形から入る(2011.9.19)


「Mさん! 見た、見た、見たよ!」 と、私。

   
『 見たって、何ば見たとね? 』

「あれ、あれですよ。コック服を買ったという・・・・」

以下、Mさんのブログである。

 何事も格好から、そうだコック服を着て料理をしてみたら
また気分が違うのではないかと思い立った。
ネットで検索するとたくさん有ったが熊本市内の業務用の厨房機器、
食器を
売っているお店にもコック服がぶら下がっていた。
躊躇することなく購入、1,770円だった。残念なことにコック帽はなかった。



買ったコック服を見たカミさんが、
私は買いたい服も我慢しているのによくもこんなものを買ったわね
と、激しく怒った。
ここは我慢我慢とカミさんが静まるの待った。
さて、コック帽も手に入れなければならないと思っているが、
カミさんからまた一言あるだろうか、それとも諦めてくれるだろうか。
コック服、袖を通して鏡で見ると全く似合わないことはなかった。
それでもまだコック服を着て料理をしていない。
カミさんの目が恐いわけではないのだが・・・・・

何ごとも形から入る人がいるが、分かるような気がする。
例えば、知り合いから誘われて行った“魚釣り”に興味を持ち始めた人が、
さあ、やるぞ! とばかり、何万円もする高級な竿やリール、
はたまたワッペンのいっぱい付いたフィッシング ウェア&手袋などを、
一度にポンと買ったりして・・・・

断っておくが、Mさんは、そんなミーハーな人ではない。
買ったコック服が、1,770円という事からしても明白である。
実に堅実で、真面目でユーモラスな人で、
職場や宴会の場などでは、オジンギャクを連発(100回に1回の割合で面白いギャグもあるが)し、
常に座をなごませてくれる素晴らしい人である。

実は私も、20代の頃、♪カントリー&ブルーグラス♪ のバンドを組んでいたとき、
似合いもせぬのに、テンガロンハットを買って来て、
それをかぶってステージに立っていた時代もあった。
男のほんのちょっとしたロマンというか、悪戯ごころである。
つまり、成り切りたいのである。


このコック服を着て、厨房の前に立ち、
 “ さて、何をつくろうか ” と、腕組みしているMさんの姿が見えるようだ。
そんな男のロマンとは、実に微笑ましいものだ。

Mさんの料理は実に、それに成り切っている。
私が選んだMさんの手料理の代表作を、少しご紹介。

 
四角豆の天ぷら 】                【 ゴーヤと四角豆の炒めもの 】


里芋の煮っころがし」を使ったグラタン。材料は里芋のほかに玉葱、海老、鮭を使っています 】


【 焼き穴子の燻製。 背中に熱湯をかけ、ヌメリをとって
 
醤油、酒、出汁、砂糖で煮ます。そのあとグリルで焼き、少し乾かし、桜のチップで燻煙すること5分あまり 】


コーン入りさつま揚げ。 トウモロコシを丸ごと茹でてコーンを包丁で芯から外します。
  
そして人参と葱を一緒に混ぜ込んださつま揚げです 】

どれもこれも、とても美味しそうですね。
写真だけを眺めても、ビールが飲めそうです。
まだまだ、Mさんの手製料理は100種類以上あるようです。

(当エッセイは、Mさんの了解を得て書かせてもらいました)


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