ヤンマーのメカのMさん(2010.5.13)


 マイカーならば、電子部品の詰まったブラックボックスを除けば、
ほとんど自分でメンテできるし、例えばトヨタの部品販売部へ行き、
エアエレメント、オイルエレメントなど買ってくればすぐに交換できる。


【 若かりし頃は、ツナギを着て、プラグの交換、
  タイミングランプによる点火時期の調整、タイヤのローテなどなど、何でも
  できることは自分でやっていた 】

ところが、知識の浅いプレジャーボート、船舶に関してはなかなか知らないことが多い。
今、乗せてもらっているボートを最初に操縦していた頃も、
洋上で突然、ディーゼルエンジンがかからなくなったりして困ったこともあった。

先日も、港にて釣り道具や、氷、エサ、お弁当などを積み込み、
さあ、出港とばかりエンジンのスターターキーを回したところ、
 “ カタカタカタ、カチカチカチ、ジジジジー ” という音がして、セルモーターが回らない。
エンジンがかからないのである。
バッテリーの容量不足ならば、チャージランプの明るさですぐ分かるので、
バッテリーの問題ではないらしい。
 「 ウワー! とうとう、セルモーターが壊れたんやろか・・・ 」 そんな不安がよぎった。

何度か試しているうちに、シュルシュルと、セルモーターが回り、バオーバオーー という、
いつものエキゾーストノートを響かせて、エンジンがかかった。
一安心。

洋上での釣りの間は、私らはボートのエンジンは切っておくので、
さあ納竿、さあ帰ろうという時、エンジンがかからないと大変なことになる。

そこで、ヤンマーのメカ担当のMさんに電話して、
セルモーターが、カチカチいって回らないのはどんな原因か、教えてもらうことにした。
以前、徳成丸の定期点検時にも、いろいろとボートに関する技術的な事を
教えてもらった ヤンマーのメカ担当のMさんは、実にいい方だ。
ある時期、陸上げした徳成丸の外機部分のスクリューまわりを
分解し、調整してもらったのはもう一年以上も前のことである。


今回も電話したら、「どうされました?」と、例の優しい声で、私の話す内容をジーッと、
私がしゃべり終わるまで静かに聞かれ、
 『 バッテリーの問題ではなければ、・・・・・ 』 と、懇切丁寧に、わかりやすく教えてくれるのである。
たぶん、仕事は休みなのにである。

結論としては、“ナイフスイッチの接触不良による電位降下でしょう” というものであった。
それを聞いて、内心ホッとしたものだ。

ボートは、降りるとき全ての電源スイッチを切り、最後にナイフスイッチでバッテリーと
機器類を完全に切断してしまう。


【 これは徳成丸のナイフスイッチではないが、こんなイメージである 】

ガッと、ナイフスイッチを入れた時、かみ合う銅板の接触面積が狭いときや、
接触不良のとき、電位降下でセルモーターが回らないのだと・・・・・

ナイフスイッチのカバーを外して、かみ合う接触面をみたら、若干その接触面が錆びていた。
なるほど、さすがMさんである、ありがとうございました。
これまでも、何度か電話でボートのメカの事について、いろいろと教えて頂いた。
恥ずかしながら、エンジンオイルも10W-30ではなく、15W-40を使いなさいと
教えてくれたのもMさんである。

このMさんは、1年前までは熊本の国道3号線沿にの宇土のヤンマー事務所
におられたが、事務所の整理か何かでマリーン部門が無くなったようで、
現在は長崎におられる。

もう熊本にはおられないが、私はそんなMさんのことが大好きなのであります。

Mさん、また熊本に帰ってこられませんか。
私、宝くじ当たったら、ヤンマーのプレジャーボート 買いますから・・・・・


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