓からも三河安城の前後で南方に見つけることができます。

小島橋(おじまばし) 下路鋼ポニートラス橋 西尾市内
 
  西尾から岡崎に至る旧道に架かる短い橋ですが、橋台の間に残る基礎を含めて 何か曰(いわく)がありそうですね(平成 9.10 As)。

名豊矢作古川橋(めいほう やはぎふるかわばし) 鋼箱桁橋 西尾市内
 
  国道 23号バイパスが矢作古川を渡る橋です(平成10.11 As)。近々、4車線化される予定です。

名鉄西尾線 矢作古川橋梁(鎌谷−上横須賀間) 鋼鈑桁橋 吉良町/西尾市
 
  名鉄電車が西尾(にしお)から南下して吉良吉田(きらよしだ)に至る途中で、矢作古川(写真)と、並行する広田川とを続けて渡ります(平成10. 1 As)。

笹子橋(ささこばし、鋼鈑桁橋)と 歩道橋(浮き橋) 吉良町/西尾市
 
  笹子橋は県道の橋です。
  ここから 一つ下流の大富橋付近まで、両岸の河川敷と、平行する広田川の河川敷はゴルフ場になっていて(西尾ゴルフクラブ)、場内何箇所かに低い歩道橋が架かっています。いずれも写真のようなフロート式浮きです。浮き橋は水位の変化によって上下するため、岸との間には渡り板が架けてあります(平成10. 1 As)。

  ここは 18ホールの本格的なゴルフ場ですが、河川敷のため起伏がなく、年寄り向きといえます。しかし、フェアウエーの幅が狭いので、コントロールを誤ると川の中へ“ポチャン”か 防護フェンスを越えて堤防の外へ飛んでいってしまいます(再打不能)。また、川越えが何回かあって、プレーヤーはこのような小橋を渡りますが ボールは打って渡さなければなりません。それも 50〜60 m をちょうど飛ばさないとグリーンにオンしないなどの難しさもあります

松大橋(まつおおはし) 鋼鈑桁橋 吉良町/一色町
 
  国道247号が通る橋です。橋の下部構造(橋脚など)に補強工事が行なわれた直後のため、白くきれいに写っています(平成10. 1 As)。

名鉄三河線 矢作古川橋梁([廃]松木島−吉良吉田間) 鋼鈑桁橋 吉良町/一色町
 
  この鉄橋は矢作古川の第一橋にあたります(平成 9.10 As)。
  三河線の碧南から南は写真のような軽快気動車が走っていましたが、平成16年3月末で末端部が廃止となり、ここはもう何も走っていません。
  この種の鉄橋は幅が狭いので車が通れる橋に転用するのは難しいと思われますが、この付近は道路橋から離れているので、せめて歩道橋に改造してもらえると周辺住民に喜ばれると思われます。

矢作古川河口 吉良町/一色町
 
  矢作古川も本流と同様、三河湾に開いています(平成16. 1 As)。
  河口周辺はかつて製塩の盛んだったところで、製品は「吉良(きら)の塩」として広く名声を博していました。広かった塩田は、今は田畑に変わっています。


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