行き付けの店の、山頭福(2008.11.27)


 確か、「福」の字が名前につく人であった。
福森とか、福山とか、福島とか・・・・・

その日私は、職場の先輩の送別会があり、夕方から猛烈に飲んだ。
2次会は、カラオケフェスタというお店で、さらに飲んだ。
そしてその後、さらに一人で、行き付けの店へ行ったのだ。
私より少し送れて、その店に、福なんとかさんがやってきた。
もう、夜の10時を過ぎていた。


【 少し酔って来られた、福なんとかさん 】

紺色の作務衣を着た福なんとかさんは、見るからに芸術家風であった。
来客のみなさんで、ワイワイ飲みながら歓談していたら、書道の話しになった。

ここのママさんは、書道を習っているので、墨と筆は置いてある。
灰皿に墨汁を入れ、福なんとかさんが書を書きだした。
あいにく半紙が無かったのか、ペーパータオルに書き出した。
天ぷらなどに敷く、あの柔らかくデコボコした紙にである。


【 書を書き始めた、福なんとかさん 】

スラスラと筆を運ぶ。
以下、その作品例。

  

はじめてお会いしたが、この方は、超有名な書道家なのではないのか!
『先生は山頭火のような雰囲気がありますね』と、私が声をかけると、
”山頭福”と書いて 「ガハハハハ」と笑ってそれを私にくれた。


【 山頭火ならぬ、山頭福 】

よくよく聞いてみると、
この山頭福さん、本職は書道家ではなく、油絵のほうらしい。

いやはや、この店には、いろんな旅人が来るものだ。

書の日展作家も来るし、
ママさんの同級生で、ジェット機のパイロットも来るし、
コ○コー○ボトラーズ南九州の社長さんも来るし、
お相撲さんも来るし、
ビジネスホテルの社長も来るし、
「典子は、今」の典子さんも来るし、
写真家の人も来るし、
武田双雲のお母さんも来るし、
実に、多士済々という言葉がぴったりのお店である。

山頭福さんが写っている写真の壁に貼ってある書なのだが、
「恕」は、ママさんの作品である。
その右の「合体」というのは「釣りバカ日誌」ではないが、
以前、酔っ払って書いた私の作品である。

その「合体」、小学生でも、もっとマシな字を書く。
恥ずかしいから、外せ、外せと私は言うのだが、
「いいじゃあないですか、うまいんだから」と言って外さない。
ママさんは、きっと私に気があるのだ。


【 山頭福さんが書いてくれた「気」 】


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