沼山津への旅(2019.6.1)

 私が中学生の頃、家には何枚かのEP版のレコードがあった事を覚えている。
長兄が買ったものと思われるそれらレコードの中で、
歌手 三島敏夫 歌うところの♪片山津ブルース♪というのがあり、
温泉街が写っていた、そのレコードジャケットが妙に印象に残っている。

片山津温泉といえば、1980年代までは
北陸有数の歓楽温泉としてにぎわったようであるが、
現在は、昔ほどのにぎわいはないようである。

妙な話しで恐縮だが、私はここ熊本に住むようになって以来、
市内を走るバスで、沼山津 行きと表示されたバスを見かける度に、
上記の片山津を思い出すのである。
何の関係もないのに、、、、


今回の旅は、そんな北陸とか東北とかの遠くへ行く旅ではなく、
我が家から、健康増進も兼ねた自転車ででかける旅で、
目的地は熊本市内、東区の沼山津である。

今日予定されていた、我が「フォークコーラスグループ “水いらず ”」のコンサート練習が
急遽中止になったので、時間ができた。
そこで、ふっと思い立って、
 “ 沼山津へ行ってみよう! 沼山津にある横井小楠 記念館に! ”
となった。完全な思いつきである。

横井小楠といえば、幕末維新に活躍した偉大な思想家である。
その私塾 “四時軒(しじけん)” にはかって、かのt有名な坂本龍馬も訪れており、
勝海舟ほかにも多大な影響を与えた偉大な思想家である。

午前10時過ぎ、ママチャリで我が家を出発。
東区 沼山津にある横井小楠 記念館の位置は
あらかじめネットで調べてあり、
ひたすら、その方向へ自転車を走らせた。

走る事、1時間半くらいかかったろうか、
目的地に着いて、
 「ガビーン!!」
「休館」って書いてある。”


【 せっかく来たというのに、、、「改装工事中」とか書いてあった 】

まさか、土曜日が休館日という事はないだろう、くらい思って来たのだが、、、
嘆いてもどうしよもない。
天気もまあまあいいし、ゆっくりとサイクリングしながら帰ろうっと!
とばかり、附近を散策しながら帰ることにした。


【 秋津川 】

横井小楠 記念館のそばを流れる、秋津川に沿って、
自転車を走らせた。
♪春の小川♪を連想させられる、牧歌的な風景が続く。
のんびりとしたいいところである。
秋津校区と呼ばれるエリアだろうか。

川のすぐ近くに湧水所があり、綺麗な水がどんどん湧き出ていた。
その水を、大きなペットボトルや、水タンクに汲むたくさんの人々。

その後この川沿いに走り、動物園のある江津湖の方へ。


【 上江津湖に注ぐ川で、、、】

好天にめぐまれ、革靴の中の足は蒸れている。
しばし自転車を止め、市民病院の前を流れる綺麗な川のほとりで、
足湯ならぬ足水を楽しむ。
水温15度くらいだろうか、火照った足に気持ちのいい冷たさだ。

足水を楽しみながら視線を左に向けると、
下写真にある上江津湖が。


【 上江津湖 この写真の左手に、国道57号線(東バイパス)が走っている 】

熊本は、水のある風景がいたりところで見られる。
いいところだ。

自転車に通算3時間ほど乗っていたろうか、
沼山津への旅が終わった。

帰ってから、
ウィキペディアで、横井小楠 先生の事は勉強する事になった。
その聡明性、先見性、堅実性、類稀なるこの方が
61歳の若さで暗殺されなかったら
明治維新後の日本の行方は変わっていただろうとまで
言われるほどすごい人である。
この熊本藩の人である。


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