I 君のこと(2012.12.17)


 I 君は、平成17年入社の社員である。
当時、私は会社内で新入社員の育成関係を担当していたので、
入社から約4ヶ月間、熊本の地で、新入社員研修をした。

その後、2年ほど熊本に居て、出身地でもある関西方面へ異動して行った。
その I 君から、めずらしくメールが来た。
何が嬉しいかって、そのメールの内容もさることながら、
私の事を忘れずに、メールをよこしてくれたのが嬉しかった。
以下、そのメールの抜粋である。

 “ 
ご無沙汰しております。
昔、○○部でお世話になっておりましたH17の I です。
かなりお久しぶりになってしまいましたが、お元気でしょうか。

さて、私事になりますが、
学生時代から続けていた税理士試験に
今年ようやく完全合格することができました。

恥ずかしながら10年もかかりましたが、
最初に受けると決めたとおりの科目で妥協せず、
途中からは仕事もしつつでしたので、
自分の能力や生活態度なども考えると
それが自分にとって必要な時間だったんだな、と思っております。

ちなみに今は、○○西日本の経営企画部におりまして、
社内決算や税務などを担当しております。
今後も会計・税務分野でキャリアアップできるよう、
実務向けの勉強を続けていこうと思っております。

熊本時代から気にかけていただいていて、ありがとうございました。
時間はかかりましたが、このような形でご報告ができて良かったです。

熊本も、知っている方がかなり減ったようですが
また行く機会があれば、ご連絡させていただきます。

今後ともよろしくお願いいたします。”

すぐさま、私は最大限の賛辞と共に、祝福の Reメールを出した。
税理士試験というのは、実務経験も含め、
何科目も難しい試験に合格して初めて得られる、超難関の国家試験資格である。
その取得に向け、10年間もよく頑張ったものだ。




I 君は新入社員当時、少し個性が強く
自分の専門と決めた会計・税務分野以外の研修には
あまり熱心ではなかった。

10人あまり居た同期の仲間とも、距離が少しあったようである。

少し心配した私は、「今日、ちょっと一杯やりに行こう!」とばかり
近くの居酒屋に連れ出し、二人で酒を飲んだことがあった。
何か悩み事があるのではないかと、酒でも飲みながら聞き出そうとしたのだが、
I 君は酒がめっぽう強くて、私のほうが逆に酔いつぶれてしまった。
薄れ行く意識の中で、私が思ったのは、
 “ I 君は、ちゃんとしっかりしている。
   少し人付き合いが下手なだけだ。” という結論だった。
何も心配することは無い。こういう個性がある奴も会社には必要だ。

2年間の熊本勤務が終わった I 君は、関西方面へ異動になり、
しばらくたって、 “ 新しい職場では、後輩を指導する立場になって、
             やりがいがある” 旨のメールが来た。

それ以後、元気にやってたようで、
今回5年ぶりに届いた“税理士試験合格!” のメールは、めっぽう嬉しかった。

みんな、元気にやっているんだなぁ・・・・
この私も、若い者に負けんごつ、もう少し、きばらにゃあぁ・・・・と、反省しきりである。


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