人生という長い旅(2019.1.24)
私は高校時代、勉強そっちのけで フォークソングに夢中になり、
「長崎フォーク連盟」というグループに入り、それなりに下手な活動をしていた。
その頃、全国にはいろんなフォークシンガーがいて、
URC(アングラ・レコード・クラブ)なるところなどから、
オリジナルのレコードをドンドンと出していたように思う。
当時、私のフォーク仲間の一人が、
「友部正人のレコードを聴いたけど、彼はなかなかの詩人だね、、、」と、
私に言った事をよく覚えている。
友部正人の曲の仲に、私の好きな曲でもある♪一本道♪という曲があり、
その歌詞に、以下のくだりがある。
♪・・・・・・ひとつ足を踏み出すごとに
影は後ろに 伸びていきます
悲しい毒は はるかな海を染め
今日も一日が 終ろうとしています
しんせい一箱分の一日を
指でひねって ごみ箱の中
僕は今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
電車を待っているところ
何もなかった事にしましょうと
今日も日が暮れました
あヽ中央線よ空を飛んで
あの娘の胸に突き刺され ・・・・・・・・・・・♪
ある日の夕方、
私は、熊本市内の中心部からバスに乗り、帰宅していた。
つり革につかまりながら、ぼんやりと窓の外の景色を眺めていた。
さほど高層ビルなどない この中小都市の、
ビルの一角に夕陽が落ちようとしていた。
【 バスの中から、スマホで夕陽を撮った 】
冬晴れの夕方の空、夕陽が沈もうとしている。
その夕陽を眺めながら、友部正人の歌の一節を思い出したのだ。
♪・・・何もなかった事にしましょうと
今日も日が暮れました、、、♪
そして、
♪・・・今日も一日が終ろうとしています、、、♪
ほんと、何も無かったよなぁ、今日一日、、、、、
今日一日、俺、一体何をしたろう、、、
この先、仮にあと10年生きるとしても、
日数にするとたったの 3,650日しか残されていない訳で、
その 3,650分の1 が、空しく終わろうとしている。
ああ、終わろうとしている。
だから何だ、
だから、今後は、ああしよう、こうしようという訳でもない。
自分なりに生きていくだけだ。
ふと、もう一曲。
吉田拓郎の、♪シンシア♪という曲の一節も思い出した。
♪・・・・人ごみに かくれて肩をすぼめて
自分を見つめた時
過ぎ去った夢が くずれ落ちる
長い 旅が終わる・・・・・♪
あと、3,649日しかない、私の 人生という長い旅が終わる。
そんなに長くもないが、、、、、、
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