8,760日の旅(2009.8.2)


 7月から8月にかけてのこの頃、
道端でセミが転がっているのを目にする。
7年間も土中にいて、たった7日間の地上生活の寿命が尽きたのだ。

先日も、会社帰りの神社近くの道に、蝉が転がっていた。


【 こんなふうに、仰向けで倒れている蝉 】

拾い上げて手に取ると、まだ弱々しく手足を動かしている。
自動車に踏み潰されるか、人に踏み潰されるか、
かわいそうなので、近くの土と草が茂るところに置いてやった。

近年、日本人男性の平均寿命は79歳だと新聞記事で見たことがある。
仮に私の人生が、80年だとしよう。

1年、365日。
80年で、29,200日である。
幸い、蝉の 4,172倍も長生きさせてもらえる。

しかし私は、既に56年も無駄に生きてきた。
平均寿命を全うできるとして、あと24年。
8,760日を残すのみである。
いや待てよ、蝉と同じく あと7日間かもしれない・・・・

繊細で、ナイーブ、内気でガニ股な私は、その悪性格上、日々のストレスは大きいし、
暴飲暴食、運動不足その他の要因で、平均寿命を全うできない可能性が非常に高い。
あと何日生きられるか分らない。
これからの人生という旅を、1分1秒たりとも無駄にできない。

さて、今日は日曜日。
そろそろ愛犬ジャックと、散歩にでも行くとするか。

 「 お父さん! ジャックが待っとらすよ!! 」

と、山の神から催促される前に。


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