オヤビッチャ  Abudefduf vaigiensis   (Quoy and Gaimard)  硬骨魚綱 スズキ目 スズメダイ科

2007年3月、高知県柏島で釣り採集。
2005年7月、福岡県玄界灘で採集した幼魚。九州では日本海側でも見られる。
高知県柏島で2007年5月に採集した若魚。驚くと体が黒っぽくなるが、幼魚・成魚で色彩の変化は殆どない。
2007年8月に沖縄県那覇で採集したオヤビッチャ。体長10.5cm、雌の個体。
沖縄ではロクセンスズメダイが多いが、本種もよく見られる。
分布 千葉県以南、日本海西部、インド・太平洋熱帯〜亜熱帯海域。
概要 体側から尾柄部にかけて5本の横帯がある。明色時には体側背部に黄色部があることが多い。幼魚期は尾鰭上・下端に黒色帯が無くよく似たロクセンスズメダイと区別可能。雑食性で藻類などを食んだり、甲殻類を捕食する。成魚はサンゴ礁域や岩礁域で多く見られ、防波堤でもところによっては大群で見られる。稚魚・幼魚期はブイやいかだ、流れ藻などの浮遊物につく習性がある。基本的に熱帯の魚ではあるのだが、高知県ではほぼ周年、同じステージの幼魚が観察されており、おそらく当地で繁殖している可能性が高い。卵は付着卵で、岩などに産み付けられる。親は卵を保護する。
採集 成魚は四国南西部ではほぼ周年見られる。幼魚は春〜冬とほぼ周年にわたり見られるため、前述したように四国沿岸で繁殖している可能性は高い。釣りの場合は5〜12月によく釣れるが春季は透明度がよくなるようで、釣るのが難しい。幼魚はブイや流れ藻採集でとれることもある。
飼育 幼魚は小型水槽でも飼育可能。成魚は60〜90cmの大型水槽で飼育したい。本種はオヤビッチャ属に属し、気が強いことで知られるがシマスズメダイやイソスズメダイに比べるとかなり温和である。そのため他の魚とも一緒に飼うことができるが、あまりにもおとなしい魚などとの混泳は避けたい。
餌は配合飼料を中心に、植物質・動物質の餌をバランスよく与える。レタスなどを使うのもよい。オキアミは消化不良を起こす可能性もあるので、控えめにしなければならない。

病気にかかることはあまりない。
食味 スズメダイの仲間はいわゆる「雑魚」「外道」であり、食用にされることはあまりない。ただし大きな個体(10cmくらい)のものは脂がかなりのり、塩焼きやから揚げにして食べると美味しい。
注意 とくになし。
文献 中坊徹次編、2000 日本産魚類検索 第二版. 東海大学出版会、東京.
WEB魚図鑑 http://fishing-forum.org/zukan/index.htm
リンク テンジクスズメダイ
ロクセンスズメダイ

シーズン(高知県南西部)

Month Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
成魚(Adult)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 備考

Month Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
幼魚(Juv.)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 備考

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