ポレポレ(2002.7.17)


私の友人に、K君がいる。
青年海外協力隊として、アフリカのタンザニアに行った経験のある、そのK君から、
教えてもらった言葉がある。
・・・・・ポレポレ・・・・・・

ポレポレとは、スワヒリ語で、「ゆっくり行こうよ」というような意味らしい。

タンザニアの現地人が、K君に言ったそうだ。

「日本人は、なぜそんなに、アクセクして仕事をするんだ?
何も今日、そんなにあせって、その仕事をしなくても、明日があるじゃないか。
あさってだってあるし、1ヶ月後だって、1年後だってあるじゃあないか。ポレポレ」

時間がゆっくり流れている、赤道直下のアフリカの大地を想像してしまう。


【アフリカ、タンザニアのgoogle検索での画面・・・サバンナ】

実は先日、毎日新聞のコラム欄に、このポレポレに関する記事がでていたので、
ふと、K君のことを思い出したのだ。
私がまだ、福岡に勤務していた若いころ、英会話サークルで知り合ったK君。

青年海外協力隊の経験からだろうか、英語はペラペラだった。

K君は、タンザニアで業務のかたわら、近所の子供達を集めて、少林寺拳法も、
教えていた。
少林寺拳法の有段者で、頑強な身体の持ち主だ。
しかし、その割には、実にユーモアがあり、誰からも好かれるタイプの人間である。

福岡在住の頃、K君を私の家に何度か招待した。
K君はスライドを持ってきてくれ、写真を壁に映し出してくれた。
青年海外協力隊として過ごした、タンザニアでの3年間の写真を、解説入りで、
女房や、子供達に語ってくれた。
タンザニアのサバンナに沈む、美しすぎるほどの夕暮れや、
天と地が逆という意味の、バオバブの木のこと、
赤道直下にありながら、万年雪をいただく、キリマンジャロのこと、
現地人との付き合いや、スナップ写真・・・・・
K君が語ってくれたそんなことを、今でも思い出すことができる。
海外に一度も行ったことがない私ら、特に子供たちは、目を輝かせてスライドに見入っていた。
私もビールを飲みながら、ニコニコしてK君の解説を聞いていたものである。

K君は、私より、3つほど年下だったように記憶している。
最近、そのK君が病気か何かで亡くなったと風の噂で聞いた。
あの、英語がペラペラで、笑顔がステキで、ジムに通い、健康を絵にかいたような
K君が死ぬなんて・・・・・・
いい奴って、どうして、こうもはやく逝ってしまうのか・・・・

かわいい奥様と、子供さんを残したまま・・・・
実に残念である。


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